学生三大駅伝の開幕戦である出雲全日本大学駅伝が史上初の中止という波乱の幕開けとなる中、第二戦である全日本大学駅伝対校選手権(全日本)が開催された。早大は常にシード圏内を行き来する苦しいレースとなる。4区で山本修平駅伝主将(スポ4=愛知・時習館)が区間2位の好走を見せるも、結果は7位。8年ぶりのシード落ちという惨敗に終わった。
近年、1区が高速レースとなる展開が続いている。今大会でも村山謙太(駒大)を始めとするスター選手がそろった。そんな1区のスタートラインに立ったのは、今季順調に自己ベストを更新してきた柳利幸(教3=埼玉・早大本庄)。過去2回の全日本1区では苦杯を味わってきたが、3度目となることしは終始冷静な走りを見せ、第2集団をけん引。先頭から1分7秒差の8位というまずまずの結果を残し、2区の高田康暉(スポ3=鹿児島実)にタスキをつなぐ。さらにケガから復帰したばかりの高田は意地を見せ、2人抜きを演じた。ここからと思われたところだったが高田から引き継いだ中村信一郎(スポ3=香川・高松工芸)のペースが後半からなかなか上がらない。立ち止まりそうになりながらタスキを次走者に渡した時には、先頭からは3分32秒、シード圏からは1分8秒の差が開いていた。
孤軍奮闘の活躍を見せた山本駅伝主将
いちるの望みを込めて、エースであり主将の4区・山本が伊勢路に飛び出した。今期の前半はケガに苦しめられるも、駅伝シーズンまでに必死の立ち直りを見せ、満を持しての出場。序盤から区間賞ペースで快走を続け、前を行く2校をかわし、ラスト1キロで6位城西大の前に出て、6位でタスキを渡す。惜しくも区間賞は逃したが、早大が息を吹き返すきっかけになるかと思われた。しかし、後半区間で順位が上がらない。続く5区を任されたルーキー光延誠(スポ1=佐賀・鳥栖工)は序盤から積極的なレースを展開するも中盤から失速し、再びシード圏外に押し出される。井戸浩貴(商2=兵庫・龍野)が堅実に1つ順位を上げ6位とするが、初出場の佐藤淳(スポ2=愛知・明和)もペースが上がらず。後ろからエノック・オムワンバ(山学大)がわずか34秒で迫ってくるという厳しい状況でのアンカー田口大貴(スポ4=秋田)へタスキを渡した。窮地に立たされた早大の最終8区を担った田口はし烈なシード争いに加わることとなる。序盤、大東大を抜きシード圏内に入るも、後ろから迫ってきた山学大に先行を許す。そのまま最終順位は7位。まさかのシード落ちに終わった。
うなだれるアンカー田口
8大会守り続けていたシード権の死守はかなわず。経験の浅い選手の失速が目立ち、課題が浮き彫りとなった。東京箱根間往復大学駅伝(箱根)ではさらに人数も距離も要求される。立ち止まっている時間はない。箱根でこの雪辱を果たすために個々の選手たちの奮起が求められている。
(記事 平野紘揮、写真 松田萌花、石丸諒)
第46回全日本大学駅伝対校選手権 | |||||
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区間 | 距離 | 名前 | 記録 | 区間順位 | |
1区 | 14.6キロ | 柳利幸 | 44分05秒 | 8位 | |
2区 | 13.2キロ | 高田康暉 | 39分25秒 | 7位 | |
3区 | 9.5キロ | 中村信一郎 | 28分55秒 | 15位 | |
4区 | 14.0キロ | 山本修平 | 41分09秒 | 2位 | |
5区 | 11.6キロ | 光延誠 | 35分27秒 | 11位 | |
6区 | 12.3キロ | 井戸浩貴 | 36分41秒 | 3位 | |
7区 | 11.9キロ | 佐藤淳 | 36分18秒 | 12位 | |
8区 | 19.7キロ | 田口大貴 | 60分33秒 | 11位 | |
早大 5時間22分33秒 第7位 |