ロードレースシーズンの締めくくりとして位置付けられる日本学生ハーフマラソン選手権が東京・立川で開催された。今回は7月にイタリアのナポリで開催される第30回ユニバーシアード競技大会の日本代表選手選考会も兼ねて行われ、世界大会の切符を巡って高速レースが展開。優勝した相澤晃(東洋大)をはじめ3人が1時間1分台をマークするハイレベルな結果となった。また、開催地の立川は東京箱根間往復大学駅伝(箱根)の予選会の会場として使用されてきており、『プレ予選会』という点からも、早大は「チーム全員で狙うべきターゲットレース」(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)として挑んだが、主力メンバーを中心に欠場者が相次ぐ状況に。三上多聞(商3=東京・早実)が自己新記録となる1時間3分46秒を叩き出し気を吐いたものの、チーム内2番手以降は1時間5分台にとどまる結果となった。
先頭集団が5キロを14分38秒で通過するハイペースの展開となった中、早大勢は吉田匠(スポ2=京都・洛南)ら5人が14分台のラップを刻む。「スピードで突っ込んでいく練習というよりもイーブンペースで刻んでいく練習を重視してやってきた」と話す三上はその言葉通り1キロ3分のペースを確実に守ってレースを進めた。10キロを29分55秒と1万メートルの自己記録に近いタイムで通過すると15キロも45分0秒でペースを落とさない。20キロまでの5キロこそ15分27秒にとどまったが、残り1キロは再び3分ペースに戻し、自己記録を1分以上更新する1時間3分46秒でチーム最上位の30位でフィニッシュ。4月から最上級生となる三上は学生三大駅伝や対校戦に出場し、「結果で恩返しできるようなシーズンにしていきたい」と語った。Bチーム選手の躍進はチーム全体にとって大きな刺激となったに違いない。
チームトップの1時間3分46秒でフィニッシュした三上。ラストイヤーの奮起に期待がかかる
下級生を中心に、初めてのハーフマラソンに出走した選手も多かった早大。その中でも存在感を見せたのが山口賢助(文1=鹿児島・鶴丸)だ。「前半は抑えて、後半のラスト5キロからペースを上げていく」ことを考えながらレースに臨んだ山口は、5キロはチーム7番目で通過。その後は多くの早大の選手がラップタイムを落としていく中で、5キロを15分30秒前後のペースで粘りの走りを見せる。徐々に順位を上げていき、ラストも踏ん張ってチーム内2番手でゴールした。目標としていた1時間4分切りのタイムには届かず、納得のいかない表情を浮かべた山口だったが、箱根前のけがから復帰して3カ月でのレース。「これをきっかけとして、トラックシーズンにしっかりとレベルアップをしていけたら」と今後のレースを見据えていた。
山口(右)は目標の1時間4分切りこそ届かなかったが、着実なペースを刻んでチーム2番手を確保した。左はハーフマラソン2戦目となった向井悠介(スポ1=香川・小豆島中央)
今年は『全日本(全日本大学駅伝対校選手権)・箱根3位、予選会トップ通過』を目標に掲げている長距離ブロック。しかし、今大会では主力選手を中心に調整不足が露呈した。また他大学の牙城も分厚い。予選会で戦うであろう東京国際大は5人が今大会で1時間5分切りをマークしており、本戦では青学大や東海大、東洋大などの有力校を超えなければ3位は見えてこない。とはいえ、「けがを減らそう」と箱根後から取り組みを変えてきており、現在のところでは故障者がゼロの状態であるという。チームの状態が上向きになってきているのは確かだ。「それぞれが感じた危機感や悔しい思いをしっかりかたちにしてトラックレースにつなげていけるように、チーム全員で変わっていきたい」(相楽駅伝監督)。今大会でロードレースシーズンも終わりを迎えた。この結果を糧に、来たるトラックシーズンでの早大の躍進に期待したい。
(記事 岡部稜、写真 宅森咲子、斉藤俊幸)
結果
▽ハーフマラソンの部(大学男子)
三上多聞(商3=東京・早実) 1時間3分46秒(30位)自己新記録
山口賢助(文1=鹿児島・鶴丸) 1時間5分02秒(90位)自己新記録
吉田匠(スポ2=京都・洛南) 1時間5分13秒(103位)
向井悠介(スポ1=香川・小豆島中央) 1時間5分17秒(107位)
太田直希(スポ1=静岡・浜松日体) 1時間5分24秒(124位)自己新記録
遠藤宏夢(商3=東京・国学院久我山) 1時間5分42秒(148位)
伊澤優人(社3=千葉・東海大浦安) 1時間5分45秒(155位)
佐藤晧星(人1=千葉・幕張総合) 1時間7分15秒(287位)自己新記録
黒田賢(スポ2=東京・早実) 1時間7分26秒(300位)自己新記録
河合陽平(スポ1=愛知・時習館) 1時間9分11秒(433位)自己新記録
茂原將悟(法1=群馬・高崎) 1時間10分06秒(507位)自己新記録
茂木凜平(スポ1=東京・早実) 1時間12分09秒(594位)自己新記録
太田智樹(スポ3=静岡・浜松日体) 棄権
尼子風斗(スポ3=神奈川・鎌倉学園) 棄権
大木皓太(スポ3=千葉・成田) 棄権
新迫志希(スポ3=広島・世羅) 棄権
真柄光佑(スポ3=埼玉・西武学園文理)棄権
宍倉健浩(スポ2=東京・早実) 棄権
住吉宙樹(政経2=東京・早大学院) 棄権
渕田拓臣(スポ2=京都・桂) 棄権
本郷諒(商2=岡山城東) 棄権
森田将平(スポ2=広島・修道) 棄権
久保広季(人1=早稲田佐賀) 棄権
千明龍之佑(スポ1=群馬・東農大二) 棄権
半澤黎斗(スポ1=福島・学法石川) 棄権
室伏祐吾(商1=東京・早実) 棄権
コメント
相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)
――きょうのレースの位置付けは
箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝)予選会の舞台になるであろうところなので、10月の本番の前に、ここのコースをチーム全員が経験しておくというところと、ユニバーシアードの選考会もかかっていたので、年が明けた時点でチーム全員で狙うべきターゲットレースとして準備をしてきました。
――しかし、今回は欠場者が多くなってしまいました
情けないですけど、年が明けてある程度休養も取れたと思っていたのですが、1月から故障者が非常に多くて、1月2月でチームの半分近くが故障している状態でした。きょうで言えば、箱根に走った3年生以下で残っている8名のうち出走できたのが太田直希(スポ1=静岡・浜松日体)だけなので、主力が故障してこの試合に合わせられなかった、準備不足だったというのが正直なところですね。
――出場したメンバーのきょうの結果をご覧になっていかがでしょうか
年が明けて「変わろう」ということで、それぞれがいろいろな課題に取り組んできて、青梅マラソンを使ってここに来るメンバーがいたり、ここ一本で、初めてのハーフに向けて、という者もいて、メンバーによって狙う位置付けはバラバラだったんですけど、その中で三上(多聞、商3=東京・早実)が自己ベストを出して走れたというのは、彼が今までやってきた努力をみんな知っていますから、それはチームに勇気を与えたというか、彼にとってもチームにとっても収穫だっただろうと言えると思います。ただ逆の側面で言えば、本人にも言いましたけど、他の学校の主力が出ている中で、順位は決して良いものではないので、それはチームとしては新しい戦力が出てきたのを喜んでいるだけではいられないと思いました。
――Bチームの様子について、相楽駅伝監督から見るといかがでしょうか
主に下級生が多くて、初ハーフということで、いろいろみんな手探りでやってきた中で、決して目標としていたタイムや順位に届いた選手は多くはなかったんですけど、経験値を積めたことがよかったと思いますし、それぞれが課題を設定していて、それに向けてはしっかりチャレンジしていましたので、レースの結果や内容を踏まえてトラックレースにどうつなげていくのかが大切だと思います。
――20キロの距離の観点で、チームの現状の出来具合はいかがでしょうか
きょう、この狙っているレースに半分以上主力が出られていないので、決してこの3カ月間は良くなかっただろうと言えると思いますが、年が明けてからけが人を減らそうと言って、取り組みを変えている中で、きょうの時点で故障者がゼロになってきています。調整が遅れてしまっていることに関しては問題だと思いますが、一方ではチームが右肩上がりに動き出したのは間違いないので、きょうの結果を受けて、それぞれが感じた危機感とか悔しい思いをしっかりかたちにしてトラックレースにつなげていけるように、チーム全員で変わっていきたいと思います。
――今年の長距離ブロックの目標が『全日本(全日本大学駅伝対校選手権)、箱根3位、予選会トップ通過』と伺いました
きょうの結果からしたら、まだまだ程遠いとみんな感じていると思います。ただ十分ではないですが時間もあるので、自分たちが変わっていって、そこの目標に対して妥協しないでしっかりチャレンジしたいと思います。
――今年は予選会が二回あってこれまでと違ったアプローチになると思いますが、それに向けてどのように考えていますか
全日本の予選会は4年前に経験していますが、箱根の予選会は13年ぶりになって、昨年までとはいろいろなところが変わってきますが、そういうところも去年までの自分たちの甘えていたところなどを考え直す良いきっかけになると思うので、予選会があること自体は苦しいことですけど、そのチャレンジやそこまでのプロセスが自分たちを変えてくれるいいチャンスだなというふうに前向きに捉えてがんばっていきたいと思います。
三上多聞(商3=東京・早実)
――このレースの位置付けは
1月からはチーム全体で、プレ予選会という位置付けでこの立川ハーフ(日本学生ハーフマラソン選手権)を目標にしてやってきたので、ここで1つその成果を出すということを目的にしていました。
――63分台という記録についてはどのように捉えていますか
記録については、僕が目標にしていたのが64分切りだったのでそこは達成できたことは良かったと思います。その一方で他大学を見てみると複数選手が上位でゴールしたりタイムも63分を切る選手も多くいたのでまだまだこれに満足することなく上を見てやっていかないといけないと感じています。
――自己ベストを約1分更新し自信にもなったのではないでしょうか
1月から順調に練習を積むことができていて、質の高い練習メニューでも比較的余裕を持ってこなすことができていたので、これくらいのタイムは出るだろうという気持ちも持っていましたし、レース前もネガティブになることなくポジティブな気持ちを持ってレースに臨めました。
――5キロ15分前後のペースで推移していきましたがその辺りは何か意識していましたか
僕は今Bチームなのですが、そのBチームのやってきた練習というのがスピードで突っ込んでいく練習というよりもイーブンペースで刻んでいく練習を重視してやってきたので、それを今日も練習通りやろうということで、あえて自分の感覚で1キロ3分を刻むペースで走ったのである程度想定通りの走りはできました。
――駒野亮太長距離コーチ(平20教卒=東京・早実)とはどのようなお話をされましたか
駒野さんからはこの結果に満足することなく、ここからさらにもう一皮、二皮向けた選手になって欲しいということを言われました。自分もそのつもりでいるので、また切り替えて挑戦者としてまたやっていこうと思います。
――ラストイヤーとなる今季はどのようなシーズンにしたいですか
まずはとにかく自分自身が悔いの残らないようなシーズンにしたいと思っています。また、陸上を始めて10年目になるのですが、これまで沢山の方々に支えてきてもらっているので、その方達に結果で恩返しできるようなシーズンにしていきたいと思っています。僕を応援してきて良かったと思ってもらえるような結果を今シーズンは残したいです。箱根(東京箱根間往復大学駅伝)などの駅伝ももちろんそうですが、早大競走部は長距離だけのチームではないので、やはり対校戦などで主力となって結果を出して、競走部にも貢献していきたいと思います。
吉田匠(スポ2=京都・洛南)
――けがをされていましたが、現在復調具合はいかがですか
痛みなどはもうないので、走ることに支障はありません。ですが、復帰してからあまり時間が経っておらず、体力的に戻り切っていなかったことが今回のレースに響いたのかなと思います。
――体力面での復調具合としては何パーセントでしょうか
体力面では7、80パーセントくらいですかね。
――きょうのレースの位置付けをお願いします
チームとして、箱根が終わってから2カ月後にある立川ハーフに全員で合わせていこうとしてきました。そして、個人としてもチームとしても他大学と戦う一つの大事な大会という位置付けで2カ月戦ってきました。
――箱根の予選会と同じ距離での戦いでした
今回3回目になるのですが、3回走った中でも一番状態の良くない中でのレースだったので、正直どうなるかわかりませんでしたし、自信もありませんでした。その中でも自分の出せる力を全部出そうとしたレースだったのでした。タイムでいうと自己ベストからも遠く、そんなに良くないタイムでした。前半を結構早いペースで入るという課題を持って挑んで、途中でたれてしまったのですが、最初の6キロくらいは結構いいペースで入ることができたので、そういう面では収穫があったのかなと感じています。
――目標タイムは
目標タイムとしては一応自己ベスト、63分55秒を出せればと思っていたのですが、途中からきついな、と感じていました。なので、もし自己ベストを出せなくても、何か収穫を得られるような走りをしようと思っていました。
――けが明けということが響いたということでしょうか
そうですね。まだポイント(練習)を始めたばかりだったので1カ月経たないくらいなので。そういうことを言い訳にするのは良くないのですが、まだ戻り切っていないことが原因だと思います。
――ロードシーズンを振り返っていかがですか
箱根に向けてはいい練習を積めていましたが、けがで箱根は出られなくて。箱根後は立川、立川とみんななっていて、僕自身も立川に出ることは決めていたものの万全な準備はできなくて。本当に出られるのかななどという不安を抱いてきょうを迎えました。けがからの復帰後はしっかりと距離を積めたと思うので、トラックシーズンにつながるロードシーズンになったのかなと今では言えます。ただその、ロードシーズンの締めくくりである立川で結果を残すことができなかったので、そこは悔しい気持ちがあります。なので、その悔しい気持ちを持ってトラックシーズンでは頑張っていきたいです。
――今年度全体を振り返っていかがでしたか
トラックシーズンは比較的調子が良く、色々な大会で結果を残すことができたので良かったです。しかし、三大駅伝全てを走るという意気込みで臨んだロードシーズンでは、駅伝シーズンは結果が振るわなくて。思うように調子が上がらなかったり、それこそけがをしてしまったりしましたし、そういうのを含めて何の結果も出せなかったと思います。一年間を振り返って、前半良くて後半悪い一年になってしまったので、その振り返りをして、次年度はトラックとロードのどちらも結果を残せるように、これからトラックシーズンが始まりますが、トラックだけでなく駅伝シーズンも見据えたトラックシーズンにしていきたいです。
――今年はユニバーシアードがありますが、3000メートル障害で狙っていくのでしょうか
そうですね、気持ち的には狙っていきたいと思っています。ですが、(参加)標準(記録)が8分40秒になるので、自分の持ちタイムから見るとまだ遠い遠いところにあります。それでも狙っていきたい大会の一つですし、入学した時からずっと思っていたことなので、少し厳しいかもしれませんが、残りの期間しっかりと調整して、そのタイムを本気で狙っていきたいです。そして、インカレなど全国規模の大会でも戦えるようにしていきたいです。
――この春から3年生になり上級生の仲間入りとなります。今後の目標をお願いします
まずは、大会でしっかり結果を残すことはもちろんです。また、上級生になるということで余裕が出てくると思いますし、その中で4年生を支えて下級生の面倒も見るという立場になってくると思います。生活の面でもそうですが、やはり競技の結果の面で引っ張っていきたいと思うので、チームのエース格になってチームを引っ張っていくという気持ちを持って一年間頑張っていきたいです。
太田直希(スポ1=静岡・浜松日体)
――最近の練習での調子はいかがですか
ここ1カ月体の重だるさがあって、ずっと調子が悪い中でこの大会を迎えたので、あまり良くなかったです。
――唐津10マイルロードレース(唐津)が終わってから調子を落としてしまったのでしょうか
そうですね。唐津の前もずっとポイント練習がきついと感じる状況で、全然調子が上がらない中で出たんですけど、唐津はそこそこ走れた感じでした。でもきょうはこの1カ月が響いた感じですね。
――きょうのレースの位置付けはどのようなものでしたか
このレースはロードシーズンの中でも大切なレースで、チーム全体でしっかりピークを合わせて狙っていたレースでした。あとはプレ予選会ということも兼ねていました。
――気候のコンディションはいかがでしたか
当初は雨の予報だったので、結果晴れてくれてよかったんですけど、ちょっと気温が高かったかなと思います。
――考えていたレースプランはありましたか
最初の10キロは余裕を持って、後半公園に入ってから勝負をかけようと思っていました。でも10キロに入った時に体が固まってしまって、うまく動きませんでした。そこであまりいい流れがつくれなかったのが良くなかったなと思います。
――10キロあたりからきつく感じましたか
そうですね。10キロ手前から結構きつかったです。そこで一回リラックスできたらもっと良かったかなと思うんですけど、それがうまくできなくて、そこからズルズルといってしまったかなと思います。
――具体的なタイム設定はありましたか
タイムの設定はなかったんですけど、ユニバーシアードの選考もかかっていたので、タイムより順位を意識していました。でもそこもうまくいかずにという感じでした。
――きょうのレースの結果はどのように評価されていますか
最初からいい流れをつくれなかったのが良くなかったと思います。あとは準備の段階で、やはりここ1カ月の練習がうまくできなかったという点で、自分の体を万全な状態に持っていけない力の無さを感じました。
――箱根(東京箱根間往復大学駅伝)が終わってからも体調を崩されていたとお聞きしました
そうですね。そこで一回体調を崩してしまって、そこから無理やり練習量を上げて戻そうとしたのがあまり良くなかったのかなと思います。
――きょうは今年度の締めくくりの大会だったと思いますが、大学1年目の戦績は振り返っていかがですか
この一年は環境が変わった中で、多くの記録会やレースに出させてもらったんですけど、自分の中ではトラックシーズンも駅伝シーズンもあまりいい結果が残せなかったと思っています。トラックシーズンは勝負のかかったレースに一度も出れなかったので本当に力の無さを感じましたし、駅伝でも区間10番ぐらいで安定してしまったというのが良くなくて。そこからもう一段階、二段階レベルを上げていかないともっと強くなれないと、この一年を通して感じました。
――駅伝は学生三大駅伝全てに出走しました
入学してきた時は「1年目は箱根のメンバー争い」という思いがあったんですけど、結果的に出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)から3つ走ることができたのは自分の経験値を高める意味ですごくいい経験になったと思います。この経験を来年はもっといいところで生かしていかないといけないと思いますし、チームに還元していかないといけないと思います。
――トラックシーズンに向けて目標があれば教えてください
トラックシーズンは去年の反省を含め、自分なりに練習を考えて調整していきたいと思っています。やっぱり勝負のかかったレースで外さないような選手、また安定して入賞していける選手を目指していきたいと思います。
向井悠介(スポ1=香川・小豆島中央)
――きょうのレースの位置づけを教えてください
ほとんど箱根(東京箱根間往復大学駅伝)予選会と同じコースということで、対校戦に近い重要なレースとして走りました。
――香川丸亀国際ハーフマラソン(丸亀ハーフ)から約1カ月ありましたが、調整状態などはいかがでしたか
練習もかなりできていて、しっかり良い状態でレースに臨めたと思います。
――目標タイムはどれくらいでしたか
63分半でした。
――結果についてはいかがですか
結果は本当にダメで、自分の目標としたタイムとも大きく異なりますし、チーム内順位的にも、総合順位的にも良くないなと思います。
――レースを振り返って、良かった点、悪かった点はどのあたりですか
良かった点としては、前半ある程度ハイペースの集団の中でレースができたことです。丸亀ハーフの時の課題は前半突っ込めなかったというところなので、その課題はしっかりと克服できたという感じがします。しかし、中間疾走以降がそのペースで持たなかったというのが悪かった点としてあります。
――今年は箱根予選会があります。ハーフマラソンを2回走ってみて、この距離についてはどう感じていますか
正直ハーフはまだ長いと感じるところもあるのですが、やはり僕が戦っていくのはハーフのような長い距離という自負というか、そこで戦っていきたいという気持ちがあります。まだ2回ですし、ハーフに向けての練習が少ないので、ここからどんどん経験と練習を積んでいって、あまり時間は無いのですが、関カレ(関東学生対校選手権)でもハーフで戦っていけるような選手になっていきたいと思います。
――入学してからの一年間を振り返っていかがですか
春先は全然チームに貢献することができず、目立った結果を残すことができなかったのですが、秋以降はある程度チームに貢献することができたなという感覚があります。しかし、やはり昨シーズン結果を出すのが遅かったというのは課題です。今シーズンは、昨シーズンの後半の流れをそのままつないでいけているというのは感じているので、その良い歯車をつなげていきたいと思います。
――改めて今後の目標をお願いします
まず直近の大きな目標は関カレになってくると思うので、関カレのハーフでしっかり戦っていくというのと、全日本(全日本大学駅伝対校選手権)と箱根の予選会に出場していくことを目標に頑張っていきたいと思います。
山口賢助(文1=鹿児島・鶴丸)
――集中練習はけがで取り組めなかったと伺いました。そこからの復調具合はいかがですか
練習をしっかりと本格的に再開したのが、正月の解散明けからだったんですけど、そこからこのレースの3週間前に青梅マラソンの30キロを走りました。そこで自分のレース人生の中で一番悪い結果だったので、正月明けから継続してきたことがうまく結果として出ずに、少し落ち込んだ部分もありました。そこから三週間走るだけじゃなくて、生活の面や具体的に言えば体重だったり食べるものにかなり気を遣って、しっかり立川ハーフ(日本学生ハーフマラソン選手権)までに仕上げようと思って、上げてこれたのでまずまずだったと思います。
――コンディションはいかがでしたか
3週間前の青梅マラソンに比べれば、かなり状態は良かったと思うんですけど、パーセンテージでは70パーセントくらいだったと思います。
――この大会の位置付けはどのようなものでしたか
今年は東京箱根間往復大学駅伝(箱根)予選会がありますし、自分にとっては初めてのハーフマラソンだったので、ここからしっかりとレギュラーを取るために初ハーフということではありますが、チーム内の順位やタイムにこだわってアピールができるレースにしたいという思いで臨みました。
――目標やレースプランはありましたか
前半は抑えて、後半のラスト5キロからペースを上げていけるようにとずっと考えていて、実際それ通りの走りをすることができて早稲田の選手を一人一人後半から拾っていくことができました。レースプランに見合った走りはできたかなと思います。
――お話にも出たように、箱根の予選会と近い距離のレースとなりました
3週間前に青梅マラソンを走っただけあって、そこまで長くは感じなかったです。ラスト3キロあたりが自分としては余力があったはずなんですけど、やっぱり足が少し止まる感じがあったので、距離に対する耐性をつけていかないといけないと思いました。
――タイムはどう捉えていますか
自分の手元では65分フラットだったんですけど、目標としていたタイムは64分切りだったので全然納得はしていません。また、今年一年間一緒に練習してきた三上先輩(多聞、商3=東京・早実)が63分台のタイムを出したということで、自分もそこくらいまではしっかり走らないといけなかったなと感じています。
――チーム内での2位という順位はどう受け止めていますか
Aチームや主力の選手は全然出ていませんし、今年の箱根を走ったメンバーは直希(太田、スポ1=静岡・浜松日体)しか出ていないということで、あまり順位というのは気にしていないです。
――この大会がロードの締めくくりとなりましたが、今シーズン1年間を振り返っていかがでしたか
ロードシーズンはけがもあって、この前の青梅ときょうの立川と二つしか走ることはできなかったんですけど、あまり良い結果は出せなかったんですけど、確実に今年の予選会に向けて良い経験をすることができたと思います。これをきっかけとして、トラックシーズンにしっかりとレベルアップをしていけたらと思います。