今季は新上健太(人3=東京・早実)、竹内彰基(スポ3=愛知・瑞陵)、藤好駿太(スポ3=福岡・修猷館)、眞々田洸大(スポ2=千葉・成田)の4人がメンバーとして定着している早大男子4×400メートルリレー(マイル)チーム。2020、2021年日本学生対校選手権(全カレ)2位、2019年日本選手権リレー優勝など数々の実績を誇る早大のマイル、そして短長(400メートル)ブロックだが、今季前半の関東学生対校選手権(関カレ)のマイルは7位に沈む。個人種目の男子400メートルに出場した藤好、新上、竹内の3選手も、それぞれ準決勝と予選で敗退となり、力を出しきれずに大会を終えた。
大会後には「短長メンバーの弱さが浮き彫りになった」、「マイルで勝つためには、400の選手が強くなることが絶対条件」(新上)と、悔しさを糧に全カレに向けて再出発した4人。その後の4人の記録の成長は著しい。
関カレのマイルリレーは7位に終わった
自己新続々
好記録ラッシュは関カレの翌月から。まず藤好が、2年連続の出場となった日本選手権で、予選敗退ながら当時チーム内今季最高の47秒05をマーク。すると、その2週間後には、関カレのマイルメンバー中、唯一個人種目での出場が叶わなかった眞々田が、高校以来の自己ベストとなる47秒06をマークし、全カレA標準を突破。一気に部内2位に躍り出た。
それに続くように、その2週間後には、新上が早稲田大学競技会で47秒05を記録し、わずかに眞々田の自己記録を上回る。最後の逆転はそのまた2週間後の竹内。7月17日の愛知県選手権で、チーム内4番手から一気に自己記録を1秒近く更新する46秒80を叩き出した。好記録に次ぐ好記録で、わずか1カ月強の間に3人が大幅に自己記録を更新。4人の自己ベストの平均は関カレ時から0・5秒縮まった。
今季男子400メートルシーズンベスト部内順位変遷 | |||||
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〜5月22日 | 6月9日 | 6月25日 | 7月9日 | 7月17日 | |
1 藤好 47・22 | 1 藤好 47・05 | 1 藤好 47・05 | 1 新上 47・05 | 1 竹内 46・80 | |
2 新上 47・66 | 2 新上 47・66 | 2眞々田 47・06 | 1 藤好 47・05 | 2 新上 47・05 | |
3 竹内 47・73 | 3 竹内 47・73 | 3 新上 47・66 | 3眞々田 47・06 | 2 藤好 47・05 | |
4眞々田 48・77 | 4眞々田 48・77 | 4 竹内 47・73 | 4 竹内 47・73 | 4眞々田 47・06 | |
「400の選手が強くなる」。言葉通り関カレから強さを増した4人。関カレぶりのリレーとなった8月7日のトワイライト・ゲームスでは、関カレから2、4走の走順を入れ替えて挑み、1着。前々日までの合宿の疲労もあり、おのおの理想の動きでは無かったというが、走順も「かなりハマっているのかなと思う」(藤好)、「コンディションが十分ではない中で、勝ち切ることができたのは収穫」(眞々田)、と充実感を滲(にじ)ませた。
トワイライト・ゲームス、ゴール後にグータッチをするマイルメンバー
3枠を懸けて
4人でバトンをつなぐマイルリレーだが、そのうち個人競技の男子400メートルの代表選手として全カレへの出場できるのは3人。今後、この4人はその3枠を懸けた、選考レースを迎えることになる。47秒0台以上の自己記録を持ちながら、個人の対校代表に入ることができない選手が出てくるーーー短長ブロックのレベルはシーズン前半に比べ、格段に上がった。
夏合宿後、勝負のレースは間も無く訪れる。しかし、そこに向けての調整の合宿にするのではなく、合宿はしっかり追い込んだ上で選考レースを戦う、というのが4人の共通認識としてあったという。シーズンを通して切磋琢磨し合ってきた4人は、それぞれ充実した夏合宿を超え、さらに高め合ったに違いない。
今季の初戦、東京六大学対校ゴール後にWポーズをするマイルメンバー
勝負の全カレまではあと1カ月ほど。まずは、各人個人の代表権を掴むべく力を尽くす。そして、選考で力を出し切った先に、関カレの悔しさを晴らす個人種目での快走、そして「マイル優勝」が見えてくる。今後の短長メンバーのレース、そして全カレのマイルリレーからは目が離せない。
(記事 及川知世、写真 川上璃々、及川知世)
男子400メートル
◆新上健太(しんじょう・けんた)
東京・早実高出身。人間科学部3年。自己記録:400メートル47秒05(2022年7月9日)。関カレマイルリレー4走、400メートル予選1組4着(48秒06)。
◆竹内彰基(たけうち・あきのり)
愛知・瑞陵高出身。スポーツ科学部3年。自己記録:400メートル46秒80(2022年7月17日)。関カレマイルリレー2走、400メートル予選3組6着(48秒23)。
◆藤好駿太(ふじよし・しゅんた)
福岡・修猷館高出身。スポーツ科学部3年。自己記録:400メートル46秒50(2021年5月3日)、今季最高記録47秒05(2022年6月9日)。関カレマイルリレー3走、400メートル準決勝1組8着(48秒05)。
◆眞々田洸大(ままだ・こうだい)
千葉・成田高出身。スポーツ科学部2年。自己記録:400メートル47秒06(2022年6月25日)。関カレマイルリレー1走。