曇り空の下行われた、第34回ゴールデンゲームズinのべおか。今年も国内外から多くのトップ選手が参戦し、好記録も誕生した。早大からは、5000メートルE組に石塚陽士(教3=東京・早実)が出場し、自己記録を更新する走りを見せた。
最近の好調の要因は「トレーニングの成果が出て地力がついている証拠」だという石塚
18時5分から行われたE組。石塚は、昨年度の反省も生かし、スタートから集団の前方に位置した。旭化成の葛西潤が集団を引っ張りながら、2000メートルを5分29秒で通過。その後ややペースが落ち、石塚は2400メートル過ぎからトップに立った。ラスト1キロを切ったところで、トヨタ自動車九州の大城義己がペースアップするが、大きく離されることなく食らいつく。残り1周のスパート合戦で実業団選手からは遅れをとったが、最後まで粘り抜き、自己ベストを2秒ほど更新する13分43秒89でフィニッシュ。先日の日体大競技会から「疲労はたまっていた」と言うものの、それを感じさせない走りで見事自己記録を更新した。
トラックシーズンが幕を明けてから、1万メートルで27分台、そして今レースでも自己記録を更新するなど好調をしている石塚。来たる関東学生対校選手権では1万メートルにエントリーしており、「勝たなければいけないレースなので、優勝を目指していく」と意気込む。どのようなレースを見せてくれるのか、期待が高まる。
(記事 加藤志保、写真 和田悟志氏提供)
結果
▽男子5000メートルE
石塚陽士(教3=東京・早実) 13分43秒89 自己新 (4着タイ)
▽男子5000メートルA
伊藤大志(スポ3=長野・佐久長聖) 棄権
山口智規(スポ2=福島・学法石川) 棄権
コメント
石塚陽士(教3=東京・早実)
――コンディションはいかがでしたか
湿度がやや高かったですが、風はあまりなく、気候条件に関しては比較的良かったと思います。
――先日の日体大競技会からの疲労はありましたか
やはり疲労はたまっていて、やや調子を落としてのレースとなりました。
――レース前、花田勝彦(駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)からの指示はありましたか
あまり記録を狙える組ではなかったので、「記録も大事だけど順位に拘(こだわ)って勝ちパターンを見つけていこう」という話を花田監督としていました。
――その中で、スタートからは集団前方に位置していました。どのような意図でしたか
昨年の出走した主要な5000メートルでは、後方スタートになってしまうことが多く、前に出てくるのに余分な力を使ってしまって、スパートが効かないことや集団に置いていかれることが多くありました。ですので、今年はその反省も生かして序盤から前にいることを意識していました。
――レース展開を振り返っていかがですか
前で走る人が少なく、難しいレースでした。順位だけを狙うのであれば、集団の中にずっといてもよかったですが、ある程度記録も狙いたかったので、中盤で出るという判断をしました。結果的には他の選手のカモになってしまいましたが、今の状況だと致し方ない部分もあるのかなと思っています。
――1万メートルに続いて自己記録更新となりました
物足りないタイムではありますが、最低限自己記録を更新できたことは良かったです。
――最近、好調を維持できている要因は何かありますか
学生ハーフ(日本学生ハーフマラソン選手権)後に始めたジャンプトレーニングなどの補強が効いているのかなと思っています。自分の中では、好調のピークが少し過ぎているように感じていますが、それでも自己記録が出ているのは、トレーニングの成果が出て地力がついている証拠だと思っています。
――今レースで得られた収穫と課題を教えてください
大学に入ってから、5000メートルのレースで引っ張っていくという経験をあまりしてこなかったので、それはいい経験となりました。連戦になっていくと、どうしてもスパートのキレがなくなってしまったり、攻めようという気力がなくなってしまったりするので、それをどう保っていくのかが課題かなと思います。
――最後に、関東学生対校選手権(関カレ)に向けて意気込みをお願いします
勝っていかなければならないレースなので、勝ちに拘(こだわ)ったレース運びをして、優勝を目指していきたいです。