好タイムが出やすいことから世間的に注目されている、日本グランプリシリーズ初戦の織田幹雄記念国際大会(織田記念)。グランプリ種目には早大から3名が出場した。なかでも橋元晃志(スポ3=鹿児島・川薩清修館)が男子200メートルで銀メダルを獲得。ユニバーシアード出場へ向け大きく前進した。
男子200メートルでは橋元が予選に登場した。コーナーから徐々に加速すると、直線で他選手を大きく離す。追い風参考記録ながらも自己ベストにわずか0.08秒迫る20秒43を記録。圧巻の走りを見せ、着順で決勝へと駒を進めた。スタートから飛び出すと、トップスピードで駆け抜ける。ラスト50メートルでやや失速し藤光謙司(ゼンリン)に抜かされるも、2着でフィニッシュ。陸上界のみならず日本中から期待を寄せられている桐生祥秀(東洋大)に先着し、自身の好調さをアピールした。
男子200メートルA決勝で2位となった橋元
優勝候補筆頭の金丸祐三(大塚製薬)がまさかの欠場という、波乱の幕開けとなった男子400メートル。昨季アジア競技大会や世界ジュニア選手権で好結果を残した加藤修也(スポ2=静岡・浜名)に有利な展開になることが予想されていた。予選では持ち味である後半の伸びを生かし、2着で決勝進出を決める。また予選3組に出場した木村賢太(スポ4=大分・杵築)はスタートで出遅れてしまう。しかしホームストレートで必死の粘りを見せ、接戦を抜け出し1着でゴール。予選出場者の中でトップのタイムを記録した。そして迎えた決勝。加藤は落ち着いた様子でレースを進めていく。しかしラストスパートで加速し切れない。レーンぎりぎりを走り、バランスを崩すと転倒しながらゴール。期待されていた表彰台には届かず、4位に終わった。木村は序盤からトップスピードに乗り切れなかったものの、自身初となる日本グランプリシリーズでの8位入賞を果たした。
納得のいく結果で終わることができなかった加藤
表彰台を一歩及ばず逃した加藤だが、400メートルでメダルを獲得した選手は全て大学生。連覇を目指す関東学生対校選手権に黄色信号が点灯した。一方ユニバーシアードへの出場が懸かる日本グランプリシリーズで、学生トップの好成績を収めた橋元。今季の大きな目標の一つであった、同大会への切符を手にすることがほぼ確実視される。得意な200メートルで結果を残しただけでなく、春先には100メートルの自己ベストも更新。早大のエースを担う準備は整った。この勢いのまま日本選手権まで駆け抜けられるのか、期待が高まっている。
(記事 八木瑛莉佳、写真 戸田郁美、菅真衣子)
笑顔を見せた橋元
結果
1日目
▽男子200メートル
予選
橋元晃志 20秒43(+2.4)(3組1着)
決勝
橋元晃志 20秒71(+1.5)(2位)
▽男子400メートル
ノングランプリ
中野直哉(スポ3=長野吉田) 47秒73(1組1着)
予選
加藤修也 47秒14(2組2着)
木村賢太 46秒98(3組1着)
2日目
▽男子100メートル
予選
九鬼巧(OB) 10秒59(-0.1)(1組3着)
竹下裕希(OB) 10秒61(-0.1)(1組5着)
橋元晃志 10秒56(+0.6)(3組5着)
B決勝
竹下裕希(OB) 10秒73(-0.6)(8着)
九鬼巧(OB) DNS
橋元晃志 DNS
▽男子400メートル決勝
加藤修也 46秒62(4位)
木村賢太 47秒42(8位)
▽男子やり投決勝
ディーン元気(OB) 75m09(5位)
▽女子棒高跳
濱名愛(OG) 3m90(6位)
上原あずさ(教4=埼玉・不動岡) NM