今回お送りするのは、今季ここまで大きな飛躍を見せている3年生、野澤啓佑(スポ3=山梨・巨摩)、早川恭平(スポ3=長野吉田)、林風汰(スポ3=三重・宇治山田商)の対談。種目は違えど切磋琢磨(せっさたくま)しながら成長を続け、関東学生対校選手権(関カレ)ではそれぞれ表彰台に上った。しかし、三人が目指すのはあくまで頂点。日本学生対校選手権(全カレ)に向け、飽くなき向上心と学生チャンプに懸ける思いに迫った。
※この取材は9月1日に行ったものです。
「相乗効果は自然と生まれてきた」(野澤)
笑顔を見せる野澤
――いまはどのような練習をされていますか
林 日本学生対校選手権(全カレ)がもう1週間前になってきているので、いまは全カレに向けて調整のような練習をしています。
――現在のコンディションはいかがですか
林 全カレに向けて良い感じに身体の調子も良くなってきているので、順調だと思います。
――野澤選手はいかがでしょうか
野澤 僕はいま疲労が結構たまっていてあまり走れていないので、練習を軽めにしています。この疲労が取れてしまえば全カレはいけるかなという感じなので、いまはほとんど軽めにジョグして台走してという練習をしています。
――その疲労は練習でたまったものですか
野澤 夏シーズンに試合が結構続いたときがあって、そういう疲れがいまきているのかなという感じです。
――早川選手はどのような練習をされていますか
早川 僕も調整でみんなと同じようにやっているんですけど、ポイントを持ちながら1週間前なので刺激を入れつつやっています。秋シーズンというとそんなに試合数が多くはないので、全カレできちっとチームに貢献できるように身体のコンディションを整えていっているところですね。
――菅平で合宿を行ったと伺いましたが、時期はいつ頃だったのでしょうか
野澤 えっと、9月の…
林 え?
早川 は?
野澤 あ(笑)。7月後半と8月前半です。
――合宿ではどのような点を強化されましたか
早川 涼しいところに行って違う環境で練習しようということがまず1つです。合宿では平地じゃなくて下り坂やクロスカントリーコースのようないろんな環境でも結構練習しました。あとはそれぞれ異なった課題を持っていると思うので、それに応じた練習をしたという感じですね。
野澤は日本選手権で味わった悔しさを全カレにぶつける
――春シーズンはみなさん好調だったと思うのですが、ご自身で振り返ってみていかがですか
野澤 どうぞ、林くんから。
一同 (笑)
林 春シーズンは追い風参考記録ではありましたが、関東学生対校選手権(関カレ)で一番良い記録を出せました。その1つ前の日本大学競技会から自己ベストを出して良い流れで来ていて、春シーズン全体で考えればすごく調子が良かったんですけど、関カレ以降の試合は小さいケガや調整がうまくいかないことがあって、記録を出す力はあったんでしょうけど、それを出せなかった部分がありました。関カレ以降の夏シーズンはその点で悔しい思いをしたので、その悔しさを全カレにぶつけようという思いで過ごしてきましたね。
野澤 春シーズンはピークを日本選手権に持っていったんですけど、そこで自己ベストが出て順調にきました。全カレも来年のユニバーシアードの選考がかかってくるので、今回は記録もそうですし、順位が大事になってきます。それを目標に夏は取り組んできたので、記録と順位をしっかり出せればいいかなと思います。
早川 今シーズンは関カレでの表彰台と日本選手権できちっと戦うということが目標だったので、その2つに関しては結果としては達成できた感じはあるんですけど、やはり全体を通して気持ちの面でも身体的な面でももう一歩足りなかったというか踏み込めなかった部分があって、そういったところに重きを置きながら夏シーズンはやってきました。来年のユニバーシアードなど大きな大会の選考も全カレで兼ねられてきますし、チームの対校戦という重要な大会でもあるので、そこで自分の力を最大限発揮できるようにということを考えながら練習しています。
――野澤選手は早稲田記録、早川選手、林選手も早稲田記録に近づく歴代3位の記録をお持ちです。その点についてはいかがですか
林 ことしの全カレは走幅跳に関してはすごくレベルが高いので、優勝やユニバーシアードを見据えて勝つためには早稲田記録は塗り替えなきゃいけないところだと思っています。ただ、早稲田記録を塗り替えるという位置づけにするのではなくて、全カレで優勝するために結果として早稲田記録を塗り替える記録が必要になると考えるようにしています。ことし中にそれが達成できたら一番ですね。
野澤 早稲田記録を塗り替えることができてうれしいんですけど、さらに上を目指すにはまだまだの記録なので、これに満足することなく次からは自分との戦いだと思っています。そこでは自分の記録をどう世界のレベルに近づけられるかが課題になってくるので、いかに自分なりに改善して向上していけるかということに重点を置いてやっていきたいです。
早川 早稲田記録とユニバーシアードの派遣標準記録がちょうど一緒で、それを切ってかつ全カレで勝っていくことが大前提というか勝負のポイントだと思っているので、全カレでその部分はきちっとやっていきたいです。前半シーズンにあと一歩だったという思いはディーン(元気、スポ3=兵庫・市尼崎)や九鬼(巧、スポ2=和歌山北)が日本でしっかり戦ってなおかつ世界に出て行ったこと、そういった選手が同じ部活や学年にいることで感じた部分でした。来年のユニバーシアード、世界選手権に向けても、チームにとっても全カレは本当に大きな大会だと思うので、まずはそこに合わせてみんな調整しているんだと思います。
――この春の飛躍の要因を何だと考えていらっしゃいますか
林 あるとすれば、ワセダでスプリントに重点を置いた練習をしてきたことですかね。僕が高校のときからもともとそういうタイプだったというのもあるんですけど、スプリントに重点を置きながら練習した結果、ことし100メートルの自己ベストも出たので、単純に足が速くなったことが跳ぶのに役立っている点は絶対あると思います。
野澤 僕は春先にマウントサックリレーに出場したことが今回の結果に一番つながっていると思います。初めて海外に行ってレースをしたんですけど、違った環境で自己ベストを出せたというのはすごく自信になりましたし、日本に帰ってきてからレースに挑む姿勢というか意識についても気負いすることや迷いがなくなりました。そういった気持ちの面で結構変われたのかな、今回の結果につながってきたのかなと思います。
早川 冬季練習を順調に積めたということが一番大きいと思うんですけど、ケガがあってもリスクマネージメントをきちんとできて、早めに練習に合流できました。3年生になってことしのシーズンは本当に重要だということはみんなが思っている部分で、気持ちの面で「ことし結果を出さなければいけない」という気負いではなくて、「ことしやってやるんだ」という気持ちが個人的にも全体的にもすごくあったと思うので、そういったことが1人だけじゃなくて相乗効果として結果に表れたんじゃないかなと思います。
――やはりその相乗効果は皆さん感じていらっしゃったのでしょうか
野澤 同じ学年だとディーンがずば抜けているので、やはり1人だけというのが悔しいというか自分もそういう風になりたいという気持ちは全員が持っています。競走部から世界で通用する選手が1人でも多く出ることがこの部としての目標でもありますし、それぞれが世界という舞台への意識が強いので、相乗効果は自然と生まれてきたのかなと思います。
――やはり3年生になって意識の変化があったということなのですか
早川 2年生までのモチベーションが低かったというわけではないんですけど、2年間やってきて各々気付くこともあったと思います。多くの先輩方を見ていても、3年目にしっかり勝負してから4年生になってチームを支える流れというか役割がきちっとあると感じたので、それを自覚できたという意味で気持ちが決まった部分はあるのかなと思います。
「自分も負けたくない」(早川)
質問に応じる早川
――いまはもちろんとても仲が良いと思うのですが、入学当初のお互いの印象を覚えていらっしゃいますか
林 僕が野澤と初めて喋ったのは合宿のときで、こんな見た感じのまんまで、最初から仲良くなりましたね。早川も入学する前から一応知り合いでした。あとはここに入ってくるだけあってみんなしっかりしているところはしっかりしているなと初対面のときには思いました。
野澤 高校のときにトップレベルで活躍している選手ばかりだったので、一緒にこれから戦っていくということにわくわくする感じがありました。
早川 野澤は高校のときの全日本の合宿で一緒になって、種目は違えど同じハードルということでそのときに話したのが最初でしたね。当時の方がもうちょっとまじめだと思ったんですけど(笑)、野澤は自分のことを自分でよく分かっているので、そういうところが羨ましいなといまは思ったりします。風汰は高校生のときに陸マガ(陸上競技マガジン)とかに載っていてすごいなと最初は思っていて…。
林 最初は?(笑)
早川 同じ大学に行くことになってちょいちょい話をしながらここに来て、モチベーションが高いところはやはりすごいなと思っています。お互い結構悩みがちなので(笑)、そういうときは同じ学年のやつに、特に竹井(尚也、スポ3=京都・龍谷大平安)という盛り上げてくれるやつに助けてもらったりします。悪い印象だったやつは1人もいなかったですね。
――竹井選手は3年生の中でムードメーカーなのですね
林 僕は竹井の第一印象は悪かったです(笑)。
早川 たしかに竹井の第一印象は悪かったです(笑)。
――それはなぜですか
早川 勉強でワセダに入ってきたのでめちゃめちゃ太っていて、お母さんと一緒に来て…投てき選手が来たみたいなことを最初は言っていました(笑)。
野澤 よくよく考えたら(100メートルを)10秒4で走る選手だったんですけどね。
――学年内でのポジションや役回りなどはありますか
野澤 えっと…
早川 じゃあお前説明してみて(笑)。
野澤 (自分を指して)いじられキャラ。
林 おお、わかっとる(笑)。
野澤 (林選手を指して)次くらいのいじられキャラ。
林 そうか?(笑)
野澤 いじられるというかスベる。
早川 (爆笑)
林 それは否定しないわ、わざとスベってるからね。
野澤 (早川選手を指して)で、いじる側。
林 いじるかいじられるかやな、この話って(笑)。
野澤 え、立ち位置でしょ?他には特に…
早川 まあそんな感じっすね。
――本当に3年生の皆さんは仲が良いですね
林 あいつ嫌いとかないですからね。いま競走部自体にそんなことがなくて仲良いんじゃないかなと思いますね。
――ではオフの日に一緒に出掛けたりなさるのですか
林 しますね。
野澤 はい。
――オフの日には外出するタイプですか
野澤 めっちゃ出るタイプです。
林 日による。
早川 出るようにしています。
――外に出たほうがやはりリフレッシュになるということですか
野澤 100パーセント。
早川 試合前はもちろん休んだ方が良いですけど、それ以外はなるべく出るように意識していますね。
――みなさん趣味やはまっていることはありますか
林 ダーツ…。
野澤 ダーツですね。竹井と3人でよくダーツをしています。
――どなたが一番お上手なのですか
野澤 はい!
一同 (笑)
早川 え?そうなん?
林 スコアとしてはたしかにこいつが一番高いですね。
――早川選手はダーツをされないのですか
早川 僕は趣味という趣味が本当になくて。でも最近はまっているのはDVDにダビングする作業です、好きですね。
林 楽しいの…?(笑)
野澤 いや楽しくはない…(笑)。
――ダビングした番組を見るのがお好きという意味ですか
早川 いえ、見ません!
林 ええ?(笑)
早川 ただDVDに焼くだけです。
一同 (笑)
早川はユニバ派遣標準記録である13秒75突破を目指す
――種目は違ってもお互いにアドバイスし合ったりされますか
野澤 はい、それは種目関係なくしますね。
――部内でライバル視している選手はいらっしゃるのでしょうか
林 僕はやはり同学年を意識しますね。特にスポーツ推薦で入ってきた野澤、早川、ディーン、大迫(傑、スポ3=長野・佐久長聖)なんかは気になります。さっきも話しましたけど、ディーンと大迫はちょっと抜けちゃってるじゃないですか。もちろん僕らもそこを目指しますし、それ以上を目指してやってきているので、ライバルとしてはやはり3年生のスポーツ推薦組を意識してやっています。
野澤 僕は特にディーンですね。彼はオリンピックに出て世界で活躍しているので、早くそこに追いつきたいなと思っています。もちろんディーンだけじゃなくて、この中にもこれからもっと伸びる選手もいるだろうし、そういう意味ではみんなライバルです。特に誰か1人だけというわけではないです。
早川 スポーツ推薦組に限らず同学年で活躍している選手は多いので、自分も負けたくないと思ったり追いついていきたいと思ったりしていますね。身近にそういう存在がいてくれることはありがたいと思いつつ、自分も早くそこに行きたいと考えています。
――競技以外でもライバルはいらっしゃいますか
早川 ダーツじゃないの?
野澤 林は僕より下なので、ライバルではないです。
林 お前俺に勝ったことないじゃんか。
一同 (笑)
野澤 直接対決だと結構負けちゃうんです。1人でやってるときは調子良いんですけど…。やばい、これ言ったらプレッシャーに弱いことがばれてしまう(笑)。
林 でもやはりこういう環境なので、ダーツとか些細なことでもみんなそれぞれ負けず嫌いだと思います。何するときも意識しちゃいますね。負けたりしたらいらいらしますし。
野澤はい、態度に出ちゃいますね。
早川 それカルシウム足りてないんじゃないの?(笑)
一同 (笑)
――ご自身でプレッシャーに強いと思われますか
野澤 最近はたぶん強くなったかなと思います。スタート前にも特に不安もなくいつも通りという感じです。
林 僕は高校のときまではそういうの全くなかったんですけど、ここに来てワセダを背負うようになって少なからずプレッシャーを感じていたんだろうなというのがいまだから分かることとしてあって、いまももちろんゼロかというとそうではなくて。いままで築きあげられてきた伝統やそれこそいろんな人のサポートを考えると、やはり気負ってしまう部分はあると思います。ただ、それは試合になったらあまり関係ないですね。
早川 僕はあまり強くない方だと思います。でもことしは調子が悪くても良くても全部そのままでいようと思ってやっていました。風汰も言っていましたけど、本当にサポートが大きくて支えていただいているというのがすごく伝わるので、そういうものを感じながらやっていかなきゃいけないのかなとも思います。結果でしか、というと語弊がありますけど、恩返しのかたちとして結果があるので、結果を出さなければいけないという責任感と自分がどこまでやれるんだろうというわくわく感も含めて競技をしています。
学生王者へ
質問に耳を傾ける林
――自分のここを見てほしいというポイントはありますか
野澤 風汰は着地!
一同 (笑)
林 そうですね…トラック種目も0秒0いくつの世界で戦っていてすごく面白いと思うんですけど、走幅跳も抜きつ抜かれつというような展開があって。それが高い水準であると見ている人にとっては面白いと思うんです。ことしの全カレはさっきも言ったようにレベルが高いので、きっと高い水準での記録の競り合いを見られると思います。もちろん僕もそこで戦うつもりでやっていくので、そのあたりに注目していただいたら面白いんじゃないかと思います。
野澤 400メートル障害に関しては、ことしの日本選手権決勝に残ったメンバー8人中7人が学生だったんですね。なので今回の全カレは日本選手権の再現ではないですけど、同じメンバーが出てくるので、しっかり勝てたらことしロンドン五輪に行けなかった悔しさを取り戻せるのかな、と。そこでプラマイゼロになることで来年の世界選手権やユニバーシアードの出場権を手にする自信にもつながると思っています。僕のレース展開は後半勝負です。前半遅くても後半しっかり見ていただければ良い位置にいると思うので、そこを見てほしいですね。
――野澤選手はことしの目標として『ゴールへの執念』を掲げていらっしゃいました
野澤 それは礒監督(繁雄、昭58教卒=栃木・大田原)に言われたんですけど、最終的に記録はゴールした瞬間そのときにどういう順位でいるかということがポイントであって、全てなんですね。前半のペースの遅い速いは関係ないんです。じゃああとはゴールにどう辿り着くか、ゴールに向かってどう走るのかが大事なのかな、と。ことしはゴールラインまで自分がどういう走りをするのかを意識しようと思ってその目標を立てました。
――早川選手の見どころはどこでしょうか
早川 風汰も野澤もそうなんですけど、種目のレベルが僕の出場する110メートル障害も高いので、その中でどうやって勝負して学生王者を勝ち取っていくかをポイントとしてやってきました。僕もスタートがあまり得意ではないので、後半勝負になると思います。そこでしっかり自分の持ち味を発揮して勝ちにいくことが大事になってきますし、勝てば必然的に対校得点がワセダに加算されますので、早大競走部に貢献していきたいなと考えています。
――全カレが近づいていますが、チーム内の雰囲気はいかがですか
林 特にみんながわーっと燃えてとかそんな風にはなっていないと思うんですけど、良い感じの緊張感は持っていて大きなケガをしている人もあまりいないです。熱くなりすぎてもだめな部分はあると思うので、そういう面ではいまの雰囲気は落ち着いていて全体的に良いんじゃないかなと思います。
――直前だからといってぴりぴりしたりはしないのでしょうか
林 もちろん競技の直前になればぴりっとしますけど、ところどころで笑い声が聞こえてきたりして、常にそんな状態にはならないですね。
林は自己ベスト更新とともに学生チャンプを狙う
――林選手は全カレに出場されるのは初めてですが
林 そうですね、去年までは全カレの参加B標準記録さえ切っていなかったので。去年も一応応援というかたちで会場に行きましたし試合の雰囲気は分かっているので、特に初めてだから緊張するというのは全くないですね。
――昨年総合優勝していることはやはりプレッシャーになるのでしょうか
野澤 去年僕は全カレに出場したんですけど、得点を取ることができなかったので、ことしきちんと得点を取れたら総合優勝も見えてくると思います。なので特に重圧なんかはないですね。
――野澤選手、林選手はリレーでの出場もあるかと思いますが
林 4×100メートルリレー(4継)は関カレのときよりも全員が全員走れてきているので、僕も走るか走らないか分からない位置にいるんですけど、そのくらいメンバーがせめぎ合ってタイムがどんどん上がってきています。その中で選ばれた4人が走れば優勝もできるんじゃないかな、と。期待していただきたいです。
野澤 マイルに関して関カレは優勝できたんですけど、関カレ以上に全カレでは厳しい戦いになります。やはりそこで1人1人がしっかり走れないと優勝は難しいと思うので、4人だけじゃなくて早大競走部全体というチームでリレーチームを盛り上げて、リレーを優勝というかたちでおさめたいと思っています。
――では最後に、全カレに向けた抱負をお願いします
林 優勝ですね。来年に世界選手権やユニバーシアードがあるので記録を意識しちゃう部分もあるんですけど、それを意識してしまうと意気込みすぎてしまうところがあると思います。とりあえず優勝したら記録はついてくると思うので、この先に僕らの人生も左右するようなターニングポイントがあると思うので、学生チャンプしか考えていないです。
野澤 僕もいまからしっかり調整してやれば確実に表彰台と上位、優勝が見えてくるので、見えてきているものをどう勝ち取るかということを考えてレースに挑みたいと思います。順位が来年につながるので、しっかりつなげられるように1本1本集中して走りたいなと思います。
早川 二人同様きちんと勝負して勝ちたいと思っています。勝つためには当然タイムも必要ですし、そういうものは自ずとついてくるものだと思うので、気負わずにいきたいです。チームにおいても3年生になって上級生の部類に入りましたので、自分たちのことだけじゃなくてチームにしっかり貢献して、去年は総合優勝しているんですけど、あまり深くは考えずにチームに貢献できるように個人的にも頑張りたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 菅原理紗子)
野澤(手前)、早川(左)、林
◆野澤啓佑(のざわ・けいすけ)
1991年(平3)6月7日生まれ。175センチ、57キロ。山梨・巨摩高出身。スポーツ科学部3年。自己記録:400メートル障害49秒53。日本選手権で競技中のディーン選手に声を掛けた野澤選手。テレビニュースにもしっかり映り込んでいたため、たくさんの友達から「何やってるの」という連絡があったそう。「たまたまあのタイミングでディーンが投げちゃったからいけないんですよ(笑)」と冗談交じりに話してくれました。
◆早川恭平(はやかわ・きょうへい)
1991年(平3)11月20日生まれ。186センチ、73キロ。長野吉田高出身。スポーツ科学部3年。自己記録:110メートル障害13秒85。オフの日は寮にこもって何もしたくないタイプだと教えてくれた早川選手。野澤選手、林選手から「ぼーっとしている時間がもったいない」と繰り返し指摘され、最後には「お前らアクティブすぎるよ」と苦笑いを浮かべていらっしゃいました。
◆林風汰(はやし・ふうた)
1992年(平4)1月13日生まれ。175センチ、65キロ。三重・宇治山田商業高出身。スポーツ科学部3年。自己記録:走幅跳7メートル65。100メートル10秒64。DVDにダビングする作業が趣味だという早川選手に対し、林選手は「じゃあ俺の分も焼いてよ」とちゃっかりお願い。快諾してもらうと「マジで?」とびっくりしながらもよろこんで、その後はどんな番組をダビングしてもらうか悩んでいたようです。