夏の強い日差しが照りつける中行われた第18回トワイライト・ゲームス。早大からは、関東学生対校選手権(関カレ)の入賞者を中心に多くの選手が出場した。
レースを走る眞々田
男子は、複数の選手が自己ベストやセカンドベストをマークし、それぞれが今後に向けての手応えを得た。400メートルには、関カレで入賞した新上健太(人4=東京・早実)、竹内彰基(スポ4=愛知・瑞陵)、眞々田洸大(スポ3=千葉・成田)の3人が出場。「バックストレートで一番はまっている速度とリズムに持っていけた」という眞々田は、レース後半もスピードを落とさず、伸びのある走りを見せた。45秒台をマークした地主直央(法大)には及ばなかったが、自己記録を0秒5近く更新する46秒38の好記録で2位。竹内も46秒72のセカンドベストで走りきった。つづく400メートル障害では、1組目に登場した新井公貴(スポ4=神奈川・逗子開成)が3試合連続となる自己ベスト、2組目の金本昌樹(スポ3=東京・日大桜丘)もセカンドベストでフィニッシュ。今シーズン好調の2人が調子の良さをうかがわせた。
レースを走る新井
また、800メートルでは、関カレ覇者の坂本達哉(教4=東京・淑徳巣鴨)が勝負強さを発揮。最初の400メートルでは最後方につけていたが、徐々に順位を上げると、最後の直線で前を走る選手を抜き去った。自己ベストにはわずかに届かなかったが、関カレのレースを彷彿(ほうふつ)とさせる展開で、組トップでフィニッシュ。筒井航佑(スポ3=愛知・時習館)もラストで坂本には抜かれたものの、終始積極的な走りで2着に食い込んだ。
レース前の4×100メートルリレーメンバー(右から走順に大竹、島田、関口、由井)
リレー種目では、収穫と同時に課題も見つかった。4×100メートルリレーは大竹春樹(商3=東京・早実)、島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東)、関口裕太(スポ1=東京学館新潟)、由井響(スポ1=山梨・都留)のフレッシュなメンバーで出走。スタートを何回もやり直す難しい展開となったが、大きなミスなくバトンをつなぎ、シーズンベストとなる39秒60で3着に入った。一方、4×400メートルリレーでは悔しさも残った。1走を務めた眞々田は、個人種目での勢いそのままにトップでバトンを渡した。2走の新上、3走の森田陽樹(創理1=埼玉・早大本庄)も粘りの走りを見せ、トップと僅差の2位でアンカーの竹内へ。竹内は一時3位まで落ちたが、ラスト100メートルでさらにギアを上げる。しかし、トップの法大にはわずかに及ばず、3分07秒96の2位でフィニッシュした。「追うレースができていなかった」(眞々田)と、次戦に向けての課題を口にした。
レース後悔しそうな表情をうかべる新上らマイルメンバー
女子は、100メートルの鷺麻耶子(スポ3=東京・八王子東)、400メートルの津川瑠衣(スポ4=東京・八王子)をはじめ、5人が出場した。また、先週の海外遠征から連戦となった新田望(スポ2=神奈川・法政二)も800メートルに出場。先頭争いには絡めなかったが、2分10秒台でまとめた。5選手とも自己記録更新とはならなかったが、それぞれが現状を確認した。
夏合宿前最後の試合となった今大会では、多くの選手が充実した結果で終え、弾みをつけた。109代目最大の目標である日本学生対校選手権での総合優勝へ。今日の結果でさらに勢いづいた早大競走部の熱い夏が幕を開けた。
(記事 加藤志保、写真 及川知世、加藤志保)
結果
▽男子
▽100メートル
タイムレース決勝
島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東) 10秒41(+0・8)(2組2着)
▽400メートル
タイムレース決勝
眞々田洸大(スポ3=千葉・成田) 46秒38(2組2着)
自己新
竹内彰基(スポ4=愛知・瑞陵) 46秒72(2組4着)
新上健太(人4=東京・早実) 47秒12(2組7着)
▽800メートル
タイムレース決勝
坂本達哉(教4=東京・淑徳巣鴨) 1分50秒18(2組1着)
筒井航佑(スポ3=愛知・時習館) 1分50秒40(2組2着)
▽110メートル障害
タイムレース決勝
西徹朗(スポ2=愛知・名古屋) 14秒17(ー1・8)(2組5着)
▽400メートル障害
タイムレース決勝
新井公貴(スポ4=神奈川・逗子開成) 50秒44(1組3着)
自己新
金本昌樹(スポ3=東京・日大桜丘) 50秒45(2組2着)
▽やり投
決勝
鶴澤元基(スポ2=東京・富士森) 54メートル14(6等)
▽4×100メートルリレー
タイムレース決勝
早大(大竹ー島田ー関口ー由井) 39秒60(2組3着)
▽4×400メートルリレー
決勝
早大(眞々田ー新上ー森田ー竹内) 3分07秒96(2着)
▽女子
▽100メートル
タイムレース決勝
鷺麻耶子(スポ3=東京・八王子東) 12秒15(+0・1)(2組7着)
▽400メートル
タイムレース決勝
津川瑠衣(スポ4=東京・八王子) 56秒92(2組4着)
清水奈々子(文構2=北海道・札幌南) 棄権
▽800メートル
タイムレース決勝
新田望(スポ2=神奈川・法政二) 2分10秒82(2組6着)
▽110メートル障害
タイムレース決勝
内藤香乃(スポ1=兵庫・北摂三田) 14秒36(+0・6)(2組7着)
▽400メートル障害
タイムレース決勝
清水羽菜(スポ4=東京・白梅学園) 60秒82(2組8着)
▽4×400メートルリレー
決勝
早大 棄権
コメント
新井公貴(スポ4=神奈川・逗子開成)
――レースを振り返っていかがでしたか
調子が上がってきていたのでもう少しタイム自体は狙える状態でしたが、どっちつかずのタイムに終わってしまいました。
――試合前の調子はいかがでしたか
試合前の動きとしては今シーズンずっといい感じで動けていて、今回もはまっていたのでタイムは出せる状態でした。
――レース中の感覚はいかがでしたか
前半は外2レーンがいないわりには比較的組み立てることができ、後半も余力があったのでベストは出るだろうという感じはありました。
――課題や収穫はありましたか
4台目からタイムが落ちてしまうのでその癖を克服していくことと、少し余力があったので切り替えの局面を早めるなどいろいろ対処法はあるかなと思います。
――今後の意気込みをお願いします
天智龍(田中主将、スポ4=鹿児島南)が49秒台でタイムが抜けているので、全カレ(日本学生対校選手権)までには追いついて、全カレでは男女6枚残しをできるようにがんばります。
眞々田洸大(スポ3=千葉・成田)
――まずは個人のレースからお聞きします。率直にタイムを見ての感想をお願いします
解散期間が明けてから、この大会に出場することで、秋シーズンにいい形でつなげたいと思っていたので、大幅に自己ベストを更新できたのは非常にうれしかったです。
――持ちタイムはチームトップになりましたが
自分が記録を出せたのも上にいる先輩たちの記録が自分の中でいい指標になっていたので、僕がこのタイムを出したことで、また切磋琢磨(せっさたくま)して、上がってくるのかなと思います。
――調子はいかがでしたか
身体的なコンディションは、調整をして臨んだ大会ではなかったので、そんなに上がってはきていなくて、メンタル的なところも不安な要素が結構あったので、コンディションとしてはあまり上出来な方ではありませんでした。
――タイムが出そうだなという感覚はありましたか
出そうだなという感覚は、アップの段階では正直ありませんでした。ですが、レースを走っていて、バックストレートに入った時のリズムが自分の中で一番はまっている速度とリズムに持って行けたので、バックストレートの走りで、調子はいいんだなと思っていました。
――レース全体を振り返って
(千葉)県選手権の200メートルに出場したのがいい刺激になったというの、400メートルを走っていて感じていました。前半の入りのタイムも後半のタイムも、大学に入って今までで一番トータル的にも良かったので、スピードをつけたことによって、400メートルへの活かし方が少しずつ組み立てられてきているのかなと思います。
―次にマイル(4×400メートルリレー)のチーム、個人としての振り返りをお願いします
チームとしては、マイルは走れる機会がとても少ないので、その一本一本を大事にしようと思っていました。個人で走った3人は、400メートル個人のレースをもう一度再現しようという意識で、フレッシュな森田(陽樹、創理1=埼玉・早大本庄)もいたので、全カレ(日本学生対校選手権)に向けてという感じでした。結果としては結構悔しいというか、課題があらわになったというのはあります。個人としては、できれば46秒5のラップで帰ってくるのと、個人のレースをもう一度再現しようと思って臨みました。1走の経験があった分、そこまで恐怖心はなかったので、いつも通りのレースをして、全体的なスピードを上げていこうという意識で走りました。
――課題は具体的にどのような部分ですか
今までは先頭に立つレースが多くて、全体として考えたら『追うレース』ができていなかったので、そういった面でまだまだ自分たちには足りないところがあると気付かされました。
――最後に夏以降へのの意気込みをお願いします
この大会に出場しての収穫が自分の中で思った以上に大きかったので、今回得られた刺激を、25日から始まる菅平合宿や、早慶戦などの試合で、チーム全体で全日本インカレで勝つということを意識して臨んでいけたらと思います。