男女100メートルに3人が出場 夏の課題が顕わに/布勢スプリント

陸上競技

 6月25日、鳥取・県立布勢総合運動公園陸上競技場で行われた布勢スプリント2023。例年、コンディションに恵まれ好記録が続出するこの大会に、早大から3人が出場した。島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東)と鷺麻耶子(スポ3=東京・八王子東)がそれぞれB決勝に進出し、ハイレベルな戦いの中で、自身の今夏の強化ポイントを実感する結果となった。

日本選手権のレースを走る鷺

 女子100メートルには、鷺が出場。関東学生対校選手権(関カレ)から、脚の痛みがあったものの、調子を落とすことなく練習を継続できていたという。予選では、日本選手権で短距離2冠の君嶋愛梨沙(土木管理総合試験所)隣のレーンでのスタート。「苦手意識のあるスタートがハマった」(鷺)と会心の飛び出しを決める。好記録を狙うべく、その勢いにのりたいところだったが、「腰が落ちたままの走りで減速が大きくなってしまいました」(鷺)。11秒83のタイムでフィニッシュし、B決勝へ駒を進めた。続くB決勝は、スタートで体勢を少し崩してしまう。修正したいところだったが、後半に立て直すことができないままゴールとなった。練習でできたことが試合で出せない状態が多いという鷺。全カレ(日本学生対校選手権)にむけ、「試合と練習の差を埋められるような練習に取り組みます」とさらなる成長を誓った。

日本選手権のレースを走る島田

 男子100メートルには島田、関口裕太(スポ1=東京学館新潟)が出場した。1組には、U20アジア選手権優勝メンバーの関口が登場。スタートでは良い反応を見せたが、10秒66のタイムでのフィニッシュとなった。最終7組に登場したのは、『自己ベストの更新』を目標に今大会に臨んだ島田。スタートでやや出遅れるも粘り力強い走りを見せ、追い風参考ながら自己ベストに迫る10秒34でフィニッシュした。タイム順で進出したB決勝では、「足を攣(つ)りかけてしまい、不完全燃焼のレースとなりました」(島田)。2着以降は、ほぼ横一直線でゴール。島田は5着で10秒41だった。今大会、2本とも好タイムでまとめたものの、スタートに課題を残し、「後手後手のレースになった」と悔しさの残るレースとなった。

東京六大学対校でレースを走る関口

 短距離ブロックが残す対抗戦は9月の全カレ(日本学生対校選手権)のみ。勝負の夏を超え、より強くなった短距離陣に期待だ。

(記事 戸祭華子、写真 堀内まさみ、川上璃々、戸祭華子)

結果

▽男子100メートル

予選(7組0着+24)

関口裕太(スポ1=東京学館新潟)  10秒66(+0・8)(1組6着)

島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東)  10秒34(+2・2)(7組6着)

B決勝進出

B決勝

島田  10秒41(+1・4)(5着)

▽女子100メートル

鷺麻耶子(スポ3=東京・八王子東)  11秒83(+1・7)(1組6着)

B決勝進出

B決勝

鷺  11秒88(+1・1)(7着)

コメント

島田開伸(スポ3=静岡・浜松湖東)

――まず、今大会の目標を教えてください

 自己記録を更新することです。

――日本選手権から今大会までで、調子の変化や練習等で意識したことはありましたか

 日本選手権後に少し休み期間を挟んで、そこから日本インカレ(日本学生対校選手権)に向けて体を作り直してる途中での試合でした。なので今大会の調子でいうと上がりきっていなかったです。練習は日本インカレを見据えた上でのトレーニングを意識して行なっていました。

――予選、B決勝それぞれの走りを振り返って

 どちらもスタートで失敗してしまい、後手後手のレースになってしまいました。B決勝では足を攣(つ)りかけてしまい、不完全燃焼のレースでした。

――予選のタイムは、公認の自己ベスト10秒32に迫るタイムでした

 追い風参考だったので、10秒2台で走りたかったというのが本音です。

――これからの課題をあげるとしたら

 課題として出たのはスタートの改善です。元々課題としていた部分ですが、今回と日本選手権でシニアの高いレベルのレースに出たことで今のままのスタートでは戦えないことを実感しました。

――最後に夏、そして日本学生対校選手権(全カレ)に向けてより強化していきたい点を教えてください

 先程述べたスタートの強化を中心に、全体的な強化を進めていきたいです。

鷺麻耶子(スポ3=東京・八王子東)

――まず、今大会の目標を教えてください

 シーズン前半最後の試合として、良いコンディションが多い布勢での試合を選び好記録を狙うことでした。

――日本選手権から今大会までで、調子の変化はありましたか、また練習等で意識したことはありましたか

 調子の大きな変化はありませんが、関カレ(関東学生対校選手権)から続いていた足の痛みと相談しながらも練習を継続できました。練習で特に意識したことは、回転数の向上と上半身の無駄を減らした使い方を考えることです。

――予選、B決勝それぞれの走りを振り返って

 予選は苦手意識のあるスタートがハマったものの、腰が落ちたままの走りで減速が大きくなってしまいました。B決勝は予選のようにスタートが上手くいかず、後半に立て直せないままゴールしてしまったと感じます。

――今大会の走りでの収穫や課題を教えてください

 日本選手権に引き続き、100メートルの後半部分のレース内での走り方が課題と再認識した試合でした。練習でできることが試合でできない状態が多いため、練習内での工夫を考えていきます。

――最後に夏、そして日本学生対校選手権(全カレ)に向けてより強化していきたい点を教えてください

 全カレでは100メートル・200メートルともに決勝に残ることが必要になってくるため、試合と練習の差を埋められるような練習に取り組みます。この夏で大きく成長して勝負強くなりたいと思います。