7月以来となる早稲田大学競技会が24日、行われた。早大勢は5000メートル1組と1万メートルに出走。主力選手が多く出場した1万メートルに先駆けて行われた5000メートルでは、昨年の全国高校駅伝にも出場したルーキーの藤本進次郎(教1=大阪・清風) が大学デビュー戦。途中入部の1年生門馬海成(政経1=福島・会津)も早大勢3番でゴールした。
早大デビュー戦となった藤本
1万メートルには総勢14人が出場した。3日前まで合宿を行なっていた早大長距離ブロック。今競技会では、複数のペース設定に分かれてレースを行なった。
レースはスタート直後から2つの集団に分かれ、前の集団は井川龍人(スポ4=熊本・九州学院)や鈴木創士駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)が、後ろの集団は諸冨湧(文3=京都・洛南)らが中心となって進む。前の集団は初め6人で、1周70秒ほどで刻んだ。5000メートル過ぎで、鈴木が先頭から離れ、徐々に先頭集団の人数が絞られていく。
レース序盤、先頭を引っ張る井川
8000メートル地点で先頭集団は、井川、佐藤航希(スポ3=宮崎日大)、山口智規(スポ1=福島・学法石川)の3人に。最後まで余裕を持てた、という3人が設定から少し遅れるタイムで、1~3着でのゴール。6000メートル過ぎに後ろの集団から飛び出し、前方で遅れた選手を捕らえていった諸冨が、終盤に順位を上げ、4着に入った。
井川、山口とともに走る佐藤
前の集団から遅れた選手と、後ろの集団から終盤に位置を上げた選手たちは揃って30分12秒前後でゴール。菖蒲敦司(スポ3=山口・西京)はスタート直後より大集団とは離れ、1周80秒ほどのペースで1万メートルを走り切った。
30分12秒前後でゴールした選手たち
「この競技会までを合宿と捉えていた」(佐藤)、「(合宿の)疲労はすごくあった」(山口)というように、合宿明け間も無く今競技会に出走した選手たち。余裕を持った上で、ほぼ設定通りで1万メートルを走れた選手も複数いた一方、合宿の疲労や、不調等で定められたペースについていけない選手もいた。
「傍からみれば足並みが揃っていないように見えるかもしれないが、チームの流れとしては悪くない」(佐藤)。3週間後に迫った東京箱根間往復大学駅伝予選会までに、もう一段階チームの力を上げられるか。この記録会を転換点に、鍛錬の夏から、実戦の秋シーズンへ、目線を切り替えていく。
(記事 及川知世、写真 戸祭華子、加藤志保)
結果
▽男子5000メートル
1組
藤本進次郎(教1=大阪・清風) 14分52秒83(8着)
宮岡凜太(商1=神奈川・鎌倉学園) 14分54秒89(9着)
門馬海成(政経1=福島・会津) 15分08秒37(12着)
小玉瑞葵(文2=福島・安積) 15分13秒50(13着)自己新
伊藤幸太郎(スポ1=埼玉・春日部) 15分25秒87(14着)
杵鞭源(人1=愛知・旭野) 16分06秒47(16着)
増永峰土(商1=神奈川・逗子開成) 棄権
▽男子1万メートル
佐藤航希(スポ3=宮崎日大) 29分35秒12(1着)自己新
井川龍人(スポ4=熊本・九州学院) 29分35秒23(2着)
山口智規(スポ1=福島・学法石川) 29分35秒47(3着)
諸冨湧(文3=京都・洛南) 30分11秒48 (4着)
鈴木創士駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体) 30分12秒09(5着)
安田博登(スポ4=千葉・市船橋) 30分12秒10(6着)
辻文哉(政経3=東京・早実) 30分12秒92 (7着)
伊藤大志(スポ2=長野・佐久長聖) 30分14秒11 (8着)
伊福陽太(政経2=京都・洛南) 30分19秒95 (9着)
北村光(スポ3=群馬・樹徳) 30分58秒84(10着)
和田悠都(先理2=東京・早実) 31分31秒27 (11着)
草野洸正(商2=埼玉・浦和) 31分58秒66 (12着)
小指卓也(スポ4=福島・学法石川) 32分47秒50 (13着)
菖蒲敦司(スポ3=山口・西京) 33分11秒79
菅野雄太(教2=埼玉・西武文理) 棄権
コメント
佐藤航希(スポ3=宮崎日大 )
――ゴールタイムは設定通りでしたか
設定はもう少し速かったのですが、集団の流れに乗って最後まで余裕を持って走りました。
――もともと2つの集団で分かれる設定だったのですか
合宿が順調にできたグループと、復帰明けなど自分の体調に合わせて走るグループに分かれていました。
――合宿明けだったと思いますが、疲労やコンディションはいかがでしたか
合宿明け3日目ということで、疲労はあったと思いますが、この競技会までを合宿と捉えていたので、合宿中のポイントと同じように臨みました。
――自分の走りを振り返って
集団がもっとハイペースで進めば、後半自分で上げて28分台までいきたかったですが、まだピークを持ってくるには早いですし、余裕を持って終われればそれでいいと思っていたので、予定より遅くなってしまいましたが、良い感覚で走ることができました。
――チーム全体として今日の結果はどういう受け止め方になっていますか
合宿明けなので、疲労度合いもそれぞれあると思いますし、復帰明けの選手もいます。傍からみれば足並みが揃っていないように見えるかもしれませんが、チームの流れとしては悪くないと思います。
――今後への抱負をお願いします
(今年の)箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝)では自分の区間でシード権争いのチャンスを潰してしまったので、目先にある予選会で必ずチームを上位で本戦に進める、そんな走りをしたいと思っています。
山口智規(スポ1=福島・学法石川)
――合宿明けだったと思いますが、疲労はありましたか
疲労はすごくありました。でも、しっかりと練習を積めてきた中だったので、今日は余裕を持って臨めるかなとレース前に感じていて、想定内のレースができました。
――日本学生対校選手権は5000メートルで出場し、今日は1万メートルのレースでした。距離の対応という面ではいかがでしたか
5000メートルも5000メートルの練習をせずに臨んだので、そこまで1万メートルやハーフへの距離での不安はありませんでした。
――全体的に今日のご自身の走りを振り返っていかがですか
5000メートル以降、きつい中でも5000、6000メートルと引っ張って先頭で行けたのはよかったと思います。
――タイムは予定通りのタイムでしたか
少し遅かったと思います。でもほぼ設定通りにいけました。
――余力はありましたか
全然ありました。
――大学に入って初の1万メートルでしたが、いかがでしたか
設定に対しての余力はあったので、練習の一貫としていい感覚で終われました。
――合宿は順調に練習を積めていますか
そうですね、井川さん(龍人、スポ4=熊本・九州学院)などと練習をできているので、問題なくこなせていると思います。
――最後に今後への抱負をお願いします
予選会があと3週間と迫ってきているので、自分の状態とチームの意識をしっかりと下から上げられるように、意識高く練習に取り組めたらなと思います。