ことし創部100周年を迎える早大競走部。これまで織田幹雄氏(昭6商卒)や南部忠平氏(昭4専門部商科卒)といった日本陸上界の先駆者を輩出し、近年は学生駅伝「三冠」や関東学生対校選手権・日本学生対校選手権総合優勝などの輝かしい功績を残してきた。その節目を祝う記念式典が行われ、多くのOB・OGが顔を揃えた。
ウィルコックス氏から記念のペナントを受け取る野嶋栄一郎部長(左)
歴史ある競走部の式典ということもあり早大副総長・島田陽一氏を始め、日本陸上競技連盟会長・横川浩氏などが来賓として訪れた。さらには1928年に対校戦を開催して以来交流が続く、英国の名門アキレスクラブのポール・ウィルコックス事務局長もはるばる英国より出席。競走部と世界のつながりを感じさせるウィルコックス氏の来訪には会場からひときわ大きな拍手が寄せられた。また式典の中盤では織田氏に始まり、瀬古利彦氏(昭55教卒=三重・四日市工)、ディーン元気(平26スポ卒=現ミズノ)、現役では加藤修也(スポ1=静岡・浜名)といった選手の活躍をまとめた映像が流され、盛り上がりを見せた。
競走部は世界記録を4回、日本記録は216回も更新してきた。常に時代の先端を走り続けてこられたのは、多くのOB・OGの活躍や支えがあったから。会場内ではその卒業生から激励を受ける現役部員達の姿が見られた。彼らが歴史と伝統の新たな伝達者として、1月に控える東京箱根間往復大学駅伝や来季のインカレでは輝くエンジのユニフォームを見せてくれるに違いない。
OBと現役部員が肩を組み校歌を斉唱した
1914年に創部され、長らく日本の一線で活躍してきた早大競走部。しかし、その歴史はこれで終わりではない。「100年の重みを充分に受け止めて、ここからまた次の100年に向かって踏み出さなくてはいけない」(河野洋平氏、昭34政経卒=東京・早大学院)。次の100年ではどんな栄光をつかみとるのか――。節目の時を経て、競走部は新たな歴史へ歩み始めた。
(記事 石丸諒、写真 八木瑛莉佳、中澤佑輔)