着順意識し手ごたえ得る。いざ勝負の関カレへ

陸上競技

 関東学生対校選手権(関カレ)まで3週間となった5月6日、法政大学競技会が開催され、早大からも関カレを見越して3000メートル障害、5000メートル、1万メートルの3種目に計10人が出走した。関カレの『勝負』を想定してのレースプランが立てられ、5000メートルの宍倉健浩(スポ1=東京・早実)、1万メートルの太田智樹(スポ2=静岡・浜松日体)や安井雄一(スポ4=千葉・市船橋)といった主力の、着順にこだわった走りが見受けられた。

 5000メートルには4人が出走。序盤は外国人選手が先頭に立ち、早大勢は中腹で様子をうかがう。外国人選手が抜けてきた中盤になると石田康幸(商4=静岡・浜松日体)、清水歓太(スポ3=群馬・中央中教校)らが中心となって第2集団を形成。宍倉もその二人のすぐ後ろについてレースを進めた。宍倉は関東学生対校選手権を見据え「ラスト800で切り替える」というレースプランを立てていた。その言葉通り残り2周からギアチェンジ。経験したことのないペースの上げ方に戸惑うところもあったが、そのまま1人で集団から抜け出し、組2着の14分12秒38でゴール。清水は宍倉の最後のスパートに後れを取るものの4着、石田は中盤以降のペースダウンが響き10着となった。

ラストの力走が光った宍倉

 次に行われた1万メートルにはペースメーカーの石田と清水を含め6人が出走した。ペースメーカーの二人は序盤から先頭で集団をけん引し、太田がそのすぐ後ろにポジショニングする。藤原も太田の後ろを位置取り、安井は少し間を開けてレースを展開した。5000メートルを過ぎ、ペースメーカーが離脱したあたりで太田が飛び出し、一人旅を始める。「1人になってからすごくきつくなってペースも落ちてしまった」(太田)。単独走での課題があらわになったが、その後も先頭を譲ることなく1着でフィニッシュ。タイムも29分40秒95でまとめた。また、中間地点を過ぎて藤原がペースダウンをする後方で、安井が順位をどんどん上げていく。安井は藤原をかわした後も勢いを緩めることなく、2着でゴールした。

太田は単独走で収穫と課題を得た

 「着順を考えて組1着でゴールすることを意識した」(宍倉)。きたる関カレでの順位争いへの手ごたえをつかみ、実りある競技会となった今大会。長距離ブロックはトラックシーズン開幕以降けケガや不調などで思うような結果が残せていなかっただけに、宍倉や太田を始めとした下級生が勢いづいているのはチームとしていい兆候であろう。関東の猛者たちが集まる関カレでどれだけ渡り合うことができるのか。勝負の時は近づいている。

(記事 鎌田理沙 写真 太田萌枝)

結果

▽男子3000メートル障害

大木皓太(スポ2=千葉・成田)   9分13秒27(9着)
渕田拓臣(スポ1=京都・桂)    9分13秒83(10着)
岡田望(商3=東京・国学院久我山) 9分25秒23(16着)

▽男子5000メートル

宍倉健浩 14分25秒89(3組2着)

清水歓太 15分44秒08(3組4着)

石田康幸 14分39秒57(3組10着)

河合祐哉 15分21秒54(3組19着)

光延誠(スポ4=佐賀・鳥栖工) DNS

吉田匠(スポ1=京都・洛南)  DNS


▽男子1万メートル

太田智樹  29分40秒95(1組1着)

安井雄一  29分46秒48(1組2着)

藤原滋記  29分55秒32(1組4着)
石田康幸  DNF
河合祐哉  DNF
清水歓太  DNF

コメント

太田智樹(スポ2=静岡・浜松日体)

――きょうのレースはどのような位置づけでしたか

あくまでも僕たちが狙っているのは関カレ(関東学生対校選手権)なので、練習というか予行練習のような感じで、タイムというよりは勝つということをテーマにしていました。

――何か具体的な目標はありましたか

きょうは5000メートルまでペースメーカーがいるということだったので、それを上手く利用して後半関カレをイメージして、最後勝ち切るというのを1番の目的にしていました。

――1人で走る時間が長くありましたが、何か課題や収穫はありましたか

ペースメーカーがいた間はすごく楽だったのですが、いなくなって1人になってからすごくきつくなってペースも落ちてしまったのが一つ課題かなと思います。そこをしっかり改善していければ駅伝などにも確実につながっていくと思っています。

――レースを全体的に振り返るといかがでしたか

今言った通り、途中1人になってからペースが落ちてしまったのが一番の反省点でした。もう少し速いペースで1人で回せればもう少し良いタイムで関東インカレにつなげたのかなとは思いますが、1人で走り切って1着でゴールできたというのは一つ自信にはなるので、反省点は課題として克服してきょう良かった部分はしっかり関カレでも出していきたいと思います。

――トラックシーズンに入るにあたって何か意識したことはありましたか

六大学(東京六大学対校大会)で一本5000メートルに出て不甲斐ない走りをしてしまってまだまだ走り込みが足りないなと思いました。そこからみんなが出ていた日体大(日本体育大学長距離競技会)も出ずにしっかり足づくりのために走り込みを行ってのきょうでした。ここから関カレまでも時間があるので、上手く休みながらもしっかり走り込んで良い状態で臨みたいなと思っています。

――改めてトラックシーズンの目標を教えてください

去年は全然上手くいかなかったので、一つは確実に自己ベストを出すこと、そして去年ダメだった関カレでしっかり入賞してチームに貢献することを前半の目標にしたいなと思っています。

――関カレは1万メートルで狙うのでしょうか

そうですね、はい。

――では改めて関カレに向けての意気込みをお願いします

きょう以上に勝ちにこだわるレースをしないと勝てないと思うので、中盤(ペースを)落とさず勝ちにこだわっていきたいと思います。

宍倉健浩(スポ1=東京・早実)

――きょうのレースの位置づけは

2週間前に日体大記録会があって、そこでラストの動きがあまりよくなかったのでそこを改善するために、きょうはラスト800(メートル)を2分8秒でいくというのを監督(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)から言われました。

――ではかなり細かく設定タイムが決まっていたのでしょうか

4200(メートル)までは関カレ(関東学生対校選手権)のことを考えてレースの流れに任せてリラックスして、ラスト800で切り替えてという感じです。あと着順を考えて組1着でゴールすることを意識してレースに臨みました。

――日体大記録会から2週間が空きましたが、その間の調子はいかがでしょうか

日体大(日体大記録会)の1週間前に捻挫をしていたのですが、1週間経ってだいぶ良くなって、そこからスピード練習を入れ始めました。それでこのレースに臨んだので割と日体大に比べて足の調子は良くて、ラストも切り替えることができました。

――では、そのラストでスピードを上げた時の様子は

途中の3000~4000(メートル)のタイムが落ちていたのでそこでだいぶ力を温存できたので、そこからラストで切り替えていけました。でもいままでラスト1000から上げるというレースをしてこなかったので、ラスト600から200までの1周がけっこうきつかったです。

――では、宍倉選手は関カレに出場される予定でしょうか

はい、いまのところ5000で出場する予定です。

――関カレはみなさん照準を合わせる大きな大会だと思います。意気込みは

初めての参加ということで、雰囲気とか分からないのですが、怖いもの知らずということで、最初から自分のレースをして、ラスト勝負して着順を意識していきたいなと思います。

――関カレでの目標はありますか

得点を取ることに意味があると思うので、入賞を目指して頑張りたいです。