大迫、ユニバーシアードへ期待十分

陸上競技

 来月16日から始まる第26回ユニバーシアード(ユニバ)で、5000メートル・1万メートルの出場を控える大迫傑(スポ2=長野・佐久長聖)が順調な仕上がりを見せている。春先のシーズンから好調を保っており、ユニバを意識した練習の一環としてのレースながらも始終自身のペースでレースを展開。1000メートルを2分40秒のイーブンペースで刻み、3000メートルを8分05秒70と自己新記録でまとめてみせた。

残り100メートル、ゴールへ向け力走する大迫

 大迫は200メートルで台頭した長谷川裕介(エスビー食品)をペースメーカーに、ぴったりと2番手をキープ。市川考徳(東洋大)、平賀翔太(基理3=長野・佐久長聖)、志方文典(スポ2=兵庫・西脇工)と続く後続や幾度も振り返る長谷川をものともせずに自身のペースを貫き、1200メートルで長谷川をかわしトップへ躍り出た。長谷川は大迫に捕えられた直後に棄権しており、後ろに食らいついたのは市川のみ。その後、平賀らが引っ張っていた4位集団を抜け出し猛追してくる設楽啓太(東洋大)に1500メートルで追いつかれるも、ペースを乱すことなく200メートルほどで振り切った。残る市川も途中200メートルほど先頭を譲ったのちラスト1000メートルで一気に突き放し、大迫は完全な独走状態に。その差は目に見えて広がり、200メートルで6メートル、最終的にその差は40メートル近くになった。最後の直線こそ若干あごが上がり表情を歪ませたものの、目安としていた通りのタイムで走り終え、「まずまずの出来」(大迫)でユニバーシアード前最後のレースを締めくくった。

 ユニバ本番の3週間前には夏合宿も行われるが、まずは「ユニバに向けて集中したい」と話す大迫。中国からの帰国後には、チームとしての優勝がかかる日本学生対校選手権(全カレ)、そして王者として迎える駅伝シーズンが控えている。これらの主要大会に弾みをつけるためにも、トラックシーズン1の大舞台で活躍を誓う。

(記事 深谷汐里、カメラ 杉山幸美)

結果

男子3000メートル

▽7組

安永陽   8分19秒27(3着)自己新記録

田口大貴  8分23秒16(6着)自己新記録

佐々木寛文 8分24秒12(7着)

徳留駿   8分38秒25(9着)

相原将仁  8分45秒26(11着)

萩原涼   8分58秒62(12着)

▽8組

大迫傑   8分05秒70(1着)自己新記録

志方文典  8分13秒09(4着)自己新記録

平賀翔太  8分18秒29(7着)

コメント

大迫傑(スポ2=長野・佐久長聖)

――きょうのレースを振り返って

調整したレースじゃなかったので練習の一環として出たんですけど、今の時期としてはまずまずの練習ができたんじゃないかなあと思います。

――7分台は目指していたのか

いや特に。今回は8分から8分5くらいで走れればいいかなあと考えていました。

――イーブンペースでしたが、ラップは意識していたのですか

いや、2分40秒のペースで行こうというだけでした。

――きょうのレースの目的は

ユニバが8月にあるので、それに向けての最後の大会というか、レースを経験しておくという意味で出ました。

――来週から、合宿、ユニバーシアード、合宿、全カレと続きます

まずはユニバを頑張ることが大前提なんですけど、そこから全カレもチームとして優勝を狙っているのでそこもしっかり走って、秋の駅伝シーズンにつなげて行きたいなと思います。

――春から課題としていたスピード強化の成果はいかがですか

春先1500メートルから入らせてもらえたので、非常に短めから、自然にいい形で入って来られたなと思います。

――夏場の走り込み、合宿に向けての意識は

まずは走り込みの前にユニバーシアードがあるのでそこをしっかりやって、そこからは駅伝シーズンに入ってからしっかり練習を考えて行けばいいかなと思っているので、まずは目先の目標に向かって集中していきたいと思います。

安永陽(スポ4=東京・早実)

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

4年生は自分1人だったので、実力のある後輩にたいして意地を見せたいと思って試合にのぞみました。また、合宿ではAチーム、Bチームの境目にいるので、Aチームとして北海道にいけるようなアピールを心がけて走りました。

――その合宿ではどのようなことを強化したいですか

合宿では、4年生として周りを引っ張っていきたいです。個人的には、箱根駅伝を走れる力をつけたいです。

――4年目の目標は

まだ、一度も箱根駅伝に出場していないので、今年は出場できるよう頑張りたいです。また、四年生としてチームを引っ張っていきたいと思います。

佐々木寛文(スポ3=長野・佐久長聖)

――きょうのレースですが、出場に至った経緯とは

故障をいままで引きずっていたんですけどようやくいい感じになって治ったので、練習を開始して1カ月経って夏合宿もありますのでそれに向けて練習の一環として今回は出るような形になりました。

――1カ月前から走れるようになるまでは、走れない日々が続いたのでしょうか

そうですね結局冬場の坐骨神経痛がずっと良くならなくて、走ったり走れなかったりというのを繰り返してたんですけど、ここにきてようやく状態が良くなって、ようやく継続して練習を積めるようになってきました。

――夏場を前に復帰できたことはご自身にとってプラスだと思います

夏合宿前にしっかりと治せたというのは大きいですし、もし治らなかった場合でも結局は夏合宿はしっかりやらないといけなかったので。

――坐骨神経痛なのですが、回復傾向にあった後に実業団の合宿に参加してまた悪化してしまったとうかがいましたが

治ってない段階でまた無理をしてしまったので、そこで良くなったり悪くなったりを繰り返していたんですけど、今回は自分のもっと(練習を)やりたいという気持ちはありますけどそれを最初の方はしっかり抑えて、段階を踏みながら徐々に調整できてきているかなという感じはします。

――夏から本格的に再出発ですね

そうですね。夏合宿ではしっかりと距離を踏んで、秋シーズンからエンジンかけられればいいかなと思います。

志方文典(スポ2=兵庫・西脇工)

――きょうのレースの感想は

固まった中でどれだけ走ることができるのかを試すことを目標にこの大会に出場したので、きょうのレースは大体予想通りに走ることができました。

――特にラストの走りが力強かった印象を受けましたが、ご自身の中ではいかがですか

それほどスピードは上がってはいませんが、大きく落とすことはなく、粘り強く走り抜くことができました。

――この大会の位置づけは

今季は、トラックのレースではあまり良い走りをすることができなかったため、この大会を自分の中のもやもやとした感情を打ち消す機会にしようと考えていました。そして、3000メートルという短い距離なので、思い切って走れればいいなと思っていました。また、合宿前のいまどれだけ力があるのかを知る良い機会にもなれたのではないかと思います。

――ことしの夏合宿で強化したい点は

ことしは震災の影響で春の合宿がなくなってしまい、今のところ走り込みができていないので、その走り込みをすると同時に、スピードに耐えることができるスピード持久力がまだ自分には足りていないので、それを強化したいと思っています。

平賀翔太(基理3=長野・佐久長聖)

――きょうレースの出来はいかがでしたか

もう少ししっかり走りたかったです。あまり良くなかったと思います。

――きょうのレースの位置づけは

練習の一環として出場しました。

――6月19日のホクレンディスタンス北見大会1万メートルに遠征として出場なさっていましたが、そのレースはいかがでしたか

あの時期はあまり練習ができていないまま出場したレースでした。1万メートルを28分台では走っておきたかったので、満足していません。(※タイムは29分09秒75)

――夏に向けて克服したいことや課題はありますか

ことしはあまり納得のいく走りができていないので、夏にしっかりと練習を積んでいきたいです。秋以降は駅伝などで結果を残していきたいと思います。