進化を続ける野澤が自己新!

陸上競技

 本年8月、中国・深センで開催される第26回ユニバーシアードの選考も兼ねた日本学生個人選手権が平塚競技場で3日間にわたり行われた。最終日の400メートル障害決勝に登場したのは野澤啓佑(スポ2=山梨・巨摩)。2週間前に地元で開催された山梨県選手権で塗り替えたばかりの自己ベストを再び更新する51秒06の走りを見せた。順位も1年時に出場した際の6位から4位へと順位を上げた。

野澤は好調をキープし、またしても自己新記録を塗り替えた

 レースを終え、自己新をマークしてもなお野澤の表情には悔しさがにじみ出た。目標としていた50秒台にはあと一歩届かなかった。それでも大学2年目の今年、野澤の成長は目覚ましい。5月下旬にあった関東学生対校選手権でベストに0秒02と迫る51秒37のタイムで5位入賞を果たす。山梨県選手権では51秒17とベストを大幅に上回るタイムで自己新を叩き出していた。

  「体が動いていなかった」と振り返りながらも前日の予選、準決勝ともに2位で危なげなく通過。迎えた決勝では礒繁雄監督(昭58年教卒=栃木・大田原)の指示通りスタートから飛ばしていくと、バックストレート後半からはやや疲れが見えたもののラストは粘りの走りで水野(日体大)ら強豪がひしめく中での堂々の4位でフィニッシュ。

 今大会の自身の走りについて「自己ベストが出たことはもちろんうれしいが、50秒台が出なかったのでうれしい反面、悔しいという気持ちが大きい」と成長途上にある野澤はまだまだ満足をしていない。進化を遂げ続ける若武者から目が離せない。

(記事 滝沢航平、カメラ 浜雄介)

★蔭山が3位に

3日間フル出場し、最終日は400メートルで表彰台に上った蔭山

 女子400メートルに出場した蔭山愛(教3=神奈川・相洋)が55秒30で3位に入賞した。200メートルの決勝直後に400メートルの予選が控えるなどハードな日程となった今大会だが、無難にレースを消化。400メートルは予選、準決勝ともに1着で駒を進めた。

迎えた決勝は200メートルあたりからトップと並走したが、残り100メートルは疲労により後半の伸びを欠いた。しかし3位は死守。笑顔で表彰台に上った。

結果

▽男子100メートル

九鬼巧 10秒52(5位)

▽男子200メートル

竹下裕希 21秒33(4位)

三原浩幸 21秒41(5位)

▽男子400メートル

竹下裕希 47秒61(5位)自己新記録

牧野武  47秒64(6位)

▽110メートル障害

日野勇輝 14秒10(6位)

▽男子400メートル障害

野澤啓佑 51秒06(4位)自己新記録

▽男子棒高跳

安藤大地 5メートル00(6位)

土井翔太 記録なし

▽男子走幅跳

林風汰 7メートル39(5位)

▽男子砲丸投

窪田章人 13メートル94(18位)

▽男子やり投

神崎真悟 69メートル50(4位)

▽女子200メートル

蔭山愛 24秒70(6位)

▽女子400メートル

蔭山愛 55秒30(3位)

▽女子100メートル障害

紫村 仁美 13秒79(4位)

▽女子1万メートル競歩

野田泰代 50分32秒68(14位)自己新記録

▽女子走高跳

土川萌子 1メートル60(17位)

▽女子円盤投

佐藤菜央美 41メートル55(11位)

コメント

野澤啓佑(スポ2=山梨・巨摩)

――きょうの決勝のレースで自己ベストを出されましたが、振り返っていかがでしょうか

関カレの時と同様50秒台を出すというのが目標だったのですが、決勝は調子が良くて結果が出せそうだったので、100分の6秒というちょっとの差で50秒台が出せなかったのは悔しいです。

――今回の大会は50秒台を狙って大会に臨まれていたのですか

はい、そうです。

――関カレでも当時の自己ベストを出されましたが最近はずっと調子が良いのですか

はい、調整がうまくいっています。きのうの予選、準決勝は体が動いていなかったのですが、ゆっくり休んで体調が良かったこともあり、最初から突っ込んで行けという先生の言葉通り突っ込んで行って自己ベストが出せたので良かったです。

——野澤選手は普段から前半から飛ばしていくスタイルですか

自分のスタイルというよりは、突っ込んでしまうという形になっているんです。もちろん前半から突っ込んでいかなければいけないのですが、自分の走りとしては前半から突っ込んでしまうと後半でうまく走れなくなるので、ある程度ゆとりを持って走っていくというレースパターンが理想です。

――準決勝ではどちらかというと前半から突っ込んでいった形でしたか

体があんまり動かなかったので、前半からしっかり走れるように意識しました。

――そういった意味では決勝ではいい形でレースを運べた

はい、そうですね。

――この大会で春シーズンは終わりになるのですか

記録会等はあるのですが、とりあえずこれで大きな大会は一区切りです。

――今後の目標はやはり50秒台になるのですか

そうですね。

――今日の自己ベスト更新は嬉しいというよりも悔しいという気持ちの方が大きいですか

自己ベストが出たことはもちろん嬉しいのですが、50秒台が出なかったのでうれしい反面悔しいという気持ちが大きいです。

蔭山愛(教3=神奈川・相洋)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

準決勝でちょっと飛ばしすぎてしまったんですが、タイムが思ったより出たので決勝もうまくいくかなと思ったんですけど、疲れてしまって。レース後半もう少ししっかり走ることができたらもう少し上の順位にいけたのですが、その点が失敗したと思いました。

――日本選手権から試合続きですが

日本選手権では自己ベストを狙おうと思っていたので、1つの大きな試合と捉えていました。今日の試合は日本選手権の次の試合でそこまでタイムや順位を狙っていこうとは思わずに、日本選手権で失敗したところを修正できるような走りをしようと思っていたので、そこまで試合続きという感覚はないです。

――この試合で春シーズンは締めくくりですか

来週と再来週に神奈川県選手権があり、それが終わると春シーズンの試合が終わります。

――神奈川県選手権が終わった後、夏に鍛えたい点などは

秋には(400メートル)54秒台と(200メートル)23秒台を目指すので、夏はこの春シーズンで挙がった課題を1つずつ克服できるような練習を積みたいと思います。また秋には部に貢献できるようなタイムと順位を狙っていきたいと思います。