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トラックゲームズ in TOKOROZAWA 3月23日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場
トラックゲームズ in TOKOROZAWA2日目には、短距離ブロック、障害ブロックの選手らが出場。水野琉之介(スポ1=北海道・立命館慶祥)が2種目で学生個人標準記録を突破、上島が2種目で自己記録を更新するなど、前日に続き好記録が続出した。
女子400メートルには正木紗(スポ1=岡山朝日)が出場した。女子400メートルで今大会唯一の出場者となった正木。仲間たちの声援を背に受け、フォームを崩すことなく走ったものの、終始単独走だったためペースを上げることができず、自己ベストに及ばぬ58秒51でゴール。本記録では競い合う相手のいない難しいレースとなったが、2年目となる今シーズン、正木はどのような活躍を見せてくれるか、今後の躍動に期待が高まる。

レースを走る森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)
男子400メートルには、卒業後も競技継続予定の眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)含め、6人が出場。3組目に清水友彬(スポ3=三重・伊勢)、竹一虎(スポ3=滋賀・草津東)、4組目には眞々田、石原慎也(法3=京都・洛南)、森田、権田浬(スポ1=千葉・佐倉)がそれぞれ出走した。3組は清水が序盤から飛び出し1着、竹は中盤から後半にかけて加速する走りを見せ3着でゴール。続く4組は森田が序盤から勢いのある走りで46秒40と自己ベストを0.03秒更新し、堂々の1着。森田は3年目となるシーズンで順調なスタートを切った。権田、眞々田がそれに続くかたちでフィニッシュ。石原は5着でのゴールとなった。
女子100メートルには、上島周子(スポ2=東京・富士 )、野村美月(スポ1=栃木・石橋)が出場。追い風1.8メートルと強めの風が吹く中、3レーンでスタートした上島は序盤からスピードに乗り周囲を引き離す。暖かかったこともあり、モチベーションを上げてレースに臨んでいた上島はそのまま1着でゴール。11秒台を目指しているという上島だが、12秒08とシーズンインからいきなり自己ベストをマークし上々の滑り出しとなった。4レーンの野村は12秒61、3着でのゴールとなった。

レースを走る上島
男子100メートルには、寺澤大地(スポ3=京都・洛南)、片山大地(スポ2=東京・八王子)、由井響(スポ2=山梨・都留)、水野が出場。学生個人選手権(学生個人)の標準記録の締め切りとなったこの日、10秒45という標準記録突破を目指し、1年生の水野がスタートから飛び出す。由井や跳躍競技を主戦場とする片山もそれに続き、ゴール付近までデットヒートを繰り広げたが、水野が1着でゴール。タイムは10秒43と、見事学生個人の標準記録を突破し、周りからは歓声が上がった。水野は、ひとまずは標準を突破したことに対し「安心した」と語った。対校戦に向け自らの力を積極的にアピールする結果となった。
女子200メートルでは上島と正木がともに同日レース2本目を走った。「 200メートルの記録を残すために結構気持ちを入れていた」という上島は前半から圧倒的なスピードに乗り、1着でゴール。24秒47で自己記録をマークするとともに、「(24秒80という)学生個人の標準を切れてよかったと一安心している」とレースを振り返った。「個人としてもリレーとしても表彰台に上りたい」と強く語った上島。シーズン序盤から勢いの良い上島の対校戦での活躍が楽しみだ。また、400メートルを主種目とする正木は上島につづくかたちで26秒13でフィニッシュした。

レースを走る水野
男子200メートルには髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)と、同日レース2本目の眞々田、寺澤、水野が出場。外側のレーンからのスタートとなった髙須は先行した状態をキープしたまま、ラストの直線ではよりいっそうスピードを増し、1着でフィニッシュ。タイムは20秒99と、200メートル初戦から自己記録の20秒79に迫る走りを見せた。水野、寺澤、眞々田の3人も、最後の直線では並ぶかたちで高須を追い、21秒台でゴール。中でも、21秒05でフィニッシュした水野は100メートルに続き、21秒10である学生個人の標準記録を突破してみせた。
女子100メートル障害には野村が出場。スタートから大きく飛び出した野村は、追う相手がいない中でもペースを乱さず、淡々とハードルを越え、1着でフィニッシュ。シーズンイン後の連戦の中、14秒台でまとめ、この日2本目のレースを終えた。

ハードルを越える瀬能斗亜(スポ1=埼玉・春日部共栄)
男子110メートル障害には瀬能が出場。瀬能を含め2名のレースとなった。瀬能はスタートから勢いよく飛び出すことに成功すると、安定したフォームと滑らかなハードリングでもう一人の選手との差を広げていく。15秒05と自己ベストには及ばなかったものの1着でゴールした。
女子400メートル障害には、大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)、内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)、千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)の3選手が出場。序盤、大川が良いスタートを切り先行する。リードを保ったまま、大川はスムーズにハードルを飛び越えていく。しかし、300メートル付近で千葉が圧倒的なラストスパートをかけ始める。長いストライドを生かし、先頭との差をぐんぐん縮めていく千葉。最後のハードルを飛び越えるといよいよスパート合戦となり接戦を繰り広げたが、ごく僅差で大川がレースを制した。大川、千葉ともに59秒台でのフィニッシュとなった。

ハードルを越える渕上翔太(スポ1=東福岡)
男子400メートル障害には盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)、渕上が出場。昨年全カレ王者の渕上は、49秒台を狙った。序盤から渕上と盛岡の2人でレースを引っ張る展開となり、周囲の選手を置き去りにして先行する。その中で渕上が徐々に差を広げ前に出た。最後から3台目のハードルを超えた辺りから渕上が一気に盛岡を引き離しにかかる。最後のハードルを超え、ラストスパート。盛岡も負けじと振り絞るも、渕上がそのまま1着でゴール。宣言通り49秒台を叩きだした。盛岡も50秒台と、春季オープンから着実にタイムを上げてフィニッシュした。今年も早大の400メートル障害は大きな盛り上がりを見せそうだ。
水野と上島が2種目、森田が1種目でそれぞれ自己記録を更新し、前日に続いて、短距離ブロック・障害ブロックの選手たちも幸先の良いスタートを見せた2日目。選手たちは、このまま勢いを止めることなく、対校戦や学生個人へと向かっていくことだろう。まずは、来たる東京六大学対校(六大学)で、日吉の地をエンジに染め上げよう。
(記事・写真 會川実佑、植村皓大、佐藤結、谷田光太郎)
男子結果
▽100メートル
水野琉之介(スポ1=北海道・立命館慶祥) 10秒43(9組1着)(+0・2)
由井響(スポ2=山梨・都留) 10秒54(9組2着)(+0・2)
片山大地(スポ2=東京・八王子) 10秒60(9組3着)(+0・2)
寺澤大地(スポ3=京都・洛南) 10秒70(9組4着)(+0・2)
関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟) DNS
井上直紀(スポ3=群馬・高崎) DNS
伊橋璃矩(スポ1=千葉・成田) DNS
鶴巻陽太(スポ1=新潟・三条) DNS
▽200メートル
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田) 20秒99(7組1着)(-0・6)
水野琉之介(スポ1=北海道・立命館慶祥) 21秒05(7組2着)(-0・6)
寺澤大地(スポ3=京都・洛南) 21秒31(7組3着)(-0・6)
眞々田洸大(スポ4=千葉・成田) 21秒32(7組4着)(-0・6)
鶴巻陽太 DNS
▽400メートル
清水友彬(スポ3=三重・伊勢) 48秒99(3組1着)
竹一虎(スポ3=滋賀・草津東) 50秒60(3組3着)
森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄) 46秒40(4組1着)
権田浬(スポ1=千葉・佐倉) 47秒23(4組2着)
眞々田洸大(スポ4=千葉・成田) 47秒33(4組3着)
石原慎也(法3=京都・洛南) 49秒45(4組5着)
鹿毛丈(スポ1=高知追手前) DNS
安心院大渡(スポ1=大分舞鶴) DNS
▽110メートル障害
瀬能斗亜(スポ1=埼玉・春日部共栄) 15秒05(1着)(+1・4)
池田海(スポ4=愛媛・松山北) DNS
▽400メートル障害
渕上翔太(スポ1=東福岡) 49秒73 (1着)
盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰) 50秒44(2着)
女子結果
▽100メートル
上島周子(スポ2=東京・富士 ) 12秒08(3組1着)(+1・8)
野村美月(スポ1=栃木・石橋) 12秒61(3組3着)(+1・8)
山越理子(人3=東京・富士) DNS
林美希(スポ1=愛知・中京大中京) DNS
▽200メートル
上島周子(スポ2=東京・富士 ) 24秒47(1着)(+1・9)
正木紗(スポ1=岡山朝日) 26秒13(2着)(+1・9)
山越理子(人3=東京・富士) DNS
イベル聖羅(商1=京都橘) DNS
▽400メートル
正木紗(スポ1=岡山朝日) 58秒51(1着)
千葉史織(スポ1=宮城・仙台一) DNS
▽100メートル障害
野村美月(スポ1=栃木・石橋) 14秒26(1着)(+0・6)
イベル聖羅(商1=京都橘) DNS
林美希(スポ1=愛知・中京大中京) DNS
木村加乃(院1=愛知・至学館大) DNS
▽400メートル障害
大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園) 59秒53(1着)
千葉史織(スポ1=宮城・仙台一) 59秒61(2着)
内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田) 1分2秒73(4着)
コメント
水野琉之介(スポ1=北海道・立命館慶祥)
--冬季練習では、どのようなことを意識して取り組んでいましたか
基本的に元々ピッチ頼りな走り方をここまでしていたため、1年生の夏季の間にストライドをもっと伸ばそうという話をしていました。いろいろ試行錯誤をする中で、最初の方はうまくいきませんでしたが、冬季練習では走る機会が多く、雪国出身でなかなか外で走ってこなかったので距離と回数を踏んで、どういった走りがあっているのかということを少しずつ試行錯誤しながら練習をしていました。
--連戦となりましたが、本日のコンディションはいかがでしたか
初戦が木曜日にあったのですが、その時は気温が10度で、あまり高くなかったです。その分今日は20度で暖かい中走れて、今日の1本目なのであまりキレは上がりませんでしたがかなり可動性を持って走れたのではないかなと思います。
--本日の目標を教えてください
今日は学生個人の標準記録の10秒45を切るということを目標としていました。タイムが実際に10秒43で今日ギリギリ(標準を)切ることができたので目標は達成できて良かったです。
--レースプランはありましたか
僕は基本スタートが得意なのですが、スタートを速くしようとして最初から(足を)ガン回してしまい、後半でかたちが崩れて走れなくなるということが今まで多かったです。そのため、前半は一旦置いておいて、リズムに乗って後半にうまくつなげるような走りをしようと考えていました。また、今日は暖かいということで、ストライドを広げられるように股関節や肩甲骨の可動性を持って走るというレースプランを持っていましたが、それがうまく当てはまって良かったのではないかと思っています。
--本日のレース全体を振り返っていかがですか
学生個人の標準の締め切りが今日までだったのでタイムを狙っていて、その焦りの気持ちが最後出てラスト10メートル、5メートルでかたちが崩れてしまいました。ですが、風も追い風0.2メートルでほぼ無風の中、10秒43という自己ベストで走ることができました。まだ動画を見ていないので、客観的な部分はわからないですが、主観としてはしっかりしたポジションやタイミングで接地もできて、流れを通してはかなり良かったのではないかと思っています。ただ、後半もっと冷静に走ることができればもっと伸びてくるのではないかと思います。
ーー自己ベスト更新、そして学生個人の標準突破となりましたが、タイムについてどう振り返りますか
今日はコンディションも天気も良く、気温も高く、風もいい感じで吹いていたので、10秒3台を狙っていきたいところではあったのですが、それでもやはり(学生個人の標準である)10秒45を切るといった部分では自身にとって良い経験になりました。やはり標準を突破しないことにはまだ学生個人も出れず、今シーズンが始まらなかったので、ひとまず10秒45を切れて安心したという感じです。ただ、この後対校戦であったり、関カレ(関東学生対校選手権)、全カレ(日本学生対校選手権)で走るとなると、やはりまだ今のタイムでは足りないというふうに思うので、もっともっと試合を重ねていってそこでタイムを順調に上げていければと思っています。
ーー今シーズンの目標を教えてください
個人では全カレ入賞、そしてリレーメンバーに入って、そこで優勝を狙っていきたいなと思っています。昨年度なかなかうまくいかなくて、エンジを着て走ったことが1度もないので、それと比較するとかなり大きな目標になるとは思うのですが、前の(シーズン)初戦と今日の走りで自分の走りにかなり自信がついたので、その2つの目標に向けて練習積んでいければいいなと思っています。
上島周子(スポ2=東京・富士 )
--冬季練習はどのようなことを意識して取り組みましたか
昨シーズンの関東新人(関東学生新人選手権)が終わってスピードが上がっていた状態で冬季練習に入ることができたため、スピードを上げることもですが、練習を継続するためにケガをしないということを意識していました。
--本日のコンディションはいかがでしたか
暖かかったので自分の中でも頑張るぞという気持ちになれました。足が少し痛かったですが、それもどうにか気持ちで乗り切ろうと思いました。
--まず、本日1本目の100メートルを振り返っていかがですか
11秒台を目指しているのですが、初戦としてはなかなか良いかなと思っております。
--2本目の200メートルは振り返っていかがですか
200メートルの記録を残すために結構気持ちを入れていました。200メートルのレース全体として見たら、そんなに良くはなかったのですが、とりあえずは学生個人の標準を切れてよかったなと一安心しています。
--今シーズンの目標を教えてください
今年は日本インカレ(日本学生対校選手権)と関東インカレ(関東学生対校選手権)で、個人としてもリレーとしても表彰台に上りたいという気持ちが強くあります。