第5回は同じ寮に暮らすこの3人。400メートル障害で全国高校総体2位、100メートル障害では関カレ(関東学生対校選手権)で入賞した内藤香乃(スポ1=兵庫・北摂三田)、走高跳で高校総体8位入賞の矢野夏希(スポ1=愛知・時習館)、200メートルと400メートルでマルチに活躍する山本真菜(スポ1=三重・伊勢)。そろって関カレに出場の3人の掛け合いにも注目です!
※この取材は4月29日に行われたものです。
お互いの第一印象
質問に答える内藤
――まず、左隣の人を他己紹介してください
内藤 矢野夏希です。専門種目は走高跳で、愛知出身でお菓子がすごく好きで、よく食べてます。一緒にスーパーに行ったら、カゴのなかいっぱいお菓子になってます(笑)。すごく優しいし、すごい3人同じ寮なんですけど、お母さん的存在です。
矢野 山本真菜です。出身が三重県で、専門種目が400メートルと200メートルです。彼女はすごく可愛いです。見た目通り可愛いです(笑)。
山本 やったあ
矢野 すごく天然なところもあるんですけど、同じ寮で一緒に暮らすと可愛さがよりわかります。
山本 内藤香乃さんで、400メートルハードルを主な種目としてやってらっしゃいます(笑)。兵庫出身です。香乃さんは、いつも本当に努力で・・・。
内藤 嘘つけ(笑)。
山本 本当に努力家で、ここまでやるのというくらいまでいつも走っています。本人もすごく負けず嫌いで、これから本当にビックな選手になるんだろうなと思っています。普段寮では本当に優しくて、走っている時とのギャップが本当にある人です。
――入学前からお互いのことは知っていたのですか
山本 私はリアルタイムでインターハイの400メートルハードルを見ていて、結構個人的に応援していた選手でした。
矢野 香乃ちゃんの名前は知ってたんですが、同じ高校の高跳の選手繋がりで少し知ってました。
――第一印象は覚えていますか
内藤 山本と寮の廊下で初めてすれ違った時に、ちっちゃ!と思いました(笑)。
山本 第一声でなんか「え、ちっさい!」って言われて(笑)
内藤 小さくて可愛らしい子だったのでびっくりしました。矢野は静かそうな、頭が良さそうな感じがしました。
矢野 ありがとう。
山本 私は、内藤はすごく有名な選手だったので静かで怖くて話しかけづらい感じかと思ってたのですが、会った時は可愛いと思いました。
矢野 私もすごい選手で有名なので、めっちゃ怖い感じかと思ってたらなんか陽気?楽しくて面白い子です。山本は可愛いです。もうずっと可愛いです。
山本 そんな言っても何も出ないからね(笑)。
――そこからイメージが変わったことはありますか
山本 最初は内藤は結構ズバッと言って結構強い感じの子かと思ってたのですが、案外人の気持ちがわかる繊細な感じの子でした(笑)。
一同 (笑)
内藤 なっちゃん(矢野)は思ってたよりも話してくれていつも面白いことを言ってくれます。
矢野 香乃ちゃんはもうなんでも頑張り屋さんだと感じました。真菜は、ずっと可愛いんですけど、競技になると、すごい真剣に負けず嫌いなところが結構・・・。
内藤 山本は、自分のことだけじゃなくて周りのこと気にかけてる感じで・・・。
――※ここで微笑ましく見つめる田中、新上が乱入
矢野 なんで笑うんですか(笑)!笑わないでください(笑)!
内藤 山本は走ってる時も一生懸命な感じで。矢野はすごい静かな感じだと思ってたんですけど、すごい優しいし面白いくてすごい明るい子で、すごい練習もすごい真剣に取り組んでいます。
大学生活について
質問に答える矢野
――早大を選んだ理由を教えてください
内藤 私は(先輩方の)競技力も、意識や目標も高い選手がたくさんいるというのと 私はスポーツ科学にすごく興味があったので、それも学んで競技もしっかりできるというのでここの大学に行きたいなと思って選びました。
山本 早稲田の競走部はすごい強くて、400メートルトラックがあるなどの設備に魅力を感じました。それと、一つ先輩に高校時代の先輩に競走部の先輩がいらっしゃるのですが、その人のSNSで練習動画などを見ているときに自分でしっかり考えて練習していることがわかり、そこがいいと思って自分もここで陸上がしたいと思って来ました。
――大学に入ってから大変だと感じることはありますか
内藤 授業が100分というのがすごい長いというのと、3人とも教職を取ってるのですが、オンデマンドの授業で水曜日にアップされて水曜日に消えるというのがあって、それを2個とってしまっていたので朝早く起きて夜ももう一個受けています。練習終わってからだとしんどいので、そこは高校と比べてしんどいなと感じています。
山本 あとは、部活が月曜日以外あって、月曜がオフなんですが、そこも授業があって外に出ない日がないのは大変だなと感じています。
矢野 私は単純に部活の雰囲気が高校の部活が楽しく真剣にくらいの感じだったのですが、早稲田の競走部にはルールがたくさんあって、ビビりました(笑)
矢野 自分は普通に受験勉強をしていて、同じ高校の先輩等に話を聞いた時に、早稲田の競走部は競技力だけではなく人間力や主体性を学べる成長させることができるというのと、スポーツ科学部で勉強することで、自分の競技力向上にも活かせると感じたので、早稲田大学にしました。
――内藤選手が兵庫の先輩など、関西出身の選手がいない中での進学となりました。その面の不安はあったりしましたか
内藤 私(普段話すのが)関西弁なんですけど、標準語の方がいたりして、大丈夫かな、カルチャーショックとかは受けないかなということや、関西の女子選手っていなかったので、一人やったらどうしようという不安はありました。実際は同じ兵庫県出身の子も入ってきたり、その他にも三重や全国いろんな他府県から来てくれたのですごいよかったです。
――現時点でおもしろいと感じている授業や、興味のある分野はありますか
山本 『スポーツ解剖学』をとっています。骨や筋肉の名前などを学べます。自分自身も足が痛くなったりどこの筋肉が張っているのか、どこがつながっているのか考えることがあるので、そういうのに活かせると感じたのでしっかり学びたいと考えています。
内藤 私は『基礎スポーツ医学』という授業をとっていて、そこではコンディションの整え方などを学べます。私がここに来て一番学びたかったのはスポーツ栄養学なので、これからそういう授業もとって食事面でも競技に活かせるようにしたいと思っています。
矢野 私は今『アンチドーピング論』をとっています。アスリートはやっぱりそういうことには気を遣わないといけないし、自分の中でも知っている知識はあったのですが、知らないところもあったので面白いです。
――練習面で、大学と高校の違いを感じるところはどこですか
内藤 まず基本的な練習量が多いというのと、練習後にウエイトトレーニングをするのに初めて行った時すごい驚きました。
山本 練習メニューを監督から与えられるというよりも、自分たちで体調とかに合わせて考えるというのにすごいびっくりしたのと、先輩方が先生みたいで指導してくれるということに驚きました。
矢野 基本的な練習の量や質が上がったというのと、今まではただ競技をしているだけだったのが、自分の跳躍をやってどうだったのかを自分でフィードバックをする時間が増えたと感じています。
――大前祐介監督(平17人卒=東京・本郷)にはどのような印象を持っていますか
内藤 監督と言ったら遠い存在なのですが、コミュニケーションをたくさんとってくださってるので結構近い感じはします。
山本 スポーツ推薦組は部活も冬季練習を詰めていて、今だいぶ走れているのですが、(自分たち)受験組はブランクがあって全然走れてないのですが、それでも声をかけてくれて。選手の心まで見てくれる感じはあります。
矢野 私も監督と言ったら遠い存在なのですが、直接跳躍に関してということでは関わりはないのですが、自分の競技生活の大まかな道標を教えてくれたりしてありがたいです。
――川村優佳選手(スポ4=東京・日大桜丘)はどのような主将ですか
内藤 めっちゃ優しいです。(専門が同じで)私直属の先輩なのですが、走り方なども教えてくださるし、練習前とか緊張したりしてたら気にかけてくれたり本当に神様みたいです。
山本 私も種目は違うのですが、たくさん声をかけてくださったり、服とかも1年生にお下がりを分けてくださったりして本当に憧れの先輩です。
矢野 私も、山本と同じで専門外なのですが、例えば走りひとつでもわからないことがあったりしたら聞いたらすぐに答えてくれるしアドバイスもくれるのがありがたいです。
――次に、陸上を始めたきっかけを教えてください
内藤 父と兄がもともと陸上していて、私もやってみようとなりました。走るのが結構好きだったので小学校の時に100メートルとかに出たのが始まりです。
山本 小学校の時に地域のクラブチームに友達が誘ってくれたというのと、小学校4年生の時に運動会で男子に負け始めて。悔しくてもう一回勝ってやろうと思って陸上部に所属するようになりました。
矢野 私は祖父がやっていて、小さい時から陸上を見たりするのが多かったのですが、小学校の時に私の兄の同級生が、足も速くてかっこよくて。それに憧れてクラブに入って始めました。
――他のスポーツは何かされていたのですか
内藤 私は2、3年だけ水泳をしていました。
山本 私は小学校1年生から6年生までは空手をしていました。
矢野 私も、内藤と一緒で水泳です。父がもともと結構ガチでやっていて、その影響で小学校6年間やっていました。
――今の専門種目を始めたきっかけはなんですか
内藤 私はもともと100メートルハードルと走り幅跳をやっていたのですが、高校1年生の秋くらいに、近畿の走幅跳のレベルが高いのでこのままだとインターハイに出れないのではと顧問に言われました。400メートルハードルが穴場だからそっちにシフトしたほうがいいのではと言われ始めたのがきっかけです。
山本 私は中学校までは100メートル、200メートルの短距離を中心にやっていたのですが、長距離を走るのも結構好きだったので、短距離のスピードと長距離の持久力を活かせる400メートルが向いているのではと思い高校から始めました。
矢野 私は祖父の影響が大きいです。それまでは短距離をやっていたのですが、中2から走高跳に本格的にやり始めました。祖父から急に勧められて。それでやったらめちゃくちゃたのしくて。
――高校時代に印象に残っている大会は何ですか
内藤 国体(国民体育大会)です。300メートルハードルと、走幅跳に出場したのですが、二つの日程が重なっていて、競技場の中を行き来して。雨で寒かったのですが、これも思い出かと思いながら必死に走ってたのが思い出です。
山本 高3の夏のインターハイです。入賞するのが目標で頑張っていたのですが、9番であと一歩で決勝に行けず顧問とすごく泣いたのを覚えています。
矢野 私は高3のインターハイで入賞したのですが、高2の時のインターハイ予選で落ちてしまって。すごく悔しくてそこから練習に対する意識とかもすごく変わったので印象に残っています。
日本一、そして世界へ
質問に答える山本
――目標とする選手は誰ですか
矢野 仲野春花さん(現ニッパツ、平31スポ卒=福岡・中村学園女)です。仲野さんの自己ベストが早稲田の学内記録なので、そこに並べるくらい強くなりたいです。
山本 山越さん(理子、人2=東京・富士)です。お付きの先輩なのですが、種目を問わず速くて淡々と走っている感じがかっこいいです。でも普段は謙虚で優しいので私も強いけどみんなに優しくできるような理子さんみたいな選手になりたいです。
内藤 私は川村さんです。競技力もすごいのに、周りのことにも気を配れたりとか、自分のことだけではなくて相手のことを考えて、競技もしっかりしているのが憧れます。
――ご自身の走りの強みは
山本 私はもともと前半から飛ばせるところは強みだと思います。
矢野 走りが小さいところは改善中です。ですが、本番で緊張しても跳べます!
内藤 私は前半から飛ばしていくのが強みです。
――大学4年間でどんな選手になっていきたいですか
内藤 4年間で日本代表になりたいという夢があります。簡単ではないのですが、練習などいろんなことを頑張って目標を成し遂げたいと思っています。
山本 高校時代では環境面でも時間面でもできなかったことや鍛えられなかったことをしっかりやりたいです。大学ではしっかり研究もしてやるからには日本一を目指して頑張りたいです。
矢野 私も、日本一になりたいです。そのためにも、やっぱり競走部で競技力、人間性、主体性を育みたいです。
――最後に今年1年の目標をお願いします
内藤 関東インカレでは400メートルハードルに出場できなかったので、日本インカレ(日本学生対校選手権)では100メートルハードルと両方出場するということと、日本選手権で決勝に残れるように頑張りたいです。
山本 今、受験のブランクで過去の自分より全然走れないのですが、今年中に去年の自分よりも速くなって何かしらの全国の試合で入賞したいです。
矢野 私は、今年記録面では自己ベストを超える1メートル73を跳ぶことを目標にします!
――ありがとうございました!
(取材・編集 川上璃々、戸祭華子)
◆内藤 香乃(ないとう・かの)(※写真中央)
2004(平16)年6月7日生まれ。165センチ。兵庫・北摂三田出身。スポーツ科学部1年。最近は韓国ドラマにハマっているという内藤選手。中でも、『わかっていても』がお気に入りなんだとか。ちなみに、地元・兵庫県神戸市の自慢は「もちろんオシャレなカフェ」だそうです!
◆矢野 夏希(やの・なつき)(※写真右)
2004(平16)年8月2日生まれ。170センチ。愛知。時習館出身。スポーツ科学部1年。対談では、落ち着いた様子でお話ししてくださった矢野選手。地元・愛知県豊橋市の自慢は『ブラックサンダーの工場があること』だそうです!
◆山本 真菜(やまもと・まな)
2004(平16)年12月17日生まれ。156センチ。三重・伊勢出身。スポーツ科学部1年。自己記録:200メートル25秒03、400メートル55秒73。伊勢高校出身の山本選手。地元の自慢はもちろん伊勢神宮。しかし山本選手の実家はコンビニまで10キロあるんだとか・・・。3人で、実家から最寄りのコンビニまでの距離で田舎度を競っているんだとか。仲良し3人の飛躍に期待です!