現状確認と位置付けたレースで太田直が2位の好走!

陸上競技

 唐津市陸上競技場を発着点に、名勝虹の松原を駆け抜ける唐津10マイルロードレース。早大からは、招待選手の宍倉健浩(スポ3=東京・早実)を始め、4選手が出走した。現状確認を目的に出場した今大会。相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)からの指示もあり、選手たちは前半から先頭集団でレースを展開する。その中で最後まで先頭に食らい付いた太田直希(スポ2=静岡・浜松日体)が、学生トップとなる2位でゴールした。

 小雨の降る肌寒いコンディションの下で行われたこの日のレースは、先頭集団が5キロを14分22秒で通過するハイペースの展開となった。「思ったよりちょっと付いていけなかった」と、宍倉は4~5キロほどで早々に先頭集団から離脱。自身の状態の悪さも影響し、それ以降耐えた走りを見せることができなかった。半澤黎斗(スポ2=福島・学法石川)、井川龍人(スポ1=熊本・九州学院)の二人も10キロ過ぎまでは先頭集団でレースを進めたが、急なペースの変化に対応できず徐々に集団から離れる結果に。それでも大きくペースを落とすことのなく、47分台で走り切った。

競技場手前で先頭を走る太田直

  一方、太田直は「練習はできていたのですが、調子はそこまで良くなかったので、ここまで走れるとは思っていなかった」と振り返る快走を見せた。終始先頭集団で冷静にレースを進めると、ゴール地点の競技場手前で首位に躍り出て、後続を引き離す。残り200メートルで横手健(富士通)、的野遼太(MHPS)に交わされたが、ゴール5メートル手前で横手を抜き返し、2位でフィニッシュ。最後に競り勝つことができなかったことを課題として挙げたが、1キロ2分50秒前後のペースで余裕を持って走り切れたことは、今後に向けて大きな自信へとつながったはずだ。

井川も終盤まで持ちこたえ、11位に入った

  今大会を経て現状の力を確認することができた選手たち。収穫を得ることができた選手がいた反面、課題を痛感した選手もいたはずだ。主力選手の多くは日本学生ハーフマラソン選手権に向け、これから練習を積んでいくことになる。今大会で結果を残した太田直の他にも力のある選手が揃っている現2年生を中心に、チームは躍進することができるか。トラックシーズン開幕前にいかに練習を積み重ね、課題を克服することができるかどうかが、今後のチームの命運を左右するだろう。

(記事 大島悠希、写真 大島悠希、町田華子、橋本和奏)

太田直は実業団選手に混ざり表彰を受けた

結果

▽一般男子10マイルの部

太田直希(スポ2=静岡・浜松日体) 46分44秒(2位)

井川龍人(スポ1=熊本・九州学院) 47分14秒(11位)

半澤黎斗(スポ2=福島・学法石川) 47分37秒(14位)

宍倉健浩(スポ3=東京・早実) 49分04秒(43位)

コメント

 

宍倉健浩(スポ3=東京・早実)

――きょうのレースの位置づけは

現状確認というのが一番でした。相楽さん(相楽豊監督・平15人卒=福島・安積)から、最後まで持たなくてもいいから前半突っ込んでどこまでいけるか現状を確認するように指示を受けていて、その上で立川ハーフ(日本学生ハーフマラソン選手権)に向けてここからどういう練習をしていくかの指針を立てるためのレースという位置づけです。

――突っ込むというのはどれくらいのペースを想定していましたか

先頭集団がそれなりのペースで行くと思うから、できるだけ先頭集団で勝負し続けろという指示でした。

――実際に先頭集団に付いていったのはどれくらいでしたか

4~5キロです。ここまでの2週間くらいの練習でけがではないのですがかなり状態が悪くて、相楽さんからもこの大会に合わせる必要はないからある程度走りこんだ上でどこまでいけるかを確認すればいいと言われていたのですが、それにしても思ったよりちょっと付いていけなかったなと思います。

――きょうのコンディションについてはどのように感じましたか

寒かったですがそれは他の人も同じですし、気温が高いよりは走りやすい気候ですし風もあまり強くなかったので…。ほかの3人は好記録が出ていましたし、自分だけ走れなかったなというところです。

――集団から離れてからの走りを振り返っていかがですか

1キロ3分から3分5秒くらいでずっと押していくかたちでした。そこを3分切りで耐えていかなければいけなかったと思うので、力不足だと思います。

――きょうのレースでの収穫はありましたか

現状を確認できたことですかね。来週合宿があるのですが、立川に向けてどう組み立てていくかということをきょうの結果を踏まえて相楽さんとまた相談していこうと思います。

――今後のレースの予定は

来週の青梅マラソンか、早大競技会で3000メートルくらいまで走るか、まだ決めていないのですがどちらかの予定です。そこは練習の一環なので、次に狙うのは立川ハーフです。

――立川ハーフでの目標は

学生トップレベルの選手が集まるので、しっかりそこで勝負できるように、まずは63分を切ることを目標に頑張ります。

太田直希(スポ2=静岡・浜松日体)

――きょうの2位という結果を振り返って

レースプランとしては、突っ込んで入るというレースだったのですが、余裕を持って走れたので、レースをいい展開で持っていくことができたのですが、ラストで負けてしまったことは課題かなと思います。

――どれくらいのペースで行くことを予定していましたか

想定はなかったのですが、2分50秒辺りでいくのかなと思っていました。それくらいのペースだったのですが、意外と余裕を持っていけました。

――相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)からの指示はありましたか

監督からは、最初は突っ込んで入って、中盤は耐えて、最後競り勝つというレースをしろと言われていました。

――ここまでの練習の消化具合はどうですか

練習はできていたのですが、調子はそこまで良くなかったので、ここまで走れるとは思っていなかったです。

――天候が走りに影響した部分はありましたか

スタート前は寒いなと思って、体が動かないのかなと思っていたのですが、最初からいい感じで走れました。

――競技場にはトップで入られましたが

相楽さんに行けと言われたのですが、スパートが速すぎて、カーブを曲がりきれなくて滑ってしまい、動揺しました。ラストで抜かれたことは今回出た課題かなと思います。

――抜かれてからは、先頭から離されることなく、最後まで走り抜けたことについて

最後は意地で横手さん(健、富士通)を抜けたのですが、それでも前に一人いたので、そこはもう少し磨ける部分かなと思います。

――今回のレースの課題や収穫について

収穫としては2分50秒というペースで楽に走れたことで、課題としてはラストスパートです。

――今後の試合は

3月の立川ハーフ(日本学生ハーフマラソン選手権)になります。

――青海マラソンは走られますか

そこは監督との相談になります。

――最後に立川ハーフの目標をお願いします

立川も今回同様に先頭集団で行って、今回は(最後)負けてしまったので、次こそは勝ちたいなと思います。

半澤黎斗(スポ2=福島・学法石川)

――今大会の位置付けはどのようなものでしたか

箱根が終わってから練習の量を増やして距離を踏んできたので、しっかり合わせて狙う大会というよりかは継続してあまり調整はせずに、今自分がどれくらいできるかを確認する大会でした。

――レースプランや目標タイムはありましたか

目標タイムは47分30秒だったんですけど、プランとしては前半突っ込んで先頭集団でどこまで勝負できるかというのを個人としてもチームとしても試すように指示されていました。

――きょうのコンディションはいかがでしたか

最初雨が降っていたのでスタート前は寒かったんですけど、風もそんなになくていいコンディションの中で走れたと思います。

――天候の悪さは何か影響はありましたか

スタート3キロくらいは寒かったので最初は動きが悪かったですけど、身体が温まってからはいい感じで走れました。

――どのようなレース展開でしたか

10キロまでは余裕を持っていい状態で走れていたんですけど、10キロで集団が動いた時に対応できなかったのでそこがまた課題で、そこまではいい動きで行けたので収穫で、そこから先はまた課題が見つかったと思います。

――10キロまではどの位置につけて走っていましたか

途中何回か先頭に出て仕掛けようとしたりとか自分でチャレンジしようと思ったところが何回かあったので、指示通り前半積極的に攻めて走るレースというのはできたのかなと思います。

――先頭集団から離れたのは10キロ地点でしたか

10キロで神野さん(大地、セルソース)が仕掛けたのでそこで集団がばらけた時にちょっと迷ってしまって、迷っている間に離れてしまいました。

――その後の展開はいかがでしたか

単独だったので自分のペースを乱さないように、あとは少しでも前にもう一回追いつけるようにしたんですけどなかなか追いつけなくて、先頭より少し遅い一定のペースで押していった感じです。

――先ほどのお話にもありましたが、今回課題や収穫はありましたか

今回練習の延長で調整せずに、だいぶ量を増やした状態で身体も疲労した状態で走ったんですけど、10キロまで余裕を持っていけたのでそこは収穫だと思います。課題としてはそこから先はレースが動いた時に対応できなかったのと、一人になったときに自分の走りができなかったのでそこは課題かなと思います。

――次の大会は

来週の青梅(青梅マラソン)か早大(早大競技会)に出る予定で、立川(日本学生ハーフマラソン選手権)に出るかは監督(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)と相談します。

――この後の目標はありますか

ここ2年間自己ベストを出せていないのでトラックでまずは自己ベストを出すことと、また、駅伝はやっぱり悔しい思いをたくさんしたので借りを返せるように1年間やっていきたいと思います。

井川龍人(スポ1=熊本・九州学院)

――今大会の位置付けはどのようなものでしたか

16キロくらいなので、スピードを意識してしっかりと突っ込んでいくイメージでした。

――レースプランはありましたか

ついて行って、入賞を狙うというレースプランでした。

――目標タイムはありましたか

なかったです。

――きょうのコンディションはいかがでしたか

ずっと練習を積んできている中だったので、正直どうかなと思ったんですけど、意外と走れたので良かったのではないかと思います。

――相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)から指示はありましたか

ずっとついて行くという指示でした。

――どのようなレース展開でしたか

意外と自分ではゆったりとした感じで、10キロから急にペース変動が起きた感じでした。

――レース中はどの位置につけて走っていましたか

ずっと先頭で走っていました。

――どのあたりで先頭集団から離れましたか

10キロくらいです。

――突っ込んでいくことを意識していたとのことでしたが、振り返って

10キロ過ぎ、半分以上しっかり先頭で走れて、その後も一回ペースが落ちたんですけど、持ちこたえて行けたので良かったのかなと思います。

――課題や収穫はありましたか

11、12キロくらいで、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)の時もそれくらいだったんですけど、一回脚が動かなくなってしまうので、そこの筋力と持久力の強化というのがまだ必要かなと思いました。

――天候が悪い中でしたが、影響はありましたか

そこまでなかったと思います。

――次の立川ハーフ(日本学生ハーフマラソン選手権)ではどのようなタイムを狙っていきたいですか

3分前半、2分後半のハイレベルなレースができたらいいなと思っています。