総合5連覇でトラックシーズン開幕戦を飾る

陸上競技

 今季初の対校戦となる第45回東京六大学対校大会が15日に行われ、ついにトラックシーズンが開幕した。大会5連覇がかかるプレッシャーの中でも、選手たちは冬季練習の成果を発揮。3種目を残した時点で早大、慶大、法大が5点差以内にひしめく混戦状態となるも、終わってみれば2位・法大に23点差をつける貫録の5連覇でシーズン初戦を飾った。

優勝杯を受け取る浦野主将

 トラック部門では、800メートルに出場した期待のルーキー吉田貴洋(スポ1=和歌山・田辺)がデビュー戦にして優勝。400メートルでも牧野武(スポ4=愛知・時習館)、浦野晃弘主将(スポ4=広島皆実)がワン・ツーを独占するなど明るい材料もあったが、昨年5つだった優勝数が2つと少しさみしい結果となった。一方のフィールド部門では、ディーン元気(スポ3=兵庫・市尼崎)がやり投のロンドン五輪参加B標準記録を突破する79メートル60の大投てきを見せ優勝。サブ種目の円盤投でも優勝を果たして2年連続2冠を達成すると、昨年に引き続きフィールドの部の大会MVPに選出された。

 対校得点はトラックの部91点、フィールドの部62点。見事5連覇を達成したとはいえ総合得点は昨年より20点下回っており、手放しで喜ぶことはできなさそうだ。次なる対校戦は昨年男子1部総合優勝を果たした関東学生対校選手権(関カレ)。さらなるプレッシャーが選手たちにのしかかるが、今大会で得た手応えをより一層の飛躍につなげてほしい。

(記事、写真 菅原理紗子)

★ロンドン五輪参加B標準、ついに突破!

次戦でさらなる記録更新が期待されるディーン

  ディーンがついにロンドン五輪参加B標準記録(79メートル50)を突破した。先週から追い込みを続けている体は疲れていて、決してコンディションが良いわけではなかった。それでも1投目から75メートル42と大会新記録をマーク。続く3投目は「納得のいく試技ではなかった」と語るも大きな放物線を描き、記録は79メートル60。五輪参加B標準記録を破るとともに、3月にアメリカでたたき出した79メートル26の自己記録を再び更新してみせた。ことし父の母国イギリスで開催されるロンドン五輪には格別の思い入れがある。五輪参加B標準記録の突破にも「全然満足はしていない」と、狙うはあくまで五輪参加A標準記録(82メートル00)だ。調子に関係なく記録を伸ばすことができたのは、ことし2月にやり投王国フィンランドで積んだトレーニングの成果と言えるだろう。本人も「底力がついた」と話しているだけに、絶好調で迎える試合ではさらなる記録の更新が見込める。ディーンがピークを合わせるのは今月29日に行われる織田幹雄記念国際大会。次戦が楽しみでたまらない。

(記事 菅原理紗子、写真 大道瞳)

★新チーム始動!

3走の竹下からアンカーの欠畑(左)へとバトンが渡る

 今春久保田裕是氏(平24スポ卒)が卒業したことにより、今大会は2年生だけの新チームで臨んだ4×100メートルリレー(4継)。当初は1走を務める予定だった九鬼巧(スポ2=和歌山北)が急きょ2走に変更されたことなどもあり、バトンパスのミスが目立つ。慶大とほぼ同時に最終走者へのバトンが渡り、勝負のゆくえはアンカー勝負に持ち込まれた。最後は慶大に競り負け40秒29の2位と悔しい結果となったが、チームは始動したばかり。関カレでのリベンジに期待したい。

(記事 菅原理紗子、写真 大道瞳)

★吉田、大学デビュー戦を優勝で飾る

800メートルで優勝した期待のルーキー吉田

 800メートルでは1年生の吉田が堂々の優勝を果たした。「セパレートからカーブに入るまでの位置取りがうまくできなかった」と戸惑いもあった吉田。序盤はスローな展開となったが、残り300メートルでスパートを仕掛ける。先頭に立つとそのままトップを譲らず、逃げ切るかたちでゴールした。ワセダに進学した理由を「このWに憧れて」とユニホームを見て話した吉田。これからの活躍が楽しみだ。

(記事 大道瞳、写真 手塚悠)

★神内が自己ベストを塗り替える好走

自己ベスト更新で好調をアピールした神内

 3000メートル障害のレースは工藤晧平(スポ3=熊本工業)が引っ張るかたちでスタート。神内隆年(スポ4=京都・山城)も4番手につけ上位をうかがう。レースが動いたのは2000メートル。それまで先頭を走ってきた工藤が失速し先頭集団から遅れ始めると、神内が代わってトップに立ちラスト1周の鐘を聞く。300メートルを残した時点で田子祐輝(法大)にかわされるも、神内は最後の直線で猛烈なスパートをかけ追い上げる。優勝こそならなかったものの、9分01秒72の自己新記録で2位と神内の好走が光った。

(記事 菅原理紗子、写真 和田真朱乃)

★ワセダの2人がデッドヒート!

わずかな差で競り勝った牧野

 400メートルのレースに出場したのは浦野主将と牧野。「足の調子も良かった」という浦野主将は前半から積極的にとばしていく。一方の牧野はゆったりした入りとなったが、後半に強いいつものスタイルで次第に順位を上げる。浦野主将が後続を5メートル以上離して最後の直線へ。このまま優勝かと思われたが、牧野の猛チャージで激しい競り合いとなる。最後は胸の差で牧野が先着。ワセダがワン・ツーを独占したかたちとなったが、タイム等の面ではどちらも納得のいく走りとはいかなかった。「46秒を切っていきたい」(牧野)と目指すところはまだまだ高い。2人のラストシーズンは始まったばかりだ。

(記事 菅原理紗子、写真 大道瞳)

★シーズン初戦はまずまず

100メートルで2位となった九鬼

 100メートルでは九鬼巧(スポ2=和歌山北)が2位、三原浩幸(スポ2=千葉東)が3位と、結果だけを見ればうまくまとめたと言える。しかし九鬼は「トップスピードが出ていない」と課題を挙げ、シーズン初戦で好タイムが出なかったことを反省した。同学年のライバル・山縣亮太(慶大)に0、2秒の差をつけられたことも悔しかっただろう。それでも予選と比較すれば「うまく気持ちも乗って走れた」と決して調子は悪くはない。今月29日に行われる織田幹雄記念国際大会では、10秒45の日本選手権参加標準記録を狙いにいく。

(記事 菅原理紗子、写真 大道瞳)

★ワン・ツーは逃すも手応え

集団を引っ張る平賀(左)、山本

 5000メートルには平賀翔太(基理4=長野・佐久長聖)と山本修平(スポ2=愛知・時習館)が出場。「なるべく前半で離していきたい」との言葉通り、山本はスタートから積極的に前へ出る。終始ワセダの2人が先導するかたちでレースは進み、中盤以降先頭集団は早大勢2人、明大勢2人の4人に絞られた。4000メートルまでは1度も先頭を譲らなかったワセダだが、ここでこれまで後ろにつけていた横手健(明大)に一気にロングスパートを仕掛けられる。山本、平賀はついていくことができず、その差は100メートル弱にまで広がってしまう。山本は14分15秒89の2位、平賀は14分18秒23で続いた。「相手が強かった」と横手をたたえた山本だが、自身も手応えは感じている。まずは来週行われる兵庫リレーカーニバルで自己ベストを更新したい。

(記事、写真 菅原理紗子)

★先行逃げ切りを狙うもうまくいかず

惜しくも法大に敗れたが、粘りの走りを見せたアンカー野澤

 今大会の最終種目である4×400メートルリレー。去年までとはオーダーを変更し、これまでアンカーを務めることが多かったエース浦野主将が2走を務める。牧野—浦野と4年生コンビの継走で先行逃げ切りを図ったが、アンカー勝負で法大に猛追を許し、惜しくも2位となった。首位・法大との差はわずかに0、02秒。浦野主将は「僕がもっとリードを作らないといけない」(浦野主将)と話したが、ことしはマイル陣の層もより一層厚くなっている。昨年叶わなかったマイルでの優勝を、ことしこそ果たしてくれるに違いない。

(記事、写真 菅原理紗子)

結果

※対校種目決勝のみ掲載

▽100メートル

九鬼巧 10秒57(2位)

三原浩幸 10秒80(3位)

▽400メートル

牧野武 48秒50(1位)

浦野晃弘主将 48秒54(2位)

▽800メートル

吉田貴洋 1分54秒19(1位)

石原太地(スポ4=東京・早実) 1分58秒08(10位)

▽1500メートル

工藤晧平 3分59秒64(5位)

中村信一郎(スポ1=香川・高松工芸) 4分04秒74(6位)

▽5000メートル

山本修平 14分15秒89(2位)

平賀翔太 14分18秒23(3位)

▽110メートル障害

早川恭平(スポ3=長野吉田) 14秒22(2位)

秋山大輔(スポ4=徳島・城ノ内) 14秒55(5位)

▽3000メートル障害

神内隆年 9分01秒72(2位) 自己新記録

工藤晧平 9分10秒72(4位)

▽走高跳

林風汰(スポ3=三重・宇治山田商業) 1メートル75(6位)

早川恭平 記録なし

▽棒高跳

土井翔太(スポ4=香川・観音寺第一) 5メートル00(1位)

安藤大地(政経4=香川・観音寺第一) 4メートル80(2位)

▽走幅跳

林風汰 7メートル10(3位)

渡辺翔大(スポ3=静岡・沼津東) 6メートル97(5位)

▽三段跳

林風汰 14メートル02(4位)

渡辺翔大 13メートル25(6位)

▽砲丸投

ディーン元気 13メートル39(4位)

土井翔太 10メートル28(8位)

円盤投

ディーン元気 46メートル26(1位)

石井祐人(スポ4=埼玉・武蔵越生) 27メートル97(10位)

▽やり投

ディーン元気 79メートル60(1位)自己新記録 大会新記録 早稲田新記録

土井翔太 59メートル30(4位)

▽4×100メートルリレー

早大(三原―九鬼―竹下―欠畑) 40秒29(2位)

▽×400メートルリレー

早大(牧野―浦野―竹下―野澤) 3分11秒40(2位)

▽対校得点(トラックの部)

1位 早大 91点

2位 法大 67点

3位 明大 65点

▽対校得点(フィールドの部)

1位 慶大 79点

2位 法大 63点

3位 早大 62点

▽総合得点

1位 早大 153点

2位 法大 130点

3位 慶大 127点

4位 明大 72点

5位 東大 41点

6位 立大 25点

コメント

浦野晃弘主将(スポ4=広島皆実)

――きょうの400メートルのレースを振り返って

結構状態が良くて足の調子も良かったので、記録を出せるかなと考えていたんですけど、やはり正直気持ちの面でも余裕がなかったなと。タイムを出そう勝負しようといったような気持ちが強すぎて、うまくいかなかったというのが自分の中ですごく悔しいですね。

――最後の最後で牧野武選手(スポ4=愛知・時習館)にかわされてしまいました

そうですね…正直意識もあまりしていなかったんです。やはり勝つなら絶対圧勝だなと自分の中で強気で思っていたので。状態も良かった分、どうしたらいいかなと悔しかったです。

――レースの最中のご自身の感覚としてはいかがでしたか

感覚としては、なんでうまく走れないんだろうという感じです。去年の秋くらいから結構調子は良くて練習ではできているんですけど、その状態をレースの中でも求めすぎて空回りしてしまったかなということは感じました。

――4×400メートルリレー(マイル)はいかがでしたか

400メートルの勢いがあまりにもなくて、自分はエースという立場なのにうまくいかなかったので…そこが納得いかない一番の部分ですね。

――法大とは0秒02差でした

やはり僕がもっとリードを作らないといけないというのがあったんです。後輩たちにどう先輩たちが走っているかというのを見せることが重要だと思うんですけど、それがうまくできなかったことで、どこかで自分たちがたぶんマイルに対しても競技に対してもまだ本気じゃないのかなとすごく感じました。

――去年と比べて走順が変わっていました

今回はできるだけ前半にリードを作って1位をキープしつつ差を広げて、アンカーが初めての人でも大丈夫なようにと思ったんですけど、失敗というか…結果的にそうなったという感じですね。

――ことしは新入生がマイルに絡んでくるのではないですか

そうですね。結構層が厚くなってくるので僕もうかうかしていられませんし、チーム内で張り合うことでいままで逃してきたリレー種目の優勝がぐっと近づいてきたので、目標としてそこ(優勝)は絶対に消したくないです。

――今大会でワセダは5連覇を果たしました

結果的には総合優勝だったんですけど、記録が良かったのかと見てみると、個人としても組織としてもやはりタイムが出ていないですし、優勝数が少ないですよね。ディーン(元気、スポ3=兵庫・市尼崎)があれだけ勢いをつけてくれたのにチームの中でそれを起爆剤にできなかったので、この組織はまだ甘いところがあるなと思いました。

――関東学生対校選手権(関カレ)に向けての意気込みをお願いします

僕にとっては4年目で最後の年なんですけど、3年間全くうまくいかなかったので、ちゃんと勝ってワセダにありがとうと言いたいです。チームとしては去年総合優勝していることでプレッシャーは感じるんですけど、まず多種目優勝で去年の優勝数を超えて、結果的に総合優勝するというのを理想に頑張っていきたいと思います。

――今後の予定はどのようになりますか

3日後くらいからアメリカのほうで遠征に行くので、そこで何かつかめたらと思っています。

牧野武(スポ4=愛知・時習館)

――きょうの400メートルのレースを振り返っていかがですか

結果的に優勝できたのですが、タイムが予想していたより悪かったです。浦野(晃弘主将、スポ4=広島皆実)を最後なんとかかわしたかたちでまだまだと思っています。

――コンディションはいかがでしたか

ことしはケガが多くて練習を積めなかったのですが、とりあえず今回3本走れたのは良かったと思います。

――今季の目標タイムは

ことしは46秒を切っていきたいです。関東学生対校選手権(関カレ)までに練習を積んでレベルアップして狙いたいです。

――関カレまでのどのように練習を積まれる予定ですか

アメリカや織田幹雄記念国際大会など試合が多い中で、しっかり自分の体の状態を見つつ練習を積んでいければと思います。

――4×400メートルリレー(マイル)についてはいかがですか

結果としては非常に悔しいです。自分が1走でもっと良い流れをつくれれば良かったなと。仕事が果たせなかったです。

――夕方冷え込みましたが影響はありましたか

最後までペースが落ちたり、フォームが崩れたりすることなくしっかり自分の走りができたと思います。

――次戦に向けて抱負をお願いします

次の対校戦は関カレなので、そこでは個人もマイルも記録を狙いたいです。

ディーン元気(スポ3=兵庫・市尼崎)

――ロンドン五輪参加B標準記録を突破されましたがお気持ちはいかがですか

普通です(笑)。(ロンドン五輪参加)A標準記録が目標なので、まだ通過点ですね。周りはちやほやしてくれますけど、全然満足はしていないです。

――去年は世界選手権(陸上)の参加B標準記録を強く意識されていたように思うのですが、ことしは目標が高くなっているのでしょうか

高校生の頃からずっとロンドン五輪に出るぞという思いでやってきたので、そういう意味では去年の世界選手権に向けた思いというのは、ことしと比べて思い入れが違いますし、ことしはやはり父の母国であるイギリスでの開催なので…力の入り方というのが違いますよね。常日頃の生活から全然変わりました。

――きょうは記録が出るだろうという予感はありましたか

きょうはそれくらい(五輪参加B標準記録)は出るかなと。80メートル超えれば良いなと思って練習の一環として出場したのですが、その中で一応自己ベストが出て五輪参加B標準記録が出ているので、ぱっと出て記録が出たみたいな感じです(笑)。

――調子はいかがでしたか

体は疲れていましたね。先週今週とずっと追い込んでいたので。体は割と疲れていました。

――追い込んでいたというのは

この大会は本番に似たようなかたちの練習という位置づけで、今月29日の織田幹雄記念国際大会に合わせようと思っています。ここで1回合わせてしまうと波の作り方が難しいので。

――アメリカで79メートル26と当時の自己記録を更新された時はどのようなコンディションだったのでしょうか

アメリカなので32度で暑かったです。夕方の6時くらいから始まったんですけど、緯度が日本と違うのでもっと明るくて風もなくて…外人がいっぱいいてみんなが盛り上げてくれたという感じで、すごく良い雰囲気でした。

――調子は良かったのですか

その時は沖縄から石垣島に行ってそのままアメリカと合宿等が続くスケジュールだったので、体はへとへとでした。筋肉痛とかはなかったんですけど、何とも言えない倦怠感みたいなものがあったので、今回のほうが状態としては良かったです。

――そういった良くないコンディションでも記録を伸ばせるというのは地力がついたということでしょうか

そうですね。地力というか底力がついたんだと思います。

――フィンランド合宿でやりの向きと腕振りの向きを合わせるように修正されたとうかがいました

でもきょうはずれてましたね(笑)。投げた瞬間に「ああ」と思って…納得のいく試技ではなかったんですけど、記録が出たのでとりあえずはこれで良いかなという感じで4、5投目をパスして。6投目は集中できなかったので、途中で止まりました。

――去年は6投目が得意という印象を持っていたのですが

そうですね…でもことしはそうでもなさそうです(笑)。いろんな意味で考えが変わったというか、なんなんですかね…。去年6投目で良い記録が出ていたのは接戦が多かったからというのもあると思います。

――29日の織田幹雄記念国際大会に向けて抱負をお願いします

ロンドン五輪参加A標準記録を投げます、絶対投げます!

九鬼巧(スポ2=和歌山北)

――きょうの100メートルのレースを振り返っていかがですか

今シーズン初戦だったので良い形ではと思っていたのですが、レース内容としてはうまくまとまってもタイムが思うようにいかなかったので、それが心残りです。

――記録については納得されていない

予選から流れが悪かったので、しっかりタイムを狙っていけるように走らなきゃいけないと思います。決勝ではうまく気持ちも乗って走れたと思うのですが、課題なのはトップスピードが出ていないことです。中間疾走がまだうまく走れていないので、10秒57というタイムで終わってしまいました。

――4×100メートルリレーについてはいかがですか

バトンパスのミスが目立ちました。そこは本当に申し訳なかったです。最初は1走の予定だったのですが、急きょ2走に変わって。戸惑うことはなかったのですが、少しうまくいかなかったかなという印象です。ですが、関東学生対校選手権(関カレ)に向けてまだ走順もわからないですし、メンバーも変わることがあるかもしれないので、今後のリレー練習につなげていきたいと思います。

――昨年までと比べてチームの雰囲気はいかがですか

去年は4年生の先輩が1人いらっしゃって引っ張ってくださっていました。きょうはオール2年生のチームだったのですが、きょうの感じを見ていると、今回はそういった引っ張るかたちができなかったので、ぐだぐだとしたアップになってしまいました。そこはやはり反省すべきところだなと思います。

――これからの目標を教えていただけますか

今大会、アメリカでの試合、織田幹雄記念国際大会、関カレのうちのどこかで日本選手権の標準記録である10秒45を切らないと日本選手権に出られないので、この4つで10秒45は切りたいと思っています。どの試合で狙ってどの試合を調整にするかを見極めて、タイムを狙いたいです。特に織田幹雄記念国際大会は選考で通ったので予定していなかった大会に出られることになり、また記録も出やすいところだと思うので、狙っていきたいです。

山本修平(スポ2=愛知・時習館)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

結果として負けてしまったので、反省する点が多かったかなと思います。

――集団を引っぱっていこうというのはレース前から頭の中にあったのですか

そうですね、はい。やはりメンバーを見ても僕らが引っぱっていかなきゃいけないのかなという感じがあったんですけど、最終的には勝負ですので、なるべく前半で離していきたいなというのがありました。でもついてこられて最後やられてしまったので、やはり相手も強かったかなと思います。

――明大の横手健選手のロングスパートは想定外だったのでしょうか

確実に来るだろうなとは思っていたんですけど、相手が強かったというだけです。

――今月8日に出場した早稲田大学競技会の3000メートルでどのような感覚をつかんでいたのでしょうか

あれは調整というかたちだったんですけど、そのレース以前に合宿を行っていたので疲れているなというのは感じました。でもそこで1本走ることで体がほぐれたかなと自分では思っていたのですが、きょう走ってみて甘かったかなという印象です。体はやはりまだ疲れていたんだなとすごく思いました。

――合宿を終えて成長した点は何ですか

スピードが割とついてきたと思いますし、体力もかなりつきました。あと今回のレースのように、前半早めのペースでどんどん押していけるということに関しては手応えあったかなと思うんですけど、まだ最後のキレがなかったのでその点は今後力をつけていきたいと思いますね。

――きょうのレースは来週行われる兵庫リレーカーニバルに向けた練習の一環ということになるのでしょうか

一環にはなるんですけど、対校戦ですので負けてはいけなかったかなと。今回は難しいレースでした。そういった状況下でも勝っていく選手は強いと思いますので、まだまだ自分は甘いなと感じました。

――来週に向けて抱負をお願いします

ここでだめだった分は兵庫リレーカーニバルでしっかり返さないといけないと思います。ただ今回は自分なりに手応えがあったので、自己ベストは出せるんじゃないかなと考えています。厳しいレースになるとは思うんですけど、記録は出していきたいです。

吉田貴洋(スポ1=和歌山・田辺)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

1レーンに2人入るようなレースは初めてだったので、スタートが難しかったです。さらにコースでセパレートからカーブに入るまでがうまく位置取りができず、最初は少し戸惑いました。ですが、1周目をスローで通過して後半で勝負に持ち込もうと残り200メートルでペースを上げました。

――大学デビュー戦となりました

やはり高校の試合とは雰囲気が異なるので、新鮮な気持ちで臨みました。大学のレースは展開がスローになることも多いので、自分としてはいままでとは違うという意識を持っています。

――ワセダのチームはいかがですか

思ったより厳しくていまはまだ戸惑いがあります。

――なぜワセダを選んだのでしょうか

このWに憧れを持っていたということです。種目は違いますが、東京箱根間往復大学駅伝(箱根)などでかなり有名なところなので、このWを背負って走りたいという気持ちが一番強いです。

――次はどちらの試合に出場されますか

地元に戻って、和歌山グランプリに出場するつもりです。

――では次戦に向けて抱負をお願いします

初めから自分でレースをつくって速いペースで入り、自己ベストに近いタイムを出したいです。