全カレコメント集

陸上競技

 9月14日~17日に、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われた日本学生対校選手権(全カレ)。4日間にわたって熊谷の猛暑にも負けない熱い戦いが繰り広げられた。1、2日目では、男子400メートルで眞々田洸大(スポ3=千葉・成田)が優勝。その一方で、男子100メートルでは出場した3選手全員が準決勝までに敗退するなど、波乱も起こった。3、4日目では、男子200メートルでユニバ銀メダリストの西裕大(教4=埼玉・栄東)が優勝し、今季個人3冠をはたした。400メートル障害では女子が出場選手全員が決勝に進出する『3枚残し』を達成。女子主将の川村優佳(スポ4=東京・日大桜丘)が2年ぶりに女王に帰り咲き、今大会も『早大のお家芸』の強さを存分に証明した。

(記事 戸祭華子)

▽男子

田中天智龍主将(スポ4=鹿児島南) 男子400メートル障害第7位

準決勝のレース直後、ガッツポーズを見せる田中主将

――今の率直な気持ちをお聞かせください

 率直な気持ちとしては、悔しい気持ちが一番大きいのと、寂しい気持ちもあります。最後の全カレは本当にあっという間で、総合優勝を獲(と)るために、みんながそれぞれ練習をやってきて、正直109代目のメンバーならば僕は不可能じゃないと思ってやってきましたが、それでも届かないことへの悔しさが大きいですね。

――予選から49秒台のシーズンベストをマークしましたが、予選から積極的に行くということは決めていましたか

 調子は正直いいか悪いか分からなかったのですが、走る前に金井さん(金井直障害コーチ、令2スポ卒=神奈川・橘)に「絶対に大丈夫だから信じて行け」と言われて、スタートラインに立った時は「なんかいけるかもしれない」という根拠のない自信がありました。予選を走り終わった時に僕ももちろんうれしかったですが、チーム自体がすごく盛り上がったというか、開伸(島田、スポ3=静岡・浜松湖東)とかマネジャーさんもそうですし、いろいろなスタッフの人たちが声をかけてくれて、「良かったです」と言われて。1年間苦しかったですが、諦めずにやってきて良かったなと予選が終わった後に思いました。

――準決勝の走りはどのように振り返りますか

 前半のテンポは本当に予選と全く同じだったのですが、7台目から8台目の切り替えの部分で少し大きく力を使ってしまって後半動かなかったのですが、なんとか決勝に駒を進められたのは良かったなと思います。ですが、僕がヨンパーの準決の1組目で1着で通るというのは後の選手へ流れを作る上でもすごく大事なポジションだったと思うのですが、そこで2着になってしまって、(男女で)6枚残しをできなかったのは、結構僕に原因があるのかなと準決勝を振り返って思いました。

――決勝はどのような思いで臨みましたか

 決勝は本当に金井さんと今までやってきたことを信じて、全部出すというところと、1年間苦しかったし、悔しかったのでそういう思いを全部ぶつけられるのもこのインカレでしかないと思うので、全てぶつけようと思って出走しました。

――走りの部分で決勝に向けて修正した点はありますか

 準決勝と同じで切り替えの部分、7台目から8台目で後半勝負する部分がうまく行っていないので、決勝はそこを修正していきたいと思っていました。ですが、実際に走って豊田兼(慶大)などに前に出られた時に硬くなってしまって、本当に実力負けという感じです。

――ゴールした時はどのような思いでしたか

 悔しいなと思いました。また、僕が出走するまで氷とか「首を冷やせ」とか、いろいろな選手、スタッフにたくさんサポートしてもらって走った、予選、準決、決勝だったので、何とか結果で恩返ししたいという気持ちはあったのですが、だからこそ悔しい気持ちが大きいのかなと思います。

――改めて最後の全カレ、そして今年1年間を振り返っていかがでしたか

 本当に1年間苦しかったというのが一番ですし、閉会式の時に(総合優勝した)順大の旗が上がって、順大の校歌が流れた時は、ちょっとウルっときたというか、本当に悔しいと思いました。ですが、この悔しい気持ちを下の代に持ち続けてもらって、また来年リベンジしてほしいと思っています。今回は本当に悔しい場面、苦しい場面も多かったですが、日本インカレ総合優勝に向けてやってきたこの1年、みんなで一つになってやってきたこの1年は、少しクサいですが、僕にとって宝物です。これからの人生でこれ以上に燃えられることがあるのかなと不安になるぐらい、みんなで時にはぶつかって、時には支え合ってやってきたので、本当に最後はみんなに「ありがとう」という気持ちです。

西裕大(教4=埼玉・栄東) 男子200メートル優勝、男子4×100メートルリレー第2位(第4走)、男子4×400メートルリレー第8位(決勝で第2走)

レース直後、健闘をたたえあう西裕

――今大会の調子はいかがでしたか

 4継(4×100メートルリレー)の予選の日と決勝の日は、すごく良くて体も軽くてベスト出るのではという感じでしたが、後半の200メートルになると疲れが見えてきて、そこまでコンディションは良くない中でどう戦うかという感じでした。

――4継の予選と決勝のチームとしての走りを振り返ってください

 予選で1走目と2走目がつまったことは、悪いミスというよりは練習より走れていたからであって、そこまで悲観するミスではないと自分自身では思っています。自分のところで2、3着くらいでバトンが回ってきて、自分が抜くことができ、予選を通過することができたので、外から見えている以上に内容は悪くなかったかなと。決勝は、今までの中で一番きれいなバトンが決まったと思います。その中で負けてしまった要因は、各個人が少しずつ東洋大に負けていって、僕が栁田(大輝、東洋大)を抜き切れなかったというところです。昨年、自分自身が4走を走って1人抜くことができず、三浦励央奈氏(令5スポ卒)と澤大地氏(令5スポ卒) を負けさせてしまって、そのリベンジで挑んだ中で、抜けなかったのはやはり悔しかったですが、昨年よりは負けを受け入れられてます。自分自身はできることをしましたし、自分たちのできる走りをして、その中で自力で負けてしまったのは仕方ないです。来年の後輩たちに重荷は残したくないですが、勝ってほしいと思います。

――200メートルの予選と準決勝のレースについて振り返りをお願いします

 予選は試運転ですね。予選、準決勝は正直、自分が1着をとるという自信も確信もあったので、自分の走りをして、(レースの)前半で抜けたので後半は流したという感じです。

――200メートルの決勝について振り返りをお願いします

 疲労がある中でやりたい動きはできました。ですが、1位と同時に目標として大前祐介監督(平17人卒=東京・本郷) の20秒29(早大記録)を目指していたので、それをこの舞台で出せなかった悔しさはあります。ただ全カレの金メダルはずっと取れていなかったので、うれしいです。

――200メートルでは日本学生個人選手権(学生個人)と関東学生対校選手権と合わせて3冠を達成しました

 人並みですがうれしいです。もともと最初の学生個人で勝つ前から「学生3冠」とずっと言っていて。なぜ言っていたかというと、自分で自分にプレッシャーをかけたいなと思うところがありました。少し大きいことを言っておいて、今の自分より大きい自分を目指す中で、それを達成できたらと思っていました。その目標を成長して達成できたというのはすごくうれしいですし、よくやったなと。3月時点でなりたかった自分になれたのかなと思います。

――9月17日、3本目のレースとなったマイル(4×400メートルリレー)について伺います。レース展開と体の調子を振り返ってください

 しんどかったですね。眞々田(洸大、スポ3=千葉・成田) がすごくいい位置で自分にバトンを渡してくれたので、自分は前半楽できて後半しっかりいけました。ラップもこれまででベストの45秒6とかだったので、自分の走りとしては正直今のこの体の動きでこの上ない走りができたと思います。バトンミスに関して、僕らは責める気は全くないです。それこそ昨年、自分が(4継で)一人抜けなくて、三浦励央奈と澤大地を負けさせてしまって。その悔しさをバネに今年勝つんだと1年間やってきました。正直、昨年の全カレのリレーで勝っていたら学生3冠や、ユニバの2位も、ここまではできてはいなかったんじゃないかなと思います。もし来年、金本がオリンピックであったり学生3冠であったりを達成した時に、この経験が糧になったと思えたら、この8位に意味が出てくる。だからこそ、金本には頑張ってほしいですし、マイルも勝ってほしいですね。

――最後の全カレを終えての感想をお願いします

 楽しかったです。学生陸上楽しいって感じです。学生陸上は異常な空間だと思っていて。陸上の一番大きい大会は、もちろん日本選手権ですが、一番盛り上がる大会を挙げろと言われたら僕は全カレだと思っています。陸上はプロというものがあやふやだからこそ、学生陸上がすごく盛り上がっています。最後の全カレは、1位も経験できたし、ギリギリ2位も経験できたし、8位も経験したけど、学生陸上の醍醐味(だいごみ)が詰まっていました。本当に楽しかったです。来年、自分がこの場にいられないと思うと、寂しくて仕方がないです。自分がこの輪に入れないと思うとすごく寂しいですね。でもやりきったんじゃないかなと思います。

 

眞々田洸大(スポ3=千葉・成田)男子400メートル優勝、男子4×400メートルリレー第8位(第1走)

レース直後、ガッツポーズを見せる眞々田

――まずは400メートルの優勝おめでとうございます。率直な感想をお願いします

 率直に言うと、本当にうれしいです。正直ランキングも11番で、入賞にも届いていなかったので、緊張や不安もあったのですが、今までの自分の練習の成果や、監督、コーチ陣からいただく言葉を自信にして走った結果が優勝だったので、非常によかったなと思っています。

――6月からベストも度々更新されていました。今大会の調子はいかがでしたか

 早慶戦と国体最終最終選考会あたりの試合であまり調子はよくないのかなと思っていたのですが、だんだん全カレに向かうにあたって、気持ち的なに総合優勝したい、マイルで勝ちたい、という思いも高まっていったので、非常に良いピーキングだったと思います。

――予選と準決勝のレースの振り返りをそれぞれお願いします

 予選は1着で通過することができ、準決勝は1レーンということで、展開的には難しくなるかもしれないけれど練習の再現だけをしよう、今までやってきたことを素直にするだけ、というかたちでした。46秒50という、セカンドベストのタイムだったのですが、非常に余裕があったというか、今までやってきたことが形になってきれいに現れたという感じがありました。

――決勝までの間に変えたことは何かありましたか

 変えたというよりも、予選、準決勝と走ってきたレースの精度を高めれば決勝も勝てる、と大前さんからも言われていましたし、自分の中でもそういう感覚がありました。

――決勝を迎えるにあたって勝てるという自信はありましたか

 もちろん大舞台の決勝ということだったり、強い、名の知れている選手がたくさんいるということもあり、正直不安な気持ちもありました。

――緊張はありましたか

 緊張は全然無くて、不安はあったのですが、それ以上に、今までやってきたことに対する自信がすごくありました。

――決勝のレースを振り返って

 1つ外のレーンに世陸の代表にもなっていた今泉さん(今泉堅貴、筑波大)がいて、もちろん先行されるレースになるだろうというのは分かっていました。予選、準決勝を経て、自分の走りを見失わないことが一番自分が勝てる勝因だと思っていて、また、バックストレートが非常に強い向かい風だったので、とりあえず自分の走りやすいテンポをひたすら刻んで、後半勝負してやろうと思って走りました。

――実際に走ってみていかがでしたか

 300メートルを通過したときに3、4番くらいだったのですが、練習でやってきていたままの感覚だったので、あとはこのグラウンドでやってきたことをひたすらアウトプットというかやるだけなので、自分を信じました。あとは、今まで以上に周りの応援を受けているなというのをすごく感じて。声も聞こえてきたし、「眞々田行ける! 」とかも聞こえてきたので、それもすごく力になりました。

――次にマイルリレーについてお伺いします。まず、予選のレースの、チームと個人としての振り返りをお願いします

 確実に決勝につなげるというのと、もちろん1着で通りたいというのはチームの目標としてありました。全体のレベルも高くて1着通過にならなかったり、僕自身も1、2日目で3本走っていたので、身体的にも一番キツい状態で、タイムもそんなに良くなかった、という感じでした。プラスで拾われたことはもちろん良かったのですが、決勝でもう一回戦うためには、高いレベルでレース構成を組んでいかないといけないなというのが、反省として上がりました。

――決勝のレースは振り返っていかがですか

 決勝のレースは僕自身としてもラップベスト、チームとしても4走までに後続と差を空ける、というのを目標に掲げていました。1走の僕が0・7秒くらいラップベストを更新できたので、流れ的には非常に良かったなと。それこそ、疲れももちろんありましたが、周りから受ける応援が非常に力になったと思っていて、ひたすらに一番でつなぐという思いで西さんに渡しました。アクシデントはありましたが、対校戦は本当に何があるかわからないというのを痛感させられるような大会だったので、最後まで気を抜いちゃいけないと感じました。ですが、逆に1から3走まで本当に早稲田が理想と掲げるようなレースが確実にできていて、このまま行けば3分3秒の学生新記録やそれ以上も行けるかもしれない、という可能性を見つけることができたレースでした。

――決勝のオーダーはどのような経緯で決まったのですか

 直前まで誰が走るのかわからなくて。西さんが優勝したというのと、金本が表彰台に乗ったという点で、流れの良い人たちがマイルに加わることで、マイルにも優勝や学生記録といった流れを加え、勝負をするためのオーダーでした。対校戦なので流れが非常に重要かなと。勝ちに行くための最善でした。

坂本達哉(教4=東京・淑徳巣鴨) 男子800メートル第9位

レース後の坂本

――最初で最後の全カレを終えての感想を教えてください

 救済で決勝に進ませてもらって、最後結果で部に貢献したいと思って挑んだのですが、最後に力が及ばず9位でした。それに関しては、非常に悔しかったです。ですが、自分の中で今回のレース展開は得意な方のレース展開で、その中で力を出し切って、サードベスト(のタイム)で行けたので、(自分の)力が及ばなかったなと正直に思います。

――予選と準決勝のレースを振り返っていかがですか

 予選の方は、関カレ(関東学生対校選手権)のときみたいに、落ち着いてレースをして、実際ラストも動きを意識した中で、無理せずに着順を取れたので、合格点に等しかったかなと思っています。準決勝に関しては、緊張と集中でスタート位置を間違えてしまって、勝負にならなかったのです。とはいえ、予選で楽にいったつもりだったのですが、(思ったより)力を使ってしまっていて、準決勝は、全カレのレベルできつい走りになったかなと思います。

――決勝のレースプランを教えてください

 今日は、大前監督(大前祐介監督、平17人卒=東京・本郷)とも話していたのですが、関カレの通りで、前半は何となく自分の予想でスローペースになるかなと予想をしていたので、楽に着いていって、残り200、150メートルあたりから一気にスパートをかけて上位まで上ることを目標としていました。しかし、なかなか上手くいかなくて、前の集団が全くこちらに来なかったので、(上位に)届かなかったです。

――サードベストのタイムについてはいかがですか

 1分50秒22で、ほとんどベストに近いタイムだったので、タイムに関してだけ見れば悪くはなかったです。結構集団が団子状態だった中で、自分の理想としては、順位を狙って記録も着いてきたらと思って走っていたので、記録に関しては良くも悪くもないという感じです。それ以上に勝負できなかったので、そのように考えると記録ももう少し(上に)行きたかったなと思います。

西徹朗(スポ2=愛知・名古屋) 男子110メートル障害第3位

表彰式で笑顔をみせる西徹

――全カレ前の調子はいかがでしたか

 7月、8月と合宿以降いい練習が積めていて状態もどんどん上がってきて、全カレを迎えるにあたって100パーセントかどうかは分かりませんが、しっかり1番調子のいいところを合わせることができたかなと思います。

――レース後の心境はいかがでしたか

 3位を取ることができたのはうれしかったですがそれ以上に日本記録タイが衝撃的すぎました。

――全カレ前の心境はいかがでしたか

 身体自体はしっかり動いてましたし絶対に表彰台にのるんだと思っていました。

――緊張はされましたか

 全カレは1年に1回しかないので緊張感が、今までのどんな試合よりも全然違いました。予選、準決勝と今までにないくらいに緊張して、こういうのがあるのがいい試合だなと思いました。

――予選を振り返っていかがでしたか

 1組目、2組目でタイムが出ていて結構風も良かったのでしっかり確実に1着を取りに行こうとしました。タイムも今年1番いいタイムで、まだ余裕はある感じで(13秒)71までいけたのは良かったなと思います。

――予選や準決勝での修正点はありましたか

 予選で修正しようと思った点は追い風で進んで行った分浮いてる部分や、練習で意識できていたことができていない部分があったのでそこは意識しようかなと思ってました。

――決勝はどのような意識で臨まれましたか

 横も速いですしラシッドさん(村竹、順大)が1人前に出るのは分かっていたので、そこは気にせずそれ以外でしっかり前に出るということを意識しました。動き自体はすごく動けているので、やってきたことをしっかり出せれば3番くらいはいけるかなと自信と楽しみがいろいろありながら、臨みました。

――決勝前に他の選手の方と話されました

 天智龍(田中主将、スポ4=鹿児島南)さんは「頑張ってこい」と言ってくださいました。

――質問決勝のレースを振り返っていかがでしたか

 順位を取ることに必死になってこれまでにないような走りにはなったんですけど、その中でも3位までいけたのは良かったなと思います。横も来ているし何とか逃げないとで、ガチガチに力が入っていましたが、最後に10台目をおりてから3位までいけたのは良かったです。

――意識しようと思っていた選手はいらっしゃいましたか

 1番外のレーンの宮崎さん(匠、中大)はスタートが速いので、3台目までくらいに追いついたらあとはそのまま勢いでいけるかなと思っていました。割とプラン通りだったかなと思います。

――結果について率直にいかがですか

 うれしかったです。関東インカレ(関東学生対校選手権)は5位で得点を取れはしましたが、上を目指していたので、3位で満足しちゃだめですけど、それでもちゃんと表彰台にのるんだという気持ちでやってきて、その目標を達成できたというのは良かったかなと思います。

金本昌樹(スポ3=東京・日大桜丘) 男子400メートル障害第3位、男子4×400メートルリレー第8位(決勝で第4走)

レースを走る金本

――全カレを終えての率直な気持ちをお聞かせください

 ショックで呆然(ぼうぜん)としています。

――400メートル障害(ヨンパー)のレースについてお聞きします。準決勝では自己ベストでしたが、感覚はいかがでしたか

 良くなかったです。練習通りに走れませんでした。予選のアップで熱中症になり、レース後意識がとんで医務室に運ばれてしまったのですが、発熱等を準決勝の日に引きずってしまい身体を思うように動かせませんでした。対校戦なので、絶対に決勝に進まないといけないので、気合でなんとかギリギリ乗り切ったという形です。

――決勝はどのような思いで臨みましたか

 僕が熱中症で倒れたことで多方面の方々に迷惑をかけてしまって、アップの時も付きっきりで氷などのサポートもしていただいたので、優勝という形で恩返しをしたい、とレース前思っていました。

――走りの部分で意識したところは

 練習通りの展開、テンポで走ることです。

――決勝のレースはどのように振り返りますか

 僕と豊田(兼、慶大)の一騎打ちになると思っていたので9台目で小川(大輝、東洋大)が見えた瞬間固くなってしまい、自分の持ち味が出せませんでした。そこまでは練習通りに走ることができ、豊田を射程圏内に入れられていたので、すごく悔しいです。

――順位やタイムについてはどのように受け止めていますか

 全カレ優勝を目指して練習してきたので、順位もタイムも悔しいです。今大会に向けて練習も突き詰めてきて過去一番の準備ができたつもりでしたが、力及びませんでした。ここまでやっても優勝できないのか、と勝負の世界の厳しさを痛感しています。今までの自分じゃダメで、変わらなければいけないと気付かされました。

――ともに切磋琢磨(せっさたくま)してきた田中天智龍選手(スポ4=鹿児島南)や新井公貴(スポ4=神奈川・逗子開成)への思いは

 天智龍さん、新井さんがいなかったら今僕は競走部にいません。僕を育ててくださったこと、僕を助けてくださったこと、本当に感謝しています。

――次にマイル(4×400メートルリレー)についてお聞きします。決勝のメンバーに決まったのはいつですか

 400メートル障害の決勝後、大前さん(大前祐介監督、平17人卒=東京・本郷)から「いけるか」とお話がありました。

――レース後、メンバーから何か言葉をかけられましたか

 「この失敗を通じて来年のマイルは絶対に優勝してくれ。じゃないとこの悔しさは一生晴れない。これを経て金本が成長してくれれば、俺はこれで良かったと思えるよ。」という言葉をかけられました。

――最後に今後に向けて一言お願いします

 マイルリレーで僕がしてしまったことは一生許されないことです。この自責の念を持ち続け、来年はどんな位置でも絶対に勝てる強いアンカーになり、インカレ優勝を果たす責任があると思います。

▽女子

川村優佳女子主将(スポ4=東京・日大桜丘)  女子400メートル障害優勝、4×400メートルリレー第3位(第2走)

表彰式で笑顔を見せる川村

―― 今大会通じてのコンディションはいかがでしたか

 1、2週間前に疲労が溜まり、動きが悪くなってしまっていたのですが、しっかりと疲労を抜いてうまく調整できていたと思います。

―― 400メートル障害では、2年ぶりの全カレ優勝となりました。率直にどのような気持ちですか

 2年前は正直自分の実力で勝てたとは思っていなかったので、悔しい気持ちもあった優勝でした。今回は本当に自分の実力で勝ち切ったと思えるレースだったので4年生の最後に優勝できて本当にうれしいです。

―― 決勝では青学大の選手に先行されながら終盤で逆転しましたが、レースを振り返っていかがですか

 57秒台を出したかったのでもう少し前半ペースを上げても良かったかなと思うのですが、先行されても自分のレースができていたのでそこは評価したいと思います。

―― 優勝を逃した昨年とはどのような違いがありましたか

 背負うものが違ったかなと思っています。今回は女子主将として絶対8点(優勝)を持ち帰りたいと思っていましたし、後輩達にも自分の優勝で何か残したいと思っていたので頑張ることが出来たのではないかと思います。練習も大川(寿美香、スポ2=東京・三田国際学園)、津川(瑠衣、スポ4=東京・八王子)、清水(羽菜、スポ4=東京・白梅学園)と競い合いながらできたので気持ちの面でも違っていたと思います。

―― 今大会は2年ぶりに『3枚残し』を達成されました。どのように捉えていますか

 メンバーが決まってから3人で絶対決勝に行こうと言って練習してきたので、決勝を3人で走れて本当に幸せでしたし、これまでの練習の結果が出て本当にうれしく思います。

―― 続いてマイルリレーについて伺います。予選、決勝とトップに引き上げる走りをされていましたが、どのようなことを意識して臨まれましたか

 2走だったので、最初から攻めて、位置が決まる200メートルの時点で必ず(トップを)死守して、後半の200メートルは今までやってきた練習を信じて気持ちで走ろうと思っていました。

―― 連戦の疲労はありましたか

 連戦の疲労はあまり感じませんでした。練習が積めていたのもありますし、サポートしてくれたみんなのおかげでもあると思っています。熊谷は暑かったので試合後のダメージが大きかったのですが、トレーナーやサポートメンバーのアイシングなどのケアがあったからこそ走り切れたと思います。

―― 決勝のレースを振り返っていかがでしたか

 前半から攻めましたが、園田学園女子大の選手が追い上げて来て後半固まってしまいました。少し悔いが残りますが、これも出し切った結果だと思っています。

―― 最後に、後輩に向けてのメッセージをお願いします

 今の後輩達は本当にポテンシャルも高く、個人とチームの目標を達成できると思うので、自分に負けずに頑張って欲しいと思います。

清水奈々子(文構2=北海道・札幌南) 400メートル準決勝進出、4×400メートルリレー第3位(第4走)

レースを走る清水奈

――400メートルの結果を振り返っていかがですか

 決勝を目指していたので悔しい結果ではありますが、去年出ることができなかったことから考えると日本選手権(の申し込み資格記録)も切れましたので目標は達成できたのかなと思います。

――自己記録を予選、準決勝と連続で更新されましたが好調の要因は何だと考えていますか

 今シーズンは記録会を1カ月ごとに設けて、大会ごとに課題をつぶしていくというように段階を踏んでいったのが自己ベスト更新の理由かなと思います。

――準決勝は決勝進出まであと少しでしたが、もう少し改善できたことをあげるとしたら

 あれが今の実力だったので、完全に力負けでした。

――続いて4×400メートルリレー(マイル)について伺います。予選の走りを振り返っていかがですか

 予選は1着で来たので自分の走りをしようということで、特に力むことなくもらった1位をそのまま死守できたと思います。

――決勝では2位でバトンを受け取りましたが、どのような思いで走りだしましたか

 自分が個人の力で他大の4走に勝てるとは思っていなかったので、優勝は厳しいと思っていたのですけどもらった順位は絶対に死守しようという気持ちで受け取りました。

――決勝の走りを振り返っていかがですか

 前に園田学園女子大がいたので前の人をただ追っていくという考えで走っていたらマイルのラップでベストが出たので良かったです。

――最後にこれからの意気込みをお願いします

 54秒台を目指して先輩たちに安心してもらえるような走りをします。

津川瑠衣(スポ4=東京・八王子) 女子400メートル障害第7位、4×400メートルリレー第3位(第3走)

レースを走る津川

――全カレを振り返っていかがでしたか

 私はとにかく『6枚残し』というのをいちばん目標にしていたので、(決勝に)女子3人しっかり残ることができてうれしかったです。

――全カレ前の調子はいかがでしたか

 いちばん調子の良かった1年生の時に比べるとだんだんと上がってきたので、自信はあった状態でした。

――ヨンパーに出場されるみなさんで話されたことはありますか

 全員で6枚残しをしようというのはずっとあって、その中でも男子を見終わった後に、女子しっかり準決勝3人で行こうということで結構気合い入れて、円陣を組んでいました。

――準決勝の走りを振り返っていかがでしたか

 自分でもここまで出るとは正直思っていませんでしたが、しっかり勝つレースをしにいって落ち着いてレース展開ができて良かったです。

――決勝は振り返っていかがでしたか

 ワンツースリーを絶対にしようと3人で話していたので、2人が1位、2位ですごく悔しかったですが、決勝に残れたことはすごくうれしく思います。

――マイルの具体的な目標はありましたか

 早稲田記録で優勝というのがいちばんの目標でしたが、1人ひとりができる力を振り絞ってこの順位だったので、後悔はないかな、今できる最大限できたかなと思います。

――予選、決勝と後ろを大きく離す走りが印象的でしたが、何か意識されていたことはありましたか

 私までに1位で渡らないと優勝はないなと思っていたので、そこを1番意識していました。

――決勝のレースを振り返っていかがでしたか

 ラップタイムとしては自分的には良かったですが、やっぱり1位で出し切れなかったというのは少し後悔があります。

山越理子(人2=東京・富士) 4×100メートルリレー第4位(1走、早大記録樹立)、4×400メートルリレー第3位(第1走)

マイルのレース後、メンバーとともに笑顔を見せる山越(写真一番右)

――全カレにどのような意気込みで臨みましたか

 出場する種目全てで入賞することが目標でした。4継(4×100メートルリレー)は最初の種目だったのでいい流れをつくろうと思ってできましたが、個人種目は出れなくなってしまったので、マイル(4×400メートルリレー)でしっかり走るしかないと思って、全力を出し切れるように走りました。

――早大記録を更新した4継のレースを振り返っていただけますか

 自分たちでもまず、決勝進出を目標としていて最終的には記録の更新を目標にしていました。正直、今回の試合で更新できると思っていなかったので想像以上の結果だったと思います。ただ決勝では4位ということで、表彰台との差はまだあると分かって、来年以降の目標が明確になったと思うので、しっかりと来年につなげていきたいです。

――マイルについては

 個人種目があれば走るかわかりませんでしたが、なくなったので予選から走ることになりました。今シーズン、全カレで表彰台というのを目標にしていて、まず予選を着順で突破して、決勝では優勝することができなくて悔しかったですが、自分たちの力を出し切った結果でした。早大記録もあと少しだったので、今回の全カレとしては悔いはありませんが、日本選手権リレーがあるのでそこで早大記録の更新を目標としたいです。

――全カレを終えて、ここまでのシーズンを総括していかがですか

 シーズン前半は、個人種目で自分が思っていた以上に結果が出ました。秋シーズンも前半シーズンを超える結果を狙っていましたが、全カレはもう終わってしまったので、もう200メートルはありませんが、300メートルとかがあるので切り替えて国体(国民体育大会)や日本選手権リレーで結果を残していきたいと思います。