重要区間でまさかのブレーキ。9大会ぶりに入賞を逃す

駅伝

 出雲の地からエンジのタスキを胸に今シーズン最初の一歩を踏み出した。学生三大駅伝の初戦であり『スピード駅伝』と称される出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)。晩秋とは思えぬ暑さで2校もの途中棄権が出るなど過酷なレースとなった。夏合宿を終え現在の力を試したいと意気込む早大であったが、1区から上位争いに絡めず。2008年の第20回大会以来、9大会ぶりに入賞を逃す結果となってしまった。

 近年の早大にとって『鬼門』となっている1区に抜擢されたのは今シーズン好走を続けている太田智樹(スポ2=静岡・浜松日体)。「(先頭から)10秒前後でつなぎたいと思っていた」(太田)と先頭集団でレースを進めるも、5キロすぎで集団が縦長になるとついていけない。首位の東海大と38秒差の7位で2区の光延誠(スポ4=佐賀・鳥栖工)にタスキを渡した。序盤の出遅れが命取りとなる出雲、一つでも順位を上げたい光延は2キロ地点で優勝候補の青学大や日体大と5位集団を形成する。区間7位と粘ったもののトップ東海大との差は56秒と広げられ6位で中継所へ飛び込んだ。

永山は久々の実戦。苦しい走りとなった

 中継所ではお互い手を挙げ、充実した表情を見せて光延とタスキをつないだ永山博基(スポ3=鹿児島実)であったが、調整不足からかスピードが上がらない。苦しい表情を見せ順位を3つ落とし、最後は駒大と競り合いながら9位で4区に継走となった。4区は今季故障が続いていたものの、最近の練習には自信があった新迫志希(スポ2=広島・世羅)。しかし単独走の展開の中苦手とする向かい風を受け、3キロ手前で後続の駒大にかわされる。その後法大にアクシデントがあり、順位こそ9位のままでタスキをつなぐも厳しい走りとなった。悪い流れが続く早大であったが、5区の藤原滋記(スポ4=兵庫・西脇工)が4年生としての意地を見せる。「まだ試合は終わってない」(藤原)と、前を行く駒大との差を約10秒縮める。アンカーは藤原と4年生同士のタスキリレーを果たした安井雄一駅伝主将(スポ4=千葉・市船橋)。前を走る選手が見えない状況となりながらも、「自分のペースを刻んで、最低限の走りができた」(安井)と前との差を縮めていく。最長10.2キロを主将としての決意が感じられる区間4位の走りで、出雲路を締めくくった。

同期との初めてのタスキリレーで笑顔を見せる安井

 それぞれの選手が「全日本(全日本大学駅伝対校選手権)、箱根につながる出雲にしたい」と挑んだ今大会。出雲は永山や新迫らの不調に苦しむ結果となったが、合宿など練習の疲労が残っていたのも事実。1カ月後の全日本には、どの選手もコンディションを合わせてくるはずだ。全8区間となる全日本では、昨年のようにルーキーを含め今大会出場できなかった選手たちの力が不可欠である。駅伝主将の安井は「前回は悔しい負け方をしているので、もちろん目標は優勝です」と語る。選手たちの目は昨年、伊勢路で取り逃がした賜杯へと向いている。

(記事 斉藤俊幸、写真 今山和々子、中村朋子)

★『もうひとつの出雲』で石田康が激走!意地の自己記録更新

最後に競り負けるも、好調さをうかがわせる走りをした石田康

 出雲終了後、会場を浜山公園陸上競技場に移して、出場校の補員選手による出雲市陸協記録会が行われた。早大からは石田康幸(商4=静岡・浜松日体)が出場となった。出雲でチームが9位に終わったなか、「結果を出そうということだけを意識した」と言う石田康は、スタートから集団の中盤につけてレースを進める。最低限の目標記録である14分1桁を狙えるキロ2分50秒を切るペースで集団は展開。3000メートル手前で先頭がペースアップし、集団が縦長になるも、「徐々に拾っていくというかたちで」と積極的に前を追う。3600メートル付近からは川端千都(東海大)とふたりで抜きつ抜かれつの白熱した3番手争いとなる。残り100メートルで川端にわずかに前を譲ると、ゴール直前で猛追してきた國行麗生(東海大)にもかわされる。5番目のゴールとなったが、自己記録を6秒近く更新した。

 自分の調子が上がっていることを感じていたからこそ、「自分が選ばれなくて、かなり落ち込んだ」と出雲に出場できなかった悔しさをあらわにした石田康。しかしラストを課題に挙げるなど、きょうの好走に満足せず冷静に自らの走りを分析している。「全日本(全日本大学駅伝対校選手権)は自分の主戦場だと思っている」。早大に追い風を吹かせる走りが待ち遠しい。

(記事 岡部稜、写真 小林理沙子)

第29回出雲全日本大学選抜駅伝
区間 距離 名前 記録 区間順位
1区 8.0キロ 太田智樹 23分54秒 7位
2区 5.8キロ 光延誠 16分25秒 7位
3区 8.5キロ 永山博基 25分56秒 11位
4区 6.2キロ 新迫志希 19分41秒 10位
5区 6.4キロ 藤原滋記 19分45秒 5位
6区 10.2キロ 安井雄一 30分43秒 4位
早大 2時間16分24秒 第9位

▽男子5000メートル
2組
石田康幸 14分10秒30(5着)

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コメント

安井雄一駅伝主将(スポ4=千葉・市船橋)

――今大会の目標は

個人としては区間賞、チームとしては優勝を目標に臨みました。

――レースプランは何かありましたか

レース展開はともかく、自分の走りをしようと思って。最初しっかり突っ込んで、後半粘っていくというレースプランで臨みました。

――チーム状況はいかがでしたか

みんなしっかり練習もできてきましたし、調子が悪い人もそこまでいなかったので、自信を持ってスタートに立とうという話をしながら良い雰囲気では臨めていました。

――ご自身の走りは振り返っていかがでしたか

正直前を行く駒大がまったく見えなくて、ほぼずっと1人で走るという状況だったのですがその中でもしっかり自分のペースを刻んで、区間4位ということで最低限の走りはできたのかなと思います。でもやっぱり9位ですし、あともう少しで7、8位のチームが見えていたので主将としてしっかり抜いてゴールしたかったというのが正直な思いです。

――区間4位、またご自身のタイムは悔しさが残りますか

そうですね。自分の力は発揮できたのですが、チームとしてもあともう1つ、2つ前に行きたかったです。

――藤原滋記選手(スポ4=兵庫・西脇工)との4年生タスキリレーとなりましたがいかがでしたか

僕らの学年で今までタスキリレーをしたことがなかったので、今回初めてのタスキリレーで嬉しかったですね。

――9位という順位については、主将としてどのように思われていますか

正直、想定していた順位よりは悪かったです。ただやっぱりいつも言うように、その区間の中でしっかりそれぞれのベストパフォーマンスができなかったというのが今回の敗因だと思います。僕らには『箱根(東京箱根間往復大学駅伝)総合優勝』という最大目標があるので、それに向けてしっかり何がいけなかったのかという原因を分析して、まずは次の全日本(全日本大学駅伝対校選手権)でしっかり上位で戦えるようにしたいと思います。

――最初で最後の出雲路はいかがでしたか

本当に最初で最後だったので、楽しもうと思って。気楽にじゃないですけど、本当に楽しみながら走ることができました。

――夏の間に成長したところはどこでしょうか

主将として臨んだので、しっかり責任感を持って1つ1つの練習に取り組みました。そういった意味では、今回のレースでもしっかり自分のペースを刻めたというのは成長の1つなのかなと思います。どんな状況に置かれていてもしっかり自分の走りをするということができたので、この夏やってきたことが無駄じゃなかったのかなと思います。

――チームとして、夏はいかがでしたか

正直まだ合宿の疲れが残っていて、僕らは出雲に合わせて練習をしてきているのではないので。出雲はどうしても合宿の疲労が残ってしまって上手く走れないというのがあります。今回も前半の太田(智樹、スポ2=静岡・浜松日体)、光延(誠、スポ4=佐賀・鳥栖工)に関しては相当合宿で走り込んでいたので、その影響が少しあったのかなと思うのですが、このあとまたしっかり調整していけば、全日本で戦えるのではないかなと思います。

――では残りの全日本、箱根への意気込みをお願いします

全日本は僕個人としても、チームとしても前回ああいったかたちで負けてしまって悔しい思いをしているので、もちろん目標は優勝ですし、その優勝に向けた走りを最大目標である『箱根総合優勝』につなげてステップアップしていければいいかなと思います。

光延誠(スポ4=佐賀・鳥栖工)

――2区での出走が決まった時の心境を教えてください

全カレ(日本学生対校選手権)前から1区に行きたいという気持ちはありましたし、全カレや3次合宿が終わった頃は状態が良くて自信を持ってやっていました。所沢に帰ってきてからは思うように練習が詰めなくて不安もあったんですけど、1区にいくことしか考えていませんでした。1区を走れなかったことは悔しいですが、前半区間で初めて走れたことはプラスなので、そこはしっかり次につなげて行きたいと思います。

――1区の太田智樹選手(スポ2=静岡・浜松日体)とはトップと38秒差の7位でのタスキリレーとなりましたが、どのような走りをしようと思ってタスキを受け取られましたか

智樹が集団で来るのはテレビで観て分かっていました。自分はその集団の中でいかに先頭の方でタスキを渡すかをレース前に考えていたんですけど、青学大の田村君(和希)に付いていった時に少しハイペースだなと感じて、そこでビビってしまった自分がいました。その時点で自分に負けていましたし、他大の選手にも負けていたと思います。自分に自信を持つためにはしっかり練習を重ねていかないといけないので、全日本まで少しではありますが時間はあるので、その間に自分に自信を持てるような練習をしていけたらいいと思います。

――第1中継所でほぼ同時にスタートを切った青学大の田村和希選手が2キロ過ぎに前に出て5位集団がばらけた後はどのようなことを考えて走っていましたか

青学大の田村君のペースが早かったので、そこで田村君に付いていくよりは自分のペースで行った方がいいと思って走ったんですけど、思った以上に自分のペースを上げられず、後ろとも差が縮まってしまったので、永山(博基、スポ3=鹿児島実)にもそれ以降の選手にも負担の掛かるレースをしてしまったと感じています。全日本(全日本大学駅伝対校選手権)ではラスト1キロ、ラスト400メートルからもう一段階スパートをして、少しでも差を埋められるような選手になって戻ってきたいと思います。

――3区の永山選手にはどのような思いでタスキをつなぎましたか

永山は入部後に僕が永山の面倒を見る指導担当になって、1番多く接している後輩なので、負担を掛けるようなレースはしたくなかったんですけど、単独走で渡してしまったことは僕の責任ですし、それ以降の選手の流れを変えることもできませんでした。去年はこの出雲が終わってから4年生が危機感を持って取り組んで、それが全日本と箱根(東京箱根間往復大学駅伝)で成果として出ました。僕たちもやればできるんだという気持ちを持って取り組んで、後輩たちに勢いを与えられるような姿勢を示したり練習をしていければチームとして変われるチャンスはまだあるので、そういったところを自分も含めた4年生を中心にやっていきたいと思います。

――ご自身の区間7位という結果についてはどのように捉えていらっしゃいますか

最低でも区間5位、悪くても区間3位という目標を持ってやっていたんですけど、最初に突っ込んで固まってしまって粘れなかったので本当に悔しい結果です。これをプラスに変えて、この悔しさをしっかり全日本でぶつけられるようにこれからやっていきたいと思います。

――チームの9位という結果についてはいかがですか

チームとしてこの出雲が(駅伝シーズンの)初戦で、とても重要な試合になることはみんな分かっていました。目標順位は設定していませんでしたけど、最低でも3位以内に入りたかったのが僕の本心で、チームのみんなもそういった気持ちだったと思うので、本当に悔しい結果です。4年生の僕としては次の全日本もことしで最後ですし、優勝は目指しているんですけど、最低でもシード権は獲得しなければと思っています。そうしないと来年入ってくる後輩や3年生以下に負担が掛かってしまうので、優勝は目指していますけど、まずは最低でもシード権を獲りたいと思っています。

――最後に、今後の目標や意気込みをお願いします

僕を含めた4年生はラストイヤーで、その中でも僕自身は1年から3年までで全く駅伝で結果を残せていなかったので、何としてでも結果を残したいという思いで今回の出雲に臨んだんですけど、またしても悔しい区間順位で終わってしまいました。1つ1つのレースも大事なんですけど、あとエンジを着て走る駅伝は二つ(全日本、箱根)しかないので、その二つだけは絶対に外せないという気持ちを持ってやっていきたいですし、この出雲を通して自分自身も危機感を持ちましたし、チームも危機感を持ったと思うので、この危機感をいい方向に持って行けるように4年生を中心に、下級生に声を掛けながら練習をやっていきたいと思います。

藤原滋記(スポ4=兵庫・西脇工)

――チームとして9位という結果でしたが、率直にどのように感じていますか

悪い流れを断ち切れなかったというのが一つの原因で、やはり駅伝というのは1回遅れてしまうと今回のような結果にってしまうので、駅伝の怖さというのを強く感じました。

――タスキを受け取った時点ですでに9位でしたが、どのような気持ちでタスキを受け取りましたか

安井(雄一駅伝主将、スポ4=千葉・市船橋)の負担をちょっとでも減らせるようにというのと、まだ試合は終わっていないのでここから4年生の意地というかそういったものを見せる走りをしようと思ってタスキを受け取りました。

――常に単独で走る状況でしたが難しい部分はありましたか

そうですね。前も後ろも見えず自分がどういう状況か分からないというのは難しいところだったのですが、自分の感覚を信じて走りました。

――ご自身の走りを振り返っていかがですか

監督(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)からも主要区間を走るつもりで行けと言われていたので、あのメンバーの中でも区間賞を狙っていました。なので区間5位というのは悪くはないけどよくもないという結果になってしまったかなと思います。

――駅伝シーズン初戦の今大会は厳しい結果となってしまいましたが、この後の全日本(全日本大学駅伝対校選手権)、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)に向けてチームとしてどういった修正が必要だと考えていますか

合宿が終わって2週間足らずで試合ということでうまく調整が合わなかった選手が多いと思うので、今後は全日本、箱根と調子は上がっていくはずなので、そこにピークを合わせられるように調整するだけだと思います。

――4年生として臨む最後の駅伝シーズンに向けて意気込みをお願いします。

ことしの4年生は全員でチームを引っ張ってきたので、しっかりとチームを背中で引っ張っていけるような結果を残したいと思います。

永山博基(スポ3=鹿児島実)

――初めての出雲となりましたがいかがでしたか

すごく頼りない走りをして、仕事を果たせませんでした。最低限の走りというかスピードも出なくて後半も全然だめで、前半から流れに乗れず、内容的にも良くなかったです。

――後ろから3人に抜かれましたが、どのようなことを考えていましたか

特に何も考えてはいなくて。ただ追いつかれて全く付けなかったのでだめだなと思いました。

――ラストは駒澤大学の工藤有生選手に競り勝ちましたがいかがでしたか

ラストは最低限というか。総合的にエースらしからぬ走りをしてしまいました。

――3区でブレーキとなった要因は何ですか

故障、練習不足もありますけど、これがいまの力だと思います。出雲は良かれ悪かれ次につなぐレースだったので、今回反省する点はたくさんあるんですが全日本(全日本大学駅伝対校選手権)、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)につなげたいと思います。

――前季は苦しいシーズンとなりましたが調子はいかがでしたか

今回は狙ったというよりは自分の力を確認するという意味で。とりあえずスタートラインに立てたことが収穫でした。これからの積み上げを大事にしていきたいと思います。

――先ほど渡辺康幸前監督と話されていましたが、どんな話をされましたか

「早大のエースはチームからの絶対的信頼を置かれないといけない」と聞いていて。そういう面ではまだまだチームに不安しか与えていないので全日本、箱根ではしっかり走りたいです。

――最後に全日本への意気込みをお願いします

チームとしてもやっぱり全日本、箱根は勝ちたいですし、個人としてもしっかり1カ月準備して立て直したいです。厳しい状態ですけど1つ1つ丁寧にやっていきたいと思います。

新迫志希(スポ2=広島・世羅)

――今回故障からの駅伝シーズンでしたが調子はいかがでしたか

調子は練習はできていたので満足いく結果ではないのですが、それなりの結果が出せるかなとは思っていました。

――タスキを受け取ったあとはどのようなレース展開になりましたか

駒大が後ろにいて前に3人ぐらい集団がいたのでそれを追いかける展開になりました。その後すぐ駒大につかれてしまい、後退してしまったので役目も仕事も果たせませんでした。

――どの地点で離されてしまったのですか

3キロ手前です。

――向かい風でしたが影響はありましたか

そうですね。いままで2回向かい風を経験して今回も向かい風でしたのでしょうがないと開きなおったのですが、やっぱりそれなりの影響がありました。他の大学も条件は変わらないのでまだまだ力不足かなと感じました。

――レース全体を振り返ってはいかがでしたか

やっぱり力不足というのもありますし、次につなげるためにはきょうを乗り越えなければいけませんでした。今回いい走りはできませんでしたが、次はしっかりと頑張りたいと思います。

――改めて今後の目標を聞かせてください

駅伝は散々な結果でしたので残り2つありますが両方とも区間賞を狙っていきたいと思います。

太田智樹(スポ2=静岡・浜松日体)

――去年出場できなかった出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)に、高校時代の経験を生かせる1区でのエントリーとなったことについてはどのように受け止められましたか

出雲が始まる前から1区に行きたいなと思っていました。それで監督にも選んでもらったのでしっかり走り、『鬼門』と言われながらもそれを打ち破って良い流れを作りたかったです。でもうまくいかなかったところがあったので悔しさというのもあるし、後ろの人に申し訳ないというのもあります。

――具体的に何秒差の何位でタスキを渡したかったというのはありますか

順位というよりは、やはり10秒前後で渡したかったんですけど結構離されてしまったのでやっぱり後半にまだ課題があったかなと思います。

――本日のコンディションはいかがでしたか

きのうから暑い予報というのは分かっていたんですけど、走ってみたら思ったより暑くて結構過酷なレースでした。こっちの方が自分に合っているかなと思ったんですけど、それでも他の大学の選手の方が一枚上手だったので、まだまだ力が足りなかったと思います。

――先頭集団についていけなかった原因はご自身では何だと考えられますか

2週間前に韓国でハーフマラソンを走らせてもらって、やはりそこからの調整が自分でうまくできなかったと思います。言い訳ではないのですが、そこでしっかり調整できればもう少し良いところまで行けたのかなと思います。

――本日までにどのような調整をされてきましたか

日本学生対校選手権(全カレ)が終わってから合宿、ハーフマラソンと連戦できつい練習が続いていました。その中で自分で疲労をうまくコントロールできなかったかなと思います。

――やはり疲労は残っていたのでしょうか

ハーフの直後よりは良くなったんですけど後半少し感じてしまったので、もう少し(疲労を)抜けたのかなと思います。

――先頭の東海大と38秒差ということについてはどのように受け止められていますか

ラスト3キロで結構離されてしまったんですけど、それでも最低限前の青学大とか東洋大がそこそこ見える位置でタスキを渡せたので本当に最低限だったかなと思います。

――全日本大学駅伝対校選手権(全日本)に向けて意気込みをお願いします

去年も出雲で失敗してしまって全日本はそこそこ良かったので、ことしもそのような感じになれば良いんですけど、そううまくもいかないものなので。しっかり今回の失敗をチーム全員で共有して、あと1カの全日本に向けて次は全員で笑って終われるような良い結果にしたいなと思います。

石田康幸(商4=静岡・浜松日体)

――レースプランはどのようなものでしたか

 コンディションとかは付き添いをしてからだったので13分台が狙えたわけではなかったのですが、最低限ベスト、(14分台の)1桁を狙っていこうと思っていて。特にプランとかはなかったんですけど、とにかく駅伝の結果が悪かったので自分は結果を出そうということだけを意識してやりました。

――以前の取材でスピードには自信がないとおっしゃっていましたが、5000メートルでベストを出したということはどのようにとらえていますか

 夏に長い距離を踏みつつもスピードの方も取り組んできたので、出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)も万全な状態だったんですけど、外されてしまって。すごい悔しくて。この5000メートルで(1000メートルのラップを)最低限2分50秒で押し切るということができたのでこれを1万メートルにつなげるのが自分の特徴なのでそこをしっかりやっていきたいと思います。

――レース内容についてですが、3000メートル辺りで先頭のペースが上がったときに1度離されてしまいましたが、そこからまた先頭集団に追いついていましたが、そちらに関してはいかがですか

 急激なペースアップというのは自分がやると固まってしまうので落ちてきた選手を徐々に拾っていくというかたちで。思った以上に早く先頭が出てしまったんですけど、大きく離されることなく自分のペースでいけたので良かったと思います。

――出雲の話になりますが、いつ頃から走らないことは決まっていたのでしょうか

 2日前に区間が発表されたときに、自分が選ばれなくてかなり落ち込んで。なんでという気持ちがあったんですけど、4年生なのでそこは雰囲気を作って、割り切って自分のやるべきことに集中していました。

――自分の調子は良かったということでしょうか

 そうですね。チームの中でも自分の調子が上位にいるということが分かっていたのでそういうのは悔しいんですけど、監督の戦略が一番なので。

――夏合宿も順調だったのでしょうか

 完璧にこなせたと思います。

――現在の課題はありますか

 課題はやっぱりラストで。3着でゴールしたかったところを、最後に競り負けたので。全日本大学駅伝対校選手権(全日本)では最後競ったときに勝てるような選手になって(全日本に)戻りたいと思います。

――ではその全日本に向けて意気込みをお願いします

 今回は外れたんですけど、全日本は自分の主戦場だと思っているので、主要区間で区間3位以内で繋いで、チームを優勝に導きたいと思います。