合宿の成果着々と 全カレに向け弾みをつける

陸上競技

 真夏の太陽が降り注ぐ中、3年ぶりに開催されたトワイライト・ゲームス。今大会は5月に行われた関東学生対校選手権(関カレ)の入賞者が多く出場し、早大からも男女100メートル、800メートル、男子マイルリレーなどに出場した。

 早大勢で最初に登場したのは、女子400メートル障害の津川瑠衣(スポ3=東京・八王子)。津川は序盤から苦しい走りになり、64秒35の組4着、全体7位でのフィニッシュとなった。女子800メートルには新田望(スポ1=神奈川・法政ニ)、100メートルには鷺麻耶子(スポ2=東京・八王子東)が出場。それぞれ組3着と5着でゴールした。

 一方男子は、100メートルに出場した三浦励央奈主将(スポ4=神奈川・法政ニ)や、マイルリレーでの優勝をはじめ、出場した選手全員がそれぞれの種目で好結果を残した。関カレ以来の100メートル出走となった三浦は、合宿明けでコンディションが上がりきらない中、「結果やタイムではなく、楽しく走ること」を意識したという。後半はきつくなってしまったと言うが、10秒52の1着、全体でもトップのタイムをマークし、見事優勝を飾った。また、男子800メートルでは今シーズン好調の筒井航佑(スポ2=愛知・時習館)が最後まで先頭に食らいつき、3位入賞を果たした。

男子100メートルで1位になった三浦

 リレー種目でも早大勢の活躍が光った。男子4×100メートルリレーは島田開伸(スポ2=静岡・浜松湖東)、寺澤大地(スポ1=京都・洛南)、池淵秀(スポ2=京都・洛南)、千田杜真寿(スポ2=茨城キリスト教学園)のフレッシュなメンバーで臨み、優勝した日大には届かなかったものの、組2着でフィニッシュした。今大会の最終種目として行われた男子マイルリレー。早大は眞々田洸大(スポ2=千葉・成田)、新上健太(人3=東京・早実)、藤好駿太(スポ3=福岡・修猷館)、竹内彰基(スポ3=愛知・瑞陵)の新オーダーで挑んだ。法大などの強豪相手に3分8秒台をマークし、1位でフィニッシュ。「コンディションが十分ではない中で勝ちきれたのはチームとして収穫」(眞々田)と、目標とする全カレでの優勝に向けて弾みをつけた。

1着でゴールするマイルリレー4走の竹内

 合宿明けということもあり、コンディションが上がりきらない中で出場した選手もいたが、新しい走順で優勝したマイルリレーをはじめ今後に向けて明るい材料も多くあった。短距離ブロックの集大成である全カレまで残り約1カ月。チーム全員が一丸となって、おのおのが立てた目標を達成するべく全力で走り抜く。

(記事 加藤志保、写真 川上璃々、及川知世)

結果

▽男子100メートル

タイムレース決勝

(2組)

三浦励央奈(スポ4=神奈川・法政二) 10秒52 (1組1着)

稲毛碧(スポ3=新潟・東京学館新潟) 棄権


▽男子800メートル

タイムレース決勝

(1組)

筒井航佑(スポ2=愛知・時習館) 1分51秒17 (3着)


▽男子110メートル障害

タイムレース決勝

(2組)

池田海(スポ2=愛媛・松山北) 棄権


▽男子400メートル障害

タイムレース決勝

(2組)

後藤颯汰(スポ4=長崎・五島) 棄権


▽男子4×100メートルリレー

タイムレース決勝

(2組)

早大(島田―寺澤―池淵―千田) 40秒01 (2組2着)


▽男子4×400メートルリレー

タイムレース決勝

(1組)

早大(眞々田―新上―藤好―竹内)3分08秒31 (1着)


▽女子100メートル

タイムレース決勝

(2組)

鷺麻耶子(スポ2=東京・八王子東) 12秒27 (1組3着)


▽女子400メートル障害

タイムレース決勝

(2組)

津川瑠衣(スポ3=東京・八王子)  64秒35 (2組4着)

川村優佳(スポ3=東京・日大桜丘) 棄権


▽女子800メートル

タイムレース決勝

(2組)

新田望(スポ1=神奈川・法政二) 2分13秒92 (2組5着)


コメント

▽男子100メートル

三浦励央奈主将(スポ4=神奈川・法政二)

――今日のレースの位置付けは

特にそんなに位置付けはなかったです。これが楽しい試合だということは1年生の頃から知っていたので、記録とか結果とか順位とかに追われずに、そもそもこうやって人の前で速いスピードで走るのが楽しいというところを久々にやりたいなと思って、そんな感じでいきました。

――合宿明けだったと思いますが、コンディションはいかがでしたか

コンディションは全然良くなくて、ウォーミングアップの時からタイム自体の期待値は相当低いなと感じていました。ただ、今できるかたちで100メートルをまとめられたら良いかなと思っていたので、先程も言った通り、結果とかタイムにこだわるのではなくて、今できるかたちで走ってみようというふうに考えていました。

――100メートルを走るのは関東学生対校選手権以来だったと思いまずか、感覚としてはいかがでしたか

後半きつかったですね。もっと納得のいくタイミングで走れたら良かったのですが、後半ちょっときつかったですね、久々の100メートルで。200の最後と同じくらいきつかったかもしれないです(笑)。

――タイムについてはいかがですか

まぁそんなもんじゃないですか。僕も10秒5と予言して、そのまま10秒5だったので(笑)。

――最後に日本学生対校選手権(全カレ)に向けてチーム、個人の意気込みをお願いします!

全カレに関しては、男子総合優勝というのを自分が主将になった時から言っているので、それを達成したいなと。菅平合宿も、みんな非常に良いモチベーションでトレーニングを1週間弱やることができたので、十分に達成できるかなと思います。個人としては、200メートルでタイトルを獲得することと、リレーの3連覇、学生記録を達成したいなと思います。


▽男子4×400メートルリレー

新上健太(人3=東京・早実)・竹内彰基(スポ3=愛知・瑞陵)・藤好駿太(スポ3=福岡・修猷館)・眞々田洸大(スポ2=千葉・成田)

――合宿明けのレースとなりましたが、コンディションはいかがでしたか

竹内 疲労度がある中で精いっぱい入ることができました。

眞々田 毎年菅平合宿が終わるとコンディションが上がってくるので、良いポイントというか通過点になればいいと思っていました。その中で疲労が抜け切っていないところがあったのですが、合宿でやったポイントに絞ってやった結果が今日の走りになったと思います。

藤好 合宿終わりで疲労度は高かったです。

新上 合宿でかなり走り込んだので、疲労は溜まっているという状態でした

――今日の走りを振り返って

竹内 合宿前の自己ベストを出した大会と同じ感覚で臨んだのですが、疲労からか最初はよかったのですが、後半自分の強みを生かす走りができなかったので、そこを8月11日に合わせて選考を勝ち抜きたいです。

眞々田 今シーズン入ってからずっと1走をやってきて、関東インカレは予選も決勝もなかなか納得できるレースではありませんでした。今日のレースは全日本インカレにつながるようにということで、前半いいスピード感でリラックスしつつ、後半は練習の成果を発揮できるように、ピッチを落とさず耐えるということを意識していました。今自分がやりたい動きがタイムにはあまり結びつきませんでしたが、内容としてはいいものとなったと思います。

藤好 疲労度がかなりある中で、自分の走りを確認する位置づけのレースでしたが、2走の時点でトップで回ってきたので、切り替えて、勝ちにいく走りをしました。

新上 関東インカレから自分と竹内の走順が入れ替わって、大学に入ってから初めての2走だったので、緊張はあったのですが、役割としてはコーナートップを獲るというシンプルなものだったので、そこに徹底して走りました。

――今までと走順を変えた狙いはどこにあったのですか

藤好 元々2走だった竹内が県選手権で良い記録が出たというのはあると思います。

新上 僕の200のスプリントがかなり上がっていたのと、竹内が後半走れるタイプなので、全カレまでに2走と4走を入れ替えた走順を試してみようというものです。

――試してみて、全体のまとまりとしてはいかがですか

藤好 全体のタイムを見ても、個々のタイムを見ても、合格ラインは超えているので、かなりハマっているのかなと思います。

――今日のレースで得られた収穫と課題を教えてください

竹内 高校の時はマイルはずっと4走で、久しぶりに大学で4走を任せてもらえたのですが、スタートから1着で来れたので、前半飛ばして離して、後半耐えて1着を取ることだけ考えて走りました。前半の課題はクリアできて、後半は高校の時よりも走れなかったので、今後マイルで4走を走る時はこの課題を改善して、ラストの100で前にいる選手を抜かして1着を取れるようにします。

眞々田 チームとしてはコンディションが十分ではない中で、勝ち切ることができたのは収穫だと思います。個人としては今シーズンの前半であまり上手くいってないことが多かったのですが、頭の中で考えていることと体の動きが噛み合ってきたので、今日のレースは満点ではないですが、及第点と言える内容だったと思います。

藤好 前半しっかり行けた中でも後半は結構動けたので、前半行きつつ後半も体を動かすレースができるのだと再認識したレースでした。

新上 前半は自分の中で理想としている動きができた訳ではなかったのですが、タイムを見たらかなりいいタイムで入れていたので、(全カレに向けて)4日後個人のメンバーを決める選考があるのですが、そこに向けてベースとなるレースになったと思います。

――合宿後に全カレに向けての選考会があるとお聞きしました。合宿の手応えや選考レースへの意気込みを教えてください

竹内 疲労を抜くこと、動きのキレと後半体力を持たせることの両立ができるように、残りの4日間を無駄なく調整していきたいと思います。

――竹内選手は7月にタイムが上がった印象なのですが、シーズンを通して良くなっている印象ですか

竹内 200メートルに出場したことでスプリント力が上がり、その後県選手権があったのですがそこで楽に力を出すことができ、タイムを1秒近く更新することができたのだと思います。

眞々田 合宿の消化率はほとんど100に近いぐらいこなせてきたので、関東インカレは僕以外の3人で個人を戦っているので、選考会レースでは3年生の先輩方を全員負かすぐらいの気持ちで、調子もだんだん上がってきているので、自分の理想の走りができるように疲労も抜いて自分の考えもまとめて、勝ち切りたいと思います。

藤好 僕は考えすぎると緊張してしまうタイプなので、合宿はしっかりと練習できたので、合宿の疲労を抜きつつ当日はやれることをやれればいいなと思います。

新上 合宿で選考会に向けて調整するのではなく、合宿を全員がやり切った上で選考会を迎えるということをこの4人の共通認識としていたので、合宿の消化率は全員100パーセントに近いと思います。個人としては、これからは疲労を抜きつつ、やりすぎないようにやることを絞って万全な状態で臨めるようにしたいと思います。

――最後にリレーとしての全カレへの目標をお願いします

新上 このメンバーだけでなく、マイルを走れるメンバーはいるので、誰が走っても優勝できるようにチームとして取り組んでいきたいです。