全日本大学駅伝対校選手権でワセダでの駅伝デビューを果たしたルーキー永山博基(スポ1=鹿児島実)。東京箱根間往復大学駅伝(箱根)では持ち前のスピードを生かし、4区区間4位の好走でチームに貢献するなどその勢いは止まらない。箱根から約1カ月が経ち、当時の心境と今後について伺った。
※この取材は2月11日に行われたものです。
充実した1年
初の箱根を振り返る永山
――入学して約1年が経ちますが振り返っていかがですか
ケガなく練習もできていて、理想とする結果を出せていないのですが駅伝や関カレ(関東学生対校選手権)などの経験をたくさんさせていただきました。
――理想の結果というのは
もっと高いレベルで戦うことが目標なのでまだそういうレベルでは戦えていないです。ですが、たくさんの経験をさせていただきました。
――現在の調子はいかがですか
先日、丸亀ハーフ(香川丸亀国際ハーフマラソン)に出場したので今は少し休んでいます。
――箱根後はご実家に帰省されましたか
はい。
――ご家族やご友人からどのような言葉をかけていただきましたか
両親と祖父は現地に来てくれて、友達もたくさんテレビで見てくれていたみたいで。すごく嬉しかったです。
――丸亀ハーフで62分台というタイムを出されましたがそれについていかがですか
走りやすいコースですのでタイムは出ると思っていて、あとは他大のエース級の選手がたくさんいたのでそういう選手と勝負するということを考えて走りました。
――丸亀ハーフでの収穫と課題を教えてください
課題がたくさん見つかりました。箱根から短い時間の中であまり調子も良い状態ではなかったのですが微調整して出場し、現状ではそれなりに走れていたのかなと思います。速い入りを経験してそこから後半6、7キロ以降離されてしまったのでもっと頑張らないといけないと思いました。
先日の丸亀ハーフでは上尾ハーフでの自己記録を大きく塗り替えた
悔しさ残る箱根
――初めての箱根でしたが緊張はありましたか
緊張はありましたが楽しんで走ろうと思っていたので普通でした。
――4区の区間配置はいつ頃伝えられましたか
本当に直前でした。
――4区には早大記録保持者の平選手(和真、スポ3=愛知・豊川工)がいらっしゃると思うのですが何かアドバイスは受けましたか
小刻みにアップダウンがあるのでしっかり入った方が良いというアドバイスを受けました。
――1年生で唯一の箱根出場となりましたがその点についていかがですか
少し寂しい気持ちはありましたが1年目とか関係なくチームのために頑張ろうと思っていました。
――当日は同期の岡田望選手(商1=東京・国学院久我山)が付き添いでいらしたと思うのですがどんなことをお話しされましたか
特には話していないのですが、いろいろ動いてくれていたのでリラックスできて。すごく過ごしやすかったです。
――レース中には相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)からどのような言葉をかけられましたか
中盤とかもかかっていたのですが、応援がすごくて正直相楽さんの声があまり聞こえなくてラストだけ少し聞こえました。
――ラストは何とおっしゃっていたのですか
風とかもあってあまりタイムが良くなかったのでラスト1キロは何分切ろうというような指示を受けました。
――箱根の応援はやはりすごいと思うのですが励みになりますか
はい、すごくなりました。
――区間賞を目標にされていたと思うのですが、実際のタイムや区間4位という結果についてはどう思われますか
区間賞を目指してやっていたのですが、結局まったく届かなくて力不足をすごく感じました。
――総合4位という結果についてはいかがですか
やっぱり優勝目指して1年間やってきた中での4位だったので悔しい気持ちはあるのですが、トラックから『三強』(青学大・東洋大・駒大)とは全然戦えていなかったので4位だけの力しかなかったのかなと感じました。
――事前取材でおっしゃっていたと思うのですが実際に箱根を走ってみて次は1区や2区に挑戦したいという気持ちは強くなりましたか
そうですね。
――実際に大学生となり箱根を目指す立場となりましたが、中学、高校と想像していたものと比べいかがでしたか
案外、特に何も感じませんでした。
「2年目は欲張りに」
1年生で唯一のメンバー入りを果たした永山。来季はどんな活躍を見せるか
――今後はどのような練習をされていく予定ですか
丸亀ハーフを走ってロードシーズンも終わりということで、あとはじっくりトラックに向けて練習を積んでいくという感じです。
――トラックシーズンでの具体的な目標を教えてください
1万メートル、5000メートルどちらも勝負したいなと考えていて、2年目は記録も実績も作りたいなと思っています。
――具体的に目標タイムはありますか
5000メートルだと13分45秒を目指しています。平さんが2年生のときに13分45秒で走られていてそれにチャレンジしたいというのがあります。日本選手権の標準も上がっているのでそういうラインを意識してやっていきたいなと思っています。1万メートルは未知数なところがあるのですが、28分40秒くらいを切りたいなと思っています。
――意識している1年生はいますか
たくさんいるのですが、特に坂口(裕之、明大)とは仲も良くてライバル関係でもあったり、塩尻(和也、順大)とかは駅伝のエース区間であれだけ戦っているのでやはり負けたくないなと思っています。
――やはり同期には負けたくないですか
はい。
――2月の終わりに福岡で開催される日本選手権クロスカントリー(クロカン日本選手権)に出場されると思うのですがそれに向けて調子はいかがですか
丸亀ハーフのみで福岡(クロカン日本選手権)には出ないことになりました。出場する予定だったのですが、相楽さんと相談してトラックに向けてじっくり積んでいく時期にしようということになりました。
――来季の駅伝シーズンに向けて意気込みをお願いします
今回来季の駅伝シーズンを考えた上で丸亀ハーフを走らせていただきました。高速レースを経験して全く歯が立たなかったので、しっかり主要区間を走るという気持ちを持って戦う準備をしていきたいと思います。
――最後に読者の皆さんに一言お願いします
2年目は欲張りに記録も実績も作れるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
――ありがとうございました!
(取材・編集 吉村早莉)
◆永山博基(ながやま・ひろき)
1996(平8)年7月20日生まれ。167センチ。鹿児島実高出身。スポーツ科学部1年。自己記録:5000メートル13分58秒81。1万メートル29分19秒68。ハーフマラソン1時間2分55秒。2016年箱根駅伝4区55分54秒(区間4位)。