関東学生対校選手権(関カレ)まで3週間を切ったこの日、第2回早稲田大学競技会が行われた。2組行われた5000メートルのレースに長距離ブロックの選手たちが多く出場。間瀬田純平(スポ1=佐賀・鳥栖工)、山口智規(スポ1=福島・学法石川)ら5人の1年生が早大としてのデビュー戦に挑んだ。
5000メートル第1組には北村光(スポ3=群馬・樹徳)、間瀬田、山口が出場。九嶋(東洋大)を先頭に進められたレースでは前半、北村と山口は集団前方で、間瀬田は集団中ほどに位置。「故障明けで練習をうまく積めていなかったので、練習の一環で出場した」という山口が余裕を持った表情でレースを進め、ラスト1000メートルで一度先頭に出る。しかし、九嶋を離しきることはできず。「自信もあった(山口)」ラスト200メートルで再び先頭に立ち、今度は九嶋を引き離し、見事1着でフィニッシュ。5000メートル高校歴代3位の自己ベストを持つ期待のルーキーがデビュー戦を13分台で飾った。そのほか、集団の中のポジションをレースが進むとともに上げた間瀬田は、最後は14分07秒87。久しぶりの5000メートル出走となった北村も、前半は集団前方でレースを進め14分30秒62でゴールした。
1着でゴールする山口
続いて行われた第2組には、鈴木創士駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)ら多くの早大選手が出場。鈴木をはじめとする第一集団は、一周65〜70秒でレースを展開。そして佐藤航希(スポ3=宮崎日大)ら4人は、73〜75秒の集団を形成しレースをすすめた。1キロを2分52秒で通過した第一集団は、2キロすぎに鈴木、安田博登(スポ4=千葉・市船橋)、菅野雄太(教2=埼玉・西武文理)の3人に絞られる。最後は「関東インカレに向けての練習と自分の現状把握」としての位置づけで出場した鈴木が、ラスト300メートルすぎに抜け出しそのままフィニッシュ。復帰明けとしての目標を達成した。またこの組では伊藤大河(教1=福島・会津)、増永峰土(商1=神奈川・逗子開成)、宮岡凜太(商1=神奈川・鎌倉学園)が早大デビューを果たした。
今日のレースでは、今回も自己ベストをマークし、入学時の15分06秒32から約1年間で40秒以上自己記録を縮めた菅野や、序盤で一時先頭に立った宮岡など、駅伝で勝つ上で欠かせない一般組が活躍。鈴木駅伝主将を筆頭に改革が進む新生早稲田に注目だ。
自己ベストを大幅に更新した菅野
(記事 戸祭華子、写真 加藤志保、及川知世)
結果
▽男子5000メートル
1組
山口智規(スポ1=福島・学法石川) 13分57秒09(1着)
間瀬田純平(スポ1=佐賀・鳥栖工) 14分07秒87(5着)
北村光(スポ3=群馬・樹徳) 14分30秒62 (11着)
2組
鈴木創士(スポ4=静岡・浜松日体) 14分21秒21(1着)
安田博登(スポ4=千葉・市船橋) 14分21秒87(2着)
菅野雄太(教2=埼玉・西武文理) 14分22秒15(3着)自己新
宮岡凜太(商1=神奈川・鎌倉学園) 14分41秒85(4着)
中山遥稀(スポ2=千葉・専大松戸) 14分51秒38(5着)
栁本匡哉(スポ3=愛知・豊川) 14分56秒18(6着)
草野洸正(商2=埼玉・浦和) 14分57秒82(7着)自己新
佐藤航希(スポ3=宮崎日大) 15分26秒59(8着)
伊藤大河(教1=福島・会津) 15分46秒13(9着)
増永峰土(商1=神奈川・逗子開成) 15分52秒76(10着)自己新
中田歩夢(人2=埼玉・所沢北) 16分02秒20(11着)自己新
尾座本赳至(スポ2=福岡・筑紫丘) 16分16秒09(12着)
白井航平(文構4=愛知・豊橋東) 棄権
伊福陽太(政経2=京都・洛南) 棄権
小玉瑞葵(文2=福島・安積) 棄権
杵鞭源(人1=愛知・旭野) 棄権
コメント
鈴木創士(スポ4=静岡・浜松日体)
――今日のレースの位置づけはどのようなものでしたか
位置づけとしては、今日は復帰明けということと、関東インカレのハーフに向けての練習になればいいという事を兼ねて5000mを2本(※2本目は競技会後)走りました。あとは自分の現状の確認です。
――目標と達成率はどのくらいですか
1本目は14分30秒程度が目標だったので大幅に目標を更新できました。2本目に関しては設定通りです。
――今日の調子は
今日の調子としては、ほぼ調整せずにいったので決して良かったとは言えないです。
――ラスト300ほどでスパートかけたかと思うのですが、スパートかける位置決められていたのですか
レース中にどこで仕掛けるか考えていました。800メートルで少し上げてついてきたので、500メートルか400メートルか300メートルだなって思って、なんか400メートルはありきたりだし、500メートルは何回か試したこともあったので300メートルにしました。
菅野雄太(教2=埼玉・西武文理)
――今日のコンディションは
アップした感じは、かなり足も軽くて、疲労もあまり溜まっていなかったので、結構良かったです。
――今日のレースプランは
相楽さん(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)から、ハーフとか長い距離のレースに向けて、予選会とかもあるので後半上げていく練習という位置づけでレースに行くように言われていて、3000メートルまで少し余裕持って、後半自分でペース作ることを意識してやりました。
――途中で何度か先頭に出るシーンがありましたが、その辺りは振り返っていかがですか
3000メートルまでは宮岡(凜太、スポ1=神奈川・鎌倉学園)と創士さん(鈴木創士駅伝主将、スポ4=静岡・浜松日体)と一緒に引っ張り合っていい感じのペースを作っていくというのを事前に打ち合わせてあったので、そういう感じですね。それで4000メートルからは自分でペースを作っていこうと思って、(前に)出ました。
――今日のレース全体を振り返っていかがですか
3000メートルまで割と余裕があったので、後半しっかり上げて、昔苦手としていたスパートとかも最近改善してきたと思うので、そこは成長かなと思います。
――今日は大幅自己ベスト更新となりましたが、気分はいかがですか
結構うれしいです。
――今後に向けてお願いします
1万やハーフはまだそんなに記録を持っていないので、それに向けて、日々の練習でもうちょっと距離を踏んで、オールラウンダーの選手を目指していきたいと思っています。
山口智規(スポ1=福島・学法石川)
――今日のレースを振り返っていかがですか
高校の時の全国高校駅伝のあとにケガをして3カ月くらい走っていませんでした。そこから、ここ3週間くらいでポイントを4回くらいやりました。練習を全然積めていない中で13分台で勝ち切るというところを今日は目標にしていて、しっかり目標を達成できて良かったと思います。
――今日の調子はいかがでしたか
故障からの立ち上げだったので、まだ練習をしっかり積めていない部分もあって、今日は練習の一環というかたちで出ました。ゆっくり走る練習しかまだしていなくて、スピード練習をガッツリ入れている訳ではまだないので、そこの部分でラスト1キロの切り替えがまだまだ甘いと感じました。そういうところをこれからのレースの課題としてこれから取り組んでいければと思います。
――ラスト200メートルほどでスパートをかけられました。スパートかける位置は展開を見て決められたのですか
残り1000メートルで1回出て、あそこでもう1人になりたいと思ったのですが、東洋の九嶋さんやっぱり強くて、ついてこられました。本来なら残り400メートルでもう1回出たかったのですが、しっかり勝ち切ろうと思い、自信もあったので200メートルで出ました。
――タイムについてはいかがですか
練習がまだ立ち上げの段階で、13分台が出ればいいかなという感じで練習の一環として出たので、今日は合格点かなと思います。
――早稲田として初レースの感想をお願いします
今日の目標は達成できたので、これからも早稲田の誇りと自覚をしっかり持ち、エンジを着た時も早稲田らしい走りをしっかりできるように頑張っていきたいと思います。