トラック優勝達成!各ブロックが躍動(関カレ3、4日目)

陸上競技

 関東学生対校選手権(関カレ)後半戦では、高橋和生(社2=岩手・花巻北)の男子1万メートル競歩6位入賞を皮切りに早大競走部は一気に波に乗る。短距離を見れば中野直哉(スポ4=長野吉田)が男子400メートル障害で優勝。中・長距離種目でも西久保達也(スポ1=埼玉・聖望学園)が1年生ながら男子800メートルで優勝すると、平和真駅伝主将(スポ4=愛知・豊川工)は5000メートルで日本人1位の快走を見せた。その他の選手も次々と上位入賞を果たし、対校得点を積み重ねていく。最終競技である男子4×400メートルリレー(マイル)でも見事1着でフィニッシュ。有終の美を飾り、悲願のトラック優勝を達成した。

(記事 平野紘揮)

★自己ベストで6位入賞!次に狙うは表彰台

落ち着いたレース運びを展開した高橋

 大会3日目、早大から最初に登場したのは1万メートル競歩の高橋和生(社2=岩手・花巻北)だ。このレースで日本学生記録を更新した松永大介(東洋大)が先頭を引っ張り、スタート直後から集団がばらけるハイレベルな戦いに。しかし明確なレースプランを持って臨んだ高橋は、周囲に惑わされることなく自分のペースを刻む。リズムを変え、勝負を仕掛けたのは5000メートルを通過してからだった。「前を追い、後ろを離す良いチャンスだと思った」(高橋)。松永に周回差で追いつかれたタイミングで、引っ張られるようにペースアップ。単独7位に躍り出る。じわじわ前との差を詰めていき、8000メートル手前で6位の選手を捕らえた。しばらく並走したものの、残り5周を切るとギアをもう一段階あげた高橋が相手を振り切り6位へ。そのままの順位を保ち、41分21秒16でフィニッシュ。自己ベストを更新しての入賞となった。今後はユニバーシアードの出場権も視野に入れ、そのためにも全国でトップレベルの歩きをしたいと述べた高橋。これからの活躍に目が離せない。

(記事 太田萌枝、写真 吉村早莉)

★初の関カレで5位入賞!

ついに8分台を記録した大木

 男子3000メートル障害決勝には大木皓太(スポ1=千葉・成田)が出場。前日の予選では大幅に自己ベストを更新して初の8分台を記録する好走を見せており、上位入賞が期待された。序盤は、「自分のペースでいこうと思っていたので周りは気にせず走りました」と落ち着いてレースを進めつつ仕掛ける機会をうかがう。レースが動いたのは2000メートル過ぎだった。大木が一気にスピードを上げ3位集団から抜け出ると、集団もそれに反応してスピードアップ。懸命に逃げる大木だったが徐々に集団に差を詰められ、最終周で追い付かれてしまう。順位は5位まで後退し、さらに次々と後続の選手が迫る状況となった。しかしここから大木は最後の力を振り絞りスパートをかけ、猛追を振り切りフィニッシュ。見事に5位入賞を果たした。初の大舞台でプレッシャーがかかる中、積極的な走りを見せ、さらには結果をも残した大木。期待のルーキーの更なる成長が楽しみだ。

(記事 大庭開、写真 太田萌枝)

★井戸、2年連続の銀メダル!

ラストの競り合いを制した井戸は銀メダルを獲得した

 男子ハーフマラソンには井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)、佐藤淳(スポ4=愛知・明和)、石田康幸(商3=静岡・浜松日体)の3人が出場した。スタートから早大勢は集団の中で好位置をキープ。とりわけ佐藤は前線で集団をけん引する積極的な走りを展開していた。10キロメートルを過ぎると、集団が崩れ始める。山学大のドミニク・ニャイロが飛び出すと、ここまで集団中腹でレースを静観していた井戸がすかさず反応。ここで井戸を含む数人からなる2位集団が形成された。2位集団は一時後続を突き放すも、互いにけん制し合い思うようにスピードが上がらない。先頭からは徐々に引き離されていき、逆に佐藤がけん引する第3集団に追い付かれる。しかし井戸は「(後ろは)きつそうだったので、特に問題ないと思っていた」と冷静さを保ち、最終周で再びペースアップ。最後は藪下響大(明大)との競り合いを制し、昨年同様2位でゴールした。ラストで離されたものの様々な場面で攻めの姿勢を見せた佐藤は7位入賞。石田康は上位に懸命に食らいついたが10位に終わり、惜しくも入賞を逃した。今大会では4年生の両名ともが入賞と結果を出した。彼ら最上級生の活躍は今後のトラックシーズン、さらには駅伝シーズンに向け長距離ブロック全体を活気づけるに違いない。

(記事 大庭開、写真 平野紘揮)

★仲野春が自己新をマークして優勝!

表彰台の真ん中に立った仲野

 先日の静岡国際大会(静岡国際)で優勝した仲野春花(スポ2=福岡・中村学園女子)が出場した女子走高跳。好調を維持している仲野は、今大会のスタートの高さである1メートル60をパスしたのち、1メートル76までを全て1本目で決める圧巻の試技を見せる。その時点で優勝が決定、文字通りの圧勝だった。その後、静岡国際で自己ベストを1メートル79に伸ばしていた仲野は1メートル80を申請。1回目は足が合わなかったものの、2本目で見事成功させ、2戦連続で自己ベスト更新した。最後に挑んだ1メートル84の大会記録は跳ぶことができなかったものの、「あと2年ある。私が大会記録を更新したい」と語った仲野。次の試合は日本最高峰の舞台・日本選手権となる。今季好調の仲野が、国内のトップ選手とどのような戦いを見せるのか――。早大の誇る天才ジャンパーの飽くなき挑戦は続いていく。

(記事 平野紘揮、写真 大庭開)

★若手二人が躍動!南野が表彰台に

南野は3位の位置をキープし走りきった

 女子400メートル障害で注目を浴びたのが南野智美(スポ2=山口・西京)と兒玉彩希(スポ1=大分雄城台)だ。昨年は7種競技で同大会に出場した南野は、予選でいきなり自己新記録をマークした。さらに準決勝でも後半に加速して大幅にリードを広げ、他を寄せ付けない圧巻のレースを展開する。決勝では前半は伸び悩むが、「自分の持ち味は後半」と語るように、終盤で追い上げを見せて必死に食らいつき、3位でフィニッシュ。予選で出した自己ベストを上回る58秒58をたたき出した。一方の兒玉も、予選からルーキーらしからぬ堂々とした走りで周囲を驚かせる。準決勝ではタイミングが合わない場面も見られたが、後半の追い上げで組2位に。決勝では大きなミスはなかったものの、波に乗り切れず5位でのゴール。それでも入学後初の大舞台で存在感を発揮した。今後の成長が期待される若手二人が、チームをさらに上へと押し上げていく。

(記事 小川由梨香、写真 鎌田理沙)

★中野が粘りの走りで優勝をつかむ!

今季絶好調の中野は念願の金メダルを獲得した

 男子400メートル障害では中野直哉(スポ4=長野吉田)と石田裕介(スポ3=千葉・市船橋)の2名が出場した。予選で出場選手唯一の49秒台をたたき出した中野は、準決勝は後半に失速するも、予選に続いて組トップで通過する。決勝では前半は上位選手と並走するも、6台目付近で前に出ると最後の直線の混戦でも意地を見せ、トップを譲らずにゴール。最後の関カレで見事初優勝を飾った。一方、昨年同種目2位の石田裕は準決勝でトップのタイムを記録するが、決勝ではレース全体を通して伸び悩み、5位でフィニッシュ。そろっての表彰台とはならなかったが、中野は決勝で、石田裕は準決勝で自己ベストを更新する走りを見せた。中野は日本選手権に向け、さらなるレベルアップを図っていく。不完全燃焼で終わった石田裕も、まだまだ伸びしろを感じさせた。先輩に追いつくべく、鍛錬を積み重ねていく。次は二人そろって笑顔のゴールに期待したい。

(記事、写真 小川由梨香)

★西久保が競り勝ち嬉しい優勝

積極的に攻めた西久保

 男子800メートルでは西久保達也(スポ1=埼玉・聖望学園)、飯島陸斗(スポ1=茨城・緑岡)、廣出和樹(教4=愛知・豊岡)の3人がそろって決勝進出を果たした。「すごく積極的にできた」(西久保)という言葉通り、西久保はスタート直後から先頭に出て集団を引っ張った。残り1周で集団から抜け出し単独走になる。最後の直線で三武(日大)に追いつかれ抜かれそうになるも、西久保も意地を見せ、互いに譲らず最後まで競り合いながらゴール。同タイム着差有りの1分51秒60で西久保が見事優勝した。また、エンジ初戦となった飯島も積極的なレースを展開する。大舞台でも怯むことなく堂々とした走りを見せ6位。廣出は序盤に遅れをとるも、粘り強く集団に食らいついて7位でフィニッシュした。800メートルの主力だった去年の4年生が数多く抜けてしまった早大。しかし「中距離として強いワセダを見せられた」と西久保が語るように『強いワセダ』の伝統は後輩たちがしっかりと受け継いだ。

(記事 吉村早莉、写真 大庭開)

★駅伝主将の意地を見せ、平が2位に輝く

日本人1位の快走を見せた平駅伝主将

 昼間の暑さがまだ残る午後3時、男子5000メートルがスタートした。早大からは平和真(スポ4=愛知・豊川工)、光延誠(スポ3=福岡・鳥栖工業)、永山博基(スポ2=鹿児島実業)の3選手が出場。「やるべきことは順位を獲ること」と語ったように、きょうの平は積極的だった。1000メートルを過ぎたあたりから先頭へじわじわと詰め寄っていく。そしてパトリック・ワンブィ(日大)のすぐ後ろを確保すると、口町亮(東洋大)と3人で1位集団を形成。一歩も譲らない平の走りからは、駅伝主将としての並々ならぬ気概が感じられた。4000メートル地点を過ぎ、観客から歓声が上がる。口町が集団からこぼれ、勝負の行方は平とパトリックの一騎打ちになったからだ。両者ともスピードはまったく緩めないまま、最終周を知らせるベルが鳴る。ここでスパートをかけ始めたパトリックに平が対応しきれない。だんだんと差が開くが、平も懸命に前を追い、そのままゴールへ飛び込んだ。記録は13分50秒08で、日本選手権のB標準記録を突破。惜しくもA標準は超えられなかったものの、確実に存在感をアピールすることができた。一方、全体の中腹に位置していた光延はそこから徐々に順位を上げ、2000メートル地点では4位集団の先頭で走る場面も。ラスト1周のスパートで置いて行かれてしまうが、見事8位入賞を果たした。駅伝主将就任が決まっていたものの、去年の東京箱根間往復大学駅伝は出走がかなわず苦汁をなめた平。4年生として、駅伝主将として――。長距離ブロックを支える柱となるべき平の強さは本物だ。

(記事 鎌田理沙、写真 大庭開)

★新生女子マイルチーム、次につながる継走を見せる

3走長田からアンカー南野へのバトンパス

 西村緋菜乃(スポ1=神奈川・相洋)や兒玉彩希(スポ1=大分・雄城台)と言った強力なルーキーを加えて今大会に挑んだ早大女子4×400メートルリレー(マイル)チーム。予選は通過条件である組1着は取れなかったものの、3分47秒73という好タイムでパス。そして迎えた決勝、勢いを作ったのは1、2走を務めた西村、兒玉の走りだった。「1,2走が1年生ということで新入生に流れを作ってもらうというのは申し訳なかったが、しっかりと(流れを)作ってきてくれた」(南野)。3走長田彩楓(スポ4=早稲田佐賀)にバトンが渡ったときには、2位争いという好位置につけていた早大。その後混戦の状態で5位でバトンを受け取ったアンカー南野智美(スポ2=山口・西京) はライバルの選手を意識してしまい、「もがくようなかたちになってしまった」と、思うような走りができなかったという。それでも後続の追走から逃げ切り6位でフィニッシュ。対校得点に貢献した。新生チームながら関カレで入賞したことは大きな収穫と言えるだろう。今回のレースで日本選手権リレーの標準記録も突破した。伸びしろ十分な女子マイルチームの今後に期待せずにはいられない。

(記事 平野紘揮、写真 大庭開)

★『リレーの早大』再びーー。男子マイルが見事な優勝!

喜びを爆発させたアンカー中野

 『リレーの早大』が帰ってきた――。今大会最後の種目となった男子4×400メートルリレー(マイル)。男子400メートルで3位に入った加藤修也(スポ3=静岡・浜名)、400メートル障害で優勝した中野直哉(スポ4=長野吉田)など、そうそうたるメンバーをそろえた早大は組1着で予選を通過。迎えた決勝。1走の愛敬彰太郎主将(スポ4=三重・桑名)は春先のケガの影響で難しいコンディションでの出走となったが、ほぼ横一列で2走の加藤にバトンをつなぐ。エース加藤がホームストレートでトップに躍り出ると、勢いそのままに3走石田裕介(スポ3=千葉・市船橋)も粘りの継走を披露。先頭と秒差の3位でアンカー中野にバトンを渡した。同日に400メートル障害の準決勝、決勝で快走を披露した中野は、マイルでもその実力をいかんなく発揮する。ラストの100メートルで再びトップに立ち、後ろから迫る400メートルの覇者ウォルシュ・ジュリアン(東洋大)の猛追を振り切ってゴール。ついに悲願の優勝を果たした。最終種目であるマイルリレーの勝利は文字通り有終の美。今大会を最高のかたちで締めくくることとなった。

(記事 平野紘揮、写真 鎌田理沙)

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後半戦での巻き返しなるか(関カレ1、2日目)/第95回関東学生対校選手権(5/21)

結果

3日目

▽男子200メートル予選

愛敬彰太郎 21秒51(+2.3)(2組9着)

橋元晃志 DNS

徳山黎  DNS

▽男子800メートル

予選

飯島陸斗   1分52秒01(3組3着)

西久保達也  1分52秒44(4組1着)

廣出和樹   1分52秒35(5組2着)

▽男子400メートル障害予選

石田裕介 51秒36(2組2着)

中野直哉 49秒85(4組1着)

▽男子1万メートル競歩決勝

高橋和生 41分21秒16(6位)自己新記録

▽男子4×400メートルリレー予選

早大(愛敬-加藤-石田裕-中野) 3分08秒93(1組1着)

▽男子走高跳決勝

仲野遼  NM

▽男子ハンマー投決勝

中川雄太 57メートル23(9位)

▽男子3部200メートル決勝

欠畑岳 21秒55(+1.9)(1位)

▽女子200メートル予選

竹内まり 26秒55(+0.4)(2組6着)

西村緋菜乃 25秒84(−0.2)(5組7着)

▽女子400メートル障害予選

南野智美 59秒19(1組1着)

兒玉彩希 60秒81(2組2着)

長田彩楓 62秒43(5組3着)

▽男子4×400メートルリレー予選

早大(西村-兒玉-長田-南野) 3分47秒73(1組2着)

▽女子三段跳決勝

中澤希緒 12メートル04(ー0.2)(11位)

4日目

▽男子800メートル

準決勝

西久保達也  1分51秒68(1組2着)

廣出和樹   1分52秒11(1組3着)

飯島陸斗   1分52秒02(2組3着)

決勝

西久保達也  1分51秒60(1位)

飯島陸斗   1分54秒69(6位)

廣出和樹   1分54秒72(7位)

▽男子5000メートル決勝

平和真   13分50秒08(2位)

光延誠   14分08秒63(8位)

永山博基  14分24秒92(16位)

▽男子ハーフマラソン決勝

井戸浩貴  1時間05分35秒(2位)

佐藤淳   1時間06分13秒(7位)

石田康幸  1時間06分55秒(10位)

▽男子400メートル障害

準決勝

中野直哉 50秒77(1組1着)

石田裕介 50秒66(2組1着)自己新記録

決勝

中野直哉 49秒60(1位)自己新記録

石田裕介 50秒89(5位)

▽男子4×400メートルリレー決勝

早大(愛敬-加藤-石田裕-中野) 3分05秒25(1位)

▽女子400メートル障害

準決勝

兒玉彩希 59秒97(1組2着)
南野智美 59秒74(2組1着)

決勝

南野智美 58秒58(3位)自己新記録
兒玉彩希 59秒72(5位)

▽女子4×400メートルリレー決勝

早大(西村-兒玉-長田-南野) 3分45秒78(6位)

▽女子走高跳決勝

仲野春花 1メートル80(1位)自己新記録、早大新記録

▽男子1部対校得点

1位 日大    125点

2位 東海大   103点

3位 順天大   99点

4位 早大    70.5点

▽男子1部トラック競技得点

1位 早大    70.5点

2位 東洋大   54点

3位 山学大   53点

▽女子1部対校得点

1位 筑波大   108.5点

2位 日体大   101点

3位 中大    83点

9位 早大    34点

▽男子3部対校得点

1位 順天院  28点

2位 筑波院   21点

3位 青学院   9点

6位 早稲田院  5点

コメント

愛敬彰太郎主将(スポ4=三重・桑名)

――調子の方はいかがでしたか

3月にケガをしてから1カ月動けていなくて、そこから六大学(東京六大学対校大会)、静岡国際大会となんとかやってきていた中で、関カレ(関東学生対校選手権)にはなんとか合わせようと、練習をかなり急に増やしてきていました。それで一か八か間に合うかどうかというところでしたが、なかなかかみ合わないところや、走りの技術的な部分でまだ煮詰めれていない部分があり、そのようなところであっさりと周りにも負けてしまったのかなと思います。

――個人では400メートル準決勝敗退という結果でした。どのように受け止めていますか

率直に悔しいですが、自分がケガをしてからこの大会に間に合わせていたという中で、それ相応の記録だったのかな、と。それだけのものしかまだできていなかったということを真摯(しんし)に受け止めたいと思います。

――4×400メートルリレー(マイル)では優勝を果たしました。それについてはいかがですか

チームとしてずっと勝てていなくて。『リレーの早大』と言われてきていたのに勝ちきれない部分や、バトンのミスなどがあり、なかなか思ったようなレースができていませんでした。今回はそれぞれの選手の役割がきちんと果たせたのかなと思います。僕自身も走れてきていなかったので、チームのみんなに頼るかたちになってしまったのですが、それも含めてチームメイトには助けられたかなというレースでした。

――愛敬選手自身の役割はどのように考えていましたか

2、3、4走の加藤(修也、スポ3=静岡・浜名)、石田(裕介、スポ3=千葉・市船橋)、中野(直哉、スポ4=長野吉田)が個人種目でも本当に良い走りをしてくれていましたし、僕と違って調子の良い選手だったので、その3人に良い位置でつなげたら必ず1位で帰ってきてくれると思っていました。自分の役目としては、ある程度前でバトンを渡せればなということを考えていました。

――マイルの後には涙を流されていましたが

4年間やってきて、ことし主将という立場になり、チーム作りですとか、チームの立て直し、また、ワセダが本来どうあるべきかというのがチーム内でも曖昧になっていた部分があったので、それを構築していく上で僕がやってきたことが間違っていなかったのかなという思いがありました。それに加えて自分の競技が全て終わり、優勝という結果がついてきたことにほっとした気持ちもありました。また、親もこの試合を最後だからと見に来てくれていて、母が泣いていたので僕にもそれが移ってしまった部分はありましたね(笑)。

――ついに念願のトラック優勝を果たしましたが、主将としてのお気持ちを教えてください

先ほども述べた通り、チーム作りやコンディショニングなどを含めて、自分がやってきたことが間違っていなかったということが再確認できましたし、僕自身が走れておらず、須田(隼人、スポ4=神奈川・市橘)や橋元(晃志、スポ4=鹿児島・川薩清修館)などの本来得点が取れていた選手たちが様々なアクシデントで結果が残せていなかった分、800メートルや長距離種目、ハードル種目やマイルなどの要所で、チームメイトが上位に切り込んでくれていたのでトラック優勝がかなったのかなと思います。

平和真駅伝主将(スポ4=愛知・豊川工)

――5000メートルでは2位に輝きましたが、率直な感想をお聞かせください

やるべきことは順位を獲ることだったので、チームに貢献できてほっとしている気持ちが大きいです。

――それは、駅伝主将という立場が関係していますか

そうですね、4年生で最高学年ということなので、練習以上に試合で背中を(後輩に)見せなければいけないと思います。ですので、背中でチームにいいところを見せることができてよかったなと思います。

――今回のレースで日本選手権のB標準記録を切られましたが、日本選手権は目標にありましたか

A標準記録を切ったら日本選手権に出場できるのですが、外国人選手も強い選手だったので、それについていけば順位、プラスであわよくばA標準記録も切れるかなと、そんな気持ちで臨みました。でも展開的に3000メートルあたりで「(突破は)無理だ」と思ったので、勝負に集中しました。B標準なので、ことしの日本選手権は諦めることになるかなと思います。

――途中で3人の1位集団ができましたが、このときのお気持ちは

ここのところ、「あそこでついていけば良かった」と後悔するレースが多かったので、今回は隙間を作らず外国人選手に最後までついていこうと決めていました。特に後ろに誰がついてきているとかは全く気にならなかったので、(1位集団が)3人だということもあまり分かっていませんでした。もう少し(多く)ついてきていると思いました。

――その後口町選手(東洋大)が1位集団からこぼれ、パトリック選手(日大)との一騎打ちになりましたが、そのときは

「日本人トップは決まったな」と思いましたが、そこで油断するわけにもいかないので、どこまでついていけるかということで、ひたすら前に集中しました。最後まで勝負できたのは良かったなと思います。

――今後のレースの予定は

1カ月しっかり練習して、ホクレン(ホクレンディスタンスチャレンジ)で記録を狙えればと思います

――ではそれに向けて意気込みをお願いします

ホクレンでは、5000メートルメインで、13分30秒位を狙っていければと思います。

井戸浩貴(商4=兵庫・龍野)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

本当は去年よりも良い順位を取りたかったんですけど、でも去年日本人トップを取っていて、ことしもしっかり日本人トップを取れたのでその点に関しては良かったと思います。

――意気込みはどのようなものでしたか

長距離の中ではハーフマラソンが一番点を取れるだろうとずっと思っていたので、それをしっかり(佐藤)淳(スポ4=愛知・明和)と2人でかたちにできたのは良かったと思います。

――レースプランはどのようなものでしたか

ラスト1周までみんな我慢すると思っていたので前半は我慢して、そこからどうやって仕掛けていこうかなと考えていました。

――レース中盤で第2集団を引っ張られていましたが、第3集団が追いついてきていたことには気付いていましたか

気付いていました。もう入賞圏内確実かなと思ったんですけど前のうちの集団のペースが落ちて後ろにひっついちゃって。(集団が)12名になり少し焦ったんですけど、後ろからひっついてきたの選手は少しきつそうだったので特に問題はないかなと思っていました。

――同チームの佐藤淳選手の7位と、石田康幸選手(スポ3=静岡・浜松日体)の10位という結果についていかがですか

4年生でしっかり2人入賞していてそこは良かったと思います。康幸に関しては来年があるので入賞できたら良かったんですけど、できなかった部分に関して彼自身がどういうカベを感じてどう乗り越えていくかっていうのをしっかり今後の走りに生かしてほしいなと思います。

加藤修也(スポ3=静岡・浜名)

――今大会で、400メートルでは3位、マイルリレーでは優勝に輝きましたが、お気持ちは

終わり良ければ全て良し、ということで、最後は晴れやかな気持ちで終わることができて良かったと思います。

――チーム全体としては、トラック部門で1位になりました。それについては

目標の1つであるトラック優勝ができたというのは、やはり短距離だけの力ではなく、長距離やハードル陣の活躍が大きかったと思います。あと僕が多種目優勝に貢献できなかったのが反省点だと思います。

――400メートルについて、ラスト100メートルで大きく伸びてのゴールになりましたが、それはレースプランに組み込まれたものでしたか

そうですね、もっと伸びる予定でしたが、そこはまだまだ練習不足ということで、1位まで上げることができなかったです。

――ではマイルリレーについて、ホームストレートでのスパートは、周りの選手と競った結果でしょうか

むしろコーナーの時点で、取ることができる位置にはいたので、できるだけリードを持って3走に渡したいという思いを持って、最後は頑張りました。

――加藤選手は春先に海外の試合経験を積まれましたが、そこでの収穫が今大会に生かされたということはありますか

少なからずあったと思います。海外の選手は、(レースの)前半が相当速いので、今回の僕のレースにも少し生きています。去年、おととしよりも前半に(スピードを)出せたのではないかと思います。

――では次レースの予定は

日本選手権です

――日本選手権に向けて意気込みをお願いします

そこでリオ五輪に出られるかどうかが決まるので、しっかり決勝にまで残ってそこで勝負できるように、いままでやってきたことと、今回得た課題として見つかったことを一つ一つ消化して、最高の走りができたらなと思います。

高橋和生(社2=岩手・花巻北)

――今大会の目標は

去年の全カレ(日本学生対校選手権)以来のトラックレースだったのですが、しっかり練習は積めていたので40分台と、良くて5番悪くても6番というのを目標にしていました。6位という結果に関しては最低限のことはできたかなと思います。

――きょうのレースプランは何かありましたか

最初の1000メートルを4分きるくらいでみんないくと思ったので、最初は4分でしっかり入っていって4000メートルまでに5番手くらいについて、ラスト2000メートルでスパートをかけようと考えていました。

――きょうのレースを振り返って良かった点と課題を教えてください

いつも通りラスト2000メートルで切り替えができたことが良かったです。東洋大の選手についていった後、6000(メートル)と7000(メートル)の間で一度休んでしまった結果前の明大の選手に最後追いつききれませんでした。たぶんあと1周あれば抜けたかなという思いはありますが、そこが改善するべき点だと思いました。

――先ほどのお話にもありましたが、東洋大の選手に追いつかれてから引っ張られるようにペースを上げたように見えました

あの時は前の選手に追いつきたい、後ろの選手を引き離したいと思っていて、自分自身にも結構余力が残ってたのでついていけばチャンスになるなと思いました。結果後ろも離れて、前とも詰まったので気合いが入ったというか気持ちが切り替えられてよかったかなと思います。

――自己ベストを更新されましたがいかがですか

自己ベストを1秒更新したのですが、正直40分台は固いかなと思っていました。6000から7000メートルのラップタイムが落ちたことと、前半から速いペースで刻んでいくということができなかったので、これからしっかり練習を積んで全カレでは40分台前半、あわよくば表彰台を狙って頑張りたいと思います。

――きのうは1万メートル競歩で女子の溝口選手(友己歩、スポ1=長野東)が優勝しましたが、何かお話などされましたか

きょう朝一のレースだったのでメールのやり取りのみでしたが、頑張ってくださいと言われました。早大の女子の競歩は目立つことが過去にもあまりなかったと思うので、きのうの優勝は早大の競歩に良いイメージをつけてくれたと思います。僕自身も後輩が頑張っているから自分も頑張らなきゃなという気持ちになったので良い刺激になりました。

――今後の目標をお願いします

この大会、全カレと大きい大会を終えると、次は来年のユニバーシアードの選考レースで冬の20キロのレースになると思うので、ユニバーシアードの出場権を得るためにもしっかり20キロで戦える力をつけたいです。そのためにも1万メートルのレースで全国の大学生の中でもしっかりトップレベルで歩けるようになりたいと思っています。

大木皓太(スポ1=千葉・成田)

――5位入賞おめでとうございます。今の気持ちを教えてください

1年目としては100パーセント満足だとは言わないですが、良かったと思います。

――序盤は後方でレースを進めていましたが、前方の選手のペースは気になりませんでしたか

予選で結構力を出し切ってしまって、決勝はもう1周目からきつくて。自分のペースでいこうと思っていたので周りは気にせず走りました。

――途中自ら仕掛けてスピードアップするなど積極的なレースを見せていましたが

レース前の監督との打ち合わせの時に、ラスト1000メートルできつくても一回出ろという指示があったので、その通りにラスト1000(メートル)で出て積極的なレースができたので良かったです。

――予選で初の8分台となる自己ベストを出しましたが、予選からタイムを狙いにいっていたのでしょうか

はい。結構調子が良かったので、自分で速いペースで引っ張っていって自己ベストを狙いにいきました

――なかなか出なかった8分台を2レース連続で記録しました

実力がついたということで、これから少し自信を持っていきたいと思います

――大幅にベストを更新することができた要因は何でしょうか

練習がはまったのとピークをしっかりとこの大会に合わせることができたことが大きいと思います。

――最後に今シーズンの目標をお願いします

トラックシーズンはもちろんですが、これから秋になってロードシーズンに入った時に今にも劣らないくらい活躍できるように頑張っていきたいと思います。

西久保達也(スポ1=埼玉・聖望学園)

――きょうのレースをふりかえっていかがですか

きょうのレースはタイムとしては僕の納得のいくものではなかったんですけど、ただやはり勝つこと、それがすごく僕にとってプラスになったなと思うので今回の勝ちを今後につなげられるようにしていきたいです。

――優勝という結果についていかがですか

正直最後のところで負けたかなと僕の方は思っていたんですけど、最後僕の名前が掲示板に出たときすごくうれしかったです。

――意気込みはどのようなものでしたか

やはり初めての大学生としての大きな大会ということで予選と準決勝はすごく緊張していたんですけど、決勝まで残れてやっとやるだけのことをやろうという、ある意味開き直ってすごく積極的にできたなと思います。

――日大の三武潤選手と最後まで競り合いとなりましたがその点についていかがですか

最初僕が出て後ろがあまりついてこなかったというか、最初の方で間が開いていたので余裕を持ってこのままいって最後にしっかり出せるように貯めようかな考えていました。最後はやはり三武さんが来られると思っていたので、来たときにしっかり反応して走ることができたと思います。

――廣出和樹選手(教4=愛知・豊岡)、飯島陸斗選手(スポ1=茨城・緑岡)と3人そろって決勝進出となり3人で決勝を戦った点についていかがですか

準決勝の段階で僕と廣出さんが着順で決められてそのあと飯島も着取りで決められてすごく中距離としてうれしかったですし、3人も残れたのは去年に引き続き中距離として強いワセダを見せられたのかなと思います。

南野智美(スポ2=山口・西京)

――400メートル障害での3位入賞おめでとうございます。今のお気持ちを教えてください

冬季積んできたことがやっと走りに現れてきてうれしいのとともに、去年まで7種競技をやっていてまだ400メートル障害に自信がない中できょうの結果を出すことができて自信を持つきっかけになったと思います。短長ブロックは本当に強いので、うまく引っ張っていただいてきょうのこのタイムを出せた事がとてもうれしいです

――決勝のレースを振り返っていかがですか

前半置いていかれたなと思うところはありましたが、やはり自分の持ち味は後半なのでしっかりそこは粘れたと思います。それでもやはり前半で差がつくところがまだまだ甘い部分ではあるので、課題が見つかったのも良かったと思います

――58秒58の自己新記録はどのように受け止めていますか

高校3年生の6月に59秒76を出してから一回も60秒を切ることがなくて、昨日やっと59秒19のベストが出て、きょうは58秒9くらいで入ってこれたら狙いどおりかなと思っていましたが一気に縮めることができたので良かったです。

――自己ベストを出すことができた要因は何でしょうか

冬季にケガをすることがなく人生で一番走ることができて、冬季たくさん走ってきたことが春先暖かくなってスピードにも現れてきていました。練習でタイムをとっても全て自己ベストをマークしてここまで来ていたので、やはり冬季積めたということが大きな要因だと思います。

――マイルリレーについてはいかがですか

マイルは1、2走が1年生ということで新入生に流れを作ってもらうというのは申し訳ないのですがしっかりと(流れを)作ってきてくれて、3走の長田さんもしっかりバトンをつないで下さったので、もういくしかないっていうのはありました。ただやはり前半いけないというところで抜かれてしまい、ラスト勝負というところが自分の中であったので、400メートル障害で負けている日体大の福部真子さんにはここだけは勝ちたいと思ってもがくようなかたちになってしましました。チーム的には日本選手権リレーの標準タイムを切れたのでまず目標をクリアして次につなげることができたかなと思います。

――今大会を通して得た収穫はありますか

これまでスプリント力がないというのが自分の自信のないところだったのですが、冬季練習を積めてその成果を出せたことで自信を持てるようになったということと、今インターバルを16歩でいっているのですが、それが詰まってきてこれからどうしようかというプランを練れるようになってしっかりまた練習を積める材料がそろったということが今回の収穫です。

――最後に今後の目標をお願いします

58秒58までいったのですがユニバーシアードを狙うのであればやはり57秒を出す必要があって、下の学年に56秒台で走る子もいるので、現状に満足することなくタイムを上げていって全カレでも3番以内に入れるような力を付けていきたいです。

仲野春花(スポ2=福岡・中村学園女子)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちはいかがですか

2週間前に自己ベストを更新できて、関カレでは記録もそうなのですが順位にこだわってやっていきたいなという思いがありました。優勝を目指していた中で優勝ができて、結果につながったことを嬉しく思います。

――ついに1メートル80台の自己ベストに突入しましたが

180センチ台を初めて挑戦したのが約2年前で、やっと到達できたというのは本当に嬉しいです。ですが、あくまで『やっと』という感じですね。

――今大会では1本目からの成功がほとんどでした

高さが高くなるにつれて試技の本数も多くなると思ったので、低い高さでは失敗したくないなといったところで、一本一本集中して跳びました。

――1メートル84センチの挑戦は惜しくも失敗となりましたが

大会記録が184センチということで、跳びたかったのですが…。あと2年あるので、私が大会新を更新できたらなと思います。

――次の試合の予定は

6月に日本選手権があり、そちらの方でも頑張っていきたいと思います。