本格的なトラックシーズンの幕開けとなる一戦、東京六大学対校大会が開催された。気温が20度近くまで上昇し、良好なコンディションの中でトラック・フィールド種目共に好記録が相次いだ。早大は3000メートル障害で吉田匠(スポ3=京都・洛南)が大会記録を更新し、4×400メートルリレー(マイル)でも大会新記録をマーク。男女合わせて11種目で優勝を果たし、男子は目標の総合優勝には手が届かなかったもののダントツのトラック優勝を遂げ、女子は総合優勝を収めた。今年度は『つながり』をスローガンに掲げている競走部。西久保達也主将(スポ4=埼玉・聖望学園)は「お互いがお互いに影響し合えるような関係性をつくっていきたい」と語る。関東学生対校選手権などの対校戦に加えてユニバーシアード競技大会やドーハ世界選手権といった国際大会が控えている今年度、エンジの戦士たちはどこまで活躍の幅を広げるだろうか。注目のシーズンが今始まった。
(記事 岡部稜)
★ルーキー三浦、対校戦デビューを優勝で飾る(短距離ブロック)
ルーキーながら優勝を飾った三浦
期待のルーキー三浦励央奈(スポ1=神奈川・法政二)が鮮烈な大学対校戦デビューを果たした。2018年国民体育大会100メートル5位など全国大会での実績を持つ三浦は、今春に入部したばかりだが、早速男子100メートルに出場。「10秒6台が出れば上出来と思っていた」と振り返るが、予選でいきなり自己新記録の10秒45をマークし、決勝へ進出する。「スタートが苦手」と言うが決勝では、スムーズなスタートで加速。中盤で抜け出すと周りの上級生らを置き去りにし見事優勝を果たした。さらに髙内真壮(スポ4=栃木・作新学院)も意地を見せ2位に食い込み、早大勢でワンツーフィニッシュを達成した。
男女400メートルではそれぞれ実力者たちが力を発揮。女子は序盤から独走態勢を築いた村上夏美(スポ2=千葉・成田)が最後までほとんど表情を変えることなくフィニッシュ。55秒台とこの時期としては好タイムをマークして優勝した。男子は小久保友裕(スポ3=愛知・桜丘)が2位、村木渉真(スポ3=愛知・千種)が3位と上位に食い込み、早大の総合得点に大きく貢献。特に小久保は「前半で力を使いすぎてしまった」と悔やむように、積極的なレースを展開したが、ラストの直線勝負で惜しくも敗れた。
シーズン最初の公式戦で上々の滑り出しを果たした短距離ブロック。期待の新入生の加入が競争を激化させ、チームは一段と強さを増していくだろう。今季の飛躍に期待がかかる。
(記事 斉藤俊幸、写真 宅森咲子)
★全種目で優勝!西久保は4連覇を達成(中距離ブロック)
(左写真)男子800メートルでワンツーフィニッシュを飾った西久保(右)と徳永。(右写真)1500メートル2連覇の飯島
男子1500メートルには飯島陸人(スポ4=茨城・緑岡)、齋藤雅英(スポ4=東京・早実)が出走。飯島は先頭付近、齋藤は集団後方につく。800メートル手前で飯島が先頭に躍り出し、ぐいぐいと引っ張り集団は縦に伸びる。齋藤ら後続を大きく離した状態でラスト1周へ。そのままリードを保ち、3分48秒75で優勝を飾った。齋藤は飯島のスパートに遅れた大きな4位集団で最後の1周を迎える。ラスト200メートルで猛烈なスパートをかけ、集団の他の選手を交わし3位でゴールした。
男子800メートルに挑んだのは徳永翼(人4=岡山操山)と、この種目4連覇のかかる西久保達也(スポ4=埼玉・聖望学園)。ユニバーシアードの標準記録突破を狙う西久保が序盤からレースを引っ張り、レースは縦一直線で進んでいく。徳永も西久保の後ろにつけた。二人は一度も他大選手を前へ出させることなくレースは終盤へ。ラスト150メートルで徳永が西久保の横に並び一騎打ちに。競り合いながらゴールし、西久保、徳永とワンツーフィニッシュ。西久保は4連覇を果たしての優勝となったものの、1分50秒18とユニバーシアードの標準記録に届かず、満足しきれないレースとなった。
女子800メートルには竹内まり(教4=愛媛・松山西中等)が登場。竹内は先頭をゆく立大の武藤桃香にぴったりとついてレースを進める。最後ホームストレートに差し掛かると前へ出た竹内は武藤をぐんぐんと引き離し、2分10秒82で優勝。最上級生の風格を見せつけた。
中距離種目はすべて早大の選手が優勝、次点の選手も好位置と幸先の良いシーズン初戦となった。
(記事 齋藤夏生、写真 斉藤俊幸、宅森咲子)
★吉田が大会新記録で優勝!MVPに(長距離ブロック)
好記録でゴールし、大きくガッツポーズを見せた吉田
日差しが強く照りつける中、最初の長距離種目である3000メートル障害が行われた。早大からは吉田匠(スポ3=京都・洛南)と大木皓太(スポ4=千葉・成田)が出走。スタート直後、吉田は前方、大木は後方に位置取りレースを進めた。この種目で関東学生対校選手権(関カレ)2連覇中の青木涼真(法大)が前に出ると、青木を意識していたいう吉田はぴったりと後ろにつく。すると残り1000メートル。「ロングスパートじゃないと勝てない」と考えた吉田は意を決して先頭に。その勢いは衰えることなくじりじりと青木を突き放し、自己記録を大きく更新する8分43秒91でゴールに飛び込んだ。「正直ここまで走れるとは思っていませんでした」(吉田)。驚きを交えながらも喜びをあらわにした吉田は、大会新記録も更新し、この日の最優秀選手に選出。今シーズンの目標である『ユニバーシアードの標準記録(8分40秒)切り』も現実的になり、関カレに向けて自信を深めた。後方からレースを進めていた大木は前の選手を拾っていき、周回を重ねるごとに徐々に順位を上げていく。ゴール直前まで前の選手に迫る粘りを見せ、見た目の順位で5番目にフィニッシュした。
5000メートルの対校戦に出走したのは、太田直希(スポ2=静岡・浜松日体)と宍倉健浩(スポ3=東京・早実)。太田直は序盤、明大の2選手のペースアップに対応し、岡原仁志(法大)に次いで4位でレースを進めた。3000メートル付近で村上純大(明大)を捉えると、一時は単独3位に浮上。しかし4000メートル手前で再び村上に追いつかれると少しずつ差をつけられ、そのまま4位でのゴールとなった。2000メートルすぎで7位に位置していた宍倉は、一周ごとに順位を上げ3000メートル手前で5位に。だがその後、4000メートルすぎで坪井慧(法大)に捉えられてしまう。なんとか追いすがり、最後の直線まで激しいデッドヒートを繰り広げたが一歩及ばず。6位に終わった。
主力選手にけがが相次ぎ、調整不足に泣いた日本学生ハーフマラソンから1カ月。5000メートルは物足りない結果に終わったが、この日の吉田の躍進は長距離ブロックの刺激になったことだろう。次に照準を合わせる関カレでは、長距離ブロックのさらなるジャンプアップに期待したい。
(記事 宅森咲子、写真 齋藤夏生)
★小山が優勝。男子は優勝逃すも期待感抱く結果に(障害ブロック)
110メートル障害で3位に入賞した勝田(左)と400メートル障害で自己記録を更新した山内
男子110メートル障害に出場したのは勝田築(スポ2=島根・開星)と金井直(スポ4=神奈川・橘)。決勝では前半で法大の吉間海斗、樋口陸人に先行されると追い上げも叶わず。勝田が3位、僅差で金井が4位でフィニッシュした。勝田は予選で向かい風の中で大学ベストとなる14秒24をマークし、決勝でも14秒2台でまとめた。今大会の目標としていた優勝と13秒台には届かなかったが、「去年よりは力が着実に付いているのかなという自信にはなっている」と手応えを口にした。金井も昨年の同大会よりもタイムを縮めており、来たる対校戦に向けての感覚をつかんだ初戦となっただろう。
400メートル障害でも力強い走りが光った。2年連続の出場となった小山佳奈(スポ3=神奈川・橘)は1台目から後続を置き去りにして独走態勢を築き、そのまま1着でゴール。昨年の日本学生対校選手権覇者の実力を見せつけた。男子は山内大夢(スポ2=福島・会津)とルーキーの後藤颯汰(スポ1=長崎・五島)が出走。着順で予選を通過し、臨んだ決勝では豊田将樹と高田一就の法大コンビが飛び出す展開に。それを追う形で二人共にレースを進める。300メートルまでに徐々に前に追い付いたが、残り100メートルで後藤は失速してしまう。一方、山内は力強いピッチを衰えさせることなく、最終ハードルを越えた残り40メートルで高田を逆転。自己記録を更新する51秒66で2位に食い込んだ。山内は高3のインターハイ以来の自己ベスト。さらなる躍進が注目される。
昨年度の主将を務め、早大の障害ブロックをけん引し続けてきた古谷拓夢(平31スポ卒=現鹿児島県体育協会)が卒業したが、今大会でその穴を埋めそうな兆しを見せた男子。女子も小山に加え、サブ種目の100メートル障害で3位に入賞した関本萌香(スポ2=秋田・大館鳳鳴)や、400メートルに優勝した村上夏美(スポ2=千葉・成田)といった強力なメンバーを擁しており、昨年果たせなかった関東学生対校選手権での表彰台独占も手の届く位置にある。『日本一のハードルブロック』の実現に向けて、選手たちはこれからもまい進していく。
(記事 岡部稜、写真 宅森咲子、齋藤夏生)
★走幅跳で男女アベック優勝。フィールドは充実の結果に(フィールドブロック)
走幅跳に2連覇を成し遂げた中村健(左)と棒高跳3位に入賞した平川
今大会、走幅跳で早大は男女アベック優勝を達成。男子は中村健士(スポ4=東京・調布北)が7メートル67を記録して勝利した。前週に初めて海外の大会に出場したという中村。その時は助走がうまくいかなかったというが、反省を元にこの試合では助走を改善し、見事好記録を出した。この結果について中村健は、「記録自体は悪くないと思いましたが、風もあったので、それを考えるとまだまだかなと思います」と話す。現役ラストイヤーとなる今年は8メートルを出したいと意気込んだ。一方の女子は、漁野理子(政経3=和歌山・新宮)が6メートル05をたたき出し、自己ベストを更新して優勝した。日本選手権の参加標準記録突破まではあと5センチであり、期待の持てる結果となった。
雨宮巧(社4=山梨・巨摩)はこの日二種目に出場。最初に参加した円盤投では専門ではなかったものの、健闘し2位に入った。主戦場の砲丸投では、1投目に14メートル42とまずまずの記録をマークする。しかし、昨年優勝した天野光汰(法大)が3投目に14メートル91を記録。ここまでを2位で折り返した。優勝する為には自己記録の更新が絶対条件という厳しい状況の中、5投目に放った砲丸は15メートル付近に。だが、記録は14メートル89。自己記録を6センチ更新したものの、天野の記録には及ばなかった。昨年と全く同じ、わずか2センチの差で優勝を逃し、2位に終わった。
棒高跳に出場したのは、この春入学したばかりの平川巧(スポ1=静岡・磐田南)。これが大学デビュー戦となったが、物怖じすることなく成功を重ねていく。だが、4メートル90センチを跳ぶことはできず。これを成功させれば自己ベストに並ぶ高さであっただけに、悔しそうな表情を見せたが、大学初戦としてはいい結果だといえるだろう。
早大はトラックが強いことで有名だ。しかし、少数精鋭のフィールドブロックもトラックに劣らない戦力を擁している。今後も対校戦などで結果を出し、『早稲田のフィールドここにあり』というところを見せつけていきたい。
(記事 金澤麻由、宅森咲子、写真 岡部稜、金澤麻由)
★2年ぶりの優勝を果たす(4×100メートルリレー)
2年ぶりの優勝を果たした早大。3走・三浦から4走の南山へのバトンパス
お家芸であるリレー種目での復活を果たしたい早大の4×100メートルリレーの今季初戦。昨年までのメンバーを軸に新星三浦を加えた布陣で挑んだ。1走佐野陽(スポ2=埼玉・立教新座)が得意のスタートで加速するとスムーズなバトンパスで2走、髙内へ。バックストレートは向かい風となったが粘りを見せ、なんとか2位で3走・三浦につないだ。対校戦男子100メートルで優勝を果たし勢いに乗る三浦は、慣れない3走ながらも力を発揮し、内レーンの法大を抜きトップに躍り出る。4走の南山義輝(スポ3=福岡・小倉東)は法大とデッドヒートを繰り広げ、最後は胸の差で制した。準備期間がわずかな急造チームであったものの、目標としていた優勝を果たした早大。さらに連携を深め、今季はより高いパフォーマンスを見せてくれるだろう。
(記事 斉藤俊幸、写真 岡部稜)
★1走から独走劇。7連覇を達成!(4×400メートルリレー)
前半から独走態勢を築いた早大。1走の村木から2走の小竹へのバトンパス
トラック最終種目の4×400メートルリレー(マイル)で、早大は3分8秒62という好タイムをマークし、従来の大会記録を約1秒更新。予選敗退を喫した昨秋の日本選手権リレー以来となる実戦で優勝を飾り、幸先の良いスタートを切った。
1走の村木渉真(スポ3=愛知・千種)はのびやかな走りを見せ、300メートル付近で外側を走る慶大をとらえる。トップでバトンを受け取った2走の小竹理恩(スポ2=栃木・佐野)は前半差を詰められたものの、2位を走っていた法大を最後の直線で引き離した。続く小久保友裕(スポ3=愛知・桜丘)は、ホームストレートに入ってから加速し、後続との差を広げてバトンパス。アンカーには、400メートルへの出場を回避していたエース・伊東利来也(スポ3=千葉・成田)が満を持して登場した。昨年の日本選手権第3位の実力を見せつける走りで、後続を寄せつけることなくゴールへ。1走から一度もトップを譲らない圧巻のレースだった。
今季、男子マイルチームは3分4秒62の早大記録更新に加え、関東学生対校選手権、日本学生対校選手権、日本選手権リレーの三冠を目標としている。昨秋と同じ顔ぶれが、一皮むけた走りで雪辱を果たせるか。お家芸復活へ、期待が高まる。
(記事 町田華子、写真 齋藤夏生)
結果
▽男子100メートル
予選
三浦励央奈 10秒45(+0.6)(1組1着)自己新記録
髙内真壮 10秒82(+0.2)(2組1着)
決勝(-0.2)
三浦 10秒66(1位)
髙内 10秒79(2位)
オープン
佐野陽 10秒73(+2.4)(1組4着)
南山義輝 10秒62(+1.6)(2組2着)
山下和也 10秒99(+1.0)(3組1着)
▽男子400メートル
予選
村木渉真 47秒92(1組2着)
小久保友裕 47秒44(2組1着)
決勝
小久保 47秒26(2位)
村木 47秒45(3位)
オープン
小竹理恩 47秒97(1組1着)
高柿裕斗 48秒21(1組3着)自己新記録
▽男子800メートル
決勝
西久保達也 1分50秒87(1位)
徳永翼 1分51秒04(2位)自己新記録
オープン
松江洋明 2分04秒71(1組4着)
▽男子1500メートル決勝
飯島陸斗 3分48秒75(1位)
齋藤雅英 3分52秒54(3位)
オープン
島村英治 途中棄権
▽男子5000メートル決勝
太田直希 14分44秒83(4位)
宍倉健浩 14分50秒30(6位)
オープン
鈴木創士 14分28秒43(1組6着)
伊澤優人 14分28秒80(1組7着)自己新記録
渕田拓臣 14分36秒94(1組10着)
三上多聞 14分42秒20(1組13着)
向井悠介 14分45秒07(1組15着)
遠藤宏夢 14分55秒78(1組21着)
室伏祐吾 15分05秒55(2組10着)
河合陽平 15分08秒72(2組12着)
山口賢助 15分11秒91(1組27着)
佐藤皓星 15分16秒95(2組15着)
本郷諒 15分18秒26(2組17着)
茂木凛平 15分23秒84(2組21着)
茂原將悟 15分43秒26(2組27着)
▽男子110メートル障害
予選
金井直 14秒55(+1.5)(1組2着)
勝田築 14秒24(-2.5)(2組1着)
決勝(-0.7)
勝田 14秒28(3位)
金井 14秒30(4位)
▽男子400メートル障害
予選
後藤颯汰 53秒80(1組1着)
山内大夢 51秒74(2組2着)
決勝
山内 51秒66(2位)
後藤 54秒23(6位)
オープン
岩井郁也 55秒32(1組4着)
▽男子3000メートル障害決勝
吉田匠 8分43秒91(1位)大会新記録、自己新記録
大木皓太 9分07秒56(4位)
▽男子4×100メートルリレー決勝
早大 (佐野―髙内―三浦―南山) 40秒30(1位)
▽男子4×400メートルリレー決勝
早大 (村木―小竹―小久保―伊東) 3分08秒62(1位)大会新記録
▽男子棒高跳決勝
平川巧 4メートル80(3位)
▽男子走幅跳決勝
中村健士 7メートル67(+2.3)(1位)
岡本和茂 6メートル85(+2.5)(7位)
オープン
林裕之 6メートル93(-0.7)
▽男子砲丸投決勝
雨宮巧 35メートル84(2位)
▽男子円盤投決勝
雨宮巧 14メートル89(2位)自己新記録
▽男子対校得点
総合
早大 145点(2位)
トラックの部
早大 115点(1位)
フィールドの部
早大 30点(5位)
▽女子100メートル決勝(+0.6)
兒玉彩希 12秒70(3位)
▽女子400メートル
決勝
村上夏美 55秒81(1位)
オープン
本池響 58秒31(1組2着)
中村巴南 58秒54(1組3着)
▽女子800メートル
決勝
竹内まり 2分10秒82(1位)
オープン
藤崎紗羅 2分17秒37
▽女子100メートル障害決勝(-0.3)
関本萌香 14秒33(3位)
▽女子400メートル障害決勝
小山佳奈 1分00秒46(1位)
▽女子走幅跳
決勝
漁野理子 6メートル05(+0.5)自己新記録
オープン
吉田梨緒 5メートル88(+1.6)
▽女子対校得点
早大 15点(1位)
コメント
西久保達也主将(スポ4=埼玉・聖望学園)
――きょうのレースプランは
まず、ユニバーシアードの選考が静岡国際までということで、やはりこの六大学対抗戦でも標準記録突破を目指してハイペースなレースにしたいなというふうに考えていました。
――実際のレースはいかがででしたか
明治の選手が出るのはわかっていたので、それにくっついて行くプランで、1周目は52秒くらいで入るレースプランだったんですけど、最初結構間が空いてしまって、相手を利用できずに自分の力で行ってしまったので、それが後半に響いてしまったかなと感じています。
――優勝されましたが満足はできていないのでしょうか
そうですね。終わってみて、一応4連覇できたというのはある意味自信にはなったんですけど、今回は結構記録を狙っていた試合だったので。次の静岡国際で切らなければいけないっていう意味で結構プレッシャーにはなってくるかなと感じているので、そういった部分で今回はもう少しやれたのかな、やらなければいけなかったのかなと反省もしています。
――静岡国際に向けて、練習で意識していきたい点はありますか
練習においては、今季はあまり立ち上がりがうまくいっていない感じが自分でしていて、冬季は結構距離踏んでいたんですけど、ところどころけがしてしまったり体調を崩してしまったりといまいち踏めてなかった部分もあって、その結果なかなか立ち上がりのところでスピードが出なかったりしています。下積みから作り直して、気温も高くなっていきますので、今400の人たちの胸を借りながらスピードを出せていけたらなと思っています。
――最後は徳永翼選手(人4=岡山操山)と競り合い、ワンツーフィニッシュでした
正直2番手に徳永が来ているということもわかっていなかったので、最後結構勝ちにこだわってしまってばちばちしたんですけど、チームの中でそういった存在がいるっていうのはプラスになると思います。これにまた飯島(陸斗、スポ4=茨城・緑岡)であったり、今回出ていない下級生なんかも絡んでいくいい雰囲気で練習を、次の関東インカレなどまでにしていけるのかなと思うので、ブロックとしてはいい手応えを感じています。
――きょうのチームの結果を、主将としてどのように受け止めていますか
六大学優勝を目標に掲げてやって来た中で、僅差で負けてしまったという部分がチームとしてまだまだ足りない部分があったのかなと、改善点が多く見つかったのかなという風に感じています。ただチームとして自己新記録を出した者が結構いまして、対抗戦の中で自己新記録が出るというのは個々としていい自信になったかなと思うので、それを今度はチームとして、チームの流れに活かしてほしいなと思っています。
――今年の部の『つながりを深め、強い早稲田の復活へ』というスローガンに向けてどのようにアプローチしていきますか
『つながり』という言葉をスローガンとしてやっていまして、選手同士のつながり、コミュニケーションをもっと大切にしていこうという意味と、個人競技でありながらも団体戦を戦っていく中で個人個人の結果がお互いの結果につながっていくようなチームをつくっていきたいなと思っているので、まずはもっと同級生であったり、下級生もそうなんですけど、お互いがお互いに影響し合えるような関係性をつくっていきたいなと思います。あとは、個人個人の走力、実力を上げていくことです。試合のキーマンだけでなく、まだなかなか活躍していない選手たちの頑張りもチームにプラスになってくると思うので、そういった人たちをどうやったら強くしていけるかというのを考えながらやっていきたいと思っています。2番手、3番手が強くなっていくようなチームにしていきたいなと思っています。
――現在のチームの状態は
シーズンの立ち上がりとしては悪くないのかなという風に感じていて、今回もそこまで悪かったという選手もあまりいないのかなと思っています。駅伝が昨年あまりうまくいかなかったのと、リレーも最後うまくいかなかったという部分があるので、そこを今後どうしていくか。今回は4継とマイルで優勝することができましたけど、結局それも出る4人だけじゃなくて底上げをしていかなければいけない部分だと思いますので、そういった選手たちが今後どう強くなっていくのか、どう強くしていけるのかという点ではもっと改善できるかなと思います。
――最後に、ご自身の今シーズンの目標を教えてください
ユニバーシアードに出場することです。今年は学生最後として、たぶん競技人生としても最後の1年になるかなと思うので、自己ベストの1分46秒台を出して終わりたいなと。日本選手権でも昨年2位だったので最後川本さん(奨、スズキ浜松AC)になんとか勝っていい締めくくりができればなと思っています。
中村健士(スポ4=東京・調布北)
――きょうの調子はいかがでしたか
調子自体は天気も良かったので、とても良かったです。
――記録が出たのは1回目でした。どのような心境でしたか
とりあえず安心しました。1本目で決めたい気持ちはあったので、とりあえずそこで安心して。ただそれ以降につなげられなかったことは残念でしたね。
――2回目以降はどのようなお気持ちで臨まれましたか
1本目に少し合わせていったところはあったので、(2本目以降は)少し攻めていこうと思って臨みましたが、少し合わなくて。なので2本目以降は(記録を)伸ばすことができませんでした。
――7メートル67センチという記録でしたが、きょうの結果についてはどう感じられていますか
記録自体は悪くないと思いましたが、風もあったので、それを考えるとまだまだかな、と思います。
――先週は海外の試合に出られたということですが、いかがでしたか
初めてでとても緊張したところはありました。先週の海外での試合では助走がすごく合わなくて。それを課題としてきょうは臨んだので、その点はうまくいって良かったです。
――きょうは助走がうまくいったということでしょうか
そうですね。1本目からうまくいきました。
――一週間でどのような対策をされましたか
前回の失敗経験があったことが、きょうにつながったと思います。意識としては変わっていないのですが、先週の経験があったからこそきょうがあったのだと思います。
――今年がラストイヤーとなりますが、目標をお願いします
記録としては8メートルを目標にしています。また、日本選手権、関東インカレ(関東学生対校選手権)、全日本インカレ(日本学生対校選手権)での3位以内を狙っています。あとは、早慶戦(早慶対校競技会)で必ず優勝しようと思っています。
小久保友裕(スポ3=愛知・桜丘)
――今大会の400メートルにはどのような目標を掲げて臨みましたか
先週のシンガポールオープンで静岡国際の標準を突破したので、上がり調子であることを踏まえて臨んだんですけど、うまくはまらなかったので、静岡ではしっかり結果を残してユニバーシアードに出たいと思います。
――冬の間に特に強化したところはありますか
特にはないんですけど、不真面目で結構練習サボりがちだったので、人並みに練習しました。
――予選は2着に0.5秒ほどの差をつけましたが、余裕を持った走りでしたか
そうですね。
――決勝の47秒26というタイムはどのようにとらえていますか
例年に比べるとタイムの起き上がりが早いので、プラスにとらえています。
――決勝で競っていた慶応の選手に46秒台を出されましたが、相手との差はどのように感じていましたか
前半スピードを抑えることができなくて、力を使ったレースになってしまったので、そこをうまく改善すれば勝てたかなというのはあります。
――前半力を使ってしまうというのは、ご自身の癖なのでしょうか
癖というよりは、レースの1時間前に走りを変えた影響かなと思います。新しい走りがうまくはまれば自ずと結果は出てくると思います。
――今大会のマイルの目標を教えてください
マイルは、チームとしての走りを意識していて、今シーズンはチームにどのような影響を与えられるかということを意識して走るようにしています。
――大会記録更新は目指していましたか
大会記録は特に意識していなかったです。
――この時期に3分8秒62という記録が出たことについてどのようにとらえていますか
3分4秒の早稲田記録を更新するための大きな一歩になったかなと思います。
――マイルメンバーの状態は万全でしたか
そうですね、よかったです。
――マイルは本日3本目の400メートルでしたが、疲れはありましたか
あまりなかったです。冬を越して全体的に持久力がついたと思います。
――前半落ち着いて入って後半引き離す走りを狙っていたのですか
早稲田のリレーは後半勝負というのが醍醐味なので、2走から4走はそれを意識して走ったと思います
――マイルチームとして今シーズンの今後の目標を教えてください
大きくは早稲田記録更新というのがあります。あとは全日本インカレ、関東インカレ、日本選手権リレーの三冠を目標としています。
吉田匠(スポ3=京都・洛南)
――率直なお気持ちをお聞かせください
正直ここまで走れるとは思っていなかったので素直にうれしいという気持ち半分、8分40秒(ユニバーシアードの標準記録)というのをひとつ今シーズンの目標にしていたので、その記録に近づいてはいたんですけど足りなかったというところで、もっと頑張らなくては駄目だなという気持ちがあります。
――きょうは8分40秒という記録を意識されていたのでしょうか
トラックシーズン初戦ということもあったので、目標としては8分50~55秒切りくらいを出せたらなという気持ちでいきました。8分50秒が日本選手権の標準記録になるので、その記録を意識はしていたんですけど、ここまで走れるとは思っていなかったので、目標より大幅に更新できて、そこはうれしかったです。
――序盤から前方でレースを進めていました。振り返っていかがでしょうか
青木さん(涼真、法大)が力のある選手なので、そこがターゲットになるなと思っていました。最初の方から青木さんが前に出ていたので絶対離されずに、この人には勝ちたいと思ってレースを進めていて、誰も出なかったら自分が出ようと思っていたんですけど、青木さんがちょうど出たのでついていくかたちになりました。
――2000メートル付近で先頭に出ました。余裕があったのでしょうか
そうですね。走る前から決めていたというよりは、走っている中でどこかで前に出たいなと思っていました。でも僕自身ラストスパートにそんなに自信があるわけではないので、出るならロングスパートじゃないと勝てないなという気持ちがあって。そう思った時に残り1000で青木さんが思ったより上がらなかったので前に出れるんじゃないかなと思って出て、それがうまくいった感じですね。
――そのまま先頭でゴールされて、ガッツポーズも見られました
今回は内水濠のレースになったので、いつもとペース感覚が違っていました。残り1周のタイムが7分38くらいで、いつもの感覚だったらだいたい速くても1周70秒はかかるので、最終的に8分50秒切れたらなくらいの感覚で残り1周にいったんですけど、帰ってきたら37、38秒とかで、思ったより10秒速かったのでアレと思って(笑)。その思ったより速かったという思いのガッツポーズと、やっぱり優勝できたこととか、いろいろな思いがあったんですけど、率直にうれしかったので出たガッツポーズでした。
――関東学生対校選手権(関カレ)覇者の青木選手に勝ちましたね
そうですね。あと法大の人見(昴誠)も一個下なんですけど強い選手だったので、人見と青木さんあたりが強い選手で前にくるかなと思って意識していました。でもやっぱり青木さんが持ちタイムもそうですし、一番力のある選手だと思っていたので、負けるかもしれないけど負けるなりについたりとか、良いかたちのレースにしたいと思っていて、できれば勝つくらいの感覚でした。まさか勝てるとは思っていなかったので、そこはよかったなと思っています。
――最優秀選手賞も受賞されましたが、その点についてはいかがですか
少しは意識していました(笑)。僕自身がというより周りが言ってきたんですけど(笑)。僕の種目以外大会新記録がなかなか出てこなかったので、もしかしたら選ばれるんじゃないかなと思ってたんですけど、改めて実際に呼ばれた時に実感したというか、よかったなと思いました。
――日本学生ハーフマラソン選手権(立川ハーフ)の時に、復調具合は7、80パーセントぐらいだとお聞きしましたが、今はいかがですか
立川ハーフはポイント練習を初めて2、3週間くらいだったので、まだまだという感じのレースだったんですけど、そこから1カ月くらい経って、3月は合宿も挟んで練習量が稼げましたし走り込みもしっかりできたので、体力面はもちろん戻ってきました。でもやっぱりトラックシーズンは体力面というよりスピードなどが大事になってくると思うので、そういう面から見たら体力とスピード共に良くはなってきてはいるんですけど、まだまだ伸ばせるところがあると思っています。あと、きょうはシーズン一発目のレースが良かったんですけど、一昨年も一発目の東京六大学対校と次の週の早大長距離競技会の調子がすごく良くて、そこからタイムが伸びないということを経験しているのでここがピークにならないように。関カレや全日本大学駅伝対校選手権の予選会とかも入ってくるので、3000メートル障害だけじゃなくて、1万メートルも走れたらなと思います。
――次は関カレでしょうか
そうですね。日本体育大学長距離競技会で1万メートルに出たりとか、法政大学競技会の3000メートル障害に出るかなという予定は一応あるんですけど、大きいのは関東インカレなので、まずはそこに合わせていきたいなと思っています。
――関カレの具体的な目標はありますか
ここまできたら優勝を狙いたいと思います。兵庫リレーカーニバルなどに出ない分、出たい大会の一つと考えているユニバーシアードに向けてのアピールが少なくなるので、出るためには関カレ優勝くらいのインパクトが必要だと思っています。東海大の阪口(竜平)さんとか、青木さんもそうですし、他にも強い選手はいっぱいいて、みんな8分30秒台ぐらいの自己ベストを持っているので、そういう選手にどう勝っていくかというのと、そういう選手に勝てばユニバーシアードの標準である8分40秒も切れると思うので、優勝を目指して、タイムとともに順位もついてきたらなという感じです。
勝田築(スポ2=島根・開星)
――きょうのレースの目標は
対校戦なので優勝と、今後につながる13秒台というのを目標にしていたんですけど、なかなかうまく行かず、でした。
――ただ予選で向かい風2.5メートルの中で14秒2台が出たことに関してはいかがでしたか
実際そんなに(風を)感じたわけではなかったんですけど、進まないなという感覚はあって。その中でも隣の樋口(陸人、法大)とうまく競り合いながら走ることができました。あの風の中であの記録が出たことは自信になりました。
――決勝のレースに関してはいかがでしたか
決勝は反応が遅れてしまって。1台目を遅かったというか、のそっと入ってしまった感覚があって、その時点で法政の二人に置いて行かれてしまいました。そこで焦ってしまって、後半で持ち直せなかったのは今後の課題です。
――久々の14秒2台を2レース連続で出しました
去年は全然思ったようにいかなかったんですけど、去年よりかは力が着実に付いているのかなという自信にはなっていると思います。
――冬季や春の練習で動きを変えてきた部分などはありますか
動きを変えたというよりは意識のことで、僕は抜き脚が(ハードルに)当たってしまうので、踏み切りのところだけを意識してなるべく遠くから踏み切るということだけを意識していたらだんだん課題の改善が出来てきているのかなと思います。
――今季の目標をお願いします
今季は両インカレ(関東学生対校選手権、日本学生対校選手権)で表彰台というのと、記録の面では13秒69を目標にしています。
三浦励央奈(スポ1=神奈川・法政二)
――予選で自己ベストを更新しましたが今の気持ちは
3日前くらいまであまり感覚は良くなかったのですが昨日からきょうで楽に走れる感覚がつかめてきて、それがきょうの予選でも発揮できたので良かったです。
――新たな環境になる中でここまでどのようなトレーニングを積んできましたか
3月の終わりに早稲田大学の一員として鹿児島合宿に行くまでは(母校の)法政二高で練習していたので、まずは高校3年間で積み上げてきた成果があらわれたと思っています。まだ環境の変化はあまりありませんが、これから新たな環境にどう適応して、この環境でどう成長していくかが重要だと思っています。先輩方の力もお借りして頑張っていきたいと思います。
――決勝でも周りは上級生という中で優勝という結果を残しました
元々スタートが苦手で、その分後半に自信のあるタイプなのですが、きょうはスタートして2〜30メートルでトップが射程圏内にあり、このまま力むことなく走れば必ず1着がとれるという感覚がありました。内容的には自分の思い描いていたレースプラン通りにいきました。
――4継でもチームとして優勝を果たしました
チームの目標は優勝することだったので結果については良かったと思いますが、その反面タイムはあまりよくありませんでした。もちろん自分も含めて、それぞれが修正すべき点があったと思うのでそこを修正して次はさらに上を目指したいと思います。
――きょうはどのような目標を持って臨みましたか
10秒56が自己記録だったのでそれくらい、もしくは時期的に10秒6台が出れば上出来かなと思っていましたが、ウォーミングアップの時から、もしかしたら、という感覚があったので力が着実についてきていると実感できた良い試合になりました。
――ここから状態がさらに上がっていくと思いますが今後の目標は
次の試合は静岡国際の200メートルになるのですが、そこでしっかり決勝に残ってユニバーシアードの代表に選ばれることを目標に、期間は短いですがその期間でできることをやって備えたいと思います。