野澤OBが2戦連続PB!リオへの激走

陸上競技

 来場者数は昨年を大幅に超える23000人余り。これだけでも陸上競技というスポーツが、いかにオリンピックを前に熱を帯びてきているかということが伺えるだろう。日本のトップアスリート、そして海外からの招待選手を招き盛大に行われたセイコーゴールデングランプリ2016川崎。早大からは招待選手として男子110メートル障害に古谷拓夢(スポ2=神奈川・相洋)、そしてOBの野澤啓佑(平26スポ卒=現ミズノ)、ディーン元気(平26スポ卒=現ミズノ)が出場した。中でも男子400メートル障害に出走した野澤OBはリオデジャネイロオリンピック(リオ五輪)の派遣設定記録を上回るタイムをたたき出す。先日の静岡国際大会で参加標準記録である49秒40を切って優勝し、リオ五輪へ向け前進していたが、わずか数日でさらなるアピールをしてみせた。

(記事 平野紘揮)

★次につながる手応え得る

13秒8台とまずまずのレースを展開した古谷

 男子110メートル障害にはワセダが誇る天才ハードラー古谷拓夢(スポ2=神奈川・相洋)が出場。織田幹雄記念国際大会(織田記念)から約1週間と、短いスパンでの出場となったが、地元・神奈川県開催である今大会に向け調整し万全の状態で臨んだ。
ピストルの音と同時に好スタートを切った古谷。しかし、3台目のハードルを過ぎてから徐々にトップとの差が開いた。必死で前を追うも結果は6位。大舞台での自己ベスト更新とはならなかった。だが、古谷が得たのは確かな手応え。前回のレースである織田記念同様、中盤から後半にかけて課題を残したが、記録は確実に伸びている。迫る関東学生対校選手権(関カレ)への意気込みを「タイムだけではなく勝負に徹して優勝したい。」と力強く語った。先頭から引き離されてしまった今大会。しかし、同時に自身の成長も実感した。手にした課題を克服し、表彰台の頂をさっそうと奪い去る。狙いは定まった。

(記事、写真 榎本透子)

★野澤OBが優勝、そしてリオ五輪派遣設定記録突破!

優勝し花束を受け取る野澤OB

 男子400メートル障害で素晴らしい記録が飛び出した!野澤啓佑OB(平26スポ卒=現ミズノ)は先日の静岡国際大会で、自己新記録となる49秒07をマークし、リオ五輪の参加標準記録は突破済み。そして今回のセイコーゴールデングランプリ2016川崎は国内外の強豪が集う舞台であり、記録を狙うには絶好の機会だったが、野澤OBはそのチャンスを見事ものにしてみせた。スタートから着実なレース運びをすると、ラスト100メートルの直線で後続とのリードを広げゴール。48秒67という数字がスクリーンに映し出されたとき、会場にはどよめきと大歓声が巻き起こった。リオ五輪の派遣設定記録は48秒74。また、今回の野澤OBの記録は日本歴代9位に入ることからもこのタイムのすさまじさがうかがえる。リオ出場へ向け流れに乗った野澤OB。都の西北から羽ばたいたランナーに、いまから目が離せない。

(記事、写真 鎌田理沙)

★2週連続好投とはならず…ライバルたちとの差を痛感

難しい投てきとなったディーン元気OB

 1週間前に行われた織田幹雄記念国際大会(織田記念)から連戦となった男子やり投げのディーン元気OB(平26スポ卒=現ミズノ)。織田記念では80メートル近い投てきを見せ、調子は上がり気味かと思われていた。しかし今回は、1投目、2投目と73メートル台にとどまり、一時はトップ8入りも厳しい状況に。3投目で77メートル67を記録し決勝へと駒を進めたものの、そこから記録を伸ばすことはできず全体8位に終わった。一方、今大会で新井涼平(スズキ浜松AC)は1投目でリオ五輪参加標準記録を突破し、村上幸史(スズキ浜松AC)も80メートルラインに迫るビッグスローを披露。ライバルたちは着実に結果を残してきている。リオ五輪まで残り90日を切った。2大会連続のオリンピック出場へ向け、今後の日本選手権でディーン元気OBもそれに続きたい。

(記事 平野紘揮、写真 本田京太郎)

結果

▽男子110メートル障害

古谷拓夢 13秒85(ー0.6)(6位)



▽男子400メートル障害

野澤啓佑OB 48秒67(1位) 自己新記録、リオオリンピック派遣設定記録突破



▽男子やり投

ディーン元気OB 77メートル67(8位)

コメント

古谷拓夢(スポ2=神奈川・相洋)

――前大会の織田幹雄記念国際大会から時間があまり空いていませんでしたが、どう調整しましたか

試合が続いていましたが、その中でも走るところは走り、疲労を抜くところはしっかり抜くことを心がけてきました。なのでセイコーゴールデングランプリ川崎に向けて調整はできたしそれ自体は悪くなかったと思います。地元である神奈川県での開催だったのでたくさんの応援もあり楽しく走ることができました。

――自身のレースの内容はいかがでしたか

スタートは前回よりうまくできたと思いますが、ハードルの3台目以降で置いていかれてしまいました。中国や日本のトップの選手と比べると自分はまだまだなので課題として修正できるように頑張ります。

――関東学生対校選手権(関カレ)への意気込みは

今回自己ベストには届かなかったのですが、過程も考えたら自己ベストを十分狙えるところまではきていると思います。関カレではタイムももちろんですが、勝負に徹してしっかり優勝できるように頑張ります。