昨年の優勝タイムを上回る3位

陸上競技

 世界にただ一つの男女混合駅伝である国際千葉駅伝が23日、千葉総合スポーツセンター陸上競技場を発着点に行われた。各国を代表するトップランナーの男女各3人が交互にタスキをつないでタイムを競うこの大会。昨年は早大から矢澤曜(教4=神奈川・多摩)、平賀翔太(基理3=長野・佐久長聖)の二人が日本学生選抜に選出され初優勝に貢献したが、ことしは大迫傑(スポ2=長野・佐久長聖)が代表入り。本人は「力不足」と振り返ったものの、首位と5秒差でタスキをつなぎ、健闘の走りを見せた。

トップのケニア人選手に食らい付く大迫

 大迫が任されたのは1区。最初に先頭集団を引っ張ったのは、日本代表で1区のスペシャリスト上野裕一郎(エスビー食品)だった。大迫がすかさず後ろにつくと、ケニア、ロシア、アメリカも続く。中間点を過ぎたところで力のあるケニア選手が飛び出し、大迫のみが食らい付くかたちとなった。好走を見せていた大迫だが、3.5キロを通過したあたりから表情が歪み始める。トップとの差が広がるとともに、ロシア、アメリカにかわされた。中継所手前では、佐久長聖高校の大先輩である上野が後輩に負けじと意地のスパート。タスキリレー目前でとらえられ、大迫は13分41秒の5位で役目を終えた。

 続く2区で竹中理沙(立命館大)がチームを2位に押し上げると、3区は駒大のエース格を担う窪田忍。ロシアと並走しながら積極的な走りを見せた。4区・吉本ひかり(佛教大)が2位ケニアとの差を3秒まで縮め、タスキは出岐雄大(青学大)へ。先月行われた全日本大学駅伝対校選手権(全日本)の2区でも争った鎧坂哲哉(明大)は、日本代表として同区間にエントリー。全日本では出岐が区間賞を獲得したが、今回は鎧坂に軍配が上がった。日本学生選抜はロシアと同タイムで最終6区にタスキをつなぐ。アンカー・野村沙世(名城大)が3キロ過ぎでロシアを突き離し、2時間7分26秒の3位でゴールテープを切った。。

 レースはケニアが初優勝を果たし、19秒差で日本代表が続いた。気温が高い中でのレースにもかかわらず、2チームともに大会記録を更新するタイムでのゴール。今大会のレベルの高さがうかがえた。日本学生選抜も連覇こそ逃したものの、前回優勝した際のタイムである2時間7分52秒を上回り、来年につながる結果をしっかりと残してみせた。今大会では仲間として共に戦った窪田や出岐も、来たる東京箱根間往復大学駅伝(箱根)ではライバルとなる。国際千葉駅伝で走った経験を生かし、各々最高の状態で新春の大一番を迎えてほしい。

(記事 菅原理紗子、カメラ 片貝早輝子)

★OB選手からエール!

 今大会には大迫のほかにも二名のワセダ勢が出場した。日本代表として竹澤健介(平21スポ卒=現エスビー食品)が、千葉選抜で尾崎貴宏(平22教卒=現富士通)が共に3区にエントリー。竹澤は区間3位、尾崎は区間9位という結果に終わり、両者とも本来の走り発揮とはならなかった。それでも現在のワセダについて伺うと、「箱根連覇のプレッシャーに負けず頑張ってほしい」(竹澤)、「いまはちょっと歯車が合っていないように見えるので、箱根ではうまく合わせてほしい。OBとして応援しています」(尾崎)と笑顔でコメントしてくれた。

結果

日本学生選抜 2時間07分26秒(3位)

1区:大迫傑 13分41秒(区間5位)