【競走】増子陽太がU20記録を打ち破る! 鈴木琉も圧巻の走りを披露

陸上競技

金栗記念選抜陸上中長距離大会 4月11日 熊本・えがお健康スタジアム

 強い日差しが照り付ける中行われた金栗記念選抜陸上中長距離大会(金栗記念)。1500メートル、5000メートル、3000メートル障害の3種目に、計6人の選手が早大から出場した。多くの下級生が活気あふれるレースを展開し、2人が自己記録を更新する結果となった。

 男子3000メートル障害には佐々木哲(スポ2=長野・佐久長聖)が出場。佐々木哲は昨年この大会でエンジデビューを果たし、U20歴代2位のタイムを記録した。今年も、本種目には大学、実業団を問わず多数の有力選手が集結。ハイレベルなレース展開に期待が高まった。

 レース序盤、佐々木哲は集団の真ん中でレースを進めた。先頭の選手が1000メートルを2分49秒で通過すると、徐々に集団が2つに分かれ始める。先頭が目まぐるしく変わる第1集団から離れ、佐々木哲は第2集団の先頭に。残り3周に入ったところでレース全体のペースが上がり、「うまくペースに乗ることができなかった」と語った佐々木哲は第2集団から遅れる。終盤は単独走となり、8分47秒90でのフィニッシュとなった。

 男子1500メートルには、早大から3組に岩下和史(スポ4=神奈川・神大附)、4組に新妻遼己(スポ1=兵庫・西脇工)が出場。先週の東京六大学対校で優勝した2人は、金栗記念でもその勢いを示した。

 3組に出場した岩下は、スタート直後から2番手につける。レースは落ち着いたペースで進み、800メートルを2分2秒で通過した。レースが動いたのは残り1周。多くの選手がスパートをかけ、競り合いとなる中、水野颯也(立命館大)が先頭に立つ。トップを走る水野に対し、岩下はラスト200メートル手前からスパートをかけて猛追。あと一歩まで迫るも、惜しくも組2着に。タイムは3分44秒26をマークした。

 新妻が出場した最終4組には、日本を代表するスピードランナーが集結。序盤、新妻は集団の中ほどに位置する。400メートル付近から集団前方へと徐々に位置を上げ、スパートのタイミングをうかがう。ラスト1周の鐘が鳴ると、先頭集団は一斉にペースを上げ、スパート合戦に。新妻も懸命に食らいついたが先頭からは離され、3分45秒52でレースを終えた。

 男子5000メートルには本田桜二郎(スポ1=鳥取城北)、鈴木琉胤(スポ2=千葉・八千代松陰)、増子陽太(スポ1=福島・学法石川)の下級生3人が登場した。合計4組で行われ、本田が2組、鈴木琉と増子陽太が4組での出走となった。

 男子5000メートル2組は、外国人ランナーがレースを引っ張る展開に。本田はレース序盤から積極的な走りを見せ、集団の前方でレースを進めた。1000メートルを2分47秒で通過した集団のペースが徐々に上がる中、本田は依然、前方に位置する。3000メートル通過時には2番手まで順位を上げた。しかし、4000メートル手前から集団後方へ後退した本田は、残り1000メートルとなったところで集団から遅れ単独走に。最後は苦しい走りとなったが、13分台でレースをまとめた。

 この日最終レースとなった男子5000メートル4組には、鈴木琉、増子陽太の全国高等学校駅伝競走大会1区区間賞コンビが姿を見せた。最速のペースライトが13分15秒に設定された本レースは、塩尻和也(富士通)を先頭に縦長の隊列が形成される。2番手を走る山口智規(令8スポ卒=現SGホールディングス)の後ろに、鈴木琉、増子陽太と続き、1500メートルまで13分15秒を示すペースライトと並走するかたちに。2000メートルを通過後、外国人選手が一気にペースを上げ、先頭集団を形成する一方、2人は第2集団で冷静にレースを進めた。レース中盤、徐々にばらけだした第2集団から抜け出し、増子陽太、鈴木琉の順に13分10秒台でのゴールを目指す。後ろから13分25秒を示すペースライトが迫る中、残り1周で懸命なラストスパートを見せる。最後は鈴木琉が増子陽太を突き放し、13分20秒64で自己記録を更新。増子陽太もU20日本記録を塗り替える13分22秒87でのフィニッシュとなった。

 5000メートル最終組で驚愕(きょうがく)のレースを披露した早大勢。特に、増子陽太は初エンジでU20日本記録を打ち立てる怪物ぶりを発揮した。また、鈴木琉も13分20秒64の衝撃的な走りを見せたが、レース後には「13分10秒台にあと一歩届かず詰めの甘さが現れた」と反省の言葉を口にするなど、さらなる高みを見据える。他の選手たちも多くの収穫、課題を得られたであろう本大会。2カ月後に控える日本選手権へ、エンジの勢いは最高潮へと向かう。

(記事 石本遥希、永尾早渡、写真 石本遥希)

結果

▽男子1500メートル

岩下和史(スポ4=神奈川・神大附) 3分44秒26(3組2着)

新妻遼己(スポ1=兵庫・西脇工) 3分45秒52(4組17着)

▽男子5000メートル

本田桜二郎(スポ1=鳥取城北) 13分56秒16(2組11着)

鈴木琉胤(スポ2=千葉・八千代松陰) 13分20秒64(4組6着)

増子陽太(スポ1=福島・学法石川) 13分22秒87(4組7着)

▽男子3000メートル障害

佐々木哲(スポ2=長野・佐久長聖) 8分47秒90(10着)

コメント

佐々木哲(スポ2=長野・佐久長聖)

ーー今日のレースを振り返ってみていかがですか

 目標タイムとしては、8分30秒台を目指していましたが、序盤からフォームがかみ合いませんでした。うまくペースに乗ることができず、悔しい結果となりました。

ーーレース前のコンディションはいかがでしたか

 4週間前のオーストラリアでの大会(ADELAIDE INVITATIONAL)で、サンショー(3000メートル障害)に出場しましたが、思ったように走ることができませんでした。その大会後から今日に至るまで練習内容の変更や、監督への相談もしました。さまざまなことを変化させながら、今日まで調整を行ったので、レース前の調子は良いと感じていました。しかし、たった4週間では結果が明確に変わるわけもなく、陸上はそんなに甘いものではないということを改めて実感しました。

ーー先週の東京六大学対校(六大学)から連戦となりましたが

 六大学の1500メートルでは、サンショーのラストや、レース中に苦しくなったときを想定し、体を動かすことを意識して走りました。(六大学で)自分の設定をクリアすることはできていたので、今日のレースにもいいかたちでつなぐことができると感じていました。しかし、今日のレースでは六大学で意識していた最後の粘りを発揮することができなかったので、悔しいです。今日の結果を真摯に受け止め、次の大会に向けて頑張っていきたいです。

ーー今後の目標についてお聞かせください

 アジア大会出場が目標です。その目標を達成するには、6月の日本選手権で2位以内に入り、かつ8分25秒を切らなければなりません。今は思うような走りができていませんが、まだ道半ばであると思うので、1日1日を大切にして全力を尽くしていきたいです。

岩下和史(スポ4=神奈川・神大附)

ーー今日のレースを振り返ってみていかがですか

 1周目を58秒で通過し、序盤は狙ったタイムと同じペースでレースを進められました。しかし、400メートルから1000メートルにかけて集団のペースが落ちていたところで、前に出る自信がありませんでした。その結果、タイムが落ちてしまったため、もったいなかったと感じています。

ーー今日のコンディションはいかがでしたか

 風もなく、比較的暖かい気候であったため、記録が出やすいコンディションであったと思います。

ーー目標としていた記録や順位はありましたか

 順位はあまり狙っていませんでした。記録としては、日本選手権の申込資格記録である3分43秒50を切ることを最低限の目標とし、(3分)41秒、42秒あたりでフィニッシュできればと思っていました。

ーー先週の六大学からどのような調整をしましたか

 六大学の800メートルは、今日を見据えてのレースでした。今日は疲労もなく、先週の800メートルで入れた刺激も保つことができていたので、自分のイメージ通りに調整することができたと思います。

ーー今日の結果を踏まえ、今後の目標についてお聞かせください 

 直近の目標は、やはり3分43秒50を切ることです。再来週の日体大記録会で、そのタイムを切れるように頑張ります。

新妻遼己(スポ1=兵庫・西脇工)

ーー今日のコンディションはいかがでしたか

 この大会に向けて、問題なく練習ができていました。

ーー目標としていた記録や順位はありましたか

 3分40秒前後を目標とし、できるだけ上の順位でゴールしようと考えていました。

ーー今日のレースを振り返ってみていかがですか

 力不足、経験不足であり、全く歯が立ちませんでしたが、シーズンインから徐々に調子は上がっていると感じています。

ーー今日の結果を踏まえ、今後の目標についてお聞かせください

 着実に練習を積み、U20のカテゴリーのアジア大会や世界選手権でメダル争いができるように、仕上げていきたいです。

本田桜二郎(スポ1=鳥取城北)

ーー今日のコンディションはいかがでしたか

 疲労を抜くことを意識しすぎてしまった分、体力がなかったと感じました。

ーー目標としていた記録や順位はありましたか

 日本選手権の標準記録である13分36秒00、あわよくば13分30秒を切ることを目指していました。

ーー今日のレースを振り返ってみていかがですか

 ペースの変化に対応できず負けてしまい、タイムもついてきませんでした。また一から体力づくりをしていきたいと思います。

ーー今日の結果を踏まえ、今後の目標についてお聞かせください

 1カ月後のゴールデンゲームズ in のべおかで、目標である13分30秒切りを目指します。

鈴木琉胤(スポ2=千葉・八千代松陰)

ーー今日のコンディションはいかがでしたか

 5000メートルが自分の主戦場であるため、今季で一番ピークを合わせたい試合でした。最高とまでは言いませんが、この大会に向けての準備はかなりできたと思います。

ーー目標としていた記録や順位はありましたか

 13分25秒台が自己記録であったので、(13分)25秒を切ることが目標でした。そして、可能であれば(13分)10秒台を出し、最低でも(13分)20秒台でまとめようと考えていました。13分20秒64という記録で、(13分)10秒台にあと一歩届かず詰めの甘さが現れました。ただ、1つの目標であった自己記録の更新は達成できたので、自分の良いところを出せたレースであったと思います。

ーー前半から山口智規(令8スポ卒=現SGホールディングス)選手、増子陽太選手と積極的なレースを展開されましたが、3人で何か決めていたのですか

 全く何も決めていませんでした。自分は智規さんについていこうと考えていました。おそらく増子陽太も同じことを考えていたと思います。

ーー今日のコンディションはいかがでしたか

 風以外のコンディションは非常に良かったので、記録は出やすいだろうと思っていました。また、直近の大会でスパイクに対してあまり良い感触がなかったのですが、今日のレースのラスト3000メートルあたりから(自分の足に)はまってきました。スパイクがはまり、フォームを崩さずに走ることができたのは、今日の収穫だと思います。

ーー今日の結果を踏まえ、今後の目標についてお聞かせください

 駅伝では、任された区間で区間賞を狙います。また、今年は東京箱根間往復大学駅伝(箱根)を走ったので、箱根で得られたエッセンスをトラックにも取り入れていき、世界に出ていけるように頑張りたいです。

増子陽太(スポ1=福島・学法石川)

ーーU20の5000メートル日本記録の更新は、レース前から頭にありましたか

 U20の日本記録も頭にはありましたが、13分25秒を切ることができれば良いと思っていました。あわよくば、13分20秒を切ることができれば、とも考えていました。結果として、U20の記録を更新することができて、自信になりました。まだまだこれから大会が続くので、自分のU20の記録を伸ばしていけるように頑張りたいです。

ーー自身の記録を聞いた時の気持ちを教えてください

 率直にうれしかったですが、もう少し(記録を)出すことができたのではないかと思います。通過点としては良かったと感じます。

ーーこのような記録が出た背景をどのように自己分析しますか

 (早大では)高校の時よりも強い先輩や同期と練習ができるからであると考えます。自分自身も気持ちの面で気合いが入りますし、練習の強度もすごく上がっているので、そのような部分が今回の記録につながったと思います。

ーー今日の結果を踏まえ、今後の目標についてお聞かせください
 やはり5000メートルで13分20秒を切ることを目指していきたいです。また、ただ速いだけでなく、どのようなレース展開でも、ラスト勝負ができるような強さも求めていきたいです。現時点でラスト勝負ができる力を持っていないので、(そのような力を持っている)新妻や本田の背中を追いかけて頑張りたいと思います。