関東学生対校選手権(関カレ)から1週間が経過した5月27日、第224回日本体育大学長距離競技会が行われ、惜しくも関カレには出場することのできなかった15人の選手が出場した。Bチームで練習を積む選手が中心となった今記録会。5人のルーキーたちも大学デビュー戦となるレースを経験した。
スパートをかける田中
男子5000メートル19組には西城裕尭(スポ4=東京・早実)と田中鴻佑(法3=京都・洛南)が登場。西城は5番手と好位置につけたものの、田中は後方からのスタートとなった。「14分20秒を切るレース」を目標に挑んだ田中は前半から積極的にレースを進めたいところだったが、なかなか前に出ることができない。ようやく順位を押し上げることができたのは3000メートル過ぎ。西城もかわして3番手につけた。しかし後半、思うようにペースを上げきることはできず、14分35秒30と目標からは遠い記録に。「3000メートルまでである程度勝負をして、そこから粘るレースをしたい」と語っていただけに、悔しさの残るレースとなった。
続く20組に登場したのは相原将仁(教3=東京・早実)。集団が相原の自己ベストよりも早いペースで入りの1000メートルを通過するも、「前半から攻めていこう」と怖気づくことなくきっちりとついていく。集団の中で楽に走ることができていた相原。遅れ始めたのは2000メートルを過ぎた頃だった。本人も「身体が動かなくなった」と振り返るように、徐々に順位を落としていく。落ちたペースが再び上がることはなく、組20着となる14分37秒00でゴールした。
相原は後半やや苦しい走りとなった
残されたトラックシーズンはもう長くない。2選手は自己記録を更新したものの、思うようなレースができなかった選手が大半だろう。今回見つかった課題をそれぞれがいかに克服できるか。着々と迫ってくる駅伝シーズンに向けた戦いは、もう始まっている。
(記事、写真 菅原理紗子)
結果
▽男子5000メートル
13組
三井泰樹(人1=山形東) 15分16秒27(4着)
安田匡(商1=福島・安積) 15分28秒46(8着)自己新記録
鳥山賢(教1=岡山城東) 15分36秒98(19着)
14組
山田明幸(人2=福島・白河) 16分14秒11(35着)
16組
山下尋矢(スポ1=静岡・浜松西) 15分13秒09(14着)
神田一貴(商3=兵庫・須磨学園) 15分26秒69(22着)
岡野徹(文3=兵庫・星陵) 15分34秒69(26着)
17組
高橋広夢(スポ2=東京・東大付属) 14分44秒84(3着)自己新記録
當山貴大(政経2=沖縄・コザ) 14分52秒19(10着)
山田侑矢(スポ2=三重・伊勢) 14分52秒63(11着)
三浦雅裕(スポ1=兵庫・西脇工) 15分02秒56(20着)
18組
萩原涼(人4=東京・早実) 14分59秒53(26組)
19組
田中鴻佑(法3=京都・洛南) 14分35秒30(4着)
西城裕尭(スポ4=東京・早実) 14分53秒69(15着)
20組
相原将仁(教3=東京・早実) 14分37秒00(20着)
コメント
相原将仁(教3=東京・早実)
——きょうのレースを振り返っていかがですか
ちょっと練習の疲れが残っていて、前半集団の中で楽には走っていたんですけど、そこから後半身体が固まってしまってうまく走れなかったです。
——目標タイムはどのくらいに設定していましたか
14分10秒台を狙っていたのですが、身体が動かなかったので届かなかったですね。
——どのようなレースプランをお持ちでしたか
自分のベストよりも少し早いペースで周りが入ったので、前半から攻めていこうかなと思っていました。
——集団の中で走りにくそうな場面も見られました
そうですね。前を走っていた選手と接触してケガをしたことでリズムが崩れてしまったので、そこが残念でした。
——前半は良いペースで刻めていたということでしょうか
(目標タイムに)いけるかなというタイムではいっていたので、本当はそのままつければベストでした。
——どのあたりから苦しくなったのでしょうか
2000メートルを過ぎたあたりから身体が止まったように感じました。
——練習の疲れというのは
関東学生対校選手権(関カレ)のハーフ組と一緒に練習をしてきて、5月半ばくらいにいきなりこの記録会に出ることが決まったので、あまり調整ができなかったですね。
——次のレースは夏明けになるのでしょうか
そうですね。夏までは練習をして、秋の駅伝シーズンにつなげるという感じです。
田中鴻佑(法3=京都・洛南)
——きょうのレースを振り返っていかがですか
14分20秒を切るレースをしたいと思っていたので、前半から若干消極的になってしまった点がだめでした。
——中盤以降はどんどん前に出て積極的にレースを展開しているように感じました
なかなか前に抜け出せない状況で、先頭も若干スローペースだったことは分かっていたので早めに出たいとは思っていたんですけど、結局出たのが3000メートル過ぎになってしまって…最後もあまり上げて終わることができず悔しかったです。
——ご自身のレースプランとしてはもっと早くから前に出て勝負したかったということでしょうか
そうですね。3000メートルまでである程度勝負をして、そこから粘るレースをしたいと思っていたので、当初の予定とはまた違ったレース展開になりました。
——調子自体はいかがでしたか
関カレ期間を2週間挟んで、応援の分練習が積めなかったという部分もあったので、かなり調子が良かったというわけではありませんでした。ただ最低限ベストに近いタイムでは(走ろう)と思っていたので、その点ではもっと狙えたかなと思います。
——関カレの結果などから刺激や影響は受けられましたか
ことしも結局応援という立場になって、1つ下の田口(大貴、スポ2=秋田)が初めてエンジを着てハーフマラソンを走ったりと、ちょっと前まで同じくらいのレベルだった選手がエンジを着て走る姿を見ていたので、やはり自分もいつかそうなれるようにと思って勢いをもらったというか、自分も負けたくないという思いで走りました。
——次のレースは夏明けになるのでしょうか
2週間後の日本体育大学長距離競技会も出ないということになったので、しばらく練習を積んで、レース自体は夏が明けてからというかたちになるかもしれないです。