意地の走りで、シード権獲得

駅伝

 駒大、東洋大、日体大の3強を何としてでも崩したいワセダは3日、第45回全日本大学駅伝対校選手権(全日本)に挑んだ。前戦の出雲全日本選抜駅伝(出雲)で4位に終わったワセダは、またしても1区で出遅れたものの着実に順位を上げ、駒大、東洋大、明大に続いて4位でフィニッシュ。8大会連続シード権獲得となった。

積極的な走りで2つ順位を上げた武田

 全日本のスタートを切ったのは、昨年も1区を任された、柳利幸(教2=埼玉・早大本庄)。ことしの出雲でも1区を走るも、実力を出し切ることができない。しかし、渡辺康幸駅伝監督(平8人卒=市船橋)の期待の下、今大会でもスターターとして起用された。ハイスピードで始まった1区は、序盤から集団が縦長に。そんな中、ペースを乱された柳は徐々に失速し後退。苦しい展開の中、なんとかタスキをつなぐも、ワセダは15位でのスタートとなった。2区は、スーパーエース大迫傑(スポ4=長野・佐久長聖)。1区の遅れを取り戻すために、法大・西池とともに冷静な表情で前を追う。ラストスパートで西池を振り切ると、圧巻の走りで9位まで順位を上げる。山梨学院大・井上、日体大・山中と3人同時区間賞の力走を見せた。流れに乗りたいワセダのタスキは平和真(スポ1=愛知・豊川工)につながった。出雲への出走が叶わなかった平は、全日本が大学駅伝デビュー戦。積極的な走りでひとつ順位を上げた。平からのタスキを受け、4区を走るのは、準エースである山本修平(スポ3=愛知・時習館)。山梨学院大・明大との並走の末、2校を引き離し6位に浮上した。

 続く5区は、出雲で大学駅伝初出場を果たし、好走を見せた武田凜太郎(スポ1=東京・早実)。今大会でも積極的なレースを展開する。青学大と大東大を交わして順位を4位に上げ、タスキを絶好調の高田康暉(スポ2=鹿児島実)に託した。着実に順位を上げ勢いに乗るワセダのタスキを受けた高田は、前を行く日体大との差をつめる。区間3位の快走を見せ、順位をキープしたまま、7区井戸浩貴(商1=兵庫・龍野)にタスキを渡した。大学駅伝初出場の井戸は、今シーズン順調に自己記録を伸ばしている。明大の猛追に遭いながらも4位の順位をなんとか守り抜き、アンカー田中鴻佑(法4=京都・洛南)にタスキを繋ぐ。田中は明大・大六野に交わされるも、最上級生として粘りの走りを見せ付ける。さらに後ろからは山梨学院大・オムワンバが迫り来る緊迫した展開となったが、順位を変えることなく4位でゴールした。

明大の猛追に耐える井戸

 三大駅伝のうちの2戦が終わり、残すは東京箱根間往復大学駅伝(箱根)のみである。出雲、全日本ともに4位となったワセダは、特に1年生の活躍が光った。「箱根駅伝は上級生が入ってくると思うが下級生の力も必要。その辺のバランスを取りながら層の厚いチームで戦っていきたい」(渡辺駅伝監督)。新勢力と4年生の意地が融合したワセダのチームは、集大成である箱根で、課題を払拭(ふっしょく)することが出来るだろうか。

(記事 須藤絵莉、写真 石丸諒、目黒広菜)

第45回全日本大学駅伝対校選手権
区間 距離 名前 記録 区間順位
1区 14.6キロ 柳利幸 45分19秒 15位
2区 13.2キロ 大迫傑 38分08秒 1位
3区  9.5キロ 平和真 28分06秒 7位
4区 14.0キロ 山本修平 41分05秒 3位
5区 11.6キロ 武田凜太郎 34分56秒 4位
6区 12.3キロ 高田康暉 36分27秒 3位
7区 11.9キロ 井戸浩貴 35分55秒 3位
8区 19.7キロ 田中鴻佑 59分26秒 6位
早大 5時間19分22秒 第4位
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コメント

渡辺康幸駅伝監督(平8人卒=千葉・市船橋)

――きょうのレースを振り返ってみていかがでしたか

全て1区です。

――出雲全日本大学選抜駅伝に続いて4位でしたが、それについてはどのように思われますか

たらればは無しなので、4位というのが自分たちの力かなと思います。

――区間配置の意図は

最終的に迷ったのは1区に1年生を置くか柳(利幸、教2=埼玉・早大本庄)を置くかということでした。1年生を主要区間に置くのはちょっとかわいそうかなと。最終的に柳が祭り上げられるというかたちになってしまいましたが、他に行けと言える選手がどうしてもいなかったので、それも含めたチーム力ですよね。

――駅伝は前半で決まるということでしょうか

やはり大迫(傑、スポ4=長野・佐久長聖)がいるということでチームも甘えがあるだろうと思います。来年は大迫はもういなくなりますから、そういう意味で今回1、2年生を9人メンバーに入れています。東京箱根間往復大学駅伝(箱根)は上級生が入ってくると思いますが下級生の力も必要なので、その辺のバランスを取りながら層の厚いチームで戦っていきたいなと思います。

――1年生の走りについてはどのように思われましたか

平(和真、スポ1=愛知・豊川工)の出来が僕の中では少し不満なのですが、2区以降はきちんと立て直したかなと思います。

――駒大、東洋大との実力の差についてどのようにお考えですか

明らかにあるわけではないんです。やはり距離が長くなれば結果はどうなるか分からなくなりますし、箱根には山上りと山下りのように特殊区間がありますからね。とにかくレースの主導権を握るということと、あとはミスのない、ブレーキのない駅伝をするということですね。

――箱根駅伝に向けて一言お願いします

1年間優勝を目指してやっているので、まず駒大さんの三冠を阻止したいですね。

相楽豊長距離コーチ(平成15人卒=福島・安積)

――またしても1区で出遅れるレースとなってしまいましたが

やはり1区が全てというか、1区で出遅れたのがこの結果だと思います。柳がどうこうではなく、いまこのチームに1区をできる人間がいないということが弱点です。一方2区以降では、ある程度形を作れましたので、収穫と課題両方が見つかった大会でした。

――柳選手を1区に起用した理由は他にできる選手がいなかったからということでしょうか

もちろん柳も準備万端ではない状態にはありましたが、ああいったレースができる選手は柳しか思い当たりませんでした。これがいまのチームの現状なのかなと思います。

――きょうのレースの収穫は

初めて走った選手ですね。1年生が3人走りましたが、練習してきたものが確実に結果に出ています。

――8区の田中鴻佑選手(法4=京都・洛南)も60分を切る素晴らしい走りだったのではないでしょうか

夏合宿から大迫不在の間は、彼がチームをまとめてやってきてくれていました。大分前に本人には8区起用を伝え、本人も準備してきたと思います。他大学のエースが出てくる区間なので、厳しい戦いになるよと話していました。その中で自分の立ち位置を見失わずに、争うべき相手と戦ってよい結果が出たので、非常によかったと思います。

――大迫選手は区間賞を獲得しました

やはりまだ彼も万全ではありませんでした。(タスキを)もらった位置も悪かったので、相当無理な走りだったと思います。その中でも区間賞を獲得し、崩れかけていた流れを立て直したのは彼なので、そこは流石でした。一方で、彼に頼りっぱなしでも来年はいませんので、今度は大迫を生かすようなレースをしたいです。

――1年生が3人起用された理由を教えてください

練習からチームの先頭のほうで走っていまして、出雲と全日本のどちらかでは使いたいと思っていました。あまり1年生に負担をかけるのは可哀想なので、比較的走りやすい区間で走らせました。箱根または来年以降のために、きょうは起用したということです。

――1年生の走りには合格点をあげられますか

平と井戸は初めてだったので、心配なところもありましたが、とりあえずきょうはいまの力を出しきれたと思います。

――今後はどういったスケジュールになりますか

例年通り、2週間後の上尾シティハーフマラソンに出場します。その後は残り1ヶ月間練習をしっかりして、箱根に臨みたいと思います。

――箱根への意気込みをお願いします

今回は自分達の力は出せましたが、上位校との力の差も見えました。この1ヶ月間でできるだけその差を埋める努力をしていかないと、3、4番にも入れなくなるかもしれないので、しっかりとこの2大会で見えた課題を修正して、箱根では上位で戦えるように頑張りたいと思います。

大迫傑駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)

――きょうのレースを振り返って

1区が少し遅れてしまったのですが、その後みんな落ち着いて走れたのは良かったです。そういう意味で大きい収穫があった大会だったのではないかと思います。

――大迫選手ご自身の走りについては

前半からしっかり前を追えて、順位も上げて前の位置でタスキも渡せましたし、いいレースが出来たのではないかなと思います。

――チームが強くなっているという手応えはありましたか

雰囲気もすごくいいですし、なんとしても勝たなくてはいけないという気負いもありません。良い意味でリラックスして、落ち着いて走れていると思います。

――今後箱根に向けてチームで気をつけていきたいことは

ないと思うのですが、今後浮足立つことなく今までやってきたことを継続していけるかだと思います。気負わないということもありますし、走れるときにはしっかり距離を走るということもそうですね。あとは緊張感を持って試合や練習に取り組んでいきたいです。

――今後もチームを離れて練習する機会があると思いますが、その際にチームに言い残したいことはありますか

ことしのチームは僕がいない時にも田中などがちゃんとやってくれていますし、僕がいないことでプラスになっていることも多いと思っているので、僕が特に伝えていかなくてもみんなでしっかりやってくれると思います。

――大迫選手がいないことがチームにプラスに働くこととは具体的に

外から僕が持って帰ってくるものというのもチームにとっては大きく影響していると思いますし、一緒にいることだけがチームを強くする方法ではないと思っています。

平和真(スポ1=愛知・豊川工)

――初の大学三大駅伝出場でしたが、3区に選ばれたときのお気持ちは

前半4区間が大事ということはこの駅伝で言われていることなので、その中で大事な区間を任せて頂けたことは嬉しかったです。短い区間なので思いっきり行こうという気持ちはありました。

――1つ順位を上げられましたが、ご自身の走りについてはいかがですか

前半抑えていけという指示だったのですが、前もいたので前半少し速めに入ってしまい、中盤は前との差があまり詰まらなくてそこで力の出し惜しみをしてしまったかなと今は思います。

――課題や反省点はありますか

9.5キロであんなタイムだと根本的に力が足りないですね。箱根までまだ期間がありますし、体を作り直して箱根の20キロを走れるようにしたいなと思います。

――チームの順位と結果についてはいかがですか

1区でアクシデントがあったので、若干乗りきれない部分はみんなあったと思うのですが、チームで3位以内という目標がありながらそれを達成できなかったのは、流れを変えられる選手がいなかったというか、ずっと引きずってしまったという感じがあります。

――次の駅伝は箱根駅伝ですが、今後の目標はありますか

まず往路の大事な区間をまかせられるような力をつけて、他大の強い人達と箱根で勝負したいなと思います。

山本修平(スポ3=愛知・時習館)

――2年連続の4区となりましたが、まずはきょうのレースを振り返って

予想外の展開になりましたが、タスキを受けた時にほぼ優勝はない状況だったので、シード権は絶対に取らなければならないと思っていました。冷静に走ろうと思いましたが、ちょっとまだまだ物足りなかったかなと思います。

――タスキを受けた時は8位、どんなレース展開を考えていましたか

とりあえず見える選手だけはとにかく捉えていこうと考えていました。まずは明大と山梨学院大が前にいたので、そこから確実に行こうと思いました。6位のシード権争いがかかるところでしたし、山梨学院大にはアンカーに強力な外人選手がいたので、追いつくだけでは後続の選手に負担をかけてしまうと思って走りました。とにかくそこを離して、前の4、5位集団に追い突いていこうと考えていましたが、後半まだまだスピードに乗れなかったかなと思います。

――終盤には前に大東大の姿が見えたと思いますが、どれだけ迫れるかが勝負だったのでしょうか

本来だったら大東大も追い抜いて、その前の青学大まで行きたいとは思いましたが、調子もあまり良くない中だったので、今できることを考えてなんとか走れたのではないかと思います。

――結果、順位を2つ上げて6位、シード圏獲得のきっかけを生み出した走りだったと思いますが

そうですね。本来であれば区間賞を狙わなければいけないと思っていましたが、不調な中で区間3位以内に入って、ペースも一応設定通りで走ることができたので、次につながる兆しが見えたかなとは思います。

――駒大・村山謙太選手、日体大・服部翔太選手に次ぐ区間3位という結果でしたが、まだまだ上を目指せたということでしょうか

そうですね。区間3位ですが、タイムはかなり離されているので、この結果だけ見るとまずいなと感じでいます。ただまだまだこれから調子も上がりそうな手応えがあるので、焦らずにやっていけば勝負できるところまでいけると思います。これからすぐ切り替えて、疲れもありますが少しずつ抜きながら、調子を上げていって、リベンジしたいと思います。

――1区の出遅れもありながら、総合4位という結果に関しては

1区の柳が遅れてしまって、シード権も危ういかなとひやひやしましたが、その中でもしっかりみんなが存分に力を出し切って4位まで持っていけたということはいい経験ができたとは思います。ただ柳に関してはこれからエースになる存在だと思いますし、こんなことでくよくよしているのであれば、しっかり切り替えさせて、みんなで改善し合って箱根でリベンジしたいと思います。

――レース後、柳選手には何か声をかけましたか

ちょっとまだ会っていないので、話していませんが、これから色々と反省点を見つけ出して、一人で悩むと大変だと思うので、みんなで考えてやっていきたいと思います。

――下級生を中心として区間上位に食い込む活躍もありました。上級生から見た下級生の走りはいかがでしたか

初駅伝で10キロ以上は、1年生にとっても不安だったのかなとは思いましたが、展開もシード権争いで厳しいレースだった中でも、本来の力をしっかり出し切ってくれたことは収穫でした。今後のワセダを彼らが引っ張っていくことになると思うので、いい経験だったと思います。

――今後、箱根に向けての意気込みをお願いします

今の段階だと他大学に負けていますし、ここで優勝したいというのは欲望として強すぎると思っています。まずはしっかり勝つためにどうやっていったらよいのかというのを見つめ直して、勝負できるところまで持っていって、一人一人力をつけて全員がベストを出し切ることを優先してやっていきたいなと思います。ベストを出し切って優勝できなければ、しょうがないと思いますので、最初から優勝を狙うのではなくて、一人一人がベストを出し切ることを箱根ではやっていきたいと思います。

――箱根での個人の目標は何かありますか

僕自身はやはり区間賞を獲りたいので、上級生としての立場もあるので区間賞を狙っていきたいです。

武田凜太郎(スポ1=東京・早実)

――区間4位で2人抜き、走りを振り返っていかがですか

10キロ以上のレースは初めてだったので最初は落ち着いていこうと思ったのですが、自分が思っていたよりペースが早くなってしまって後半少し動かなかったなと思います。それでも大東大は1キロすぎくらいに抜いて、青学大は半分すぎてくらいで追い付くことができました。

――6位でタスキをもらいましたが

もう少し前の位置かなとは思っていました。でも、タスキ受けたからにはベストの走りをするしかないのでそこは大丈夫でした。

――出雲と比べていかがでしたか

そうですね、出雲より落ち着いて走れました。

――1年生3人が良かったですが、いかがですか

平が順位を上げてきてくれたので、自分も負けてられないなと思いました。また後ろに井戸もいたので、僕の走りで井戸に刺激を与えるためにもしっかり走ろうと考えていました。

――箱根は20キロになりますが

まだ、きょうの感じだと不安なのでまたしっかり走り込んでハーフ(マラソン)を走れる力をつけていきたいです。

高田康暉(スポ2=鹿児島実)

――総合4位という結果を受けていかがですか

展開としては後半は駅伝ができて、今までの駅伝とは違ったなと思います。しっかりと前半からやれれば上と戦えると分かった反面、まだまだ上とは差があるので、もっと上を目指していかなければと思いました。

――個人の結果についてはいかがですか

区間賞を狙えるということで、監督からも(区間賞を)取ってこいということでした。自分としても取らなければいけないと思っていたのですが、まだ詰めが甘かったです。一人で走る面において全然力がないということが分かって、プラスになった点も多かったので今後は反省点とプラスの点を生かしていきたいです。

――プラスの点とは具体的にどのようなものですか

後半ペースを上げることができたことです。そこまでが遅かったというのもあるのですが、ペースを上げられたのが一つの収穫だと思います。

――後半に明大を引き離したのも、後半ペースを上げようと意識していたことが生きたのですか

最初(1キロを)2分45秒くらいで入って、そこから伸びませんでした。追いつかれてから付いたのですが、逆に遅くて(足を)ためることになりました。しかし、遅かったらシード権なども厳しくなりますし3位も遠くなるので、自分の中では7キロ前後までためてそこから切り替えていこうと思っていました。渡辺監督もそこにいて、前を追えとのことだったのでその指示を聞いて前を追っていきました。ラスト1キロくらいは足が止まってきたのでもっと力を付けないとと感じました。

――6区を走るのはいつ頃決まったのですか

きのうです。しかし、自分でも大体どことどこかなと想定していてその中に6区もありました。

――次のレースの予定はありますか

上尾ハーフです。

――目標は設定していますか

自分の中では62分30秒から3分くらいです。タイムというよりは課題である上といかに戦えるかということを考えています。

――箱根駅伝での区間希望はありますか

1、2、3区など前半で流れを作れるような区間で走れるように、力を付けていきたいです。

――箱根駅伝への意気込みをお願いします

上尾で前半からハイペースだと思うのですが、そこでいかに戦えるのかということがカギになってきて、その後の練習も課題をしっかりと考えて箱根に生かしていきたいと思います。

井戸浩貴(商1=兵庫・龍野)

――初の大学駅伝はいかがでしたか

結果的には区間3位だったので、初めてにしてはいい走りができたと思います。しかし、前の日体大の選手に追いつけなかったことや明大の選手にも7キロメートル地点で追いつかれてしまったので、まだまだ課題の残る試合でした。

――明大の木村慎選手に追いつかれた時に何を考えて走ったか

追いつかれて焦った気持ちもありましたが、木村さんもかなりの差を詰めてきてるので、そんなにここでは上がらないだろうと考えることもできて、落ち着いて走ることができました。

――渡辺監督からの指示は何かありましたか

他の選手に付くことができればうまく利用して走るように、また単独で走るならば5キロを14分40秒くらいで入りしっかり前半から前を追えるようにという指示を受けてました。

――きょうは合計3名もの1年生が走りましたが、他の選手の走りを見て感じたことはありましたか

2人とも順位を上げて頑張ってる姿を見て、僕も何かをしなければなあ、と思いました。

――直近では上尾ハーフがありますが、今後に向けての課題または目標を教えてください

高校では10キロメートルまでだったので、きょう実際にロードで10キロメートル以上走り、まだまだスタミナなど課題が残っていると感じました。これからスタミナを鍛え直してしっかりとハーフを走れるようにしたいです。

――チーム内での自分の役割についてどう考えていますか

僕は1年生なので勢いで盛り上げて行こうと思っています。練習からしっかり盛り上げて行くことができるような、そんな役割を果たせたらなと思っています。

田中鴻佑(法4=京都・洛南)

――追われる展開での最終区間となりましたが、どのように走ろうと臨みましたか

監督、コーチからは59分45秒という設定タイムを言われていて、周りをうまく使いながらそのタイム通りにいくということと、シード権を最低限取るためにそこでは粘れと言われていたので、その2つだけを意識して走りました。

――エントリーの時点では8区ではどのような役割が求められていたのでしょうか

最初は優勝を狙うオーダーだという監督の話だったので、先頭でタスキをもらって、僕は確実に設定通りに走って逃げ切るというプランを考えていました。

――それでは今回レースの展開が優勝からシード権争いに変わって動揺はありませんでしたか

やはり今回の全日本でも1区がうまくいかなくて、そういう厳しい戦いになるというのは想定していました。後ろに留学生がいたのは怖かったのですが、とりあえず自分の力を出し切るということだけを考えて走りました。

――留学生の話が出ましたが、他にも他大の主力が多く走る区間でした。そういったことに対する不安はありましたか

最初に明大さんと一緒にタスキをもらって、大六野くん(秀畝)は僕よりだいぶ力があることがわかっていたので、序盤でうまくリズムを作るところでうまく彼を使って、あとは周りうんぬんというよりは確実に自分の力を出し切ることを意識しました。

――その中で設定タイムより20秒速いタイムでしたが、今回のタイムに関してはいかがですか

最低限のタイムとして45秒というのを言われていたので、手放しで喜べるような記録ではありませんが、役割を果たせたかなというところでは自分でも評価できるかなと思っています。

――今回、4年生は田中選手と大迫選手2人だけでした

今回の2区、4区、8区というのは割りと早い段階でオーダー自体が決まっていましたが、監督、コーチが自分に求めているのは追い抜いたり差をつけたりする走りではなくて、確実に走るという部分だったと思います。僕が4年生として20キロメートルできっちり走ることで、他の選手にも箱根では通用するかもしれないという自信になると思いました。それは個人としてもそうなのですが、4年生として箱根につなげる走りをしたいと思って走りました。

――下級生の走りはどのようにご覧になっていましたか

出雲に引き続いて序盤で流れを作ることが難しい中での展開だったとは思いますが、きっちり最低限の力を出し切って走ってくれていたと思います。やはりこれから距離が伸びるので、そこは下級生に頼るというよりかは、ずっと積み重ねてきた上級生の力が頼りになってくると思うので、まずは自分がうまく下級生を引っ張りながら、下級生にはこのまま勢いを保ってもらって距離に対応していってもらいたいと思います。

――出雲同様、立て直すのが難しい中での4位という結果はどのように捉えていますか

たぶんいまのワセダは普通に走れば、3番4番というところが妥当だと思うので、それがかなりうまくいけば優勝できるかもしれない状態で挑んだ全日本でした。出雲と違って大迫が序盤で走って、後半初めて駅伝を走る選手もいる中で4番まで上がってこれたのは一つ次につながるかなと思います。

――箱根まで2か月です。チームの課題やご自身の課題というのは

チーム全員が力を出し切って、それも9割10割を出して勝てるかどうかというのが現状だと思うので、まずは全員が9割10割の状態できっちり走るということが課題ですね。個人としては、今回最低限のノルマとしていたタイムよりは速く走れましたが、明大の大六野くんに離されたりして、他大の主力選手と比べたらかなり力が劣っているというのは、はっきりわかりました。今度はどの区間で走るのかわかりませんが、そういう主力選手との穴を埋められるように、これからまた2か月間で変わってくると思うので、しっかり練習したいと思います。

――では残り2ヶ月どのように過ごしたいですか

いままでやってきたことにある程度間違いはないのではないかという自信は感じているので、取り組み方はさほど変えるつもりはありません。ただ、やはりまだまだ自分自身に厳しくできることはあると思うので、徹底して隙がないようにあと2か月過ごしたいです。