【競走】男女で早慶戦を制覇! 一般種目4年生が巣立ちの時を迎える

陸上競技

早慶対抗陸上競技会 8月11日 神奈川・慶大日吉陸上競技場

 激しい雨が断続的に降り、蒸し暑さがまとわりつくような天候の中、男子第101回・女子第4回早慶対抗陸上競技会(早慶戦)が慶大日吉陸上競技場で開催された。男子は32ー25で慶大に2年連続の勝利を収め、通算成績を78勝20敗2ノーゲーム1中止とした。女子も26ー12で昨年に引き続き優勝し、通算成績を4勝0敗に更新。女子の大会MVPには矢野夏希(スポ3=愛知・時習館)が選出された。

 101回目を迎えた男子早慶戦。最初のトラック対抗種目である100メートルでは、水野琉之介(スポ2=北海道・立命館慶祥)と寺澤大地(スポ4=京都・洛南)がツー・スリーフィニッシュを飾った。強い向かい風の中でのレースとなったが、男子MVPに輝いた林明良(慶大)に食らいつく力走を見せた。続く110メートル障害では、西徹朗(スポ4=愛知・名古屋)と盛岡優喜(スポ4=千葉・八千代松陰)がそれぞれ1位、3位に。レース後には2人の顔に笑顔が見られ、早大に良い流れをもたらした。400メートルでは、45秒台の自己記録を持つ森田陽樹(創理3=埼玉・早大本庄)が圧巻の走りで優勝。また、オープン種目の200メートルにも出場した髙須楓翔(スポ3=千葉・成田)は、2本目のレースながらも2位に入り、貴重な得点を追加した。唯一の対抗中距離種目である1500メートルでは、水嶋優斗(スポ3=東京・高輪)が2週目でスパートをかけ、そのまま優勝。序盤から果敢にレースを引っ張った地案尚宏(スポ2=愛知・旭野)も粘りを見せ、3位でフィニッシュした。

 男子はフィールド種目でも健闘。雨が降りしきる中で行われたやり投では、鶴澤元基(スポ4=東京・富士森)、梅澤祥吾(スポ4=神奈川・金沢)、守屋浩睦(人2=大阪・寝屋川)がワン・ツー・スリーを達成し、得点を重ねる。この3人は円盤投にも出場。やり投で自己記録を更新したばかりの守屋が円盤投でも自己新記録で3位に。2種目で優勝に貢献する活躍を見せた。 棒高跳では佐々木秀晟(スポ2=香川・高松一)が対抗1位を獲得。走幅跳では佐々木悠人(人3=岩手・一関一)、藤本涼哉(商1=兵庫・小野)がそれぞれ対抗2位・3位に入り、フィールド勢が着実に得点を積み上げた。

 一方、今年で4回目となる女子早慶戦。100メートル障害には谷中天架(スポ1=大分雄城台)と松田晏奈(スポ1=長崎日大)が出場した。谷中が14秒02で1位、松田が14秒04で2位に入り、ワン・ツーフィニッシュ。続く200メートルでは、上島周子(スポ3=東京・富士)が向かい風をものともせず24秒台で優勝。河野桃々(商1=京都橘)も25秒44で2位に入り、女子トラック種目2種目連続で早大が1位、2位を占めた。800メートルでは、武田亜子(スポ2=静岡・日大三島)が2着でフィニッシュし、女子の得点に貢献した。フィールド種目では、すべての対抗種目で早大が優勝。やり投では松永成美(基理1=埼玉・早大本庄)が40メートル91を記録して1位に。走幅跳では内藤香乃(スポ3=兵庫・北摂三田)が5メートル82で優勝を果たした。さらに走高跳では試合の続く矢野が1メートル70の記録で1位に輝いた。矢野は昨年に続き、女子の大会MVPにも選出された。

 雨雲が去り、空がすっきり晴れた夕暮れに行われたリレー競技。女子4×100メートルリレーでは1走の上島が先頭でバトンをつなぐと、2走・谷中、3走・河野、4走・松田と、3人の1年生がさらに慶大を突き放し、快勝を収めた。男子4×200メートルリレーには由井響(スポ3=山梨・都留)、寺澤、水野、若菜敬(スポ1=栃木・佐野)と、各学年から1人ずつ起用された。昨年1分21秒24という日本記録を樹立したこの種目。2年連続の日本記録更新とは惜しくもならなかったが、1分24秒04で1着でフィニッシュ。最終種目の優勝を臙脂(えんじ)が飾り、『紺碧の空』を響かせた。

 また、早大MVPには田中美雪副務(法4=神奈川・日大藤沢)が選ばれた。早慶戦に向けて力を尽くしてきた姿勢が評価され、大前祐介監督(平17人卒=東京・本郷)によれば、満場一致での選出だったという。今大会に限らず、この4年間、田中副務は早大競走部のために力を注ぎ続けてきた。臙脂(えんじ)に焦がれ、献身してきた彼女の存在は早大競走部にとってどれほど大きかっただろうか。一般種目の4年生は今大会を一区切りとして引退するが、彼女をはじめとするスタッフ陣は東京箱根間往復大学駅伝まで、競走部に残る。来たる駅伝シーズンでは、出走する長距離選手たちだけでなく、選手とともに最後まで並走し続けるスタッフの姿も、どうか見届けてほしい。

 3年連続の男女アベック優勝を収めた今年の早慶戦。悪天候下での厳しい状況の中、選手たちは母校の威信をかけ、一人一人が全力で戦い抜いた。また、今回の早慶戦は多くの一般種目4年生にとっては、例年よりもやや早い、引退試合となった。4年間、陸上に真摯に向き合い、苦しさも喜びも糧としながら全身全霊で挑み続けた彼らは、これから進むそれぞれのフィールドでも輝きを放ち続けることだろう。そして、彼ら4年生の姿勢は、後輩たちの大きな指標となったはずだ。今年届かなかった「インカレ総合優勝」の目標とともに、臙脂(えんじ)の誇りは112代目に受け継がれていく。

(記事 佐藤結、写真 石本遥希、佐藤結、鶴本翔太)

対抗男子結果

▽100メートル(ー3・2)

水野琉之介(スポ2=北海道・立命館慶祥)  10秒65(2着)

寺澤大地(スポ4=京都・洛南)  10秒69(3着)

由井響(スポ3=山梨・都留)  10秒94(5着)

▽400メートル

森田陽樹(創理3=埼玉・早大本庄)  47秒18(1着)

髙須楓翔(スポ3=千葉・成田)  48秒24(2着)

石原慎也(法4=京都・洛南)  48秒75(5着)

▽1500メートル

水嶋優斗(スポ3=東京・高輪)  4分03秒67(1着)

地案尚宏(スポ2=愛知・旭野)  4分07秒75(3着)

石崎友太朗(スポ1=新潟中央)  4分08秒13(4着)

▽110メートル障害(ー0・2)

西徹朗(スポ4=愛知・名古屋)  13秒99(1着)

盛岡優喜(スポ4=千葉・八千代松陰)  14秒22(3着)

平田和(スポ3=鹿児島・松陽)  DNS

▽4×200メートルリレー

早大(由井ー寺澤ー水野ー若菜) 1分24秒04(1着)

▽走高跳

石原佳篤(法1=埼玉・早大本庄)  1メートル75(4位) 

▽棒高跳

佐々木秀晟(スポ2=香川・高松一)  4メートル70(1位)

石原佳篤(法1=埼玉・早大本庄)  3メートル00(4位) 

▽走幅跳

佐々木悠人(人3=岩手・一関一)  7メートル19(2位)(+0・9)

藤本涼哉(商1=兵庫・小野)  7メートル05(3位)(-1・3)

山城碧生(創理1=静岡・浜松北)  6メートル71(5位)(+1・5)

▽円盤投

守屋浩睦(人2=大阪・寝屋川)  29メートル66(3位)

梅澤祥吾(スポ4=神奈川・金沢)  29メートル53(4位)

鶴澤元基(スポ4=東京・富士森)  29メートル26(5位)

▽やり投

鶴澤元基(スポ4=東京・富士森)  62メートル77(1位)

梅澤祥吾(スポ4=神奈川・金沢)  61メートル66(2位)

守屋浩睦(人2=大阪・寝屋川)  54メートル91(3位)

対抗女子結果

▽200メートル(ー1・8)

上島周子(スポ3=東京・富士)  24秒76(1着)

河野桃々(商1=京都橘)  25秒44(2着)

▽800メートル

武田亜子(スポ2=静岡・日大三島)  2分15秒43(2着)

鈴木翼沙(スポ3=東京・日大櫻丘)  2分21秒41(4着)

▽100メートル障害(ー1・8)

谷中天架(スポ1=大分雄城台)  14秒02(1着)

松田晏奈(スポ1=長崎日大)  14秒04(2着)

▽4×100メートルリレー

早大(上島ー谷中ー河野ー松田) 46秒53(1着)

▽走高跳

矢野夏希(スポ3=愛知・時習館)  1メートル70(1位)

▽走幅跳

内藤香乃(スポ3=兵庫・北摂三田)  5メートル82(1位)(-0・8)

▽やり投

松永成美(基理1=埼玉・早大本庄)  40メートル91(1位)

鈴木真帆(スポ3=茨城・水戸一)  40メートル09(2位)

オープン男子結果

▽100メートル

清水友彬(スポ4=三重・伊勢)  11秒33(3組3着)(+0・0)

滝澤悠貴(文1=埼玉・早大本庄)  11秒17(4組3着)(ー0・8)

伊橋璃矩(スポ2=千葉・成田)  10秒79(6組1着)(ー0・5)

村松悦基(政経1=京都・洛南)  10秒87(6組2着)(ー0・5)

青山侑樹(スポ1=大阪・東海大仰星)  11秒24(6組4着)(ー0・5)

竹一虎(スポ4=滋賀・草津東)  DNS

石原慎也(法4=京都・洛南)  DNS

瀬能斗亜(スポ2=埼玉・春日部共栄)  DNS

牛島壮司朗(スポ1=佐賀・致遠館)  DNS

鶴巻陽太(スポ2=新潟・三条)  DNS

片山大地(スポ3=東京・八王子)  DNS

▽200メートル

若菜敬(スポ1=栃木・佐野)  21秒69(3組1着)(+0・6)

髙須楓翔(スポ3=千葉・成田)  21秒72(3組2着)(+0・6)

荒木星哉(スポ1=福岡・九産大九産)  DNS

▽300メートル

石原慎也(法4=京都・洛南)  DNS

▽400メートル

鹿毛丈(スポ2=高知追手前)  51秒02(2組2着)

安心院大渡(スポ2=大分舞鶴)  49秒60(3組2着)

竹一虎(スポ4=滋賀・草津東)  50秒97(4組4着)

吉田新(商1=東京・早実)  DNS

清水友彬(スポ4=三重・伊勢)  DNS

▽800メートル

木村 涼太(スポ1=北海道・札幌西)  1分56秒38(3着)

地案尚宏(スポ2=愛知・旭野)  DNS

石崎友太朗(スポ1=新潟中央)  DNS

林優太(スポ1=広島)  DNS

吉田新(商1=東京・早実)  DNS

▽1500メートル

岩下和史(スポ3=神奈川・神大附)  DNS

▽110メートル障害

瀬能斗亜(スポ2=埼玉・春日部共栄)  DNS

▽400メートル障害

平田和(スポ3=鹿児島・松陽)  DNS

▽走幅跳

山城碧生(創理1=静岡・浜松北)  DNS

牛島壮司朗(スポ1=佐賀・致遠館)  DNS

▽三段跳

棚井将輝(スポ4=埼玉・大宮北)  14メートル93(1等)(ー1・3)

▽やり投

佐々木瑛太(創理1=東京・都国立)  51メートル16(2等)

守屋浩睦(人2=大阪・寝屋川)  DNS

オープン女子結果

▽100メートル

髙津采里(スポ1=愛知・時習館)  12秒79(1組1着)(+1・1)

山越理子(人4=東京・富士)  12秒67(2組2着)(ー3・1)

河野桃々(商1=京都橘)  12秒92(2組5着)(ー3・1)

イベル聖羅(商2=京都橘)  DNS

野村美月(スポ2=栃木・石橋)  DNS

五味彩花(政経1=東京・早実)  DNS

上島周子(スポ3=東京・富士)  DNS

▽200メートル(ー0・5)

山越理子(人4=東京・富士)  25秒33(1着)

正木紗(スポ2=岡山朝日)  27秒18(2着)

五味彩花(政経1=東京・早実)  DNS

▽400メートル

清水奈々子(文構4=北海道・札幌南)  56秒97(1着)

木下晏里(商1=徳島文理)  58秒96(2着)

正木紗(スポ2=岡山朝日)  60秒81(3着)

大川寿美香(スポ4=東京・三田国際学園)  DNS

▽800メートル

大圖希々(スポ1=東京・渋谷教育学園幕張)  2分23秒06(全体5着)

▽1500メートル

熊倉花萌(スポ1=東京・早実)  4分41秒56(1着)

始関千華(政経2=北海道・札幌南)  DNF

▽100メートル障害

木村加乃(院2=愛知・至学館大)  14秒74(全体4着)(ー1・8)

イベル聖羅(商2=京都橘)  DNS

野村美月(スポ2=栃木・石橋)  DNS

▽400メートル障害

内藤香乃(スポ3=兵庫・北摂三田)  DNS

▽棒高跳

宮﨑瑛子(商4=静岡・浜松市立)  DNS

▽走幅跳

平山果歩(スポ1=山梨・甲府南)  4メートル91(1等)(+1・4)

中尾心春(スポ3=兵庫・長田)  DNS

▽三段跳

伊藤凜(スポ4=福岡・明善)  11メートル44(1等)(+0・6)

平山果歩(スポ1=山梨・甲府南)  10メートル76(2等)(+0・0)