長距離ブロックの最上級生は鈴木創士駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)と小指卓也(スポ4=福島・学法石川)に話を伺った。気がついてみれば現チームで唯一コロナ禍以前の駅伝を知る世代。2人のこれまでの大学での競技生活はどのようなものだったのか。そしてラストイヤーに目指す所は。それぞれの思いに迫る。
※この取材は4月24日に行われたものです。
(主将になってから)「人が変わった」
――まず、他己紹介をお願いします
鈴木 小指はそうですね、普段はそんなに騒ぐ方ではないというか、部屋でAPEXして楽しんでいます。ただ、人に指摘するところは指摘してくれたり、4年生としてラストイヤーにかける思いはすごく強く持っているのだなというところはすごく感じています。あと、走れていない期間が続いているので、僕としては早く復活してほしいなというところです。それこそ5000(メートル)だったら早稲田の核というところで、箱根駅伝という長い距離でも活躍してもらわないといけないと思っています。僕は小指の才能であったり陸上に対する意欲を買っているので、今年はケガをせずにやってもらいたいなと思います。
小指 創士は普段からうるさいので、本当に下級生の頃は声が聞こえるとだいたい創士みたいな感じでした。まあ今もうるさいんですけど、ちゃんとチームのこと、競技のことを考えていて、チームのことを広い視野を持って、上級生から下級生まで全体に指導したり指摘したりという部分があります。そのギャップがかっこいいなと同級生ながら思っていて、ちゃんとそういった姿を見ている下級生から慕われているというのがすごく強いです。生活面だけでなく競技面でもすごく勉強熱心で、走りにつながることは自ら学んでいくという、競技者としても一学生としても見本となるような姿が結構見られています。それをちゃんとチームにも知識豊富なのを活かして、わかりやすく伝えてくれているので、そういった姿からもみんなに慕われているのかなと思います。競技に関しては熱心というかすごく貪欲です。勝ちにこだわるというレース、駅伝めちゃくちゃ強いんですけど、今年もっといけると思うので、僕もなんですけど、4年生は今年が最後なので、しっかり団結して頑張っていきたいなと思います。
――小指選手から見て鈴木選手はどんな主将ですか
小指 結構言うべきところで言ってくれるというところが大きいです。普通指摘するというのは結構難しくて、人によってはそれ自体がストレスに感じてしまうという人もいると思います。創士自体もそういうのを感じてると思うんですけど、しっかり言葉にして伝えてくれます。そういう姿が後輩にも伝わって、後輩たちもしっかり言葉にして伝えていこうという風潮が今年に入って見られているので、主将としてそうあるべきなんだろうけど、すごい大きな存在です。主将になってくれてすごく良かったなと僕は思います。
――そう言われていますが、鈴木選手は意識されていましたか
鈴木 そうですね、これまでの僕らが経験してきた主将と比べると、1年生の時の太田智樹さん(令2スポ卒=現トヨタ自動車)はあまり多くを語らずに、練習や生活面であっても全てしっかりやっていて、背中で見せる存在でした。その姿に僕は高校が一緒だったりもしたことからすごく憧れたんですけど、ただ自分には無理だなというか、まあ自分のタイプではないなというふうに感じています。そこで僕のできることをやろうという感じです。また、吉田さん(吉田匠氏=令3スポ卒)だったり千明さん(千明龍之佑、令4スポ卒=現G M Oアスリーツ)といったそれぞれ違うタイプを僕は3年間経験してきました。その中で、2年生だったり3年生だった僕が先輩に言えないこと、言いにくいといったところがあったので、そこの風通しをよくするという面で、取り組んできました。
――今は結構2年生や3年生からも意見は出ているのですか
鈴木 なんならそれ(2年、3年の意見)ばかりですかね。今日もミーティングして、2年生から「上級生もっとしっかりしてくれ」という話が出ました。まあ確かに怠慢になっていた部分もあったと感じています。結局そこは熱量だったり、(タイムが)速い遅いといった競技のレベルではないと思います。例えば生活のなかで挨拶をするしないはタイム関係なくてその人の出来だと思うので、それに対して、速い人だろうが遅い人だろうが何かを指摘できる環境というのは作れているではないかと思います。
――お互いの第一印象から変わったことはありますか
鈴木 特に僕に対しては変わっていないかなと思います。
小指 そうだね、変わってない。
鈴木 小指に対しては、中高と小指卓也という存在はいるなと思っていました。面識まではなかったんですが、それで大学入ってきて、正直なめていたというか、こいつには負けないなと思っていたらいつの間にか5000負けていたという(笑)。うわあ、はや!こいつ!って、まあそこで練習の仕方だったりとか、試合の質とかを見る限り強いなって、小指とだったら箱根優勝できるなって、そういう意識は僕の中で芽生えたりしました。
――鈴木選手はキャプテンになってから変わったことはありますか
鈴木 後輩から人が変わったと言われるくらい、360度人柄とかは変わったかなって思います。
小指 360度…(笑)。
鈴木 あっ(笑)。でも一周くらい(変わった)かもしんないね。まあふざけているとこはふざけているんですけど、締めるところは締めるという、特にこいつ競技に対して熱量足りていないなという人があったら締めたりしています。ただそういったところはチーム全体に伝わるので、(締めることを意識しすぎて)僕が常に緊張感ただよう強張った顔でいないようにというところは心がけています。ただ僕の言葉ひとつでチームが変わると言ったところは、発言権をもらっていいことではあるんですけど、ただ悪い方向にもいい方向にも持っていけてしまうという責任は感じています。
質問に答える鈴木
――チームが始まってから鈴木選手を中心におこなわれている改革の手応えはどのくらい感じていますか
鈴木 先ほど言ったように1年生2年生から意見があると言うのは一つ手応えかなと感じています。ただ、色々変えてきた中で、継続できていないもの、継続してきたものがあります。例えば挨拶や体操の声出しはしっかりしようよと言うような当たり前の基礎のところはしっかりできているんですけど、寮の廊下を綺麗にしようよって言ってもなかなか綺麗にできていなかったりしています。特に3、4年生が多い感じなんですが、早稲田でぬるま湯に浸かっていた期間が多い人こそ、まあいっかって思ってしまっている部分があると感じています。
――最近のチームの雰囲気は
鈴木 主将の立場から言えば、僕の目指している理想からはちょっと離れているなという印象です。理由は分かっていて、3、4年生が身なりをしっかりしないと言う当たり前のところを、下級生が見たら「なんでこの人は走るのが速いのにこう言うことはできないんだ」と言ったところに不満が出ます。そういうところにチーム内での乖離(かいり)が起きてしまいそうかなと言うのは今感じていて、チーム一枚岩になってトラックシーズン入って戦っていくぞという雰囲気になっているかといえばいまいちなっていないかなと感じています。
――そういった不満などは出てきやすくなっているのですか
鈴木 そうですね、まあ変化の途中なので、しょうがないところといったらしょうがないところだと思います。今日もミーティングをやったんですけど、それこそ明日からどう変わっていくかというところはチームの本当の強さだと思っています。
――小指選手からは、今のチームはどう見えてますか
小指 さっきの創士の言葉はネガティブなものだったんですけど、ポジティブなもので言うと、上級生がしっかりしていない部分を下級生が指摘してくれているという分では、下級生が長距離のチームの雰囲気に惑わされずにしっかり芯を持って生活や競技に取り組めていて、なおかつ指摘してくれると言うのはありがたい存在です。やっぱり高校から大学に上がって考えを改めるべきところもあると思うんですけど、芯、個性を強く持ってしっかりやっていると言うのは僕からも見ていいなと思っています。あと、去年と比べてコミュニケーションとかもとれていてすごくいいのですが、チームの中で、あるグループだけ仲良くなってしまっているとうこともあったりするので、さっきの創士の言葉を借りると一枚岩になりきれていない部分がまだあります。これからトラックシーズンに入ってチームで戦っていくぞというと言うところは明日からのチームで試されていると思うので、変えられなければだめだと思うので、自分達が責任を持ってチームを運営していければと思います。
――今年度の箱根優勝という目標は、どのように決まったのですか
鈴木 僕はこれまでの決め方が納得いかなかったんです。各学年で今年の目標を決めてきてと言われて、それを発表するのですが、結局いつも4年生の意見になるんですよね。なので僕が決めちゃおうって感じで今年はやりました。
――新入生の雰囲気はいかがですか
鈴木 1年生は会って2か月程度なのでまだ分からないですけど、競技に対する意欲が高い人が多いのかなと感じています。それこそ一般組の宮岡(凜太、商1=神奈川・鎌倉学園)がスポ推に負けないぞと頑張ってくれていたり、そういう子たちがいることで、この早稲田が強くなっていくと思います。スポ推一強とかになっちゃうと、「僕は速いから強い」、「お前は遅いから弱い」と言うようなチームになっちゃうなと思うので、下からスポ推の子たちをたたき上げてくれる子っていうのはすごいありがたい存在だと思っています。それ以外にも去年と同様に1年生が人数としても結構入ったので、これから1年間分からない中だと思うんですけど、なんとかいい方向に向かっていってくれたらなと思っています。
――昨日、新入生対談で宮岡選手が鈴木選手から「4年目でとかじゃなくて1年目から箱根狙えよ」という話をいただいたとおっしゃっていました
鈴木 それはちょっと怒りましたね。僕も1年生から走らせていただいて、ルーキーだったら特集とかされるじゃないですか。僕は目立ちたがり屋なので、ルーキーで特集されるのは1年生しかなくて、大学1年生で箱根駅伝を走るというのは人生80年とか90年とかある中で1回しかないので、4年間どっかでとかではなくて、1年目から箱根出て結果残してやるくらいの気持ちじゃないとダメだぞということは入ってきてすぐ伝えました。
――小指選手からは1年生はどう見えてますか
小指 さっき言ったとおり、結構芯が強いというか我が強いというか、競技に対する意欲が高いのもあって、下級生だけじゃなくて上級生に対しても周りをしっかり巻き込んでいい雰囲気にしようという、上級生のチームの運営に対してすごく貢献してくれているなという感じがあります。入って時間は経っていないですけど、新入生の存在はすごく大きいなという感じで、結構ありがたい存在です。
質問に答える小指
――続いて、最近のご自身の調子についてはいかがですか
鈴木 僕は、ちょっとケガと体調不良があって、やっと今立ち上げているという感じです。ポイント練習もこなしていて、復帰の目処は経っているんですけど、まだ本調子とは言えないという感じですね。
――トラックシーズンはどのあたりから狙っていく感じですか
鈴木 関東インカレ(関東学生対校選手権)で結果を出せるようにというところが、1番の目標になっています。
――小指選手はいかがですか
小指 僕は昨年からのケガが結構長引いてしまって、「土台ができていないのではないか」ということを相楽さん(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)からも言われています。相楽さんとも、基本のジョグとかをメインにして積み上げていこうという話をしていて、トラックシーズンでの出走は数回とかになってしまうと思うんですけど、まあ長いスパンで考えた時に、しっかり練習して地道なことをやっていくことが大切だとなりました。いつレースを走るとか明確な目標は立てられないんですけど、4年目になって土台作りというのは恥ずかしいんですけど、土台づくりをしっかりやっていっています。
――いま基礎を積んで、秋以降に備えているという感じですか
小指 そうですね。
――最上級生になって変わったことはありますか
鈴木 僕は、最上級生というよりかはキャプテンの立場だと思うので、まあ最上級生になってもあんま変わらなかったかなと思うんですけど、やっぱり背中で見せるという部分に関してはしっかりやっていかないとなと感じていています。人の後ろについて何かしようというようなことは考えから無くそうという、3年生くらいからそういうことをやり始めたというところはあったので、キャプテンの意向に関してギャップを感じることはなかったんですけど、チームを引っ張っていくというところに関しては、走る面以外のところでも変えてきたという感じですね。
小指 4年生になって、下級生から結構見られているというか、評価は直接言われてないんですけど、評価されてると意識して行動しているつもりでいます。2年生とか3年生とかの時はケガしていた中で、チームの中で強い存在というか引っ張っていってくれる存在というのがいたので、ちょっと甘えていた部分があったかなと感じています。4年生になって、今満足に走れない状態にいますが、先ほど創士が言ったとおり、引っ張っていかなくてはいけないと感じています。そういった怪我して復帰の段階にあってもしっかり背中で見せていきたいと思っているんですけど、まあ怪我してたら走りで引っ張っていけないので、そこで生活面で少しマイナスに見られてしまう部分はあるので、結構難しいです。
――最上級生として具体的にやっていることとかはありますか
小指 4年生になって以前よりも指摘というか、アドバイスをするようになりました。下級生のときも少ししてはいたんですけど結構嫌いで、疲れるし、下級生の頃は、少しサボっていても「練習しているからこいつよりかはましだ」という個人主義というか考え方が良くない部分もありました。3、4年生になってチームとしてやらなくてはいけないという部分を強く感じて、サボっている人がいたら声をかけたり、逆にやりすぎている人がいたらちゃんとケアして休むようになどといったアドバイスをすることは心がけています。
4年目で後悔はしたくない
5月1日の早大競技会が久々のレースとなった鈴木
――今までの3年間を振り返っていかがでしたか
鈴木 いやあ、今になって後悔ばかりですね、あの時ああすればよかったとか。歌みたいになっちゃった(笑)。ああすればよかったなあっていう後悔しかなくて、良くも悪くも僕のこのキャラっていうのは今になって仇になっているのかなって感じます。3年生まであんなにふざけてたのになあって言われるので、まあ今もふざけるところはあるんですけど。競技面だったら、高校時代弱かった僕は大学では結果を残していこうと思って大学に入ってきたので、ケガや体調不良で思うようにいかないというところもあって、でも今思うとあの時ああしてればこうなっていたよなと考えることは多々あるので、何年かもう一回やり直したいなというところはありますね。
――今での経験をラストイヤーにどう活かしていこうと考えていますか
鈴木 本当にラストイヤーになって最初からチームに対して注意したりということを頻繁にやっていて、後輩にも嫌われているんだろうなって感じています。こんなめんどくさい先輩で、自分でも分かる、自分こんな先輩いたら嫌いだなというくらいなので。ただ、僕の中ではこれは結構自己中心的な考えになっちゃうんですけど、悔いを残さない、後悔したくないというところがあります。あの時ああしてれば最後箱根終わった時に泣くことはないだろうという思いがあって、悔いは絶対に残したくないので、最後箱根終わった時に笑って終われるように頑張ろうと思っています。
小指 僕はケガをしている期間が長くて、エンジを着て走ったレースもたった2回だけです。でも、ケガを後悔したところで仕方ないといえば仕方ないといういか、4年目でそういう後悔はしたくなくて次どうするかということを考えているところです。過去のケガからデメリットは多々あったんですけど、それを活かして4年目は頑張るというところと、ケガしたことを自分自身ではあまり考え込まないようにしてるんですけど、ケガしてしまったことを後輩たちに綺麗事みたいにしてほしくないというか、反面教師にしてもらいたいというか、僕のこの姿を見てこんな先輩にはなりたくないと思って欲しいですね。上手く言えないけど反面教師にして欲しいという感じが近いですね。
鈴木 もっと小指は本当に自己中心的に生きてもいいと思う本当に。最後に結果出したらいいんじゃん。小指みたいにケガしてても最後結果出して笑って終われれば幸せそうじゃんチャンチャンでいいじゃん。
小指 マジで?俺結構過程を大事にする派だから。そういうことからも反面教師にして欲しい面と、僕の姿を見て学んでもらいたい面が両方あるので、4年目の僕がチームの核となるという意識を持ってやっていきたいと思います!
鈴木 決意?(笑)。
小指 決意だ(笑)。
鈴木 決意表明だ(笑)。
――ありがとうございます。続いて、今シーズンの目標を教えてください
鈴木 具体的なもので言えば、関カレ(関東学生対校選手権)です。1年生の時にボロボロにやられて、2年生はコロナでなく、3年生はケガ(で出れず)というパッとしない結果で終わっちゃってるので、そこは借りを返して卒業していくというところを目標に置いてます。入賞とか日本人トップというようなところを狙っていきたいと思っています。駅伝は、これまで区間賞を一度も取れていないので、個人としてはそこを狙っています。でもやっぱり言い続けている通り、僕は駅伝では個人で区間賞をとれたら嬉しいと思うタイプではなくて、去年のようにシードを取れなかったりしたら何より悔しいですし、僕が区間賞を取れなくてもチームが優勝とかだったら死ぬほど喜べると思うので、チームの優勝というところが目標です。
――言える範囲で構いませんが、予選会はどのように戦っていこうと考えていますか
鈴木 そうですね、正直迷っています。予選会で集団走して勝つようだったら箱根本戦では戦えないなと思いつつ、ただその理想論を語って1年生の時にやったらあの順位になったので。今はっきりとは言えなくて、それこそ1年生の時は集団走でやらないよとなってからチームがガッとまとまっていった部分があったので、チームがガタつくようであれば集団走で行けばいいと思ってるし、そこはフレキシブルにやっていければなと思っています。
――予選会経験者は鈴木選手と井川選手(井川龍人、スポ4=熊本・九州学院)だけですが、チームに伝えられることはありますか
鈴木 頑張れって(笑)。お前らとにかく根性だって。もう本当にあの暑い環境の中で、1秒の大切さだったりを僕らは本当に体験したので、12人で走りますけど、2人落ちてもいいやっていうような気持ちじゃなくて、12人全員が50番以内でゴールするくらいの強い気持ちでやらないとなと思っています。
――全日本大学選抜駅伝(全日本)はどのような位置付けで考えていらっしゃいますか
鈴木 全日本も優勝を狙っています。全日本の方が優勝を狙えるかなと僕は思っていて、あとは全日本がより大事かなと思っています。そこで優勝して流れを掴んじゃえば箱根もうまいこといけちゃうと思っていて、むしろ全日本でしょうもない順位取ったらグダグダグダグダ、またシード落としてしまうとなると思っていて、そこは予選会も含めてですけど、いい順位で越えていかないと、目標を達成するしないにしても目標に近い結果は出ないかなと思います。
――今年、期待する選手はいますか
鈴木 さっき横を通った中田(歩夢、人2=埼玉・所沢北)とかですかね。言ったら聞いてるかもしれないんで、「おお、俺!?」ってそこら辺から出てくるかもしれないですけど。でも、すごくいっぱいいいるんですよね、僕らの学年だったら圧倒的に井川です。ラストイヤーで、去年の箱根は悔しい思いで終わって、それこそ27分台を持っている選手なので、力を出してもらえれば、井川次第で優勝にもなるしシード落ちにもなるしという感じで僕は思っているくらいです。厳しいことも言うんですけど、井川には期待しています。3年だったら菖蒲(敦司、スポ3=山口・西京)と辻(文哉、政経3=東京・早実)、あとやなぎ(栁本匡哉、スポ3=愛知・豊川)です。菖蒲はやっぱり結局2年間箱根を走れていないので、僕らの最後くらいはやっぱり走って欲しい、一緒に走りたいなっていう思いがあります。辻も箱根走ってなくて、全日本の走りを見る限りやっぱりこいつ駅伝強いなって思うので、そこを箱根で発揮してもらいたいです、あとやなぎはかっこいい、いい走りするんですけど、去年6区での悔しい思いを今年はぶつけて欲しいです。2年生は日野(斗馬、商2=愛媛・松山東)、さっき言った中田もそうなんですけど、あと和田(悠都、先理2=東京・早実)、相川(賢人、スポ2=神奈川・生田)とかですね。他にもいるんですけど、競技レベルは別として、競技に対する思いは強いと感じています。それこそ中田もとっくに練習終わっている時間だと思うんですけど、この時間まで残ってトレーニングとかしてたんだと思います。そういう意欲はいつになるかは分からないですけどいつか花開くと思うので、そういうところからその3人には特に期待しているという感じですね。長くなりました(笑)、僕からは以上です。
小指 まあ、井川言われたからキャプテンで。
鈴木 ありがとうございます(笑)。
小指 駅伝男なんで、最後くらいは区間新をとって、駅伝男っていうのを証明してほしいなって思います。3年生は、辻とか練習ものごく強いんですけど、本番なかなか走れなくて本人も悔しい思いをしてるので、走って欲しいなって思っています。あと、あと北村(光、スポ3=群馬・樹徳)も、欠かせないので。
鈴木 そうだね、北村は早稲田のアドバンテージになるからね。
小指 僕は北村は結構キーマンだと思ってるんで、期待したいというか頑張ってくださいと言いたいですね。あとは中山(遥稀、スポ2=千葉・専大松戸)です。結構中距離型で距離への対応は結構苦戦していると思うんですけど、練習結構あいつは単純なんで、走れと言われたら馬鹿みたいに走ります。そこが仇となっている部分は無くはないんですけど、まあ素直ですし、それこそ学んだことをしっかりチームに伝えたり、意識は結構高い子です。
――そういう期待とかは直接伝えたりするのですか
鈴木 僕は結構伝える派ですね。それこそ日野とかそれ以外のエンバーにも、やっぱり「期待してるよ」とかは「今年箱根絶対走るぞ」という言葉とかは結構かけたりとかはしています。やっぱりチームとして僕がチームを引っ張っていくんだとか、早稲田大学のエンジを着て走るんだという意識も芽生えると思っていて、やっぱり期待されることで人はより成長するのかなと思っているので、それは直接伝えるようにはしています。井川だけは伝えてないかな(笑)。伝えてあげたいけど、あんま伝えすぎるとのぼせあがるんで、でも今日挙げた中では本当に一番期待しているのは井川ですかね。
――今日井川選手がいらっしゃったとしても同じように伝えてましたか(※井川選手は当初対談参加予定でしたが都合により当日参加できませんでした)
鈴木 言ってないですね(笑)。まあ本人の前だと照れくさい部分もあるので、言えないですね。
――関カレの注目選手を教えてください
鈴木 やっぱり菖蒲ですね。去年大量得点してくださいましたし。菖蒲だったり、1年生の山口、間瀬田(純平、スポ1=佐賀・鳥栖工)の2人とかも力があるので、ぜひ1年生から活躍して欲しいなと思っています。
小指 菖蒲でしょやっぱり。あとは、まあ後輩なんで、山口は期待しちゃいます、可愛いので。結構やっぱり1年生は強い子が毎年入ってきて、今年もかなり強いので、そこで結果出してくれれば駅伝の材料にもなりますし、僕みたいに走れない人たちにも結構いい刺激になると思うので、新入生には期待しています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 及川知世、戸祭華子)
◆鈴木創士駅伝主将(すずき・そうし)(※写真左)
2001(平13)年3月27日生まれ。175センチ。静岡・浜松日体出身。スポーツ科学部4年。自己記録:5000メートル13分54秒40。2022年箱根駅伝7区区間5位。日々ディスカバリーチャンネルでサバイバル術を学んでいるという鈴木選手。所沢キャンパスの裏山で1年くらいなら生き延びることができるとおっしゃっていました!
◆小指卓也(こざす・たくや)
2000(平12)年9月12日生まれ。173センチ。福島・学法石川出身。スポーツ科学部4年。自己記録:5000メートル13分41秒01。2021年箱根駅伝9区区間4位。最近、夜7時に寝て朝起きて朝練に行ったあと昼寝を4時間したという小指選手。同じ学法石川高校出身の後輩、山口選手の話になると自然と笑顔がこぼれていました!