トップクラスの選手を相手に、手応えと課題が明確に

陸上競技

 時折雨が降り、蒸し暑さも残る中、第63回実業団・学生対抗大会がレモンガススタジアム平塚で行われた。実業団、学生それぞれのカテゴリーからトップ選手が集結した今大会。早大からは、男子100メートルに稲毛碧(スポ4=東京学館新潟)、男子800メートルに筒井航佑(スポ3=愛知・時習館)、女子800メートルに新田望(スポ2=神奈川・法政二)、女子400メートル障害に川村優佳(スポ4=東京・日大桜丘)と大川寿美香(スポ2=東京・三田国際学園)の5人が出場した。

レースを走る大川

 最初に行われたのは女子400メートル障害。大川は1レーン、川村は3レーンからスタートした。両選手とも前半は粘りの走りで食らいつくと、「8台目からギアチェンジする意識で走った」という大川が、後半に伸びのある走りを見せ、上位争いに絡む。最後は3位にわずかに及ばなかったが、58秒44のセカンドベストをマークし、4位入賞を果たした。一方の川村は、後半失速し、8位だった。また、男子100メートルに出場した稲毛は、スタートでやや出遅れ、中盤以降で巻き返しを図ったが及ばず。10秒38の7着でのフィニッシュとなった。

レースを走る筒井

 男女の800メートルは雨が降る中行われた。女子800メートルに登場した新田は、塩見綾乃(岩谷産業)を先頭とする集団の最後方につけ、400メートルを62秒で通過。その後、塩見を中心にペースが上がると、必死に食らいつくも、徐々に後退。2分9秒68の7着でゴールした。個人種目最後のレースとなった男子800メートルには、筒井が出場した。最初の400メートルこそ先頭集団に位置して進めたが、その後のペースアップには付いていくことができず。最後は高橋創(東大)にも競り負け、1分50秒04でフィニッシュした。

 今大会では、実業団や学生トップクラスの選手を相手に、現状を確認することができた。今後もしばらくは個人でのレースが中心となるが、一戦一戦で出た収穫と課題を次の試合へとつなげていきたい。「一番の目標は全日本インカレ(日本学生対校選手権)でのメダル獲得」と語った大川をはじめ、おのおのが目指す目標を達成すべく、夏の鍛錬期を迎える。

(記事 加藤志保、写真 髙杉菜々子、戸祭華子)

結果

▽男子

▽100メートル

稲毛碧(スポ4=東京学館新潟) 10秒38(+0・3)(7着)

▽800メートル

筒井航佑(スポ3=愛知・時習館) 1分50秒04(7着)

▽女子

▽800メートル

新田望(スポ2=神奈川・法政二) 2分09秒68(7着)

▽400メートル障害

大川寿美香(スポ2=東京・三田国際学園) 58秒44(4着)

川村優佳(スポ4=東京・日大桜丘) 61秒41(8着)

コメント

大川寿美香(スポ2=東京・三田国際学園)

――今日の調子はいかがでしたか

 6月は試合があまり無かったので、鍛錬期として練習を積んできました。最近は練習内でベストタイムを出せたり、先週行われた日体大競技会の200メートルでも自己ベストを出せたので、調子は良かったです。

――レースプランはどのように考えていましたか

 5台目までは16歩、6台目以降は17歩で行くレースプランでした。ラストはかなり向かい風が吹いていたため、17歩で行けなさそうであれば18歩で刻もうと思っていました。

――走る上で意識したことはありますか

 関東インカレ(関東学生対校選手権)では、前半で差をつけられてしまったので、今回は前半から楽に速く行き、8台目からギアチェンジする意識で走りました。

――レースを振り返って

 前半は追い風だったので、全体的に詰まってしまいました。もっと刻んで、5〜6台目の切り替えがうまく行けば、後半もスピードを落とさずに行けたと思います。

――収穫や課題を教えてください

 10台目以降の走りが昨シーズンと比べて良くなったので、今回も58秒台でまとめることができました。ですが、5〜6台目の切り替え部分で詰まってしまい、ブレーキ動作が入ってしまったので、7台目まで16歩で行く練習をして、後半につなげていきたいです。

――タイムはセカンドベストでしたが、それについてはいかがですか

 切り替えがうまくいかなかったので、タイムはあまり良くないと思っていましたが、セカンドベストが出たのは驚きました。今回57秒台でベストを狙っていましたが、今回のレースを踏まえて、うまくハマれば57秒中盤は見えてくると感じました。

――最後に今後の目標や意気込みをお願いします

 一番の目標は全日本インカレ(日本学生対校選手権)でメダルを獲得することです。前半シーズンの大会で現時点の課題が明確になったので、夏の鍛錬期で改善していき、目標を達成できるように頑張ります。