10月7日と8日に東京・国立競技場で開催された日本選手権リレー。この大会は、4年生の集大成となった。男子4×100メートルリレーでは、予選、ともに慶大に後塵を拝し2位に。また、連覇を狙った男子4×400メートルリレーでは、決勝で大会新記録のタイムで駆け抜けたものの、第3位に終わり、リレーの難しさを感じさせる大会となった。これまで、リレーを引っ張ってきた4年生と挑む最後の大会で感じた悔しさと、4年生と過ごした時間を、来年以降の糧にできるか。3年生以下のさらなる躍進にも期待だ。
(記事 戸祭華子)
選手コメントは別記事にてお届けいたします。
★全カレに続く準優勝 ライオンの金メダル獲得にまたも及ばず(男子4×100メートルリレー)
バトンパスをする3走島田(写真左)と4走の西裕(写真右)
男子4×100メートルリレーは予選・決勝ともに千田杜真寿(スポ3=茨城キリスト教学園)、稲毛碧(スポ4=東京学館新潟)、島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東)、西裕大(教4=埼玉・栄東)の順でオーダー。日本選手権の舞台で39秒12をマークし準優勝を果たした。
1日目に行われた予選では1から4走の全走者間でバトンが思うように渡らず、4走の西裕が3チームを追い抜く力走をするも組1着を慶應義塾大学に譲る形となった。タイムロスがありながらも全体3位の記録で予選を通過し、後はベストなバトンパスをするのみと思われた。迎えた2日目の決勝ではバトンパスこそスムーズに成功したものの、1走者目からじわじわとインレーンの慶應に詰められ、最後の直線でも慶應にエンジの背中を見せることはできず再び慶應に軍配があがった。
「1位でなくてはいけない」(西裕)、「目標は金」(稲毛)と意気込んでの出場となった今大会。4年生2人の早大競走部としての4継は日本選手権リレー準優勝で幕を下ろした。両者は「練習不足」「努力不足」と振り返るが、彼らがこれまで重ねてきた努力は計り知れないほどのものであることは間違いない。「エンジに対して悔いはない」(西裕・稲毛)と語る早大が誇るスプリンターが育て、彼らとともに成長してきた、次の早大競走部を担う選手たちの今後から目が離せない。
(記事 髙杉菜々子、写真 堀内まさみ)
★これからの躍進に注目!(女子4×100メートルリレー)
バトンパスをする1走の鷺(写真左)と2走の山越(写真右)
日本選手権リレー最初の種目となった女子4×100メートルリレーの予選2組には鷺麻耶子(スポ3=東京・八王子東)、山越理子(人2=東京・富士)、中村真由(政経3=東京・早実)、上島周子(スポ1=東京・富士)が出場。9月16、17日に行われた日本学生対校選手権(全カレ)で早大記録を更新し4位入賞を果たした同種目に期待が高まったが、組6着で予選敗退となった。
予選2組からは、全カレの決勝の舞台で早大と競った法政大学と中央大学も出走。厳しい戦いになることが予想された上、実際に多くのチームがほとんど同時に4走へバトンを渡す混戦となった。1走から3走までスムーズなバトンパスを見せるも3走・4走間のパスでわずかにミスが生じ、そのまま追い上げることができず46秒42でゴール。組6着となり決勝へ駒を進めることができなかった。
今シーズン、久々の本格的な公式戦出場となった女子4継。これからの活躍に期待が膨らむ。
(記事 髙杉菜々子、写真 加藤志保)
★大会記録を更新するも連覇を逃す(男子4×400メートルリレー)
表彰式でのマイルメンバー(写真左から新上、眞々田、竹内、西裕)
同種目にて連覇を狙う男子4×400メートルリレー(マイル)。1走から順に、予選は眞々田洸大(スポ3=千葉・成田)、新上健太(人4=東京・早実)、森田陽樹(創理1=埼玉・早大本庄)、竹内彰基(スポ4=愛知・瑞陵)、決勝では眞々田、西裕大(教4=埼玉・栄東)、新上、竹内のオーダーの挑んだ。予選では終始安定した走りをみせ組1着で通過。決勝では白熱したレースの中3着でゴールし、銅メダルを獲得した。
日本学生対校選手権(全カレ)の400メートルを制した眞々田を1走に据えて先行逃げ切りを狙う早稲田。予選でも1走の時点でトップに立ち、その後も他のチームを寄せ付けず1着でゴールした。連覇を目指して臨んだ決勝では、2走300m地点でそれまで並走していた城西大学・筑波大学・法政大学を離して単独トップに立つも、1600mラストのホームストレートで奇しくも追い越しを許した。このレースは3着の早大までが大会記録を更新するハイレベルな戦いとなり、さらに早大はチームベストの3分4秒55を記録した。
連覇を達成することはできなかったが、ラストエンジとなった4年生は口々に「楽しかった」、「出し切った」と笑顔を見せてくれた。また、予選では森田が1年生ながら積極的な走りを見せチームに貢献。来シーズン以降のマイルにも期待が出来そうだ。彼らがライオンの金メダルを奪還する日を心待ちにしている。
(記事 髙杉菜々子、写真 飯田諒)
★「この4人で走れたことは財産」(津川)(女子4×400メートルリレー)
バトンパスをする3走の津川(写真右)と4走の清水奈(写真左)
女子4×400メートルリレーには山越理子(人2=東京・富士)、川村優佳(スポ4=東京・日大桜丘)、津川瑠衣(スポ4=東京・八王子)、清水奈々子(文構2=北海道・札幌南)の4人が出場。タイム順で決勝に進出し、8位入賞という結果となった。
予選について「みんなあまり良いラップタイムで走れなかった」(津川)、「前半で攻められたが力んでしまった」(川村)と各選手が語る。納得のいく結果にならなかった予選でみえた課題を修正して挑んだ決勝では、1走の山越がトップとほとんど同着でバトンをつないだ。しかし、「想像していたよりも混戦」(川村)となったことによりバトンパスの際に津川が他大学の選手と接触するアクシデントが発生し、他チームに遅れをとる形に。4走の清水が必死の追い上げをするも、上位チームとの差を縮めることができず3分44秒24でゴールし8着となった。/p>
今回の大会では実力のある面々を揃え早大記録を狙っていただけに、悔しさの残る結果となった。4年生の川村と津川にとっては最後のマイルとなったが、「後輩たちがやってくれる」という彼女たちの言葉を信じて来シーズンの早大女子マイルに期待したい。
(記事 髙杉菜々子、写真 近藤翔太)
結果
▼男子
▽4×100メートルリレー
予選(3組2着+2)
早大(千田ー稲毛ー島田ー西裕) 39秒64(3組2着)決勝進出
決勝
早大(千田ー稲毛ー島田ー西裕) 39秒12(2着)
▽4×400メートルリレー
予選(3組2着+2)
早大(眞々田ー新上ー森田ー竹内) 3分7秒25(1組1着)決勝進出
決勝
早大 (眞々田ー西裕ー新上ー竹内) 3分4秒55(3着) 大会新 早大歴代2位
▼女子
▽4×100メートルリレー
予選(3組2着+2)
早大(鷺ー山越ー中村ー上島) 46秒42(2組6着)
▽4×400メートルリレー
予選(3組2着+2)
早大(山越ー川村ー津川ー清水奈) 3分41秒37(1組3着)決勝進出
決勝
早大(山越ー川村ー津川ー清水奈) 3分44秒24(8着)