筒井がまた自己新! 早大歴代5位をマーク

陸上競技

 北海道で行われている中、長距離の競技会、ホクレン・ディスタンスチャレンジ 。第3戦である北見大会には、中距離ブロックから筒井航佑(スポ2=愛知・時習館)が800メートルに出場。資格記録上位組のA組で、自己記録を1・5秒程更新する1分48秒92をマークした。

 あまり調子が上がっていない中迎えた大会だったという筒井。「大丈夫と自分に言い聞かせて」臨んだレースは1周目の通過が52秒程のペース。しかし、「そこまで速いと感じることは無かった」、「余裕があった」と、関東学生対校選手権(関カレ)の決勝レースで先頭から離れてしまった、500メートル地点でギアを切り替え、外側から集団前方へと位置を上げる。最後の100メートルで外側からスピードを上げた早大OBの飯島陸斗(令2スポ卒=現阿見AC)らに抜かれたが、混戦の中5着でフィニッシュ。飯島の在学中の記録にあとわずかと迫る、早大歴代5位の1分48秒92を叩き出した。

 今季は初めて関カレにも出場し、シーズン初めから自己記録を5秒近く更新するなど、躍進が止まらない筒井。好記録の今回のレースにも「最後勝ち切ることができていない」と厳しい自己評価を下し、さらに上を目指す。次なる大舞台は9月に控える日本学生対校選手権(全カレ)。関カレ後には「全カレでは決勝で勝負」という目標を掲げたが、自己記録を大きく更新した今回、新たに口にしたのは、そこでの表彰台という言葉。初の全カレで初の表彰台へ。筒井のチャレンジは続く。

関カレで男子800メートルのレースを走る筒井

(記事 及川知世、写真 坂田真彩)

結果

▽男子800メートルA

筒井航佑(スポ2=愛知・時習館)  1分48秒92(5着) 自己新

コメント

筒井航佑(スポ2=愛知・時習館)

――今回のレースの目標を教えてください

日本選手権標準が1分49秒3だったのですが、それを目指すくらいなら48秒台、というところを目指していました。

――48秒台を目指していけるような練習が積めていたという感じなのでしょうか

正直、関東インカレ(関東学生対校選手権)が終わった後、練習は積めていたのですが、あまり調子が上がってきているという感じは無くて、むしろ今回のレースも調子が良くないかなという状態の中で臨むかたちになってしまったのですが、関東インカレの時は予選が1分50秒61で、最後も流して、という感じだったので、49秒台はじきに出るかなというところで、この1カ月間は48秒台を目指して練習を積んでいたという感じです。

――気候やコンディションはいかがでしたか

東京と比べると少し涼しいかな、という感じだったのですが、思っていたよりも涼しくはなかったかなという感じでした。

――レースについてお伺いします。序盤のペースはどのように感じていましたか

そこまで速いと感じることもなく、こんなもんかなという感じで通過しました。

――走り出してからのご自身の調子はどのように感じられましたか

走り出してからはあまり調子悪いな、とかは考えることは無くて、当日レーン変更で外側の隣のレーンが早稲田大学のOBである飯島さん(飯島陸斗、令2スポ卒=現阿見AC)に変わったので、飯島さんを意識して、それについて行こうという感じで走り出しました。

――スタートする前までは調子が悪い感じだったのでしょうか

そうですね。薄い希望で当日調子良くなってくれたら良いなと思っていたのですが、アップをしていても調子が良いという感じでは無かったです。

――600〜700メートル辺りで位置を上げたように見えましたが、それは戦略通りですか

関東インカレの決勝で、500メートル通過地点で遅れてしまい、最後勝負できなかったというのが明確な反省点としてあって、今日のレースはそこで離れないでおこうということを決めていて。500メートル通過がキツいというのは分かっていたのですが、キツいなりにもしっかり前の方に位置取ろうというのは決めて、今日は500通過くらいでギアを変えて、600、700通過辺りで3番手にいた、という感じです。

――その辺りやラストの余力の残り具合はいかがでしたか

ラストの直線はやはりちょっと周りが外側から来たりとかもあり固くなってしまって、最後の50メートルは特に無理やり動かしたという感じだったのですが、500メートルからギアを変えて3番手辺りに行った時は、正直思っていたよりもキツくなくて、結果的には3番に位置取ったのですが、飛び出てもよかったかなと思うくらい、その時は余裕がありました。

――タイムについての率直な感想をお聞かせください

1分48秒台というのを目標にしていたので、結果的にはタイムとしてはうれしい反面、同じレースに出ていた日体大や関西大学の選手など、学生に負けてしまったというところで、特に日体大の方は関東インカレで勝っている選手だったので、そういうところを考えると、48秒中盤くらいに乗せたかったかなというのが率直な印象です。

――調子が上がっていない中でタイムが出せた要因は何か思い当たりますか

気持ちの部分なのですが、調子が上がっていないというのをあまり意識せずに、大丈夫と自分に言い聞かせて、スタートラインに立ってしまえば、レースプランは頭にあるのですが、それ以外のことは基本的に考えないので、それがうまくつながった感じでした。

――シーズンを通して記録も伸びていますが、好調の理由などはありますか

やはり一番大きいと感じているのは冬季練習の成果です。高校時代はあまりウェイトトレーニングに取り組むことも無かったのですが、大学入って1年目の冬は短距離の方々とウェイトトレーニングに真摯に向き合って、実際この冬で体重も4キロ増えて、見た目も大きくなったというのも自分でも感じましたし、一番大きい要因はそこなのかなと。それに伴って単発的なスピードが向上したことで速いペースに対しての余力度がだいぶ変わったかなと感じました。

――他の短距離の選手などからは、6月下旬になるともう冬季練習の貯金が無い、と行った話も聞かれますが、そこはまだ残っている感じですか

関東インカレが終わってから僕はもう一回土台をしっかり作り直すという意味でこの1カ月間、ホクレンに合わせるというところで意識していたので、週1、2回ウェイトトレーニングもして、ただただ走るだけにはしなかったのが逆に良かったのかなと思います。

――今後への意気込みをお聞かせください

今シーズン残すところの中で一番が大きい大会が日本インカレ(日本学生対校選手権)になってくるので、記録も見に見えてついてきているので、日本インカレでは表彰台というのを意識しています。関東インカレでは決勝にも残ることはできたのですが、その中で、今季は勝負強さ、最後勝ち切ることができていないなというのがあるので、日本インカレでは入賞じゃなくて表彰台を目指して、しっかりレースで勝つことができるように、今後勝ちパターンだったり、自分が勝つレースを展開できる力を身につけていけるように練習していこうと思います。

――それに向けて夏に重点的に強化したいところなどはありますか

ラスト勝負も足が速いというのは重要だと思うのですが、やはりラストに入るまでの自分の余力度が大事だと思うので、夏合宿は高地に行くことになると思うので、その特色を利用してしっかり心肺系を鍛えて、ラストに他の選手よりもより大きな余力を残せるように、この夏はスピードというよりは心肺系にフォーカスしてやっていきたいなと思っています。