出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)で9位に終わってから約1カ月、学生三大駅伝の第二戦である全日本大学駅伝対校選手権(全日本)が開催された。「(混戦の中で)自分たちの最大の武器を出そう」(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)と目標に掲げ臨んだ今大会。1区の太田智樹(スポ2=静岡・浜松日体)が先頭と4秒差の区間3位と絶好のスタートを切ったものの徐々に順位を下げてしまう。上昇の機運を見いだせないまま、シード権を逃す結果に終わった。
チームの流れを大きく左右する重要な1区を任されたのは、出雲でもスターターを務めた太田。スタートからペースの上げ下げの激しい展開となる。5キロ過ぎに留学生のM・ムイル(全日本大学選抜)がスパートをかけると「積極的に行ってレースを進めよう」と思った太田はただ一人だけ付く。その後集団に吸収されたが、振り落とされずに様子を伺う。最後のスパート合戦には敗れたが、トップと4秒差の3位で2区の安井雄一駅伝主将(スポ4=千葉・市船橋)につないだ。出雲では6区で好走した安井であったが「思い切った走りができなかった」(安井)と、先頭集団からじりじりと離され順位をひとつ落としてしまう。安井からタスキを受け取った新迫志希(スポ2=広島・世羅)もペースが上がらず東海大、青学大に捉えられ、粘ることができない。後半につながるポイント区間の4区は藤原滋記(スポ4=兵庫・西脇工)が出走。「練習をきちんと消化できていた」と話す藤原だったが、他大のエース級の選手と渡り合えず、後続の中学大とわずか2秒の差で前半を終えた。
1走の太田は好走。チームに流れを引き寄せた
後半区間はフレッシュな1年生と上級生が務めた。宍倉健浩(スポ1=東京・早実)は調整が間に合わず、スピードが上がらない。区間20位で2つ順位を落としてしまう。続く6区はエースの永山博基(スポ3=鹿児島実)。「(前後を走る1年生を)しっかり自分がカバーすることが役割だと思った」と話す永山は落ち着いた表情でレースを進め、失速した宍倉の分を挽回するような快走を見せる。5.3キロで法大を捉えると中学大との差を30秒縮め、役目を果たした。シード権まで1分を切り反撃を試みたかったが、7区の吉田匠(スポ1=京都・洛南)は後半にペースダウン。1分28秒差でアンカー石田康幸(商4=静岡・浜松日体)に望みを託した。「全日本は自分の主戦場」と話していた石田康は、単独走のなか前を見据え、着実に差を縮めていく。しかし、終盤走りに冷静さを欠き、6位に食い込むことはできず。早大は3大会ぶりにシードを落とすことになった。
永山は本調子でないながらも、区間3位で下級生をサポート
まさかの結果となった早大。1区の勢いに後続の選手が乗ることができなかった。2位入賞した昨年との大きな違いは、チームの核となる4年生が不調に終わり、安心して下級生が走れなかったことだろう。駅伝での上位進出には個人のタイムの向上だけでなく、上級生の頼もしい走りが不可欠だ。「4年生でミーティングしてお互い強く言い合っていきたい」(石田康)と危機感をあらわにしている。学生三大駅伝も残すは箱根(東京箱根間往復大学駅伝)、ただ一つ。箱根までの時間は長くない。早大の底力を見せつけることは出来るか。
(記事 岡部稜、写真 今山和々子、小林理沙子)
第49回全日本大学駅伝対校選手権 | |||||
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区間 | 距離 | 名前 | 記録 | 区間順位 | |
1区 | 14.6キロ | 太田智樹 | 43分28秒 | 3位 | |
2区 | 13.2キロ | 安井雄一 | 39分00秒 | 8位 | |
3区 | 9.5キロ | 新迫志希 | 28分01秒 | 9位 | |
4区 | 14.0キロ | 藤原滋記 | 41分23秒 | 13位 | |
5区 | 11.6キロ | 宍倉健浩 | 36分07秒 | 20位 | |
6区 | 12.3キロ | 永山博基 | 36分03秒 | 3位 | |
7区 | 11.9キロ | 吉田匠 | 35分55秒 | 15位 | |
8区 | 19.7キロ | 石田康幸 | 59分11秒 | 6位 | |
早大 5時間19分08秒 第7位 |
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コメント
相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)
――7位という結果は、監督から見ていかがでしょうか
戦前の予想通り、混戦になると思っていたので実際そうなって。その中で自分たちの最大の武器を出そうというのが今回の目標テーマで、4区までに調子の良いメンバーを並べました。去年のようにまでは言わなくても、先頭か先頭付近で流して、5、6、7は耐えて石田(康幸、商4=静岡・浜松日体)につなぐというのがプランでした。1区でうまく流れて行けるかなと思ったときに、太田(智樹、スポ2=静岡・浜松日体)のつくった流れをチーム全体でうまく生かせなくて。力不足もあると思いますが、相手が強かったというより自分たちで崩れてしまったということが何より悔しいですね。
――崩れたきっかけというのは
結果論になりますが、事前の準備の段階で万全じゃない子から崩れていったという感じがします。やはり事前の準備とかトレーニングというか、基礎から徹底して箱根(東京箱根間往復大学駅伝)に向けてはやらなくてはいけないと思います。
――崩れたメンバーというのは
1年生はもともとデビュー戦で緊張もしていましたし、チーム全体としては1年生を使わざるを得なくした上級生に責任があると思います。前半4区間でちょっとでもいい位置を取って、楽に走らせてあげられなかった。私も含めてチーム全体の責任だと思います。
――1区の太田選手への指示というのはどのように出されたのでしょうか
調子が良かったですし、後半勝負だと伝えました。特に留学生が2人いて、ギチア君(ジェフリ、第一工業大)には全カレ(日本学生対校選手権)のラスト勝負で負けていますので、ギチア君にはしっかり勝ってこいと言いました。あとは、「これはトラックの1万じゃなくて、ロードの15キロだから、お前だったら日本人トップをとれる。行けると思ったら思い切って行け」という話をしました。実際ムイル君(ムソニ、全日本学生選抜) は思ったより早くに動きましたけど、そこで積極的に行って、少し離れて集団に吸収された後も我慢して、あの位置で流してくれました。すごく良いチャレンジだったと思いますし、本人も良い経験、自信になったのではと思います。
――では、2区以降についてはいかがでしょうか
そうですね、安井(雄一駅伝主将、スポ4=千葉・市船橋)は本来であればアンカーで使わなければいけない選手だと思うのですが、合宿以降に「出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)、全日本(全日本大学対校選手権)はアンカーで使うけれども、もしもチームに良くないことがあったら前で使うこともある」と伝えていました。実際そうなってしまったことが、歯車を狂わせた要因の1つだと思います。あとはスピードが速かったので、離れてしまったのは残念ですね。ただその中でも2、3、4区と局面で競ったら負けてしまうだとか、数秒を大切にできなかったことが、ずるずると悪い要因になって、このような順位になってしまったのかなと思います。
――前半区間に調子の良い選手をそろえたということですが、やはり永山博基選手(スポ3=鹿児島実)は調整が間に合わなかったということでしょうか
出雲のあとから考えると立て直したと思うのですが、ギリギリまで彼の調子を見て区間を決めた経緯があります。6区のあの状態でよく走ってくれたという評価もありますし、本来彼が走る場所というのはあそこではなかったのかなと思います。本人も感じていると思いますが。
――光延誠選手(スポ4=佐賀・鳥栖工)はオーダーから外れました
夏から4年生4人が柱で、永山、太田、新迫(志希、スポ2=広島・世羅)が核だとは言っていました。少なくともその7人は今回走らなければいけなかったと思います。
――光延選手と安井選手を当日まで補員にしていたのは
単純にそういう状態で走れる人数は8人丁度だったので、きょうのエントリーの後にアクシデントがあったら動かさなきゃならないので。戦略的な区間配置というよりはリスク管理で2人外しました。安井であれば何区でも走れるのでそう意味で外しました。木曜の時点で安井と新迫を入れるのは決めていました。
――では、ここから箱根までは、どのように立て直していきますか
やはり今回やったことで自分たちの力が足りなかったことはそうですが、なによりも基本である、自分たちのベストパフォーマンスをぶつけるということができなかったことが一番問題だと思います。それを反省することと、箱根に関しては距離が長くなれば上級生を中心に得意なメンバーが増えてきますし、箱根前に集中練習をしてきくノウハウがありますから、それを信じて基本的なことを徹底してやるだけだと思います。
安井雄一駅伝主将(スポ4=千葉・市船橋)
――2区出走が決まったのはいつ頃でしょうか
2週間くらい前に決まりました。結構前から2区か4区かというのは言われていて。最終的に決まったのはきのうなのですが、だいたい2区かなと思っていました。
――どのような理由で決まりましたか
本当は8区に行きたいところだったのですが、練習状況などを見ても攻めの走りができるのは僕か太田(智樹、スポ2=静岡・浜松日体)くらいしかいないということで。1、2区に並べて先行逃げ切りという話をしていました。
――1区太田選手から4秒差の3位でタスキを受け取りました。そのときのお気持ちはいかがでしたか
練習を見ていても太田は区間賞をとれるくらいかなと信じていたので特に驚きなどはなかったです。やっぱり前で持ってきてくれた以上は僕もしっかり先頭に食らいついていって、最後突き放して1着で渡そうと思っていました。
――エース区間を任されましたが、どのような意気込みで臨まれましたか
やっぱりチームを引っ張ってきた身でもありますし、主将ということで区間賞を目指すというのを決めていました。でも今までずっとアンカーなどの後半区間をやってきて前半区間というのが初めてだったので、正直思い切った走りができなかったかなと思う部分もあります。
――集団から離れてしまったのはどの辺りでしょうか
最後の3~4キロくらいですかね。
――35秒差の4位でのタスキリレーとなりました。ここで流れが変わってしまった部分もあったと思うのですが、ご自身で振り返っていかがですか
太田が良い位置で持ってきてくれたのを、正直僕が流れを止めてしまったかなという思いがありますし、後ろの1年生や後続の選手にもう少し楽をさせてあげたかったなというのがあります。
――チームとしてはシード権を逃す結果となりました。総合的に足りなかった部分はどこでしょうか
やっぱり不安要素を残したままスタートラインに立ってしまったというのが負けた一番の要因かなと思っています。
――光延誠選手(スポ4=佐賀・鳥栖工)の不出場もその一つなのでしょうか
そうですね、はい。
――安井選手にとって今回の全日本(全日本大学駅伝対校選手権)はリベンジの思いが強かったと思いますが、大会を振り返るといかがでしたか
チームとして結果を出すことができなかったのでリベンジできたかと言われたらそうではなかったと思います。個人的には自分の今の力を出し切れましたし、色々思うところはあるのですが、次はもう箱根(東京箱根間往復大学駅伝)なのでしっかり切り替えていこうと思っています。
――箱根までにレースに出られる予定はありますか
いや、今のところはないです。
――では改めて箱根への意気込みをお願いします
この1年箱根総合優勝というのを掲げてやってきて、やっぱり出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)も全日本もワセダが持っている本当の力が出し切れていないというのが現状だと思っています。最後の箱根は自分の力をしっかり発揮し、かつ不安要素を0にして全員自信を持って足並みをそろえてスタートラインに立つことができれば、自ずと結果も付いてくると思うので、そこを意識してこれからやっていきたいと思います。
藤原滋記(スポ4=兵庫・西脇工)
――重要区間である4区での出走が決まったときはどのようなお気持ちでしたか
練習をきちんと消化できていたのが太田(智樹、スポ2=静岡・浜松日体)と安井(雄一、スポ4=千葉・市船橋)と僕だったので主要区間で出るというのはその時点で覚悟していて、今回はそういう覚悟で準備していました。
――その中で厳しいレースになりましたがレース内容を振り返っていかがですか
力不足だったというのが一つあって、あの状況でもらって前を追いかける力というのが僕になくて、自分の感覚で走って蓋を開けてみればあのような順位になってしまいました。
――区間13位という結果についてはどのように受け止めていますか
後半に1年生が二人いるという中で負担をかけてしまったのは僕に責任なので、この結果をまずはしっかりと真摯に受け止めて、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)に向けての反省としてしっかりと死にものぐるいで練習していきたいと思います。
――チームとしてはシード権獲得を逃しました
出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)からなんとか修正してきている段階で3位を狙って走った中でシードを落としてしまったというのは重く受け止めていかなければならないと思うのですが、後ろを振り返ってもしょうがないので箱根へ向けてしっかりと練習していかなければいけないと思います
――駅伝シーズンは厳しい結果が続いていますが、今のチームの課題はどのようなものだと考えていますか
層が薄いと周りから言われているんですけれども、実際その通りで練習をきちんと消化できているのも今回走ったメンバーくらいしかいないので、自分たちの代わりはいないという意識をしっかり持って、下からの突き上げももちろん大切ですが、走るべき選手がしっかりと走らないことには始まらないのでまずはそこからしっかりとやっていきたいなと思います。
――個人としてもここから立て直さなければいけないと思いますが、どのように取り組んでいこうと考えていますか
今回の反省点が自分の中でもたくさんあるので、まずはしっかりと受け止めて今後の練習に生かして、4年生という立場でもあるので練習からしっかりとチームを引っ張っていけるような存在になっていかなければいけないと思います。
石田康幸(商4=静岡・浜松日体)
――出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)でエントリー漏れしてからいかがでしたか
あの悔しさを忘れることはもうないと思うんですが、そこに執着することなく淡々と1カ月全日本(全日本大学駅伝対校選手権)で結果を残すためにやってきました。
――この期間の練習や調子などはいかがでしたか
正直、前半区間の1、2、4区を走りたかったんですが、練習のときでも(5000メートルを)14分10秒で簡単に走れる実力が無いと走れないと自分の中では思っていたんですが自分はそこまでできていなかったので、調子は普通くらいでこの1カ月を過ごしたのかなと思います。
――その中で最長の区間である8区での出走でしたがそちらに関しては
僕はどこの区間でも走れる自信がありました。アンカーということで順位が決まる区間をしっかりチームの順位を決める走りをしようと思ってました。
――具体的な目標やプランはありましたか
アンカーはどういう状況で回ってくるか分からなかったので自分のなかでどの順位で来てもいいように5パターン以上の予測をして準備してました。
――決まったのはいつ頃でしたか
僕は1週間以上前でしたね。
――タスキを吉田匠(スポ1=京都・洛南)選手から受け取るときに叫ばれていましたが、そちらはどういう思いでしたか
1秒でも自分のところにタスキを早く渡して貰わないと前との差がどんどん開いていきますし、大きな差だったので1秒でも大事にして欲しかったです。最後は力を振り絞ってもらうようにゲキを飛ばしました。
――区間記録は59分11秒でしたが、こちらに関しては
風が追っていたとは思いますが、1万メートルもベストで通過しましたし、15キロも大幅にベストで通過できたので、タイム的には日本人2位の58分台出せると思ったんですが、最後の3、4キロのところで前も強い選手でしたし詰まらなくて。自分の走りに冷静さを欠いたというか、そこをしっかりと走っていれば58分台出ると思ったのでタイムも悔しさが残ります。
――終始単独走でしたがそちらは
20キロの距離を単独走というのは無かったので不安はありましたが、走りだすと前に米粒くらいの大きさで中学大の選手が見えたのでそこを逃すまいと追いついてやろうという気持ちで走っていました。長かったんですが、そこまでキツいわけではなかったです。
――前半、前との差を詰めましたが、後半は少し離されてしまいました
15キロまでは突っ込んで入ったのでその分40秒詰めましたが、そこからは前が抑えていたのか分かりませんが5キロ登りが入ったところで10秒くらい離されてしまったのかなと思います。
――今回、相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)がカギとなるのは4年生だという発言をされていましたが、タスキが回ってくるまでの同期の走りを見ていていかがでしたか
正直、自分もいい走りができたわけではないですが、同期の2人には2区と4区という重要なところだったので、4年生の意地というのを見せて欲しかったです。このあと4年生でミーティングしてお互い強く言い合っていきたいと思います。
――光延選手はいかがですか
コンディションが良くなくて出れなかったということでしたが、4年生である4人がコンディションを合わせなければいけないのに光延はできていなかったのでそこも4年生として情けないと思います。
永山博基(スポ3=鹿児島実)
――今回6区でしたが調子はいかがでしたか
出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)が終わってからなかなか練習もできずに6区を任されて。任されたんですけど本来走らなければならない区間にいくことができなくてチームにすごく申し訳ない気持ちです。
――出雲からどのように調整されたのですか
出雲以降も練習を積めなくて。チームとは別に一人だけ別でやって来たんですけど、消化具合も良くなくてそれで6区でした。
――5、7区に1年生ということで、相楽監督(平15人卒=福島・安積)から1年生のフォローをするように言われたとお聞きしたのですが、いかがでしたか
前後に初出場の1年生ということで、しっかり走らなければいけないなと思っていました。5区の宍倉(健浩、スポ1=東京・早実)と宿舎が同じでずっと一緒に過ごしたんですけど、すごい緊張していましたし、しっかり自分がカバーすることが役割なのかなと考えていました。
――上級生として目標はどのようなものですか
前後に1年生がいて6区ということだったんですけど、本来だったら2、4区とかの区間で戦わなければいけませんでした。そういう面ではチームに迷惑をかけてしまったというのもあって、結果的にも7位ということで責任を感じているところです。
――前を追うしかないという展開だったんですけど振り返っていかがですか
8位でタスキを貰って6位まで上げたかったんですけど、ひたすら前を追うというのはしんどかったです。
――前との差を35秒詰め、区間3位でしたがいかがですか
そこに対しては特に評価できるものではないと思っています。
――今日の走りは何点ですか
30、40点です。結局6区でこれだけの走りしかできなくて、本来ならばもっと走らなければいけないのに全くの状態だったと思うのでこのくらいの点数です。
――今後はどのように練習されていきますか
まだはっきりしていないんですけど、そこまで余裕もないので箱根(東京箱根間往復大学駅伝)1本にきっちり合わせたいと思います。
太田智樹(スポ2=静岡・浜松日体)
――本日の調子は良かったのでしょうか
出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)に比べて疲労もなく万全な状態で来れて、練習もしっかり積めていたのである程度勝負はできるかなと思っていました。
――積極的なレースを展開されていましたが、それは相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)からの指示だったのでしょうか
特にどこで行けというのはなかったのですが、レース展開を見て自分で行けそうだったら行けと言われていました。あの段階で少し余裕があり、先頭に追いつけそうな距離でかつ意外と後ろもついてこなかったので(前に出ました)。本当はそのまま行きたかったのですが、後ろにつかせてくれなかったりとか少しきつかった部分があったのでちょっと下がって休んだという感じです。
――出雲の際に先頭についていけないことは課題に挙げられていました。今回は改善されていましたが、どのように調整されたのでしょうか
出雲が終わってから少し治療とかも行って体を休めていました。ですが休みすぎず、逆に多めに走って今回の15キロという距離にしっかり対応できるように体づくりをしてきたので、ある程度状態としても良かったのかなと思います。
――全日本大学選抜のM・ムイル選手が飛び出たときに太田選手はついて行きましたが、そのときはどのようなことを考えていらっしゃいましたか
1区が流れを左右するというのは出雲でも自分として体感で分かったので、ここで失敗するわけにもいかないし、後ろをちょこちょこ走って離れるくらいだったら積極的に行ってレースを進めようという思いで行きました。
――終盤のスパート合戦ではかなり激しそうでしたが、競り負けたのはやはり悔しいですか
そうですね。チームとして流れをつくるという面では良かったと思っているのですが、最後のラストスパートの部分で勝ち切れなかったり、区間賞まであと4秒という惜しい結果だったりとまだまだ改善の余地もあります。箱根(東京箱根間大学往復駅伝)ではもっと1秒を大切にしたいと思っているので、それに向けてしっかり改善していかないとと思っています。
――今後の目標をお願いします
箱根もしっかり積極的なレースをして、今度こそチームに流れをつくったと言われるような走りをできるように頑張りたいと思います。
新迫志希(スポ2=広島・世羅)
――区間変更での出走でしたが、調子はいかがでしたか
3区を走る予定だったので、調子も良くなってきて出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)よりは走れる自信はありました。
――4位でタスキを受け取った時の心持ちはいかがでしたか
良い位置で来たので抜かそうと思ったんですけど、それができない結果で課題かと思います。
――実際のレース展開はいかがでしたか
最後粘り切れなかったので、本当に悔いの残るレースだなと思います。まだ主要区間を走る人材ではなかったし、他に走る人がいなかったので、自分がきょう走らなければいけないと思いが募ってしまったのかと思っています。
――自身の走りで差を広げてしまったことに対してはいかがですか
後半の1年生達に重荷を感じさせてしまったので、そこは先輩として…残念ですね。
――今後の大会予定を教えてください
これから監督(相楽豊)と話し合うのでまだ未定です。目標もこれから考えます。
吉田匠(スポ1=京都・洛南)
――大学駅伝デビューとなりましたが
スタート前はそんなに緊張せずにいつも通りの準備はできたとは思うんですけど、走りとしてはあんまり良くない走りになってしまったので、やっぱりどこかでいつもと違うことがあってしまったかなと後から反省しています。
――10キロ以上の距離への対応は
高校のときからあんまり走る距離ではなかったとはいえ、駅伝とかでは走ったことはあったので、そこまで抵抗はなく走れると思ってたんですけど…。気持ち的にはそんなに不安とかはなかったです。
――区間エントリーとはならなかった出雲から今回へ向けて、どのように立て直しましたか
出雲も調子が悪かったわけではないので、今回は枠が2つ増えたっていうのと、あと出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)の時よりもしっかり練習が積めたので、切り替えたっていうよりは、しっかり練習を積んでここまで来れたかなという気はしてます。
――結果として前との差を1分28秒に広げてしまうかたちとなりましたが、レースを振り返っていかがですか
前に中学大さんが見えてて、ちょっとでも詰めて渡すっていうレースをしようって決めて走り出したんですけど、スタートしてから思ったように身体が動かなくて…。落ち着いて入ることはできたんですけど、そこからオーバーペースにならずに入ったわりには上がり切らなかったので、まだまだ力不足と調整不足があったのかなっていうのは思っています。
――今回のレースを踏まえて、箱根へ向けてどのようにしていきたいですか
今回10キロちょっとの距離で思うような走りができなかったっていうのは、箱根になったらもっと長い距離になって、もっと速いペースで走らなきゃいけないってことになってくると思うので、力をつけるっていうのと、3分を切ったペースでずっと走り続けるっていうことへの対応をあと2カ月くらいでしていきたいと思います。
宍倉健浩(スポ1=東京・早実)
――レースを振り返って
一言で言うとひどいレースをしてしまったというのがあります。やっぱり4年生にすごい申し訳ないですし、今回シード権を落としたのも自分の走りが良くなかったからなのかなと思います。
――初の大学駅伝でしたが緊張などはありましたか
元々出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)の前にケガをしてそこから無理やり合わせたという部分がありました。本来は使われる予定はなかったのですが光延さん(誠、スポ4=佐賀・鳥栖工)がケガをしてそれで使われたこともあり、無理やり合わせたので不安要素を残したままでした。それでやはり自信を持ってスタートに立つことができませんでした。
――ケガの影響があってスピードが出せないという面はありましたか
そうですね。ケガをして3週間弱で合わせましたが、やっぱりそこで調整も後手後手になってしまいました。ケガの影響もあって自分の中で思ったような走りができませんでした。
――タスキをもらってすぐ後ろに追いつかれました
走り始めた時から自分の走りができてないというか足も重かったですしペースも上がりませんでした。とりあえず中学大について粘ろうと思っていましたが後半は足が動きませんでした。
――総合順位の7位という結果についてはいかがですか
シード権を落としたことは自分の責任でもあり箱根(東京箱根間往復大学駅伝)は自分が借りを返さなきゃいけないなと思うので、絶対にこの悔しさを忘れずにこれから練習していきたいと思います。
――区間順位については
自分の実力ですら出せないというレベルでしたので、今までやってきたことを見直さなければいけないなと思います。
――今後の目標を聞かせてください
箱根はチームの目標の優勝に貢献する走りをしなければいけないと思いますし、来年も自分がチームの主力となって戦わなければいけないなというのがあるので、それに向けて一から立て直していきたいなと思います。