新チーム初の早大競技会 トラックシーズンへ現状を確認

陸上競技

 小春日和となった本日、早大競技会が行われた。1万メートルと1500メートルが行われ、1万メートルでは、菖蒲敦司駅伝主将(スポ3=山口・西京)が早大勢トップとなる2着に入る。1500メートルでは、この日がケガからの復帰戦となった栁本匡哉(スポ3=愛知・豊川)がトップでゴールした。

「自己ベストは出ると思っていた」という菅野

 まず行われたのは、1万メートル。関東学生対校選手権(関カレ)の標準タイム突破をねらい、多くの主力選手が出場した。レースは、菖蒲や伊藤大志(スポ2=長野・佐久長聖)などの、一周70秒で刻む7人の集団と、草野洸正(商2=埼玉・浦和)などの1周72秒の集団に分かれて展開された。前の集団は最初の1000メートルを2分52秒で通過。5000メートル手前で、辻文哉(政経3=東京・早実)が集団からこぼれると、徐々に人数が絞られていく。6000メートル手前で菖蒲が先頭に。8000メートルで、この日全体トップの日大の松岡(竜矢)に離されたものの、菅野雄太(教2=埼玉・西武文理)と先頭を交代しながらレースを展開。ラスト300メートルでスパートをかけ、29分23秒81でフィニッシュ。菅野も、中盤は集団から離れそうになる場面もみられたが、最後まで粘り、自己新記録を更新した。後ろの集団も、おおむねペースを守り切り、30分45秒前後でフィニッシュした。

この日が復帰戦となった栁本

 続いて行われたのは1500メートル。早大からは、3人が出場した。1周目は、諸冨湧(文3=京都・洛南)を先頭に59秒で通過。1000メートル付近で、勢いのある高校生が先頭に立ちレースが進む。しかし、栁本が「自分の持ち味」であるラスト300メートルで意地を見せスパート。トップに立つと、ほぼ目標通りというタイムでフィニッシュした。

菖蒲は、チームメイトに声をかけながらレースを展開

 新体制になって迎えた初めてのトラックレースでは、新駅伝主将の菖蒲が積極的に前に出て後輩を引っ張る姿も見られた。出場した選手それぞれが、今シーズンの目標達成に向け、現在地を確認することができた本競技会。来たる日本学生ハーフマラソン選手権や関カレといった大きな大会へ向けて、チーム一丸となって前進していく。

(記事 戸祭華子、写真 齋藤汰朗、加藤志保、星野有哉)

結果

▽男子1万メートル

菖蒲敦司(スポ3=山口・西京)  29分23秒81 (2着)

菅野雄太(教2=埼玉・西武学園文理)  29分27秒47 (3着)自己新

伊藤大志(スポ2=長野・佐久長聖)  29分49秒04 (4着)

辻文哉(政経3=東京・早実)  30分19秒17 (7着)

和田悠都(先理2=東京・早実)  30分44秒42 (4着)

草野洸正(商2=埼玉・浦和)  30分46秒90 (9着)自己新

門馬海成(政経1=福島・会津)  30分50秒98 (10着)

宮岡凜太 (商1=神奈川・鎌倉学園)  31分26秒11 (12着)

小玉瑞葵(文2=福島・安積)  途中棄権

濱本寛人(スポ3=熊本・宇土)  棄権

石塚陽士(教2=東京・早実)  棄権

伊藤幸太郎(スポ1=埼玉・春日部)  棄権

須山向陽(スポ1=鹿児島城西)  棄権

藤本進次郎(教1=大阪・清風) 棄権

▽男子1500メートル

栁本匡哉(スポ3=愛知・豊川)  3分57秒59 (1着)

諸冨 湧(文3=京都・洛南)  4分00秒05 (2着)

伊藤 大河(教1=福島・会津)  4分17秒01

北村 光(スポ3=群馬・樹徳)  棄権

間瀬田 純平(スポ1=佐賀・鳥栖工)  棄権

山口 智規(スポ1=福島・学法石川)  棄権

コメント

▽男子1万メートル

菖蒲敦司駅伝主将(スポ3=山口・西京)

――今日のレースの位置付けはどのようなものでしたか

 直前まで合宿に行ってたので、疲労がある中でどこまで走れるかという確認でした。

――今日の目標とそれと照らし合わせた評価をお願いします

 最低でも29分30秒で、うまくいけば29分前後で入れればいいのかなと思っていました。想定通りには収まったのでよかったと思います。

――最後のスパートについて、事前に決められたものはありましたか

 できれば、日大の松岡(竜矢)さんについて行きたかったのですが、ラスト2000(メートル)で一気に引き離されてしまいました。そこからは菅野と協力して、29分半切りを目標にしながら、ラストは少し余裕があったので、そのぶんスパートをかけようというような感じでした。

――今日の調子はいかがでしたか

 合宿後4日ほど休みをもらって、今日のレースでした。その4日間は疲労を抜くことに充てました。結構合宿で体がきつかったのですが、しっかり休めたので、そこはうまく動いてくれたのかなって感じです。

――集団走では集団の前の方に位置付けていました。どのような意図がありましたか

 正直僕自身もきつかったのですが、みんなで行こうと言われてましたし、関カレの標準タイムをみんなは気にしていました。できれば僕をペーサーに使ってもらって、みんながタイムを切ってくれたらと思っていました。ですので、後半きついところで前に出て引っ張ろうということは決めてました。

菅野雄太(教2=埼玉・西武学園文理)

――今日のコンディションはいかがでしたか

 調子で言うと、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)の後、疲労が全然抜けなくて。練習も半分行かないで離れてしまうこともあり、自信を持って臨めたわけではありませんでした。ですが、青梅(青梅マラソン)以降、調子が少しずつ上がってきていたので、その感じで今日のレースに臨みました。

――今日のレースプランはどのように考えていましたか

 周りの人とも話し合って、とりあえず関カレのB標準を目安に、集団も29分から29分20秒で行くという感じだったので、それにうまく乗っていけたらと思っていました。タイムは、29分半を切れたらと思っていました。

――レース全体を振り返っていかがですか

 普段の自分からすると、あまり押さないようなペースで行ったのですが、思ったより後半まで余力があったので自信になりました。ハーフを走る上でも、心の壁みたいなものが外れたと思います。

――タイムは自己ベストでした。それについてはいかがですか

 (1万メートルは)1年以上走っていなかったので、自己ベストは出ると思っていました。

――次のレースは学生ハーフになると思いますが、それに向けた意気込みをお願いします

 今日のレースでも意外と自信につながった面はあり、あとは、調子があまり上がってこない中でいい刺激が入りました。疲労を抜くことができれば調子も戻ってくると思うので、学生ハーフはしっかり記録を狙っていきたいです。

▽男子1500メートル

栁本匡哉(スポ3=愛知・豊川)

――久しぶりのレースとなりました。今日のレースを振り返っていかがですか

 復帰レースで練習再開して1カ月ちょいだったので、無難な結果ではありました。ですが、もう少し(タイムを)出したいという気持ちもありました。

――今日のレースはどのような位置付けで臨んだのですか

 まずスピード感覚を取り戻すという意味で、とりあえず練習の一環として出た感じです。なので、そこまで記録は狙っていなかったです。

――具体的なタイムなど、目標として設定していたものはありましたか

 自分の中では(3分)55(秒)から55(秒)以上切れたらという風には思っていました。今回(のタイムは、3分)57秒でしたが、それは現実的に見たらそんなくらいかなっていう風には予想していました。

――実際に走ってみて、調子はいかがでしたか

 調子自体は悪くなかったのですが、やはり復帰して練習をまだ1カ月ちょっとしかやれていないので、そういった意味でも練習不足ではあったかなと思っています。

――最後のスパートの位置は、自分の中で決めていたのですか

 そうですね。高校の時からラスト300(メートル)からが自分の持ち味だったので、基本300(メートル)からは仕掛けて切り替えられるようにしています。

――最後に今シーズンの意気込みを教えてください

 今シーズンは最終学年にもなるので、1500(メートル)で関カレ(関東学生対抗選手権)優勝したいと思っています。まずは、しっかりそれに向けた準備をしていきたいと思います。