女子フィールド陣も本格始動!仲野が走高跳で優勝

陸上競技

 日差しが強い快晴のなか開催された兵庫リレーカーニバル。男子グランプリ1万メートルの永山博基(スポ3=鹿児島実)が出場を見送る出来事もあったが、そのなかで女子選手が力強いパフォーマンスを披露。仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女子)が1メートル76でシーズン初戦で見事優勝を飾った。内之倉由美(スポ3=鹿児島・甲南)も2回のファウルと風の強さで苦戦するが、調子の良さをアピール。近年戦力が充実してきた女子部は、ことしの関東学生対校選手権で女子総合5位を目標に掲げている。女子部員のこれからの活躍に要注目だ。

(記事 鎌田理沙)

★助走調節が上手くいかず、予選敗退

この大会が、関東学生対校選手権への足がかりとなるか

 変わりやすい風の影響でファウルを出す選手が続出した女子走幅跳。早大の内之倉由美(スポ3=鹿児島・甲南)も思うような跳躍ができなかった。「助走練習の時も良い感じだった」と語った内之倉の1本目はつま先2センチほどが踏切板から出てしまい、ファウル判定に。その後、1本目を見ていた磯繁雄監督(昭58教卒=栃木・大田原)から歩幅がいつもより広くなっていると指摘を受け、助走位置を後ろに下げた。しかし歩幅は改善できたものの風の強さの影響で、2本目もファウルを出してしまう。そして再度助走調節を行って挑んだ3本目。追い風1.1メートルと今大会では比較的穏やかな風の中で、5メートル63と振るわない結果で予選敗退となった。「(ファウルだった原因は)風と調子が良かった(から)」と、今回の2回のファウルで、そのときの自分の調子や風の強さを加味した助走の調節の難しさを痛感した内之倉。しかし、ファウルは調子が上がってきていることで起きたと前向きに考えることもできる。

 「女子にいま勢いがなく、3年生で一番上なので引っ張っていけるように結果を残したい」と内之倉が意気込むように、女子を活気づけたいという気持ちもあった今大会。結果は振るわなかったものの、これから続く関東学生対校選手権や日本学生個人選手権での女子部員の活躍を期待したい。 

(記事 朝賀祐菜 写真 吉村早莉)

★優勝するも記録に満足せず

優勝し笑顔を見せる仲野

 女子グランプリ走高跳に出場した仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女子)。今シーズン初試合となった仲野は、今夏行われるユニバーシアードの参加標準記録である1メートル84を切ることを今大会の目標に掲げていた。記録を狙ううえで本数を重ね疲弊することを避け、初めの1メートル64、67はパスし、1メートル70からの試技となった。その1メートル70は1本目で成功させたが、続く1メートル73の1本目で失敗してしまう。2本目で確実にクリアしたが、試技回数で負けることを考え、「(1メートル)76の1本目は特に集中して跳んだ」とここで勝負に出る。すると1メートル76を1本目で成功させ、結果その跳躍で仲野の優勝が確定となった。

 優勝が決まった仲野は、1メートル80を申請。「(1メートル80は)84を跳ぶ前の段階だと考えていた」と、貪欲に記録を狙いに行ったが、3本とも失敗し、試合は終了。目標の記録に届かず悔しさが残った大会となったが、昨シーズンからの仲野の勝負強さは健在。この強みを生かし、関東学生対校選手権、そしてユニバーシアードへーー。仲野の飛躍のシーズンが始まった。

(記事 鎌田理沙 写真 朝賀祐菜)

結果

▽女子グランプリ走幅跳

内之倉由美 5メートル63(+1.1)(11位)

▽女子グランプリ走高跳

仲野春花 1メートル76(1位)

コメント

内之倉由美(スポ3=鹿児島・甲南)

――今回の大会の目標や位置付けはどのようなものでしたか

2年前にこの大会に出てスランプにどんどん陥ってしまって。2年ぶりに出られたのでここでベストを出して復活したいなというように考えていました。

――六大学(東京六大学対校)が2週間前にあって、その後何か意識して練習したことなどはありましたか

六大学よりこっち(兵庫リレーカーニバル)をメインを置いていました。六大学前は結構練習をしていて、六大学が終わってからは疲労を取ることを意識していました。

――今日は風が変わりやすかったと思うのですが、その影響はありましたか

きょうもともとすごく調子が良くて助走練習の時も良い感じだったんですけど、風の関係で助走距離が1.5メートル延びてそれでもファウルしてしまって、調整が難しかったです。

――いまおっしゃったように調整が難しかったということですが、1、2回目ファウルだった原因はやはり風にあったということでしょうか

風と調子が良かったというのがあるんですけど、やっぱりそこは見極めていかなければいけなかったところだったので反省点ですね。

――助走距離を2回とも変更されていましたが、その意図というか意識していたことはどのようなことですか

風が強かったので下げるんですけど、下げすぎても遠くなってしまうのでそこを意識してやりました。

――1、2回目ファウルできて、最後3回目の時の心境はどのようなものでしたか

緊張したんですけどいままで自分がやってきたことをしっかり思い返して、自信を持って臨みました。

――今回で得られたことは何かありますか

調子が上がってきているということは分かったので、助走の最後の部分と、助走を安定させることをしっかりやって関東インカレ(関東学生対校選手権)でベストを出したいです。女子にいま勢いがなく、3年生で一番上なので引っ張っていけるように結果を残したいというふうに思っています。

――では、これからの予定と目標は関カレということでしょうか

関カレと個人選手権(日本学生個人選手権)で6メートル30を跳んでユニバーシアードに行きたいと思っているので、その目標をしっかり見失わず頑張っていきたいです。

仲野春花(スポ3=福岡・中村学園女子)

――きょうの試合の位置付けと、その意気込みを教えて下さい

私にとって高跳びの今シーズン初試合でした。ことしはユニバーシアードが開催されるのですが私はまだ参加標準記録を切っていないんです。締め切りまで3大会しかないということで、標準記録を突破しようと臨んだ試合でした。

――今回、最初の2つの高さはパスされました

この大会の高さの上げ方が独特で、全部跳び進めたら疲れるだろうと考えて、できるだけ少なくしようと思いました。公式練習で(1メートル)70が跳べたので、70からにしました。

――1メートル76を一試技目で成功させて、それで優勝を決めました

(1メートル)73の1本目を失敗してしまって、試技差で負けてしまうと思ったので、76の1本目は特に集中して跳びました。

――仲野選手は昨シーズンから『勝負強さ』が目立っていました

(1メートル76を跳ぶときも)負けられないという感じで。昨シーズンから私のモットーにしているので、大切なところで勝つというところを意識していました。

――途中何度か監督にアドバイスをもらっていましたが

助走のスピードがきょうは出ていなかったので、先生が「もっとスピードを生かして、怖がらないでどんどん行け」とおっしゃって下さいました。1メートル80の3本目の前は「助走がもったいない。内傾がかかってなくて、助走がまっすぐになってしまっているので、内傾をかけて距離のある跳躍にしろ」とおっしゃって下さいました。

――仲野選手は記録を狙っていたということで、1メートル80を成功できなかったのはやはり悔しいですか

(1メートル)84に行く前の段階と考えていたので、80は跳ばなくてはいけなかったと思います。きょう体が浮いていなくて、76ではいけたという感覚があったのですが、80は体が浮いていないなと思いました。諦めてはいなかったのですが、もっとしっかり練習して臨みたいと思います。

――仲野選手の次戦の予定は

関東インカレ(関東学生対校選手権)が大きな大会なのですが、その前に来週福岡県選手権に出る予定です。