時折激しい雨も降る中で行われたホクレン・ディスタンスチャレンジの最終戦、千歳大会。早大からは800メートルと5000メートルに4選手が出場した。男子5000メートルでは伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)と山口智規(スポ2=福島・学法石川)がともに13分30秒台でフィニッシュしたが、課題も明確になった。
男子800メートルBには、先日の北見大会1500メートルで自己新記録をマークした坂本達哉(教4=東京・淑徳巣鴨)と筒井航佑(スポ3=愛知・時習館)が出場。レースはスタートと同時に、横田真人(TWOLAPS)が飛び出す展開に。筒井は4番手、坂本は最後方から進めた。400メートルを53秒で通過すると、筒井は600メートルから徐々に順位を上げる。しかし、最後の直線で粘り切ることができず、1分52秒81の4着でゴール。坂本はラストの追い上げも及ばず、1分54秒21で7着だった。
関東学生対校選手権(関カレ)のレースを走る坂本と筒井
今年のホクレン最終レースとなった男子5000メートルAに出場したのは、伊藤大志と山口。両選手とも「13分25秒のペースメーカーについていく」ことを目標に、スタートから先頭集団の前方に位置。最初の1000メートルを2分38秒で通過すると、その後も1周64秒のペースを刻みながらレースは進んだ。伊藤大志、山口ともに前半は「余裕があった」というが、3000メートル手前で集団がばらけ始めると、2人とも徐々に先頭集団から遅れ始める。それ以降は第2集団に食らいつく走りとなったが、4000メートル手前ではその集団からも遅れをとるかたちに。ラストは粘りを見せ、山口が13分35秒35、伊藤大志は13分37秒19でフィニッシュした。ともに自己記録に迫るタイムをマークしたものの、実業団や学生トップクラスの選手を相手に課題も浮き彫りになった。
レースを走る伊藤大志(右)と山口(和田悟志氏提供)
坂本、筒井は来週のトワイライト・ゲームスにも出場予定だ。今レースで得られた課題を修正して、前半シーズンを締めくくることができるか。一方の長距離ブロックは、トラックシーズンに終わりを告げ、夏合宿を経ていよいよ駅伝シーズンへと入っていく。トラックシーズンを振り返り、「外しても(13分)30秒台でまとめられたのは収穫」(伊藤大志)、「13分35秒が良くない結果という評価になったのは成長」(山口)と手応えも口にし、三大駅伝での飛躍を誓った。短距離、長距離ともに9月以降の大きな試合に向け、鍛錬の夏を過ごす。
(記事 加藤志保、写真 和田悟志氏提供、加藤志保)
結果
▽男子800メートルB
筒井航佑(スポ3=愛知・時習館) 1分52秒81
坂本達哉(教4=東京・淑徳巣鴨) 1分54秒21
▽男子5000メートルA
山口智規(スポ2=福島・学法石川) 13分35秒35
伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖) 13分37秒19
コメント
筒井航佑(スポ3=愛知・時習館)
――調子はいかがでしたか
悪くはなかったと思います。
――雨がかなり降っていました。気候面のコンディションはいかがでしたか
雨はもちろんですが、風も強くて、特にバックストレートは全然進まない感じでした。また、横殴りの雨で視界が遮(さえぎ)られたのが走りづらく、気温もかなり低かったです。
――レースプランはどのように考えていましたか
ハイペースになることは分かっていたので、ブレイクから良い位置にいることは意識しました。あとは、ラスト300メートルから余裕を持ってペースアップし、ラスト良い位置にいて差し切ることを意識しました。
――実際のレースを振り返って
200(メートル)から400(メートル)で少し速いなとは感じたのですが、落ち着いて走れていたので、1周目(400メートル53秒)の通過はそこまでキツくなかったです。600(メートル)までも余裕を持って走れていたため、ラスト切り替えるところだけ頭に残していたのですが、600(メートル)通過から急に(動きが)固まってしまい、そのまま最後までという感じでした。
――今大会の収穫と課題を教えてください
なぜあれ程(動きが)固まってしまったのか原因は分かっていませんが、今シーズンラストが上手く走れていないので、そこは課題だと感じています。一方、雨風が強い中の1周目が53秒、600(メートル)通過タイムが1分20秒〜21秒で、それを余裕を持っていけたのは収穫です。
―最後に、トワイライトゲームズに向けた意気込みをお願いします
前半シーズン中々上手くいかなかったですが、最近良くなってきてると感じているので、連戦にはなりますが、前半シーズン最終戦勝ち切って、良いイメージで合宿や後半シーズンに臨めるように頑張ります。
伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖)
――調子はいかがでしたか
1週間前までは今ひとつだったのですが、直前にかけて調子が上がってきていました。
――レースプランはどのように考えていましたか
ペースメーカーが13分25秒ペースで行くと聞いていたので前半から集団について13分30秒切りを狙っていいました。
――前半のハイペースをふりかえって
設定通りに行っていたので集団に着いたのですが、3000(メートル)前まではハイペースでもある程度余裕がありました。
――中盤以降の走りはどのように振り返りますか
3000前でのペースアップで躊躇してしまい、そこから足が止まってしまいました。前半にいいペースで行っていただけにもったいなかったです。
――3000メートル付近で集団が分かれましたが、その時に花田監督から何か声かけ等はありましたか
「間を開けずにすぐ埋めよう」と言ってもらったがきつさが勝ってしまいました。
――6月末の早大競技会後は、勝ちにこだわったレースをしたいとおっしゃっていましたが、その中で今回の結果についてはどのように受け止めていますか
前半からハイペースで行けたのは収穫だし、後悔はしていませんが、押し続ける力がなかったし高校の先輩の芽吹先輩(鈴木芽吹、駒大)にすら歯が立ちませんでした。単純に力不足だったと感じています。
――トラックシーズン全体を振り返っての収穫と課題は
今シーズンは勝ちきれない試合がほとんどで不完全燃焼でした。しかし、外しても30秒台でまとめることが出来たのは収穫だと思っています。
―最後に、夏以降に向けた意気込みをお願いします
駅伝シーズンにむけての走り込みはもちろん、来年のトラックを見据えたトレーニングもしていきたいです。
山口智規(スポ2=福島・学法石川)
――調子はいかがでしたか
自信を持って練習を積めたと言えるような準備はできましたが、体調面がすぐれず、思うような走りができませんでした。
――レースプランはどのように考えていましたか
理想は13分25秒のペースについて行って、ラスト一周しっかり切り替えることでした。
――前半のハイペースをふりかえって
レースペースより速い練習は十分にしていたので、ペースに対する動きは余裕がありました。
――中盤以降の走りはどのように振り返りますか
後半は諦めかけてましたが、なんとか粘ろうと走りました。
――3000メートル付近で集団が分かれましたが、その時に花田監督から何か声かけ等はありましたか
前に行こうと言われました。
――トラックシーズン全体を振り返っての収穫と課題は
13分35秒が良くない結果という評価になったことに成長を感じます。一方で、高いレベルのレース経験がまだ少ないので、レース運びやコンディショニングはさらに意識を高く持たないといけないと感じています。
―最後に、夏以降に向けた意気込みをお願いします
夏の鍛錬期をしっかりと消化して、駅伝シーズンでは一皮剥(む)けた姿、他大の脅威となるような姿を見せられるように頑張ります。