健闘するも総合成績は4位

駅伝

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)の復路が3日行われ、東洋大が10時間52分50秒という歴代2位のタイムで総合優勝を果たした。早大は11時間4分17秒で4位。出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)に続き、3強の牙城を崩すことはできなかった。

早大記録を塗り替える好走を見せた三浦

 6区の山下りを任されたのは、大学駅伝初出場の三浦雅裕(スポ2=兵庫・西脇工)。下り始めるとタイムが伸び、ラスト3キロの平地にも耐え切り区間2位。トップ東洋大との差を30秒ほど縮める、そして58分55秒という早稲田記録を塗り替える快走だった。そんな三浦と同学年の柳利幸(教2=埼玉・早大本庄)は7区で出走。出雲、全日本では本来の実力を発揮できずに苦い経験をしてきたが、箱根では違った。一時は区間賞を狙えるほどの走りを見せ、結果は区間5位。8区を走るルーキー井戸浩貴(商1=兵庫・龍野)に3位でタスキをつないだ。井戸は顔をややゆがめながらも8区最大の難所・遊行寺坂を上りきり、それ以降もペースを崩さない。終盤は苦しそうな表情を浮かべたが、順位を落とすことなく走り切った。9区の走者は、昨年の箱根で悔しい思いをした田口大貴(スポ3=秋田)。11月から好調を維持してきたものの、なかなかペースが上がらず、後ろを走る日体大に差を詰められてしまう。そして鶴見中継所の前で交わされてしまい、4位に転落。しかし6秒差に抑え、最後の走者・中村信一郎(スポ2=香川・高松工芸)へとタスキリレーを果たした。中村信はすぐに日体大との差を詰め16キロ過ぎまで並走を続けたが、相手がスピードアップするとそれについていくことができない。8秒、10秒とみるみるうちに日体大の背中は遠くなり、そのまま大手町のゴールテープを切ることとなった。

昨年王者に一歩及ばず、悔しそうな表情を浮かべる中村信

 当日のエントリー変更で4年生2人を外し、3年生以下で挑んだ箱根の復路。三浦の好走や柳の復活といったポジティブな要素もあれば、逃げ切れずに3位で大会を終えられなかったというネガティブな要素もある。また、区間上位で全員が走り切れたわけではない。しかしそれは、裏を返せばまだ伸びしろがあるということだ。第91回大会まであと364日。覇権奪回へ励む日々が始まる。

(記事 目黒広菜、写真 加藤万理子、手塚悠)

第90回東京箱根間往復大学駅伝競走
区間 距離 名前 記録 区間順位
早大 往路 5時間32分22秒 第3位
1区 21.4キロ 大迫傑 1時間02分14秒 5位
2区 23.2キロ 高田康暉 1時間08分18秒 1位
3区 21.5キロ 武田凜太郎 1時間04分00秒 5位
4区 18.5キロ 平和真 55分03秒 2位
5区 23.4キロ 高橋広夢 1時間22分47秒 12位
早大 復路 5時間31分55秒 第4位
6区 23.4キロ 三浦雅裕 58分51秒 2位
7区 18.5キロ 柳利幸 1時間04分29秒 5位
8区 21.5キロ 井戸浩貴 1時間06分30秒 9位
9区 23.2キロ 田口大貴 1時間10分33秒 7位
10区 21.4キロ 中村信一郎 1時間11分32秒 10位
早大 総合 11時間04分17秒 第4位
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