山口が日本人トップでゴール! 早大記録も大幅に更新!

陸上競技

 清々しい秋晴れの中、第36回上尾シティハーフマラソンが行われた。早大からは山口智規(スポ2=福島・学法石川)、佐藤航希(スポ4=宮崎日大)、石塚陽士(教3=東京・早実)ら13人が出場。山口が大迫傑(平26スポ卒=現Nike)の持つ早大記録を更新し、日本人トップとなる3位(学生2位)でゴールした。

表彰式で笑顔を見せる山口

 「練習の一環で出場した」という山口は、スタートから先頭集団の前方に位置。5キロを過ぎたあたりで外国人ランナーが集団から飛び出すと、その後は第2集団でレースを進める。集団のペースがやや落ちてきた15キロ地点で、「余裕があって我慢ができなかった」と、山口は集団から抜け出した。その後は独走状態となったが、粘りの走りを見せる。前を走る2人には及ばなかったが、早大記録を30秒以上更新する1時間1分16秒でフィニッシュ。「いい走りができた」と納得の表情でレースを振り返った。

 また、出雲全日本大学選抜駅伝と全日本大学駅伝対校選手権(全日本)で出走メンバーから外れた佐藤も1時間3分40秒(レース途中でゼッケンが外れてしまったため記録は非公認)のチーム内2番手でフィニッシュ。「もう少しタイムを縮めたかった」と語ったものの、久しぶりのレースで復調の兆しを見せた。

レースを走る佐藤

 今大会は山口の快走をはじめ、多くの選手にとって収穫のあるレースになっただろう。約1カ月半後に迫った東京箱根間往復大学駅伝に向けて、山口は「3番と言わず、優勝を目指したい」と意気込んだ。全日本でシード落ちに終わった悔しさを晴らし、箱根路で巻き返しを図るべく、貪欲に上を目指す。

(記事 加藤志保、写真 佐藤結、近藤翔太)

結果

第36回2023上尾シティハーフマラソン ハーフ 大学生男子の部

山口智規(スポ2=福島・学法石川)  61分16秒(2位)早大新記録、日本人1位、2024 United Airlines NYC Half出場権獲得

佐藤航希(スポ4=宮崎日大)  63分40秒(50位相当) ※非公認

石塚陽士(教3=東京・早実)  63分47秒(51位)自己新記録

山﨑一吹(スポ1=福島・学法石川)   64分22秒(70位)自己新記録

諸冨湧(文3=京都・洛南)  64分25秒(71位)自己新記録

和田悠都(先理3=東京・早実)  64分25秒(72位)自己新記録

宮岡凜太(商2=神奈川・鎌倉学園)  64分48秒(97位)

須山向陽(スポ2=鹿児島城西)  64分52秒(102位)自己新記録

草野洸正(商3=埼玉・浦和)  65分11秒(115位)自己新記録

伊藤幸太郎(スポ2=埼玉・春日部)  65分25秒(125位)自己新記録

濱本寛人(スポ4=熊本・宇土)  65分41秒(143位)自己新記録

栁本匡哉(スポ4=愛知・豊川)  67分30秒(218位)

コメント

山口智規(スポ2=福島・学法石川) 61分16秒(2位) ※囲み取材より一部抜粋 早大新記録、日本人1位、2024 United Airlines NYC Half出場権獲得

――今日の走りを振り返っていかがですか

 今日も駒大が目立っていたのですけど、(その中でも)佐藤(佐藤圭汰)くん、篠原(篠原倖太朗)さん、芽吹(鈴木芽吹)さんが出てないレースだったので勝ちきれてよかったです。箱根(東京箱根間往復大学駅伝)では3人とあたるかもしれませんが、怖気ずチャレンジしたいと思います。

――ニューヨークへの切符をつかみましたがそこについてはいかがですか

練習の一環で出ていたので狙ってはいなかったのですけど、世界を目指す上でいい機会になると思うのでチャレンジしたいです。

――ニューヨークに行かれたことはありますか

 いや、アメリカも初めてです。

――早大記録を大幅に更新されましたがそこについてはいかがですか

 狙えばいけるとは思っていたのですけど、大幅に更新できてよかったです。

――序盤から前の方に位置されていましたが、それも速いペースで突っ込む練習の一環でしたか

 後半余裕を持って切り替えようとしていたのですが、(ちょうどいいペースが)先頭集団でした。いい走りができたと思います。

――どの辺で集団を抜けられましたか

 15キロ地点です。楽すぎて我慢できなかったです。

――花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)から指示はありましたか

 「ラストはいいイメージで終わろう」と言われていました。

――今後に向けて一言お願いします

 出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)、全日本(全日本大学駅伝対校選手権)では不甲斐ない結果になってしまいました。箱根では期待に応えられるような走りをして、3番と言わず優勝を目指したいと思います。

佐藤航希(スポ4=宮崎日大) 63分40秒(50位相当) ※非公認

――今日のレース全体を振り返っていかがですか

 久しぶりのハーフだったので、距離感を確かめる意味で出場しました。練習をそれほど詰めてはいなかったので、結果としては30点くらいかなと思います。

――今日のレースの位置付けをを教えてください

 久しぶりの試合だったので距離感を確かめることと、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)に向けてどれくらいのコンディションで走れるのかを確かめる意味合いで走りました。

――花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)から指示はありましたか

 前半はゆっくり入って、後半から(ペースを)上げていければというところでした。その中で、中盤はかなり余裕を持って(ペースを)上げれたのですが、練習不足ということもあって後半からは(タイムが)かかってしまったなと思います。

――結果のタイムに関してはいかがですか

 もともとの監督との想定では63分半くらいで走れればということだったので、自分としてはもう少しタイムを縮めたかったのです。やはり練習不足が後半のノビにつながらなかったなと思います。

―― 出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)では 出走は叶いませんでしたが、今日も含めて、最近の調子はいかがですか

 出雲の前はかなり調整が良く、夏合宿も量は昨年の倍近くこなせていました。出雲は走れると思っていたのですが、監督の意図で控えに回りました。それからは練習ができていた分、疲れが出てきて、出雲が終わってからは疲労を抜くことをずっとしていました。全日本の前は疲労を抜いてから、練習が思うように詰めず、リズムが合わなくなってしまいました。そういうことがあっての練習不足だったので、レース感を取り戻すためにも、今回のレースを走ろうということでした。

――今後の意気込みをお願いします

 全日本でチームはシードを落として、自分も出雲、全日本と出走できていないので、最後の箱根は4年生として走りたいという気持ちがあります。一番は楽しむことだと思うので、レースに楽しんで臨めればと思います。試合当日に楽しんで臨めるように、残り1カ月半くらい、しっかりと練習したいと思います。