東京オリンピック代表選考を兼ねた日本選手権競歩が、兵庫県の六甲アイランドにて開催された。早大からは木村和(人2=秋田・横手)が、女子20キロメートルに出場。既にオリンピック代表内定者で日本選手権6連覇中の岡田久美子(ビックカメラ)や、同じく代表の藤井菜々子(エディオン)など日本トップレベルの選手が名を連ねたレースで、木村は1時間54分05秒の22位でゴールした。
コースは一周1キロの周回。10時40分から昼過ぎにかけて行われた女子20キロメートルは、2月ながら気温が17度にまで上り、中盤からは風も強まる難しいコンディションとなった。そして木村としては自身初の20キロという距離。日本選手権という大舞台でもあったが、普段からあまり緊張を感じないという木村は、特別な緊張もなく臨むことができたという。
単独歩をする木村
レースは序盤から、岡田ら率いる先頭集団の6人が1キロ4分30秒ほどのペースで抜け出し、その後に縦長の第2、第3集団が形成された。木村は最初の5キロを、当初目標としていた通り5分15秒前後で押していく。しかし5キロ過ぎから前の選手と離れると、だんだんとペースを落としてしまう。幅の広いコースでなおかつ出場人数が多くないこともあり、単独歩の時間が増えると、最後の5キロは1キロ6分を超えるペースに。「(単独歩では)きついとやっぱりペースも落としてしまいがちになるので、そこが20キロだとさらに長くなって、タイム差がけっこう出てきた」と後半のペースダウンの要因を振り返った。
それでも、初めての20キロメートルを見事完歩したという経験は大きい。来月にも同種目の試合を控えているが、今回明らかになった後半部分の課題を克服できれば、自己ベスト更新も十分に見えてくるだろう。
(記事 布村果暖、写真 EKIDEN News 提供)
結果
▽女子20キロメートル
木村和(人2=秋田・横手) 1時間54分05秒(22位)
コメント
木村和(人2=秋田・横手)
――初の20キロ競歩となりましたが、実際に歩いてみていかがでしたか
けっこうきついとは聞いていて、やっぱり最初の5キロくらいは楽しかったのですが後半になって疲労もたまってきて、しんどさがすごく、長かったです。
――今大会の位置付けや、目標は
まず初めての20キロだったので完歩することと、(1キロあたり)5分15秒で押すのを目標にしていたのですが、結構オーバーしてしまいました。でも3月にまた20キロ(の大会)があるのでそれに向けても練習にはなったかなと思います。
――今日の調子はいかがでしたか
万全でした。
――20キロという距離への不安や、日本選手権というハイレベルな大会での緊張はありましたか
なかったです。
――普段から緊張はしないタイプなのでしょうか
感じないです(笑)。
――気象条件はいかがでしたか
けっこう暑くて、風も強かったです。1キロの周回コースを往復で歩いていたのですが、行きがすごい風が強くて、半分はしんどかったです。
――展開を振り返っていかがでしたか
最初の5キロはいいペースで歩けていたのでそのまま行きたかったのですが、前にいた人と離れてしまったのが、すごくどんどんペースが落ちていった原因かなと思います。
――5キロまでは他の選手と歩いていて、その後は単独になる場面が多かったのでしょうか
そうですね。後半はずっと一人でした。
――単独歩と、他の選手と進んでいくというのはどう違ってきますか
練習はいつも一人で慣れていますが、やっぱり試合となるときつかったときとかに、人がいると「絶対負けない」みたいな気持ちになっていけます。でも(単独だと)きついとやっぱりペースも落としてしまいがちなので、そこが20キロだとさらに長くなってタイム差がけっこう出てきたかなと思います。
――良かった点や、逆に課題点は見つかりましたか
良かった点はまず完歩できたことです。課題はやっぱり距離に慣れていないので、設定タイムを最初しか守れなかったことです。
――次戦に向けての目標はありますか
来月20キロの大会がまたあるので、自己ベストを出すことと、5分15秒で今回押せなかったので、次はそれで押せたらなと思います。