第9回は、今回の箱根が大学生活の集大成となる志方文典(スポ4=兵庫・西脇工)と田中鴻佑(法4=京都・洛南)の対談をお送りする。シーズン前半を不調や故障で棒に振った2人が、そこから得た物とはいったい――。それぞれのラストイヤー、今季のチーム、そして最後の箱根に懸ける思いを語ってもらった。
※この取材は11月27日に行われたものです。
「結果を出して引っ張っていこう」(田中)
リラックスして取材を受ける田中(左)、志方
――全日本大学駅伝対校選手権(全日本)を終えてからの練習状況やチームの雰囲気を教えてください
田中 出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)、全日本と4位という結果でした。確かに実力通りと言ってしまえばそれまでなんですけど、自分たちの中では優勝を目指していた分悔しさの方が大きかったですし、箱根に向けて危機感を持ちました。いまは良い雰囲気で、緊張感を持ちながら練習できていると思います。
――全体は先週末から集中練習に入られて、志方選手はきょうから合流されるというお話でしたが
志方 そうですね。土曜日(11月23日)に学連の1万メートル(1万メートル記録挑戦競技会)があったので、少し遅れてきょうから合流しました。
――遅れて合流したのは1万メートル記録挑戦競技会が土曜日にあったからということですか
志方 それもありますし、もともと故障もあったからですね。もう少し早く復帰していれば田口(大貴、スポ3=秋田)と同じような流れでやっていたんですけど、少し治りが遅かったので、試合を上尾ハーフ(上尾シティハーフマラソン)から学連の方に変えて、みんなより少し遅れて合流というかたちになりました。
――きょうから合流した集中練習はいかがでしたか
志方 半年ぶりくらいにAチームと合流して練習できたのですが、結構以前とは違った雰囲気でした。自分自身もちゃんと余裕を持っていた感じで走れたので、半年前から考えると成長したかなと思います。
――志方選手の復帰はチームにどのような影響を与えていますか
田中 志方が本調子でレースに臨むことが優勝に近づく大きな材料だとみんな感じていたので、最終的に箱根に臨むにあたって志方が帰ってきてくれて本当に良かったです。僕個人としては4年生の人数が少ないということもあるので、ようやく戻ってきてくれたことに少しほっとしたところがあります。
――ことしの集中練習は少し早めに始まって後半で余裕を持たせるという話があったのですが、集中練習の内容というのはどのように感じていますか
田中 基本的なベースは例年と変わらないものなんですけど。序盤は実際あまり変わらなくて、後半でちょっと余裕がある分、メインとなるポイント練習の時期を少しずらして、間につなぎの練習を入れるというかたちになっています。でも、そんなに変わったからといって、取り組み方自体が変わるわけではないので、どちらにしろきつい練習には変わらないですね(笑)。そこはケガをしないようだけにみんな気を付けてやろうという話はしていますね。
――そのきつい練習中の息抜きなどはあるのでしょうか
志方 卒論です。
一同 (笑)。
志方 練習の合間に毎日しています(笑)。
――卒論の提出は箱根前ですよね
志方 そうなんですよ(笑)。1か月ずらしてほしいんですけどね。12月19日です。1か月ずらしてほしいんですけど…(笑)。
田中 切実だ(笑)。法学部は卒論がないので、その点は僕は楽をさせてもらって、いまは競技に集中しています。
――田中選手は息抜きに関していかがですか
田中 最近はまだ学校があるので、本キャンに行ってというのが息抜きになっているかなと思いますね。あとは週末飲みに行くくらいですかね(笑)。
志方 まあ真面目な話をすると、授業を1つしか取っていないので、それで息抜きして、卒論やって、週末温泉に行きます。
――4年生の中でチームをまとめていくことに関してどのようなことを話し合っているのですか
田中 まず自分たちがきっちり結果を出す、というところが最初のスタートラインだと思っています。周りに対していろいろな気を配っていくのももちろんそうなんですけど、その前にまず結果を出して結果で引っ張っていこうという話はしています。
――大迫傑駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)が不在なことが多いと思いますが、そのときは4年生内でどのようなことを話してチームをまとめているのですか
志方 きょねんの段階で、大迫が短期留学をするということは聞いていたので、大迫がいない分みんなでしっかりまとめて頑張っていこう、大迫が帰ってきたときに安心してもらおうという話はずっとしてきました。
――田中選手は、大迫主将が不在のときの中心になってチームをまとめているということですが、チームをまとめる上で気を付けていることはありますか
田中 僕はそんなに競技力があるわけではないので、できること自体が限られています。後輩たちはあまり僕らが何かを言わなくても、自分たちで動いてくれる子たちばかりなので、僕は後輩たちにできる限り声をかけつつ、方向性だけを示してあげてるようにしています。あとは僕も自分自身のことに集中して、姿で見せていければなと思っています。
――志方選手はそのような田中選手の様子をどのようにご覧になっていたのでしょうか
志方 本来なら僕もAチームで引っ張っていかなければならなかったので、ちょっと申し訳ない気持ちで見ていました。それでも、夏合宿や大迫不在のときに率先してチームを引っ張っている姿を見て、やはりリーダーシップがあるなと。高校のときもキャプテンをやっていたらしいので、さすがだなと思いました。
――では、大迫選手はお2人から見てどんな選手ですか
志方 常に自分を中心に持っていく人ですね。人と話していても、自分を中心にという…。
田中 確かに常に主導権を握っています(笑)。プレイベート含め、どこでもそうですね。それだけでも、オーラがあるというか…。そんなに大したことじゃないかもしれないですけど(笑)。それだけ引き付けるものを持ってはいますよね。かっこよく言えばカリスマ性というか。
――大迫選手の主将らしい一面が見れたエピソードなどはありますか
志方 インカレ(日本学生対校選手権)で、2番で外人に食らいついていたところですかね。
田中 (笑)。僕は、確か6月くらいに4年生が集まって学年ミーティングをやったときが印象に残っています。大迫はそのときも遠征から帰ってきた直後だったのですが、ボロボロの結果だったチームを見て、4年生に対して「お前ら何やってるの」と一度言ってくれたことがあったんです。普段あまりそういうことは言わなかったんですけど、その時僕らに直接言ってくれるところを見て、チームをうまくまとめていこうというか引っ張っていこうという姿はさすがだなと思いました。
「より信頼できる関係の良いチーム」(志方)
大迫がいない間、主将代行としてチームをまとめてきた田中
――志方選手の故障というのはいつからだったのでしょうか
志方 7月の下旬に左足の腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)を痛めて、夏の1次合宿は別メニューでジョグなどをやっていました。2次合宿からBチームに合流してやっていたんですけど、2次合宿の途中からまたちょっと痛くなりはじめので、合宿が終わってから再度練習をストップしました。診断の結果は大腿骨(だいたいこつ)の疲労骨折だったんですけど、それでさらに1か月ちょっとくらい練習しない期間があって、10月入るくらいから走り始めたという感じですね。
――その間はどのようなことを考えていたのでしょうか
志方 それまではずっと不調で、なんで走れないのかなというのがずっとあったので、故障したことによって、変な言い方になるんですけど、走れない理由ができたというか…。そこで吹っ切れて気持ち的にも余裕ができて、ちょうどうまく疲労も抜けたというのもあると思います。これは戻ったらなんとかなるかなという少し期待をしながら、日々補強に取り組んでいました。
――さきほどの久々のAチームの練習でご自身の成長を感じたというのはそういう点ですか
志方 成長したというのは、一度絶不調を経験して、多少心を広く持てるようになったということですかね。ちゃんと受け止めなければいけないんですけど、練習できない時期でもあまり深く考え過ぎないようになったかなと思います。いまだと練習がダメでも、あの時よりは走れているからいいかなという考えでやれているかなという気がします。
――そんな志方選手の様子を田中選手はどのようにご覧になっていたのですか
田中 やはり1年生のときの強い志方というのが僕の中でもずっと残っていていました。彼は自分の感覚を持って走っているタイプだと思うので、苦しんでいるところを見ても、アドバイスをしようにも競技力や感覚がだいぶ違ったりして、声をかけられることがあまりありませんでした。何かしてあげようにもできることがなかったので、もどかしさを感じつつも、頑張ってなんとか自分で上がってきてくれという思いで見ていました。
――では、田中選手は今シーズンを振り返っていかがですか
田中 もともと思い描いていたのは、やはりシーズン序盤からきっちり活躍して、トラックでも結果を出すということでした。本当にチームの主力になって駅伝シーズンに入っていきたいと思っていたんですけど、その通りとは行きませんでした。シーズン序盤は周りのことを気にし過ぎて、やらなきゃやらなきゃ、というので空回りしてしまいました。自分自身のことに集中しきれていなかったのかなと思います。それで思ったような結果は出なかったんですけど、そのとき志方じゃないですけど、僕も調子の悪い時期を経験して、ここから先は自分がまずは走らないといけないと開き直りました。夏合宿くらいから競技だけに集中して、ようやく状態を上げてこれたので、結果的にいまにつながっているのは良かったかなと思っています。
――お2人ともシーズン序盤は不調に苦しんだということですが、そのようなときの気持ちの持ちようは
志方 気分転換しても、現実を考えるとあーってなる。
田中 結局走れなかったら、(気分が)落ちてしまう(笑)。まず、僕の場合は、もう走れるためにどうするかというだけを考えてやっていました。
志方 それを中心に行動をして。
田中 逆に他のことをやったらどんどん悪くなるんじゃないかというのがあるから(笑)。
志方 遊びに行ったりすると、これしてるからって(笑)。
田中 そうそうそう(笑)。そのせいじゃないかって考えちゃうので。
――なるほど。では、あまり気分転換などはなさらないんですね
志方 そうですね…。温泉に行くくらいですかね。1週間に1回くらいは行きますね。
田中 僕は、週末に飲みに行ったりとかですかね(笑)。
――その後田中選手は全日本、上尾シティマラソン(上尾)と調子が上がってきている印象がありますが、ご自身ではどのように捉えていますか
田中 ことし1年間テーマにしていたのが、箱根できっちり勝って終わりたいということでした。そのために、やはりもともと僕はスピードがないというか、トラックで戦える力自体がないので、そこをまったく見ていなかったわけではないんですけど、若干割り切った部分があって。ロードさえ、長い距離さえ戦えたら、というよりそれだけは最低限戦えるようにしようと思って取り組んできていました。結果的にコツコツ積み上げてきたことが、いまかたちになってつながってきた結果かなと思っています。
――お2人とも出雲は走られませんでしたが、出雲の様子はどのようにご覧になっていたのでしょうか
田中 僕は一応現地に行って、自分も五千メートルのレースに出場していたのでリアルタイムでは見られませんでした。結果については、チームとしても夏合宿の出来が結構良くて、大迫がアンカーを走るということもあったので、結果を期待していた部分もあったんですけど、やはりこれが現実なのかなと思い知らされる部分が大きかったですね。
志方 チームの一番強い選手たちが走って、それでもこの順位かと思うと、自分まで落ち込むところがありました。でも最初出遅れて、後半あれだけ追い上げるというのは、やはり力がないとできないことだと思います。そういった点で見ると、夏合宿もAチームの方はしっかり練習できていたので、そういうところが発揮されたのではないかなと思っています。
――先週の取材では、いつもは悔しい思いをして見ていたのが、ことしは4年生としてみんなに頑張ってもらいたいと思って見ていたというお話もありました
志方 ことし、走れなかった期間が長くてBチームにいることが多かったおかげで、下のチームの子とか、下の学年と話す機会も多くなりました。もちろんもちろんAチームもですけど、それでより信頼できる関係になりましたね。ことしは仲が良いというか、本当に良いチームで、このチームだったら、走りたいのは走りたいですけど、サポート側に回っても悔いはないなと思って、あの言葉になりましたね。
――Bチームから上がっていきた選手もたくさんいましたね
田中 僕も結局そうだったんですけど、Aチームというのが夏合宿のときは、(山本)修平(スポ3=愛知・時習館)、田口、高田(康暉、スポ2=鹿児島実)、柳(利幸、教2=埼玉・早大本庄)、(武田)凜太郎(スポ1=東京・早実)の5人だけでした。それ以外は一応くくりとしてはBチームというかたちでやっていました。なのでBチームのメンバーが走ることは当たり前といえば当たり前なのですが、みんな成長できたと思います。
――いま挙がったメンバーを見てもそうですが、ことし下級生の活躍が目立っていると思います。どのようにご覧になっていますか
志方 頼もしいのは頼もしかったんですけど、逆に僕たちが不甲斐ないです。4年生や上級生が頑張らないとチームとしては良い方向には行かないので、僕たちが頑張らないと、という気持ちでしたね。
「止まった時間をもう一度動かしたい」(志方)
ワセダの優勝には復活が欠かせないと言われきた志方。最後の箱根路で快走を誓う
――箱根に向けて、4年生の役割というのはどのようなものになってくるのでしょうか
田中 単純に長い距離になると練習量がものを言うところが大きいと思うので、そういう意味では練習をしっかり積めてきている上級生が主体となってというか、核になってやっていくんだと思います。あとは雰囲気作りとしても、上級生がきっちり走れば、下級生はあとはそれに乗っかって勢いよくついてきてくれるだけでいいと思います。僕自身は4年生がどういう活躍をするのかというのが箱根の順位に直結するのかなという風に思って取り組んでいます。
志方 1年生のときに特に思ったんですけど、僕とか1個上の佐々木寛文さん(平25スポ卒=現・日清食品)が故障で出られなくなって、そこで4年生がしっかり団結してくれたのが優勝に結びきました。区間成績とかを見たらそんなに特別良かったわけではないですけど、本当にきっちり仕事をしていて、そういうところがやはり下級生に伝わって、下級生の良い走りにつながったのではないかなと思います。
――大迫主将が戻ってくるまでの間は、お2人で引っ張っていくというかたちになってくるのでしょうか
田中 あと相原(将仁、教4=東京・早実)が集中練習に参加しているので、3人でというかたちですね。
――お2人とも最後の箱根になりますが、どのような思いで挑まれますか
田中 僕はこれが競技人生としても終わりになる年で、本当にこれが最後の最後の箱根になります。ここまで出雲、全日本と4位という結果ですが、箱根がこのまま同じような順位で終わっても、絶対納得しては終われません。勝つために何ができるのか、ただそれだけを考えて過ごしたいと思います。そうですね。勝つことしか考えていないです。
志方 僕は、個人的には1年の箱根駅伝のあたりからちょっとおかしくなって、走れていないので、本当にきっかけ作りとして、止まった時間をもう一度動かしたいです。チームにもいままで迷惑をかけてきたので、お返しというか、しっかり結果を残して貢献したいですね。あと渡辺さん(康幸駅伝監督、平8人卒=千葉・市船橋)にもたぶん何回も心配をかけましたし、何で走ってくれないのかなと思われていると思うので、今回結果を残して卒業していきたいですね。
――走りたい区間はありますか
志方 5区、6区以外ならどこでも。
一同 (笑)。
田中 僕は、5区、6区以外というのもあれなんですけど。きょねんが9区で、あの結果だったので、もう一度リベンジしたいなというのと、ゴールテープとかも切りたいなという思いがあります。
志方 できれば往路に行きたいですね。復路はちょっと…。
田中 確かに往路は良いよね。
志方 往路の方がさ、気が楽じゃない?
田中 気が楽なのかな(笑)。緊張しそうな気がするねんけど。
志方 復路の方が、(勝負が)決まるやん。決まるしさ、なんか寮でテレビ見るの変な感じせえへん?
田中 あ、それは確かに少しあるかもしれない。前日にね。
――監督からは、2区候補に田中選手の名前が挙がっていましたが、その話は聞いていますか
田中 はい。監督から伝えられてはいます。
――2区を走る可能性があるというのは
田中 正直なことを言うと、きょねんの箱根が終わったときから絶対往路はないだろうと思っていて。タイプ的な問題で、トラックのタイムも持っていないですし、スピードもないですし。どちらかというと、復路で堅実に走ると思われているんだろうなと思っていたので、驚きました。つい2か月くらい前はメンバーに入るかもわからない位置にいたのに、それでいきなり2区と言われると、ちょっとびっくりしたところはあるんですけど(笑)。ただどこを任されても、やることはそんなに変わらないと思うので頑張りたいですね。つなぎの2区だと思われるのはやはり悔しいので、2区になっても勝負できる2区にできるよう、それだけ準備して臨みたいなと思います。
――志方選手については、渡辺監督は4区か7区というお話をされていました
志方 あの田んぼのところか…。
一同 (笑)。
田中 7区は走ってるからなぁ。
志方 7区は結構つなぎっていうけど、きついで。
田中 毎回強い選手くるもんな。
志方 駒澤とかそこに強い選手ぶつけてくる。7区8区。
田中 期待の表れでしょうね。
志方 4区が良いな。往路で終わりたい。
田中 (笑)。いや、4区も重要だよ。ことし特に往路優勝を考えると、4区がかなり重要ということで。
志方 4か7かぁ。10区とか行きたいな。
田中 あるんじゃない?全然。
――10区を走りたいというのは
志方 一度くらいはゴールテープを切りたいなと(笑)。
――やはり4年生で最後にゴールテープを切りたいというのはあるんですか
田中 僕はちょっとありますね。中島賢士(平23スポ卒)の印象が強いので…。その、めっちゃ目立つじゃないですか(笑)。いいなと思いながらいつも見ています(笑)。
志方 終わった後に、そのまま終わりたいですね。終わって、電車で移動してゴール地点に行くというより、(自分が走り)終わって終わりたいです(笑)。
田中 何その基準は(笑)。
――それぞれ箱根に向けての修正点などはありますか
志方 僕は8月9月、十分に練習を積めていないので、ケガをしないように注意しつつ、できるだけ攻めて、箱根で走れる体作りだけはして臨んでいきたいです。
田中 僕は、取り組み自体は変えるところはないかなと思っていて、いままで通りやろうと思っています。全日本でアンカーという、僕にとってはかなりの負担がある区間を任されたので、プレッシャーが大きかった分、一度そこで調子を上げてピークを持っていこうとしていたところがありました。その分力をつかってしまったというか、体自体を酷使してしまって、上尾も結構ガタガタの状態でレースに臨むかたちになってしまっいました。一回上げてしまっている分、いま集中練習に入ってしまっていますけど、うまく体を緩めて、あとはピーキングだけなんとかできればという風に思っています。
――優勝のためにチームに必要なことというのは何だと思いますか
田中 僕は、勝てるという自信を全員が持つことかなという風に思っています。慌てず、変に無理をしなくてもいいので、自分たちがちゃんと走れば、結果がついてくるという自信を持ってみんなに走ってもらいたいなと思います。
志方 僕は全員が100パーセントの自分の力を出し切るということだと思います。変に120パーセントとかを出すという風に考えずに、自分の力を出してくれさえすれば、チャンスは転がってくると思います。そこだけを意識してみんなにはやってほしいなと思います。
――最後に箱根に向けて、一言お願いします
田中 あと1か月間で良い方にも悪い方にも転がってしまう可能性はあるので、チームとしてもいまは良い雰囲気で、ちゃんと箱根で勝つことを意識していきたいです。上尾の結果からも自分たちはできるんじゃないかという良い意味での自信も持ちつつあるので、うまくそれを利用して、精神的な部分も肉体的な部分も箱根でピークに持っていけるように、1日1日過ごしたいと思います。
志方 出雲、全日本のときとは違って、やはり箱根に向けてみんなで徐々に士気が高まってきています。自分もその流れに乗っかって、しっかり貢献して、チームとしても良い順位で終わりたいですね。良い順位といえば、もう優勝しかないんですけど、優勝できるように頑張りたいと思います。
(取材・編集 川嶋悠里)
箱根への意気込みを書いていただきました
◆田中鴻佑(たなか・こうすけ)(※写真左)
1991(平3)年11月25日生まれのO型。181センチ、60キロ。京都・洛南高出身。法学部4年。チームのまとめ役として、ことし一年を過ごした田中選手。しっかりとした受け答えが印象的でした。志方選手とは同じ関西出身ということで、おっとりとして関西弁が飛び交うなごやかな取材となりました
◆志方文典(しかた・ふみのり)(※写真右)
1991年(平3)7月14日生まれのO型。164センチ、50キロ。兵庫・西脇工高出身。スポーツ科学部4年。終始、競技について真面目に語っていた志方選手ですが、区間配置の話では自身の独特の価値基準を話してくださいました。発表された区間エントリーでは一度はゴールテープを切りたいと話していたアンカーに。ぜひ笑顔でフィニッシュしてください!