初の世界舞台で意識変化、経験を今後の力に

陸上競技

 8月1日からコロンビア・カリで行われたU20世界選手権に、男子1500メートル日本代表としてルーキーの間瀬田純平(スポ1=佐賀・鳥栖工)が出場した。標高の高さや競技場の設備など、海外大会特有の難しさがあった中で、結果は3分52秒25の予選10着。決勝進出とはならなかったが、初の世界舞台を堂々戦い抜いた。

 男子1500メートル予選は大会初日に行われた。2組目に登場した間瀬田は「緊張は無く、楽しい感じでレースを迎えられた」と、選手紹介のカメラに笑顔も見せ、スタートラインにつく。レースは序盤から、最終的にこの種目の優勝者となったケニアの選手が一人飛び出し、後続は縦長の集団に。「一人が飛び出したのを追いかける形だったので前の選手のリズムを借りながら走りやすいリズムで走れた」と間瀬田は序盤、集団の前方でレースを進める。

 レースが終盤に差し掛かるにつれて徐々に集団のペースは上がり、残り1周の鐘を前に間瀬田は集団から振り落とされる。「動かすので精一杯で切り替えが上手くできなかった」と得意のラストでも大きく順位を上げることは叶わず。最後はバラけた集団の後方、10着でゴールした。

U20世界選手権男子1500メートル予選のレースを走る間瀬田

 今期初めより目標としていた舞台でのレースを終え、間瀬田は「勉強になることが多くあった」と振り返る。「(海外の選手たちは)陸上に人生をかけている選手がほとんどで、そのような選手に勝つためには自分も海外の選手たちと同じまたはそれ以上の気持ちを持って競技に向き合っていかないといけないなと感じた」。

 世界の舞台は誰しもが経験できるものではない。大学1年目にしてそのような貴重な経験を得たルーキーは、この後初めての大学駅伝シーズンを迎える。「この経験を練習面だけでなく生活面でも生かして自分の力に変えていけるように」。今後、世界大会での経験を経て進化した間瀬田の走りが見られる日が来るはずだ。

(記事 及川知世、写真 月刊陸上競技提供)

結果

▽男子1500メートル

間瀬田純平(スポ1=佐賀・鳥栖工)  3分52秒25 (2組10着)


コメント

間瀬田純平(スポ1=佐賀・鳥栖工)

――レースを迎えるまでの調子を教えてください

日本選手権が終わって少しずつ調子が上がり始めてきた感じでした。

――日本選手権後には、もう今シーズンは1500メートルのレースはラストだったかも、というお話がありましたが、そこからスピードや距離はどう調整しましたか

最初は長い距離に対応していくような練習をしていたのですが、代表に選出されてから1500メートルのスピード系の練習も少しずつやってきた感じです。

――レースを迎えるまでで、標高の高さは気になりましたか

標高が高い場所でレースするのは初めてだったので、練習の仕方も結構変わってきて、レースになってみると、標高が高い分空気が吸えないというか、息苦しい感じがありました。レース中も、結構余裕を持って走れるはずのペースでも、なかなか余裕を持つことができなくて、少し苦しい感じになってしまいました、

――気温などはいかがでしたか

気温はそこまで気になるような暑さでは無かったです。走りやすい気候ではありました。

――現地に行ってからの調整で気をつけたことはありますか

サブトラックにタータンが敷かれていないような状況で、練習も思うようにできなかったのですが、その中でもうまく工夫して普段とは違う調整の仕方でレースを迎えました。

――レースについてお聞きします。選手紹介の際には笑顔も見られましたが、緊張はされていましたか

緊張は無くて、海外のレースはお祭りみたいな雰囲気で、楽しい感じでレースを迎えることができました。

――走り出した時は楽しみな気持ちが強かった感じでしょうか

そうですね。だいぶ盛り上がっていたので、自分も気分が上がって楽しく走ることができました。

――走り出す前に思い描いていたレースプランを教えてください

元々結構力のある選手が集まる組で、速いペースで走ってくれるだろうなと思っていたので、上位あたりで食らいついて、決勝進出できればいいなと思っていました。

――最初からケニアの選手が飛び出しましたが、そのペースはどう感じられていましたか

速いペースで自己ベストを狙うには丁度いいペースだったので、かなりいいペースで走れているなと感じていました。

――集団のスピードはどう感じていましたか

一人が飛び出したのを追いかける形だったので前の選手のリズムを借りながら走りやすいリズムで走れました。

――集団の走りやすさはどういった印象でしたか、接触等はありましたか

スタートしてすぐに縦長になったので、接触等は特にせずに走っていくことができました。

――どこで集団と離れましたか

1000メートルを過ぎてから徐々に、です。レースも後半になってきて徐々にペースが上がっていく中で離れてしまいました。

――ラスト1周の余力はどうでしたか

呼吸が浅い中で、動かすので精一杯で切り替えが上手くできませんでした。

――今大会の収穫を教えてください

海外の選手たちとのレースができて、海外の選手たちのレース運びや、位置取りなど勉強になることが多くあったので、そこが収穫だと思います。

――この経験を今後にどう生かしていきたいですか

海外のレースを経験して、海外の選手たちと交流を持って、その中で陸上に人生をかけている選手がほとんどで、そのような選手に勝つためには自分も海外の選手たちと同じまたはそれ以上の気持ちを持って競技に向き合っていかないといけないなと感じました。なので、この経験を練習面だけでなく生活面でも生かして自分の力に変えていけるようにしたいです。

――初めての海外でのレースの全体的な感想を教えてください

海外の選手たちは常に落ち着いたレース運びをしていてどんな展開になっても対応できていると感じました。また、レース前に体を動かす時間があまりなくて、そのような点にもうまく対応することが大事だと感じました。

――驚いたことや面白かったことはありましたか

海外のレースは盛り上がり方が日本と違って、お祭りのような感じで観客席からの歓声が凄くてかなり盛り上がっていてすごく驚いたし、面白かったです。

――この後はチームの2次合宿に合流しますか

この後の合宿からチームに合流する予定です。これからは駅伝シーズンに向けて距離を踏んでいくかたちになると思います。

――夏合宿での目標や強化したいところがあれば教えてください

夏合宿では自分の弱点であるスタミナの部分の強化と長い距離に対して対応していくことを目標にしていきたいと思っています。