東京で春一番が観測されたこの日、シーズン初戦となる早稲田大学競技会が行われた。短距離、跳躍ブロックを中心に早大から総勢25人が出場。時折吹く強い風に苦しめながらも、冬の鍛錬期を終えた選手たちがおのおの感触を確かめた。
この日最初の種目として行われたのが女子の4×400メートルリレー(マイルリレー)。前年までマイルの主翼を担っていた4年生が引退し、メンバーをガラッと変えた形でレースに挑んだ。昨シーズン100、200メートルを中心に活躍した鷺麻耶子(スポ1=東京・八王子東)が1走、昨年の日本学生選手権400メートル障害覇者の川村優佳(スポ2=東京・日大桜丘)が2走、800メートルを専門種目とする髙田真菜(商3=東京・早実)が3走。そして、マイルの早大記録メンバーでありながら、昨年はけがの影響で思うように試合への出場がかなわなかった津川瑠衣(スポ2=東京・八王子)がアンカーを務めた。結果は3分50秒01。関東学生対校選手権連覇など数々の実績を残してきた早大の女子マイル。フレッシュなメンバーがこの先どういった成長曲線を描いていくのか、注目だ。
1走鷺から2走川村へのバトンパス
短距離種目では、昨年対校戦で活躍した選手らが冬季練習の成果を確認。新主将の三浦励央奈(スポ3=神奈川・法政二)が100メートル、200メートルともに1位になるなど、強さを発揮。大学ラストイヤーの初戦を終え、「評価としてはまずまず」と振り返った。中距離ブロックの選手も出場し総勢6人で行われた男子400メートルでは、村木渉真(スポM1=愛知・千種)と竹内彰基(スポ2=愛知・瑞陵)のデッドヒートに。わずかに村木が先着し、48秒14というタイムでシーズン初戦を終えた。
女子は多くの選手が複数種目に出場。川村はマイルに加え、400メートルで調子を確認。昨年、ルーキーイヤーながら100メートルで早大記録を塗り替えた鷺もマイルと200メートルに出場した。
「(チームの)雰囲気に関しても、貪欲に、みんな学年関係なく積極的に遠慮し合うことなくやれている」、「自分が今までいた中で1番良い状態」と話した主将の三浦。チーム全体の意識の向上はおのおのの記録にもつながるに違いない。新体制となっての初の競技会を終えて得た収穫や見えてきた課題を見つめ、来る春以降の対校戦に向け、競走部の選手たちは鍛錬を積む。
男子100メートルのレースを走る三浦
(記事 及川知世、写真 及川知世、川上璃々)
結果
▽男子
▽男子100メートル
三浦励央奈(スポ3=神奈川・法政二) 10秒65
島田開伸(スポ1=静岡・浜松湖東) 10秒76
澤大地(スポ3=滋賀・草津東) 10秒86
大竹春樹(商1=東京・早実) 10秒98
秀島来(スポ2=千葉・東海大浦安) 11秒00
平野智也(文1=京都・洛南) 11秒27
▽男子200メートル
三浦励央奈(スポ3=神奈川・法政二) 21秒43
秀島来(スポ2=千葉・東海大浦安) 21秒90
村木渉真(スポM1=愛知・千種) 22秒23
大竹春樹(商1=東京・早実) 棄権
▽男子400メートル
村木渉真(スポM1=愛知・千種) 48秒14
竹内彰基(スポ2=愛知・瑞陵) 48秒15
新上健太(人2=東京・早実) 48秒70
西裕大(教2=埼玉・栄東) 49秒14
筒井航佑(スポ1=愛知・時習館) 49秒29
佐藤カルタ(スポ1=神奈川・厚木) 50秒24
▽男子110メートル障害
池田海(スポ1=愛媛・松山北) DNF
▽男子三段跳
坂本大晟(スポ3=岡山・倉敷東) 13メートル40
▽男子棒高跳
平川巧(スポ3=静岡・磐田南) 4メートル80
▽女子
▽女子100メートル
中村真由(政経1=東京・早実) 12秒94
吉田梨緒(スポ3=北海道・立命館慶祥) 13秒02
後藤紗衣(スポ1=福岡・西南学院) 13秒95
▽女子200メートル
鷺麻耶子(スポ1=東京・八王子東) 25秒24
中村真由(政経1=東京・早実) 26秒14
山田実来(人3=神奈川・桐光学園) 27秒28
▽女子400メートル
川村優佳(スポ2=東京・日大桜丘) 56秒70
生田桃子(人1=愛知・時習館) 1分1秒76
▽女子800メートル
髙田真菜(商3=東京・早実) 2分15秒87
▽女子100メートル障害
後藤紗衣(スポ1=福岡・西南学院) 16秒38
▽女子走幅跳
吉田梨緒(スポ3=北海道・立命館慶祥) 5メートル50
▽女子走高跳
大坂美乃(文構3=愛知・明和) 1メートル60
山田実来(人3=神奈川・桐光学園) 1メートル55
▽女子4×400メートルリレー
早大(鷺―川村―髙田―津川) 3分50秒01
コメント
三浦励央奈(スポ3=神奈川・法政ニ)
――今回のレースの目標や、位置付けはどのように定めていましたか
目標のタイムは定めていなかったのですが、冬季練習でやってきたことがどう出るかっていうのを確認するレースとして位置付けていました。なので、やりたいレースを試合前に思い描いて、それを100メートルや200メートルでやりきってどれくらいのタイムがでるかっていうのを見る感じでした。何秒を出しに行くっていうよりも、出たタイムに対しての今後の対応を考えていくっていうレースの位置付けでした。
――久しぶりのレースでしたが、感覚はどうでしたか
風が厄介で余計なことを考えてしまう場面があったのですが、100、200共に悪くはなかったかなと思います。さっきの位置付けでいうと評価としてはまずまずだったかなと思います。
――冬季練習でやってきたことは生かすことができましたか
そうですね。やってきたことがある程度自分にとって間違ってはいなかったことかなと思います。生かすかどうかはこれからになってくると思います。一応、冬季練習の本当の終わりを今日ぐらいにしていたので、そんな中では方向性ややってきたことはあっていたんじゃないかなと自分の中では感じでいます。
――主将として今のチームの雰囲気はどのように感じていますか
短距離に関しては各自が自分の目標に加えて、日本インカレ総合優勝っていうところに向かってちゃんと日々練習を積むことができているかなと思います。雰囲気に関しても、貪欲に、みんな学年関係なく積極的に遠慮し合うことなくやれているので、チームとしては短距離の練習のなかでは、自分が今までいた中で1番良い状態じゃないかなと思います。
――今後の目標と意気込みをお願いします
目標はたくさんあるのですが、チームとしては日本インカレ総合優勝、リレーでは学生記録と日本インカレ3連覇、個人ではユニバーシアード、世界陸上の代表選手になれるように頑張りたいと思います。