真の日本一を決める大会・日本選手権が、明日6月24日から27日にわたって開催される。今回は東京五輪代表選考を兼ねるため、例年以上に注目が集まり、非常にハイレベルな戦いとなることが予想される。この大舞台に、早大からは1年生から4年生まで実に17人もの選手が出場予定。注目必至の4日間の展望をお伝えする。
★初日は男子5000メートル決勝 他種目は予選突破なるか(1、2日目)
1日目、早大から最初に登場するのは1500メートル予選の石塚陽士(教1=東京・早実)。昨年同種目で高校生ながら決勝進出を果たし、9位という好成績を残した。エンジデビューとなった4月中旬の東京六大学対校大会では4位、5月末の関東学生対校選手権(関カレ)でも6位と、常に安定した成績を残している。先月日本新記録を樹立した荒井七海(Honda)を中心に熾烈(しれつ)な戦いが繰り広げられると予想されるこの種目。まずは予選を突破し、昨年から順位を上げて入賞なるか、注目だ。
男女の100メートルには、それぞれ佐野陽(スポ4=埼玉・立教新座)、三浦励央奈(スポ3=神奈川・法政二)、鷺麻耶子(スポ1=東京・八王子東)がエントリー。全員が今季に入って自己ベストを更新しており、勢いがある。特に三浦はグランプリシリーズでも決勝に残るなど、大舞台で経験を積み成長し続けている。今大会最注目といわれるこの種目でどこまで爪痕を残せるか。また、男子400メートルにも今季自己ベストをたたき出した藤好駿太(スポ2=福岡・修猷館)が出場する。
そして、日が沈む頃に行われるのは5000メートル決勝。早大からは千明龍之佑駅伝主将(スポ4=群馬・東農大二)と伊藤大志(スポ1=長野・佐久長聖)が出場予定だ。5月頭に13分31秒52の好記録をマークし、一躍チーム内トップとなった千明と、高校時代に13分36秒57をマークしている伊藤。最上級生とルーキーのコンビがどんな走りを見せるか。順位と記録に期待がかかる。
★山内は3位以内で東京五輪代表内定なるか 障害種目と男子200メートルに多数エントリー(2〜4日目)
静岡国際で安部孝駿(ヤマダホールディングス)に先着した山内
2日目から4日目には、障害ブロックから多数の選手が出場する。まず、2日目の男子400メートル障害予選には山内大夢(スポ4=福島・会津)がエントリー。5月頭のReady Steady Tokyoで東京五輪参加標準記録を突破し、一躍日本代表候補に躍り出た。この種目の標準突破者は山内を含めすでに4人いるが、代表は3枠。資格記録1、2番の黒川和樹(法大)と安部孝駿(ヤマダホールディングス)が山内を上回っており、4番の豊田将樹(富士通)とも0・03秒という僅差である。この4人を中心に代表の3枠争いが展開されるだろう。ただし、全体の自己ベストを見れば48秒台に7人がひしめいていることも忘れてはならない。五輪の切符をつかむには、まずは確実に予選を突破することが重要だ。
女子400メートル障害にエントリーされているのは関本萌香(スポ4=秋田・大館鳳鳴)、村上夏美(スポ4=千葉・成田)、川村優佳(スポ2=東京・日大桜丘)、津川瑠衣(スポ2=東京・八王子)。昨年は小山佳奈氏(令3スポ卒)を含め出場した4人全員が決勝の舞台に立ち、『早稲田のヨンパー』の強さを示した。関カレで優勝し、直近の木南記念で58秒79の自己ベストタイをたたき出した村上、そして関本、川村、津川も好記録を持っている。それぞれ調子を上げ、実力を発揮できれば、決勝進出も見えてくるだろう。
静岡国際男子200メートル決勝に進出した3人(左から松本、三浦、澤)
男子3000メートル障害決勝に挑む菖蒲敦司(スポ2=山口・西京)と諸冨湧(文2=京都・洛南)の活躍にも期待がかかる。菖蒲は関カレでスパートをさく裂させ、優勝したことが記憶に新しい。諸冨は関カレ時点では本調子ではなかったというが、立て直すことができていれば、上位に食い込む力を持っている。また、男子110メートル障害の池田海(スポ1=愛媛・松山北)、男子200メートルの松本朗(スポ4=福岡・戸畑)、澤大地(スポ3=滋賀・草津東)、三浦の4人もそれぞれの種目で今季自己ベストを更新しており、勢いがある。中でも松本は200メートル20秒57で資格記録7位につけている。 ラストイヤーの大舞台での活躍に期待したい。
★U20日本選手権(1〜4日目)
各日程前半で行われるU20日本選手権にも、4人が出場を予定している。短距離は男子100メートルと200メートルに島田開伸(スポ1=静岡・浜松湖東)が、男子400メートルに眞々田洸大(スポ1=千葉・成田)がエントリーされている。長距離種目は1500メートルに栁本匡哉(スポ2=愛知・豊川)、男子5000メートルに辻文哉(政経2=東京・早実)が出場予定だ。資格記録で上位につけている種目が多く、入賞、そして表彰台に期待がかかる。
(記事 布村果暖)
エントリー(日本選手権)
▼男子
▽100メートル
佐野陽(スポ4=埼玉・立教新座)
三浦励央奈(スポ3=神奈川・法政二)
▽200メートル
松本朗(スポ4=福岡・戸畑)
澤大地(スポ3=滋賀・草津東)
三浦
▽400メートル
藤好駿太(スポ2=福岡・修猷館)
▽1500メートル
石塚陽士(教1=東京・早実)
▽5000メートル
千明龍之佑駅伝主将(スポ4=群馬・東農大二)
伊藤大志(スポ1=長野・佐久長聖)
▽110メートル障害
池田海(スポ1=愛媛・松山北)
▽400メートル障害
山内大夢(スポ4=福島・会津)
▽3000メートル障害
菖蒲敦司(スポ2=山口・西京)
諸冨湧(文2=京都・洛南)
▼女子
▽100メートル
鷺麻耶子(スポ1=東京・八王子東)
▽400メートル障害
関本萌香(スポ4=秋田・大館鳳鳴)
村上夏美(スポ4=千葉・成田)
川村優佳(スポ2=東京・日大桜丘)
津川瑠衣(スポ2=東京・八王子)
エントリー(U20日本選手権)
▼男子
▽100メートル
島田開伸(スポ1=静岡・浜松湖東)
▽200メートル
島田
▽400メートル
眞々田洸大(スポ1=千葉・成田)
▽1500メートル
栁本匡哉(スポ2=愛知・豊川)
▽5000メートル
辻文哉(政経2=東京・早実)