表彰台に、そして六連覇に『0.01秒』届かなかった。昨年4×100メートルリレーで3位、4×400メートルリレーで五連覇を達成した早大。しかし今季は4年生の故障が響き、対校戦で思うような結果が残せないでいた。最後の日本選手権リレーこそ、勝って次につなげたい――。その一心で引退試合に臨んだが、現実は残酷だった。ほんの少しのバトンパスのズレ、ほんの少しのトルソーの差。わずかだが、確かに遠い『0.01秒』を競り勝てなかった。今大会で短距離ブロックの戦いは幕を下ろし、4年生のリベンジは残る下級生に託される。
(記事 鎌田理沙)
★連続してベスト更新も、悔しい4位に
バトンパスにほんの少しのズレはあったものの、好位置で4走にバトンは渡った
今季の4×100メートルリレー(4継)は関東学生対校選手権(関カレ)で予選敗退、日本学生対校選手権(全カレ)で8位と不完全燃焼に終わっていた早大。3位以内を目標に臨んだ今大会は、全カレからメンバーを変更し、南山義輝(スポ1=福岡・小倉東)、徳山黎(スポ4=神奈川・相洋)、野本周成(スポ4=愛媛・八幡浜)、根岸勇太(スポ3=千葉・成田)の4名で臨んだ。予選では序盤からリードを奪うと、その後も安全なバトンパスでつなぎ、39秒73の組1位でフィニッシュ。この記録は今季チームベストタイムであり、決勝に向けて弾みをつけた。
そして迎えた決勝。「前半力んでしまった」と話す1走の南山は、勢いよく飛び出した中大に遅れを取ってしまうが、2走・徳山がその遅れを取り戻す好走で上位に食い込む。3走の野本は東洋大の猛烈な追い上げを受けるも上位を維持したまま4走・根岸へ。3位でバトンを受け取った根岸は粘走するものの、フィニッシュ直前で関学大にかわされ4位でゴール。その差はわずか0.01秒。100分の1秒に泣く結果となってしまった。 惜しくも表彰台を逃した早大。「悔しさしかない」(南山)、「悔しいというのが率直な気持ち」(根岸)と、各選手が悔しさをあらわにした。しかし決勝の記録は予選を上回る39秒59で再びのシーズンベスト。「予選決勝両方でシーズンベストを更新できたのはワセダだけだと思うので、それは誇れること」と徳山の言うように、大舞台への調整力を発揮した。「後輩たちが僕たちの姿を見て来年につなげてくれたらなと思う」と野本。悔しさが残ったものの、下級生へのバトンはしっかりとつながったに違いない。
(記事 岡部稜、写真 加藤千咲)
★マイル六連覇とはならず。優勝の夢は下級生へ
東洋大とし烈なラスト勝負をするアンカー加藤
昨年、日本選手権リレーの4×400メートルリレー(マイル)で五連覇を果たした早大。しかし、今季は関東学生対校選手権(関カレ)の4位や全日本学生対校選手権(全カレ)の予選敗退と結果を残せていなかった。それでも、シーズン最後となる日本選手権リレーこそは優勝し、この大会で引退となる4年生は有終の美を飾るべく挑んだ。大会2日目に行われた予選は伊東利来也(スポ1=千葉・成田)、加藤修也(スポ4=静岡・浜名)、村木渉真(スポ1=愛知・千種)、石田裕介(スポ4=千葉・市船橋)のメンバーで出走した。2走の加藤が序盤でリードを奪うとその後の走者も盤石な走りでそのままゴール。着順1位で決勝へと駒を進めた。女子マイルには、満を持して西村緋菜乃(スポ2=神奈川・相洋)、兒玉彩希(スポ2=大分雄城台)、竹内まり(教2=愛媛・松山西中等)、南野智美(スポ3=山口・西京)が出場した。予選1組目5着と結果は残せなかったが、大舞台での経験は来年以降へとつながるだろう。
大雨となった大会3日目の決勝はメンバーを予選から2走に徳山黎(スポ4=神奈川・相洋)、4走に加藤に変更。1走の伊東では後半に粘りを見せ他大とほぼ同時のバトンパスとなる。2年連続で決勝の2走となった徳山はスピードを生かして序盤100メートルで他大をかわしていく。オープンコースになったところでトップに躍り出ると後半も他大を寄せつけない。3走にウォルシュ・ジュリアンジャミィが控える東洋大と大差をつけて村木にバトンを託した。村木はウォルシュに猛追され第2コーナーでトップを譲ったが、その後は粘りを見せる。なんとか追える位置を維持しバトンはエース・加藤へ。加藤は冷静さを欠くことなく序盤から徐々に差を縮めていく。最後の直線で東洋大を差そうとするも相手に粘られ、抜きつ抜かれつの展開に。並走したままゴールし、判定を待つこととなった。そしてスクリーンに表示された結果は2位。苦しくも優勝とはならず、六連覇まであと0.01秒足りなかった。 まさに今季の早大を象徴するレースだった。「練習が積めていなかった」と加藤が言うように、決勝のメンバーに選ばれなかった石田裕も含めて最後まで4年生全員が万全の状態で挑めなかったことが0.01秒の差に出てしまったのであろう。しかしこの1年を通じて、1年生の伊東や村木がマイルを経験したことは明るい材料だ。「今回の4継(4×100メートルリレー)やマイルから後輩が何を感じていくか」(石田裕)。4年生の思いは下級生に託された。
(記事 平松史帆、写真 大庭開)
結果
▽男子4×100メートルリレー
予選
早大(南山-徳山-野本-根岸) 39秒73(2組1着)
決勝
早大(南山-徳山-野本-根岸) 39秒59(4位)
▽男子4×400メートルリレー
予選
早大(伊東-加藤-村木-石田裕) 3分09秒03(3組1着)
決勝
早大(伊東-徳山-村木-加藤) 3分07秒12(2位)
▽女子4×400メートルリレー
予選
早大(西村―兒玉―竹内―南野) 3分46秒41(1組5着)
コメント
野本周成(スポ4=愛媛・八幡浜)
――最近の調子はいかがでしたか
国体(国民体育大会)まではハードル中心の練習だったんですが、そこからスプリント中心のメニューに切り替えて、この日本選手権リレーに合わせていました。スピードも上がってきていたので調子は上がってきていたのかなと思います。
――昨日のレースを振り返って、バトンパスや自分の走りはいかがですか
昨日は予選で1、2走がいい位置で(バトンを)持ってきてくれたのでバトンは詰まり気味でもいいかなと思っていました。走りもリラックスして走らせていただきました。決勝に向けてという意味でもよかったと思います。
――きょうのレースはいかがでしたか
目標としては3位以内を狙っていたんですけど、100分の1秒が届かないということで。リレーを走ることはないので後悔しても仕方がないんですが、バトンパスのところで直せるところはありました。タイムとしてはよかったんですけど、もっと狙えたんじゃないかなと思います。
――バトンパスの直せるところというお話がありましたが具体的にはどちらでしょうか
1、2走のところでバトンが。外側に早いチームがいたので1走が焦ってしまって前半少しスピードを上げようとし過ぎたせいで後半走れなくて流れてしまいましたし、2、3走と3、4走は詰まり気味で。100分の1秒上げることはできたのかなと思います。
――全日本学生対校選手権(全カレ)で2、3走のバトンパスが失敗してしまったことがありましたが、それを受けて修正したことや注意していたことはありましたか
利得距離を取り過ぎたことが全カレでの失敗だったので、そこを見直しました。スタートのときに思い切って出るのではなくて、少しずつ加速していくイメージでやるようにしました。
――全カレでは「エンジの器ではなかった」とおっしゃっていましたが、今回プレッシャーなどはありましたか
全カレを踏まえてのレースで早大として走ることの重みは理解して走ることができたので、全カレのときより気持ち的には楽でした。
――レース前に徳山黎選手(スポ4=神奈川・相洋)とお話されたことはありましたか
バトンの話と本当に最後だったので「お互い意地を見せてやろうぜ」ということは言いました。
――今回の結果に関しては悔しい思いが強いんでしょうか
そうですね。悔しいと思ってもしょうがないんですが。あとは後輩たちが僕たちの姿を見て来年につなげてくれたらなと思います。
――4×400メートルリレー(マイル)のメンバーに向けて何かありますか
状況や実力としては厳しい部分が少しあるんですが、そこで弱気にならずに攻めのレースをして後悔してほしくないのでしっかり思い切って走ってもらいたいです。決勝に残ったら5連覇している早大としての思いもありますし、『リレーのワセダ』と呼ばれていることもありますし4×100メートルリレーでは叶わなかったことをマイルでは果たして欲しいと思います。
徳山黎(スポ4=神奈川・相洋)
――4×100メートルリレーについて、4位という結果についてはいかがですか
僕からしたら悔しいですけど、ランキングでも8位でランキングよりも上の順位だったので、良しではないですけど、悔しいけど良かったなという感じですね。
――きのうの予選と比べて1走と2走、2走と3走のバトンパスがそれぞれ良くなったように感じたのですが、何か修正した部分はありますか
きのうは(この大会での)1走、2走でやるのは初めてだったので様子見という感じでやったら思いの外詰まってしまいました。2走と3走も様子見でやったら詰まりすぎて、すべて詰まりすぎてしまいました。なのでそれを踏まえてきのうよりも気温が下がったりもしたんですけど、伸ばして修正したんですけど、1走と2走が逆に届かなくて。2走と3走はきのうに比べたら良かったんですけど、ちょっと詰まっちゃったので、それが0.01秒差の原因かなとも思います。
――2走の徳山選手と3走野本選手(周成、スポ4=愛媛・八幡浜)はことしはほとんど固定でやっていますが、最終的なバトンパスの完成度としてはいかがでしょうか
完成度は3割ぐらいですね。全然まだまだだなという感じでした。2走と3走はたぶん1番バトンパスが難しいところだと思うので、最後の最後まで5割以上まで持ち込めなかったのはやはり4年生として3年生以下に申し訳ないなというところです。4年生2人がしっかりとつながれば、3年生の4走の根岸(勇太、スポ3=千葉・成田)も気楽にいけたとも思います。全カレ(日本学生対校選手権)で失敗して直そうとしたけど直せなかったというのは悔しいなと思います。
――徳山選手が野本選手権にバトンを渡したあといつも叫ばれている印象があるのですが、何を叫ばれているのでしょうか
「行けー」と言っていて、バトンを渡したあとはそれぐらいしかやることがないので、気持ちが出ちゃう感じですね。
――ご自身の走りはいかがでしたか
ちょっと筋肉痛だったんですけどきのうの1本走っているうちにほぐれてきたので、それと一緒に気持ちもどんどん上がってきたので自分の走り的には良い感じだったんですけど、1回1走と2走のバトンパスで(スピードを)ゆるめてしまいました。加速していたのをゆるめちゃうと加速していたのがゼロになっちゃうので、そこで中大に前に行かれちゃったので、それがなければ中大に追い付いていただろうなという感じだったので、ちょっと悔しいですね。
――他のチームメイトの走りはいかがでしたか
野本は内側から桐生(祥秀、東洋大)が来てもあまり大差がなかったのでけっこう良かったなと思ったんですけど、1走の南山(義輝、スポ1=福岡・小倉東)がやっぱり1年生で1走を任されると緊張すると思うのと、前に中大の川上(拓也)がいて、1走だと日本で1番速いと僕は思っているんですけど、前を行かれると予選よりちょっと硬くなっていたなと思います。根岸も全国大会の(リレーでの)決勝が初めてだったと思うので、全カレもあったんですけどそこはバトンミスしてしまっていたのでちゃんとつながれたのが初めてだったと思うので、1走と4走の下級生たちは緊張していたかなと思いますね。でも緊張をほぐせなかったのも4年生の責任だと思うので、もっとちゃんと見てあげれば良かったかなと思います。
――この1年、短距離ブロックを引っ張る存在だった思いますが、いかがでしたか
始めの六大(六大学対校戦)で優勝できて、その時は短距離の100メートル、200メートルを走る選手が僕だけで、南山は1年生なので使わないとなって、野本と古谷(拓夢、スポ3=神奈川・相洋)と根岸がハードルと跳躍からきて、先輩たちやコーチたちからやばいと言われていていましたが、その中で大会記録で優勝できたのでスタートは良かったと思います。でも関カレ(関東大学対校選手権)でケガしちゃって、リレーに出れなくて、そこからちょっと流れが崩れてしまった感じです。流れを良くしなきゃ行けないのに自分もケガのこととかで自分のことばかりでなかなかできなくて全カレもリレーではあんな感じになっちゃいました。最後の日本選手権リレーではみんなも気持ちも良い感じで上がってきたんですけど、やっぱり関カレ全カレでミスしてしまうと、ここだけうまくいくというのもあんまりないので、その中でも予選決勝両方でシーズンベストを更新できたのはワセダだけだと思うので、それは誇れることだと思います。僕が短距離を引っ張っれていたのかどうかは分からないんですけど、来年良い選手が入ってきてくれれば、根岸は今回走って走った中での悔しさもあると思いますし、古谷は走らなかった悔しさもあると思うので、今回の4年生の走りとかを見てもらって、来年はこうならないようにというかことしみたいにならないように。さっきも言ったんですけど、「ことしはダメなシーズンだったので、こうならないように来年に向けて今から準備してほしい」という4年生の思いは話しました。本当は3番以内に入って、結果出して来年も頑張れよって言いたかったんですけど、4番ということはこれがリレー1年を通した結果だと思うので、それが4位で、あと少し3位になれるというところで、来年はそうならないようにやってほしいなと思いました。
――マイルが終わった、いまの感想をお願いいたします
六連覇を目指していたところで負けてしまって、連覇を切らしてしまって悔しいです。日本選手権リレーは今シーズンのまとめと来シーズン、冬季練習へ入るための試合で、僕らの部活の中では大事な試合という位置づけでした。優勝できなかったというのは今シーズンの4年生がしっかりできなかったということなので、4年生としては後輩たちに申し訳なかったなという感じです。
――徳山選手はきのうの4×100メートルリレー(4継)も走られていましたが、マイルへの切り替えはどのようにされましたか
4継であんまり結果が良くなくて、マイル(4×400メートルリレー)は予選の流れ的に悪くはなくて。日本選手権リレー前から先生(礒繁雄監督、昭58教卒=栃木・大田原)にマイルのことはあまり言われてなかったので、正直出るのかあまり分からなかったのですが、4継のインタビューの後にマイルの決勝に出ることになりました。そこから切り替えて、出るからには勝つように、優勝することだけをきのうからずっと考えていました。
――今回最初の100メートルでリードを奪いレースを展開しました。ご自身の走りを振り返っていかがでしょうか
去年の日本選手権リレーも2走だったのですが、400の選手の中ではスピードがあると自信があったので、前半で 先生にも「400の走りじゃなくて、100の走りで前半突っ込んで、後半楽にいけばいい」と言われました。自分のレース展開の中では前半結構いけたのですが、第3コーナーのところで足がもたついてしまった感じがありました。そこがなければもう少し自分の中でできたかなと思います。
加藤修也(スポ4=静岡・浜名)
――いまのお気持ちを教えてください
連覇が途絶えたというのはずっと付いてきてくれている野澤さん(啓佑、平26スポ卒=現ミズノ)とかが築いてきてくれたことなので申し訳ないです。個人としてはずっと走れていなくて。それでも練習とかを見て(監督は)最後を僕に託してくれたんですけど、最後差し切れませんでした。3年前の全カレ(全日本学生対校選手権)もこんな感じだったので、もうひと回り強くならないと思います。もう何回か大学終わっても挑戦したいなと思います。
――終わった時の心境とどんな走りをしようと思ってスタートしたのかを教えてください
アップの段階で想定していたのは4走が ウォルシュ(ジュリアン、東洋大)だったので、みんながトップで(バトンを)回してくれる想定でした。どちらにせよ最後は競ると思っていたんですが、3走の村木渉真(スポ1=愛知・千種)を含め動揺した部分があったのかなと思います。ただおおむね勝負できる展開になりましたが、違うとしたら前半をもう少し高いスピードを想定していたので突然後半(スピードを)上げるという展開が想定外でした。
――石田裕介選手(スポ4=千葉・市船橋)が出られなかった理由というのは
前半から行く展開だったというのはあると思います。たぶん、伊東利来也(スポ1=千葉・成田)を抜くという選択肢はなくて、村木か石田かで。
――後半スピードが出なかったのはイメージの部分とコンディションの面もありましたか
あまり言いたくないですが、それはあったかなと思います。痛みとかはあまりなく動けていたんですけど、ここに持ってくるまでのコンディションの部分で練習が積めていなかったということはあったと思います。でもウォルシュと同時に貰っても勝てないといけなかったので。もう少し頑張ります。
――1年生2人への思いはありますか
僕らは走りで伝えようと話していたので、多く語ることはないんですけど、これにプラスして小久保友裕(スポ1=愛知・桜丘)も連れてきているので色々と受け取ってもらえればいいなと思います。僕ら4年生が抜けても、中距離の西久保(達也、スポ2=埼玉・聖望学園)とか折田(歩夢、スポ1=鹿児島・甲南)もいるので、この冬季で何か変わってもう1回ワセダを作り上げてくれたらと思います。
――レースの内容を振り返って、徐々に追いついていきホームストレートで差す予定だったんでしょうか
そうですね。バックストレートで遠かったので抜き切るというのは無理だと判断しました。突然追いつくとブレーキを踏むことになるので最後の勝負というかたちになりました。それを見誤ったのか、単純に練習不足かということで最終的には差せなくて勝てなったです。力まないようにというのはアドバイスでもらっていたので冷静にいったつもりだったんですけど、ダメでした。
――最後にタイムが出るまでに時間があったと思いますが、その時に考えたことは
自分でもわからなかったので。0.01秒でということだったので。祈っていました。
――春先からフォームを変えられてレース展開も前半から楽に入って後半からというように変えたという話を伺っていたんですが、そちらに関しては
ある程度動きを変えたと春先は言っていたんですけど、もう一度負担の少ない動きに変えたので、それが今後一個上のレベルになったときに、通用するようにしなければと思います。
伊東利来也(スポ1=千葉・成田)
――いまのお気持ちを教えてください
正直、優勝を目指してきたので、今回の2位という結果で先輩たちが今まで築いてきた5連覇というものを無くしてしまったのは悔しいです。
――雨ということでなにかありましたか
雨でも1走というのは安定してレースを作る立場にあると思うので、他のチームから後れを取って2走の選手に渡すことになってしまったのは自分の力の足りなさを感じました。また、毎回コンスタントに力を出していくということがマイルの1走としての立ち位置だと思うのでそれは悔しいです。
――スタート前に何かお話されたことはありましたか
スタート前は先輩方に「いつも通りに行け」と言われたのでそれを心に持ちつつも走りました。
根岸勇太(スポ3=千葉・成田)
――レースを終えて率直な感想を教えてください
やっぱり表彰台を狙っていたので、悔しいというのが率直な気持ちです。
――バトンパスの完成度はいかがでしたか
悪くはなかったと思います。3番で渡ってきたものを粘りきれなかったというのはありますが、バトンパス自体はそんなに悪くなかったのでそのまま流れに乗って行けたと思います。
――隣のレーンでは東洋大の選手が早出されたと思うのですが、そこで何か影響は感じましたか
(影響は)全然なかったのですが、東洋大の4走のウォルシュくん(ジュリアンジャミィ、東洋大)だったり、隣の中央大の4走の染谷くん(佳大、中央大)だったりどちらも速い選手だったので、出た瞬間にその2人が前にいたのが少し焦ってしまいました。
――バトンパス後の走りはいかがでしたか
前半は自分自身結構うまくいったかなと思うのですが、1カ月前に捻挫して3週間くらい練習ができていなくて、体力面での練習が積めていなかったので後半失速してしまって最後に差されたという感じです。
――バトンパスでの歩数は予選から調整した部分はありますか
予選は少し詰まったので、半足伸ばして思いっきり出るという感じでした。そこの判断はいい結果に出たのかなと思います。
――今後の冬季練習における目標を教えてください
ワセダは最近だと春にあまり(調子が)上がらなくて秋にだんだん上がってくるという感じなので、冬はスピード練習や強度を高めて、4年生がいなくなって僕たち3年生が一番上に立つことになりますが、春先からちゃんと結果を残せるように練習を積んでいきたいと思います。
――来春の目標を教えてください
六大学(東京六大学対校大会)から始まると思うので、六大学でちゃんと39秒中盤で走って優勝してから、39秒台前半まで持っていければなと思います。幅だから走らないという訳ではなくて短距離と並行してやっていくのですが、その中でしっかり幅跳びも最高学年として得点源になれるように頑張っていきたいと思います。
南山義輝(スポ1=福岡・小倉東)
――きょうのレースを終えた感想を聞かせてください
悔しいです。悔しさしかないです。4年生と走る最後は笑ってというか、勝って終わりたかったです。
――U20日本選手権で自己ベストに近い記録をマークしましたが、最近の調子はいかがでしょうか
調子はシーズン初めよりは上がっているんですけど、結局ベストは出ていないので、全然満足はしていないんですけど、貢献できるまでは上がっているんですけど、僕がもっと走れないとという感じですね
――予選の走りを振り返って
予選なので、自分の走りをしただけです。予選はしっかり通るという面で走ればいいかなという感じでした。
――決勝についてお伺いします。予選と決勝でバトンパスの歩数は変えられましたか
いや、変えていませんが、間延びしてしまいました。前に中大の川上さん(拓也)がいたので、(個人の)走りがあまり良くなくて、まだまだいけないといけなかったのですけど、全然だめでしたね。
――具体的には
スタート出て、顔を上げたときにもう川上さんが速くいたので、ちょっと力んでしまって。後半は、ちょっと詰めたのですが、前半の伸びがあまり良くなかったです。
――4年生と走る最後のリレーでした
入学して7ヶ月、4年生と関わって7、8カ月なんですけど、かなり濃い時間を一緒に過ごしてきました。走りで恩返ししたかったんですけど、いい流れをつくれなくて、申し訳ないというか、悔しいです。
――今後の目標について教えてください
冬季練習は当然とてもきついと思うのですが、ことし1年ずっと悔しい思いをしてきたので、もうやるしかないという気持ちです。来年に向けて、この冬季で決まると思うので、気合いを入れてやろうと思います。来シーズンは10秒2台、3台は出して、5月にある関カレ(関東学生対校選手権)で入賞して、自分がリレーを引っ張っていきたい。やはりリレーはひとりは強い人がいないと勝てないので、自分が引っ張っていこうと思います。
村木渉真(スポ1=愛知・千種)
――いまの感想をお願いいたします
やはり五連覇を先輩方がされていて、六連覇を目指していました。1走の伊東(利来也、スポ1=千葉・成田)と1年生という立場で挑んでいく中で、『勝つ』ということができなかったのが悔しいです。来年また優勝を取り返すという意味で次のチームとして優勝をするとともに、先輩に恩返しをしたいと思います。
――東洋大のウォルシュ・ジュリアン選手が村木選手と同じ3走でした
確かに少し驚きました。僕からしたら格上の選手だということは重々承知でしたので、割り切って最初に抜かされるまでにどれだけ保てるかというのと、加藤さん(修也、スポ4=静岡・浜名)に渡すまでにどれだけの差で渡せるかというのを意識して走りました。スタート直前では、いつも通り走ろうという気持ちになれました。
石田裕介主将(スポ4=千葉・市船橋)
――決勝でメンバーから外れたことについて、これは予選の走りを踏まえてのことでしょうか
そうですね。予選のラップタイムを見ての判断です。
――主将としてメンバー入りしなかったことに対してどう思われましたか
非常に悔しく思います。やはり最後の試合ですし、自分を含めて走りたかったと感じました。しかしチーム状況や、最善を尽くしたメンバーだとも感じていたので、メンバー入りできなかったのも自分の能力の無さだとも思いました。
――3走は村木渉真選手(スポ1=愛知・千種)か石田裕選手かで迷われていたそうですが、東洋大の3走は結局ウォルシュ・ジュリアン選手でした。そちらについては
決勝で東洋のメンバーが変わるのは想定内でしたので、村木についても1年生ですが思い切ったレースができたと思います。
――六連覇を逃した結果についてはどう思われますか
やはり六連覇はしたかったです。ここまで積み上げた歴史もありますし、次の時代に繋ぎ続けていきたい思いもありました。しかし今回の4×100メートルリレーや4×400メートルリレーから後輩が何を感じていくかということも考えました。
――今回は1年生二人がメンバー入りしました。これからのチームに向けて、コメントをお願いします
来年度は厳しい戦いが増えていくと思います。それを回避するためにも今年の冬で新チームとしての方針や選手・スタッフそれぞれが追求すべき点を考えていって欲しいと思っています。そのうえで序盤から良い形で新しい時代を作っていって欲しいです。