木南道孝記念大会が大阪・ヤンマースタジアム長居で今年も開催された。今回は男子グランプリ100メートルに山縣亮太(セイコー)や多田修平(住友電工)が出場し、多くの注目を集めた他にも、大会新記録が更新された種目が相次ぎ盛り上がりを見せた。早大からは4種目に8人が出場。女子400メートル障害では小山佳奈(スポ3=神奈川・橘)と関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)が自己記録を更新し上位に食い込む活躍を見せた。また男子200メートルには1年生の三浦励央奈(スポ=神奈川・法政二)が実力者を相手に4位と健闘。3週間後に開催される関東学生対校選手権への弾みとなった試合となったはずだ。
(記事 岡部稜)
★三浦が4位に入賞。今後へ手応えつかむ(男子200メートル)
シニアや学生トップクラスの選手を相手に健闘した三浦
男子200メートルには髙内真壮(スポ4=栃木・作新学院)と三浦励央奈(神奈川・法政二)の2人が出場した。午前中に行われた予選では、髙内はスタートからスピードに乗れず、4着に終わる。一方の三浦はコーナーを抜けてから前を走る選手を徐々に交わしていき、2着で決勝進出を決めた。
3位を狙って挑んだ決勝では学生トップクラスの実力を持つ山下潤(筑波大)を前に見る位置でスタート。前半から飛ばしていく山下に対して「付いて行かなくては」(三浦)と力の入った走りになってしまう。ホームストレートに抜けてからは伸びを見せたが、序盤の力みが響き、持ち味を最大限に発揮することはできず4位でゴール。目標の3位と20秒80に及ばず、「悔しいです」と開口一番に話した。
悔しい思いをした三浦だが、得たものも大きい。今大会に優勝した原翔太(スズキ浜松AC)や山下など、シニアや学生の実力者と同じレースに出場するのは初めてだったというが、「自分のレースをすれば、勝てない相手ではない」と手応えをつかんだ。3週間後に控える関東学生対校選手権(関カレ)では「絶対に表彰台に上がる」と鼻息が荒い。4月から好走を続けるルーキーがさらなる爆走を披露してくれるはずだ。
●4年生・髙内、募るチームへの思い
最上級生となった髙内。最後の関カレでの活躍が期待される
4月の東京六大学対校大会の100メートルで優勝した三浦に次ぐ2位に食い込んだ髙内。21秒08の自己記録を更新する目標で挑んだが、21秒46(-0.1)の予選1組4着に終わった。「いつものスタートよりも腰が高くなってスムーズに加速できなかった」と序盤でもたつくと、後半の伸びを欠いた。アップでの動きをレース本番で再現することができず、「やってはいけないレースをしてしまった」と静かに振り返った。
昨年の秋にかかとの故障に苦しみ、けがが癒えた年明け後に急ピッチでスピードを取り戻してきたが、「カバーできていない部分が出てきている」と自身の走りを模索し続けている。
いよいよ最後の関カレを迎える髙内。「個人として決勝に残ることはもちろん、リレーでもチーム一丸となって得点を稼いで、前半戦から競走部の流れをつくりたい」。数少ない短距離ブロックの4年生として、部に貢献したいというその思いは人一倍強い。
(記事 岡部稜、写真 石名遥)
★『神向かい風』に阻まれ、自己記録更新ならず(男子400メートル)
ホームストレートを懸命な表情で走る小久保(右)と村木
競技場全体で追い風が回り、『神風』が吹くと言われているヤンマースタジアム長居。しかし神様のいたずらだろうか、男子400メートルの競技開始時にはまさかの向かい風。出場した小久保友裕(スポ3=愛知・桜丘)、村木渉真(スポ3=愛知・千種)の行く手を阻んだ。
タイムレース決勝の2組目の出場となった2人。共に日本選手権の参加標準Aを切る好記録を目標にスタートしたが思うようなレース展開に苦しんだ。小久保は「前半楽に入って、後半にうまくスピードに乗せる」走りを体現できず、前半型の村木は序盤にスピードに乗ることができない。小久保は47秒43、村木は47秒86と46秒台を持つ自己記録には遠く及ばない結果に終わってしまった。
アジア選手権、世界リレーの日本代表に選出された伊東利来也(スポ3=千葉・成田)と共に、早大の400メートルの看板選手である小久保と村木。今月末の関東学生対校選手権(関カレ)では「最低でも表彰台」(小久保)、「確実に決勝に行けるように」(村木)と見据えるものは高い。そして4×400メートルリレーでの活躍も期待される。初出場のグランプリシリーズで得た経験を糧にして、来たる関カレでの飛躍に注目だ。
(記事 岡部稜、写真 石名遥)
★ロングスパートをかけるも出し切れず…悔しさ残る(女子800メートル)
1着でゴールする竹内。関カレでは表彰台を狙う
大学最後のシーズンを迎えている竹内まり(教4=愛媛・松山西中等)がグランプリ女子800メートルに登場した。先日行われた東京六大学対校大会では自己ベストに近いタイムを出しており、シーズンの入りとしてはまずまずといっていいだろう。今大会へは、日本選手権への参加標準記録である2分08秒80を目標に臨んだ。
スタート直後に一人の選手が抜け出し、竹内は3番手でそれを追うかたちとなる。「まずまずの入り」と64秒で2周目に入ると、いつもはラスト150メートルから掛けているというスパートを500メートル地点でかけ、バックストレートで一気にトップに立った。そのまま後続を引き離し、最後まで大きな走りでゴールへと飛び込んだ。しかし、記録は2分11秒08と、目標とは程遠い結果に終わってしまった。スピード自体が上がっておらず、スパートをかけても思うようにスピードに乗れなかったことが要因だという。最後の関カレに向けて、「このタイムのままではいけない」と強く口にした。
(記事 石名遥、写真 岡部稜)
★小山と関本が自己新記録!村上も今季ベストを更新(女子400メートル障害)
自己記録を更新した小山
女子グランプリ400メートル障害決勝は3組のタイムレースで行われ、3組目に早大の3選手が出走した。小山佳奈(スポ3=神奈川・橘)は1年ぶり、関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)は高2以来の自己新記録となった。また、今シーズンはスロースタートとなっている村上も今季ベストを更新。「早稲田3人で表彰台を狙っている」と関本が語る、残り3週間を切った関東学生対校選手権(関カレ)に向けての視界は良好だ。
静岡国際大会においてグランプリシリーズ初優勝を飾った小山は、強い風の影響を受けスタートでややつまずいてしまうも、「自分のレーンだけが見えていた」と集中し、2台目から立て直す。そこで一気にトップに躍り出た。しかし、ホームストレートに入ると7レーンの宇都宮絵莉(長谷川体育施設)に先行を許し、2位でフィニッシュ。57秒台前半を目標としていたこともあり、少し悔しそうな表情も見られた。多くの課題が見つかり、「このレベルで戦っているのはちょっとまだ自分が弱い」と話す小山は、これからさらに飛躍していくだろう。
(記事 石名遥、写真 岡部稜)
結果
▽男子グランプリ200メートル
予選
髙内真壮(スポ4=栃木・作新学院) 21秒46(-0.1)(1組4着)
三浦励央奈(スポ1=神奈川・法政二)21秒17(+0.4)(3組2着)決勝進出
澤大地(スポ1=滋賀・草津東) 棄権
決勝(+0.4)
三浦 21秒12(4位)
▽男子グランプリ400メートル決勝(3組タイムレース)
小久保友裕(スポ3=愛知・桜丘) 47秒43(2組3着、総合11位)
村木渉真(スポ3=愛知・千種) 47秒86(2組4着、総合16位)
▽男子グランプリ110メートル障害
予選
金井直(スポ4=神奈川・橘) 棄権
▽女子グランプリ800メートル決勝(2組タイムレース)
竹内まり(教4=愛知・松山西中等)2分11秒08(1組1着、総合8位)
▽女子グランプリ400メートル障害決勝(3組タイムレース)
小山佳奈(スポ3=神奈川・橘) 57秒77(3組2着、総合2位)自己新記録
関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)58秒40(3組3着、総合5位)自己新記録
村上夏美(スポ2=千葉・成田) 60秒29(3組8着、総合17位)
コメント
男子
髙内真壮(スポ4=栃木・作新学院)
――きょうの目標は
自己ベスト更新というのが大きかったんですけど、全然届いていないタイムだったので、やってはいけないレースをしてしまったと思います。
――調子はいかがでしたか
調子自体は全然悪くなくて、きょうもアップした感じではすごく動いたんですけど、どうしても競技場の中に入ってからその動きを継続させることができなかったということがすごく大きいですね。あと硬くなってしまったという二つがきょうの結果になったと思っています。
――硬くなってしまったというのは、レースのどのあたりでしたか
スタートから水濠くらいまでの位置です。いつものスタートの時よりも腰が高くなってなかなかスムーズに加速できずにそのまま残りの100メートルも行ってしまったと思っています。
――後半の伸びを欠いてしまったということですか
そうですね。後半の残り100メートルという課題の部分もうまくつなげることができませんでした。
――冬季練習で強化してきた部分は
冬季練習は、かかとを昨年の秋にけがしてしまったんですけど、それが治ったのが年明けくらいだったので、急ピッチでスピードを高めることを意識してきました。でも、どうしてもそこでカバーできていない部分が出てきているというのを今感じています。
――トラックレースを積んできて、流れや手応えは感じていますか
手応えとしては、チームの流れとして後輩の100メートルが良い流れで来ている中で、自分も木南で六大(東京六大学対校大会)からつなげていきたかったんですけど、僕自身最上級生として、競技でチームを引っ張れていないというのがとても情けないですね。チームの流れを後輩に頼ってしまっている部分があるので、関カレ(関東学生対校選手権)までにそこをもう一度つくり直さなくてはならないと思っています。
――お話にもありましたが、関カレへの意気込みをお願いします
個人として決勝に残って得点を稼ぐというのはもちろんなんですけど、4✕100メートルリレーも出場できるように、またチーム一丸となってがんばっていきたいです。個人もリレーでも得点を稼いで、前半戦から競走部の流れをつくれるような短距離ブロック、というのを目指していきたいと思います。
小久保友裕(スポ3=愛知・桜丘)
――レースを振り返って今、どのようなお気持ちですか
もう、きついです。思うような動きができませんでした。
――動きというのは
静岡国際のときと同じで、前半楽に入って、後半うまくスピードに乗せるかたちだったのですが全然できませんでした。前半も後半もうまく行きませんでした。
――きょう狙っていたのは
46秒台の前半でした。
――静岡国際からの疲れというのはありましたか
連戦で結構残ってしまいました。
――ラストは伸びていたように見えましたが、後半の走りは
自分の中で記録を出そうという位置付けでいて、後半も焦りでうまく走れませんでした。
――タイムに関しては
もう全然駄目です。
――長居の競技場は良い風で知られていますが
『神向かい風』でした…。
――吉津拓歩選手(東洋大)、そして村木渉真選手(スポ3=愛知・千種)と両隣が愛知出身の選手でしたが意識はしましたか
いや、そこは特には意識しませんでした。
――次は関東学生対校選手権になると思いますが目標は
両方とも最低でも表彰台です。本数が多いので自分の持てる力をうまく使っていきたいと思います。
村木渉真(スポ3=愛知・千種)
――きょうのレースを振り返って
思ったよりも前半が入れていないという印象があって。隣の小久保と吉津(拓歩、東洋大)が後半に来るのがわかっていたので、食らいついていけるかなと思ったのですが…。最初にスピードをつけれていないという部分と、向かい風もあったので、それに対してちょっと前傾してしまったのかなという部分があります。思うようにタイムが上がっていないなという感じです。
――今回の目標は
日本選手権のA標準記録である46秒60を切ることだったのですが、程遠い結果に終わったなという印象です。
――コンディション的にはどうでしたか
調子自体は結構良くて。さっきのアップの時でもそれなりに動いていたかなという感じだったのですが、多少言い訳がましくなってしまいますけど、初めてのグランプリで緊張してしまって、体が固まっていたのかなと思います。
――小久保選手と隣のレーンでした
今回は全く意識しないようにしていました。後半に来ることだけはわかっていたので、「小久保だから」というよりも一選手として、後半強い選手だということを意識して走りました。
――今回見つかった課題は
試合に臨むときに緊張して、パフォーマンスを落としてしまうことがしょっちゅうあるので、さっさと直さないとまずいなという感じです。
――冬季練習で、うまくいかないこともあったというふうに部員日記に書かれていました
もう少しタイムが出そうな感覚はあるのにあまり出ないなというところや、自分の頭の中でできている動きと実際にしている動きの差異が広かったりするところがあって。そういう点でうまくいかないなという感じです。
――関東学生対校選手権(関カレ)など、シーズンもピークに入ってきますがそこでの目標は
やっぱり関カレは確実に決勝に行けるような実力をつけていきたいですし、その中でどれだけ高順位を取れるかを意識したいです。関カレが日本選手権の標準を切る最後のチャンスなので、そこで切れるようにしたいです。
三浦励央奈(スポ1=神奈川・法政二)
――レースを終えた今のお気持ちは
悔しいですね。
――それはタイムに対してでしょうか
そうですね。タイムも順位もですね。きょうの感じだと3位は狙えるなと思っていて、先生からも「3位を狙うにはどうしたらいいか考えろ」と言われてて、考えてウォーミングアップをしていました。目標だった3位と20秒80も狙っていたので、それに達成できなかったのが悔しいです。
――3位を取るために求められた動きというのは
0から50メートルまでの加速局面とカーブの抜けをしっかりできれば良いタイムは出るかなと思っていたんですけど、カーブがイマイチでしたね。カーブをもっと速く楽に行ければ一番良かったんですけど、自分の思いと反して結構力が入ってしまって。前の選手(山下潤、筑波大)が僕のことを離してきてて、付いていかなきゃと思って力が入ってしまいました。そのぶん後半がきつかったし、タイムにもつながらなかったので悔いが残ります。
――学生のトップ選手やシニアの選手と一緒に走ったのはいかがでしたか
正直なところ、勝てない相手じゃないかなと。自分のレースをすれば、きょうでも優勝できたレースだったと思うし、次の試合は関カレ(関東学生対校選手権)なんですけど、きょう出た修正点をコーチとしっかり話してしっかりと噛み砕いていって、きょう自分が勝てなかった選手にも、勝った選手にも次は負けないようにがんばりたいと思います。
――きょうの結果に関しては
失敗はしていないような気はします。21秒1で走れているので。タイム的な事実として決して悪いものではありません。課題をいくつか残しながら、このタイムということはまだまだ伸びしろや修正点があるなと思うと、きょうは悔しかったですけど、またがんばろうと思える静岡ときょうの二試合をすることができた点で前向きになれてよかったと思っています。
――関カレでの目標は
最低限決勝に残るということと、高校と違って表彰が3位からなので、表彰台に絶対登ってやるという気持ちです。残りの二週間でつらい練習もあるだろうし、技術を突き詰める練習もあると思うんですけど、自分に甘えを許すことなく、最速を追求していければと思います。
女子
竹内まり(教4=愛媛・松山西中等)
――レースを振り返って
日本選手権標準の2分08秒80を切ることを最低限の目標にして走ったのですが、全然届かなくて、とても課題が残るレースになりました。
――レース展開的にはどうでしたか
いつもはラスト150から切り替えているのですが、きょうは長めのスパートをかけることを目標にしていました。それはできましたが、スピード自体が上がっていなかったので、最後思うようにスピードに乗れませんでした。
――1周目は64秒で入りましたが、そこについては
それはまずまずの入りだったと思います。
――長めのスパートということで、ラストに力尽きてしまう部分はあったのでしょうか
感覚的には悪くなかったのですが、スピードがなかったので、バテるという感覚はなくて、出し切れなかったという感じがあります。
――最初に東大阪大敬愛高の選手が飛び出しました
入りは62くらいでと決めていたので、落ち着いてレース運びはできたと思います。
――次戦となる関カレでの目標を教えてください
まずは、このタイムのままではいけないので最低でも2分7秒台を出して表彰台に登れるようにあと2週間頑張りたいと思います。
小山佳奈(スポ3=神奈川・橘)
――レースを振り返って
結構風が強くて。風の影響と言ったらいけないのですが、内側から出たときに風がすごく向かっていて、1台目の入りがうまくいかなかったというのが後半上がらなかった原因かなというふうに振り返って思います。あとは、前半の2台目から4台目までのリズムがすごく良くて、前半のタッチタイムもいいかなという感じです。
――1台目の入りが失敗したのに対し、2台目から切り替えいいテンポでいけたのはなぜですか
いつもだったら、前にいる選手が目に入ってしまうのですが、自分のレーンだけを見て前半の部分を走ることができたことが、そうできた理由かなと思います。
――7レーンに宇都宮絵莉選手(長谷川体育施設)がいましたが、それも目に入らなかったのでしょうか
目に入らなかったですね。ラスト100メートル付近から目に入りました。
――後半に失速してしまった理由は、やはり入りが原因ですか
それもありますが、ラスト100メートルで切り替えようというときに、少しふくらはぎの部分がギュッとなってしまって。それが怖くて前に進めなかったというのもあります。</p
――今大会の目標はどこに置いていましたか
順位もそうなのですが、去年のこの大会でも自己ベストを出したので、57秒前半を切ることを目標にしていました。自己ベストが出たという面では喜んでもいいかなという部分はあるのですが、やはり目指しているところが上の方なので、このレベルで戦っているのはちょっとまだ自分が弱いんだなと感じさせられた試合だったかなとすごい思います。
――連戦ですが、疲労の方はどうですか
疲労は大丈夫なのですが、レースごとの課題が追いつけていなかったので、今回の試合もレースがしっかりできたというよりかは練習の一環というふうになってしまったかなと思いました。
――試合ごとに見つかった課題とはなんでしょうか
静岡国際では、後半の練習を結構してきたので後半部分をしっかり走るというところと、さっきも言ったようにスタートから1台目までの部分をスムーズにするというところと、4台目から出していく逆足をスムーズにするというところです。あとは、16歩が詰まってしまうことが多くて、今回は風の影響でその展開にはならなかったのですが、詰まっていたときに16歩をもう1回出して最後17歩で押すというところが今後の課題だなと感じました。今回は、スタートでしっかり入れないと後半の部分につながらないというのが改めてわかったので、そこの部分が今一番強いのかなというふうに感じました。
――グランプリシリーズを終えてみて
ユニバーシアードの期限が静岡国際までだったので、そこでタイムを出して優勝できたというのが、いい流れでシーズンには入れたというふうに感じています。 あとは、グランプリシリーズで優勝したことがなかったので、静岡国際は自分の中でもすごく自信につながるいい試合だったかなと感じています。
――今回の順位については
率直に悔しい気持ちなのですが、まだまだ自分には課題がたくさんあるので、そこの課題を1個1個修正していけば全然勝てると思っています。その1回の勝利だけではなく、規模の大きな試合で海外の選手たちと戦って、そこで見つかった課題を練習でやっていき、少しでも日本一に近づけるように頑張っていきたいと思います。
――冬季練習で重点を置いていたところは
前半でけがをしてしまい、あまり(冬季練習が)積めていなかったので、持久力の面から入りました。あとはスピードをつけることと、春シーズンからは後半のハードルの部分を練習して、いかに自分のいきたい歩数でどちらの足がきても対応できるようにするという練習をしてきました。それがメインだったと思います。
――その成果を実感したのはどこでしたか
やはり静岡国際で、ラスト100メートルからハードルに向かっていくレースというのができたので、そこは生かせたなと感じました。
――関カレでの意気込みをお願いします
関カレは3連覇がかかっています。まずは自分のレースをしっかりすれば優勝は全然できると思うので、400メートルハードルでの目標は優勝です。あとは、マイルリレーで1位を取って、チームで1位を取りたいという強い思いがあります。
関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)、村上夏美(スポ2=千葉・成田)
――レースを振り返っていかがでしたか
関本 私の前が優勝した宇都宮さん(絵莉、長谷川体育施設)で、前半からずっと速い選手だとわかっていたので、離されてしまうというのはわかっていたんですけど、リードされても焦らないように自分のテンポをつくっていくというイメージでスタートしました。焦らずに行けたかなと思っています。これまで前半で力を使って後半持たないことが多かったので、今回は最初から最後まで流れをつくるというイメージで、全体を通してテンポで走れるようにというのを意識して行けました。静岡国際では歩数の切り替えの部分で脚が合わなくなって、そこで体力を消耗してしまって後半が持たないという状況だったので、今回は切り替えの部分を一番意識して、スムーズにやっていったら、すごくうまくいったというわけではないんですけど、静岡国際のときよりは流れで行けたので、それで最後まで押せて行けたかなと思いました。
村上 静岡国際の改善をしていくことが今回の目標でした。前半のスピードを意識しつつ、静岡国際では歩数の切り替えのところで詰まってしまう部分があったのでその修正をしていこうと思っていました。今回、前半は木南の競技場ということで風もあってまとめられたんですけど、内側の選手が宇都宮選手で、追い上げられた焦りだったり、最後の9、10台目のあたりでうまくまとめることができなかったりしたので、そこが次の関カレ(関東学生対校選手権)に向けての修正点かなと思いました。
――静岡国際から間二日でしたが、調子はいかがでしたか
関本 そんなに変わらず、静岡に向かうのと同じ感じの調子でした。特に疲れが溜まっていたというのはなくて、そのまま行けた感じはありました。
村上 そうですね。私も同じです。
――関本選手は自己記録、村上選手はシーズンベストとなりました
関本 自分のベストが高校2年生のときに出したときで、去年も調子は良く、走力も付いてきたので、ベストを出そうと挑んだ大会もあったんですけど、59秒の壁が結構あって、58秒に乗せることができませんでした。でも静岡国際で調子が上がってきて走れるようになってきていたので、ベストは出せるという自信を付けて臨めました。最低限ベストは出したかったので、それをクリアできて、素直にうれしいです。
村上 あまり調子が上がってこないという部分はあるんですけど、今回もシーズンベストということで、まずはちゃんと走れたというのはよかったと思います。でもまだ後悔する部分はたくさんあるので改善していかなければいけないと思います。
――冬季練習で強化してきたところはありますか
関本 私は去年の11月に肉離れをしてしまって二カ月ほど休んでいたので、あまり冬季練習を積めたという感覚はないんですけど、治った1月から3月までは練習で走り込んだりして、そこで取り戻してきたかなという感覚があります。
村上 体力は付いてきたかなと思うんですけど、冬季の練習を越えて、シーズン前に自分の中での課題が大きくあって、そこでつまずくことがありました。そのぶんをまだまだ取り返していかなくてはいけないと思います。
――トラックレースを積んできて、関カレに向けた手応えや感覚はつかんでいますか
関本 静岡国際、木南と間は短くて動きのイメージもしやすかったので、静岡国際でできなかった部分や失敗したなと思ったところを木南で修正することができました。あと二週間ちょっと、またきょう出た課題に取り組んでいって、この二回の感覚を忘れないように練習していければ関カレも走れるのではないかと思うので、体力付けて3本走ろうと思います。
村上 私は現状では不安のほうが大きいんですけど、先輩や関本が強くなっているぶん自分もがんばろうと感じているので、焦りや不安に負けずに関カレに向けてしっかり合わせていきたいと思います。
――では関カレでの目標をお願いします
関本 一番は早稲田3人(村上、関本、小山佳奈・スポ3=神奈川・橘)で表彰台を狙っています。良い記録を出してできるだけ良い順位を、とは思っているのですけど、やはり一番は3人で表彰台を独占をしたいなと思います。
村上 そうだね。表彰台。
関本 そうすれば、マイル(4✕400メートルリレー)にもつながってくると思うので、3人で独占するということは、それだけの走力も付いているということなので、マイルも視野に入れながらやっていきたいと思います。