第91回東京箱根間往復大学駅伝(箱根)が開催された。早大が掲げてきた目標は総合優勝。その達成には、山本修平駅伝主将(スポ4=愛知・時習館)ら主力を揃えた往路での好成績が必須となる。しかし、結果は6位。全選手が先頭校との差を詰めることができないまま、1位の青学大から大幅に遅れてのゴールとなった。
花の2区を激走した高田
早大にとって鬼門の1区。任されたのは中村信一郎(スポ3=香川・高松工芸)だった。起用に応えたい中村は、中盤まで先頭集団で健闘するも、後半ペースを上げた上位校について行くことができない。それでも終盤は7位集団で追い上げ、先頭と43秒差の11位でタスキをつないだ。続く2区高田康暉(スポ3=鹿児島実) は、スタート直後に数校を抜き、以降は5位集団を引っ張る展開に。レースが動いたのは、20キロ地点。高田がスパートをかける。苦しい上りで一気にギアを上げ、単独5位に浮上した。だが1時間8分17の好タイムで戸塚中継所に飛び込むも、上位校のタイムを上回れず区間順位は6位。2年連続となる区間賞獲得は逃した。3区の井戸浩貴(商2=兵庫・竜野)は、序盤から前を行く4校に離される苦しい展開を強いられる。終盤には後続に追い上げられながらも、5位を守りきりタスキリレー。しかし高田と同様上位に差を広げられ、この時点で先頭から2分18秒の遅れとなった。
4区には、平和真(スポ2=愛知・豊川工)が当日エントリーされた。前回大会に同区間で早大新記録を樹立している平だったが、今季はケガに苦しみ、これが駅伝シーズン初レース。復活を遂げた平の追い上げが期待されたが、9キロ過ぎ地点で先頭との差は3分を上回る。必死に前を追うも、5位でたどり着いた小田原中継所では4分20秒まで離された。残すは、過酷な山が待つ5区。早大は、自身3度目の山上りに挑む駅伝主将山本にタスキを託した。過去2度の箱根では同区で区間3位に入った実績を持つ山本。今季も好調を維持してきたが、この日は序盤からペースが上がらない。そして小涌園前を通過した直後の15キロ過ぎ、6位につけていた中央学大についに逆転を許す。食い下がるも、追走は及ばず6位でゴール。往路優勝を狙っていたチームにとって厳しい順位となった。
本調子とは程遠い走りとなった山本駅伝主将
往路を終え、現在首位の青学大との差は9分4秒と大きく開いた。それでも3位東洋大とは2分15秒と、そのほかの上位校は僅差でひしめく混戦。復路での順位の押し上げは十分に可能だ。今季での退任が決まっている渡辺康幸駅伝監督(平8人卒=千葉・市船橋)が指揮する最後の箱根。このままでは終われないという思いは誰もが感じているだろう。三浦雅裕(スポ3=兵庫・西脇工)や武田凛太郎(スポ2=東京・早実)といった実力者たちがタスキをつなぐあすの復路。巻き返しのレースとなるか。
(記事 平岡櫻子、写真 高畑幸、平野紘揮)