秋らしい気候の中、トラックゲームズ in TOKOROZAWAが開催された。今大会は多くの短距離ブロックの選手にとって今シーズンの締めくくりであり、4年生の中には引退試合として臨んだ選手もいた。
最初に行われた男子100メートルには、澤大地(スポ4=滋賀・草津東)や野口友希(スポ4=神奈川・横須賀)、西裕大(教3=埼玉・栄東)、また普段は400メートルなどを専門とする選手も含め、多数の選手が出場。西が追い風参考ながら全体トップとなる10秒59をマークした。
200メートルや4×100メートルリレーで早大を牽引してきた澤は、今大会が現役ラストレース。レース前には三浦励央奈主将(スポ4=神奈川・法政二)が場内アナウンスのマイクを持ち、これまでの4年間を振り返るとともに、「ラスト行ってこい」と澤を鼓舞。「最後まで楽しんで走ろう」という思いで臨んだ澤は10秒75の組3着でゴール。レース後は「きついこともあったけれど、それも含めて最高だった」と早大での4年間を振り返った。
引退する4年生を囲み、記念撮影をする、100メートルに出場した選手たち
また、800メートルを主戦場にし、下級生の頃からエンジを背負ってきた髙田真菜(商4=東京・早実)も今大会が最終レース。200メートルに出場し、清水奈々子(文構1=北海道・札幌南)、新田望(スポ1=神奈川・法政二)に続き3着でフィニッシュ。レース後は一緒に走った新田、清水奈と笑顔で写真に収まり、現役生活を終えた。
笑顔で記念撮影をする女子200メートルの選手たち。左から新田、髙田、清水奈
男子400メートルには竹内彰基(スポ3=愛知・瑞陵)と村木渉真(スポM2=愛知・千種)ら5人が出場。先日の日本選手権4×400メートルリレーで金メダル獲得に貢献した竹内が貫禄の走りを見せ、47秒48の1着でフィニッシュした。また、大学院2年生の村木も早大競走部での6年間の集大成として今大会に臨み、前半から積極的な走りを見せた。最後は竹内に交わされたものの48秒06の2着でゴールした。ゴール後は一緒に切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間が村木のもとに集まり、場内からは拍手が沸き起こった。
担ぎ上げられる村木(中央)と集まった部員たち
さらに、最終種目として行われた女子400メートルでは好記録が誕生した。山越理子(人1=東京・富士)が後半に伸びのある走りを見せ、早大歴代8位の55秒48をマーク。7月に出した自己ベストをさらに更新し、見事1着でフィニッシュした。2着に入った川村優佳(スポ3=東京・日大桜丘)も55秒61の好タイムで自己記録を更新した。
ホームストレートで競る川村(左)と山越
この大会をもって短距離4年生の多くが陸上競技人生にピリオドを打つ。3年生以下の後輩に向けては、「自分がどうなりたいのか、どういう結果を出したいのかを考えて陸上をしてほしい」(澤)と思いを託した。108代目を率いてきた4年生は早大競走部での生活に別れを告げ、バトンは109代目へと受け継がれていく。
(記事 加藤志保、写真 及川知世、加藤志保、川上璃々)
結果
▽男子
▽100メートル
決勝
(9組)
村木渉真(スポM2=愛知・千種) (1組)
池田海(スポ2=愛媛・松山北) (1組)
金本昌樹(スポ2=東京・日大桜丘) (1組)
平野智也(文構2=京都・洛南) (1組)
眞々田洸大(スポ2=千葉・成田) (1組)
清水友彬(スポ1=三重・伊勢) (1組)
西裕大(教3=埼玉・栄東) 10秒59(+2・2) (2組1着)
新上健太(人3=東京・早実) 10秒68(+2・2) (2組2着)
澤大地(スポ4=滋賀・草津東) 10秒75(+2・2) (2組3着)
野口友希(スポ4=神奈川・横須賀) 11秒06(+2・2) (2組4着)
藤好駿太(スポ3=福岡・修猷館) 11秒67(+2・2) (2組5着)
池淵秀(法3=京都・洛南) 棄権
竹内彰基(スポ3=愛知・瑞陵) 棄権
▽200メートル
決勝
(4組)
藤好 棄権
清水 棄権
池淵 棄権
▽400メートル
決勝
(4組)
竹一虎(スポ1=滋賀・草津東) 49秒95 (3組2着)
佐藤カルタ(スポ2=神奈川・厚木) 50秒43 (3組3着)
竹内 47秒48 (4組1着)
村木 48秒06 (4組2着)
石原慎也(法1=京都・洛南) 48秒47 (4組3着)
西 棄権
▽110メートル障害
決勝
盛岡優喜(スポ1=千葉・八千代松陰) 14秒52 (ー0・6)(2着)
▽400メートル障害
決勝
金本 51秒34 (2組1着)
新井公貴(スポ3=神奈川・逗子開成)51秒76 (2組2着)
盛岡 52秒49 (2組5着)
▽三段跳
決勝
古川知征(スポ1=宮城・仙台二華) 14メートル72(+0・7) (2等)
棚井将輝(スポ1=埼玉・大宮北) 14メートル41(0・0) (4等)
▽やり投げ
決勝
梅澤祥吾(スポ1=神奈川・金沢)57メートル06 (7等)
鶴澤元基(スポ1=東京・富士森)棄権
▽女子
▽100メートル
決勝
清水奈々子(文構1=北海道・札幌南)棄権
▽200メートル
決勝
清水奈 25秒69 (ー0・7)(1着)
新田望(スポ1=神奈川・法政二) 26秒22 (ー0・7)(2着)
髙田真菜(商4=東京・早実) 27秒02 (ー0・7)(3着)
▽400メートル
決勝
(2組)
生田桃子(人2=愛知・時習館) 66秒40 (1組4着)
山越理子(人1=東京・富士) 55秒48 (2組1着)自己新
川村優佳(スポ3=東京・日大桜丘) 55秒61 (2組2着)自己新
大川寿美香(スポ1=東京・三田国際学園) 57秒53 (2組3着)
清水奈 58秒36 (2組4着)
▽800メートル
決勝
生田 2分22秒07 (1着)
▽走高跳
決勝
大坂美乃(文構4=愛知・明和) 1メートル60 (1等)
▽三段跳
決勝
伊藤凜(スポ1=福岡・明善) 11メートル15(+0・6) (1等)
コメント
澤大地(スポ4=滋賀・草津東)
――今日のラストレースはどのような気持ちで臨みましたか
一番は楽しんで走ろうと思っていました。小学校4年生から陸上をやっていて、12年間やっていたのですが、やっぱり楽しくて陸上を続けてきたので、最後まで楽しんで走ろうと心がけて臨みました。
――コンディションはいかがでしたか
全カレからずっと走っていなくて、1週間くらい練習を積んでから出たのですが、コンディションは良くはないですね(笑)。でも全然足も痛くなかったし、コンディションは良くはなかったけど体は元気だったと思います。
――最後のレースは楽しめましたか
はい! とても楽しかったです。
――昨週の日本選手権リレーはサポートというかたちでしたが、三浦励央奈主将(スポ4=神奈川・法政二)と後輩の走りはどのように見ていましたか
三浦は4年間ずっとつないできて、頼もしかったですし、最後まで頼もしい存在でした。後輩3人は悔しい思いをしたと思うのですが、来年以降につながる走りだったんじゃないかなと思います。走った3人以外にもまだまだ1、2年生で伸び盛りの選手がいっぱいいるので、来年以降に期待しています。
――4年間を終えていかがですか
最高でした。きついこともあったんですけど、それも含めて最高でした。
――最後に後輩たちへメッセージをお願いします
僕が先輩にずっと言われてきたことなのですが、自分のやりたい陸上競技をやって欲しいです。自分がどうなりたいか、どういう結果を出したいのかということを常にイメージしながら毎日の練習に取り組んでもらいたいなと思います。