長い長い冬の鍛錬期を終えついにトラックシーズンが始まる――。開幕戦となるのは東京六大学対校大会。昨年、総合得点で法大に敗れ、大会の連覇が6で途切れてたワセダは失った王座を取り戻すべく今大会に挑んだ。しかし、「点数を取らなくてはいけない種目で取りこぼしがあった」と九鬼巧主将(スポ4=和歌山北)が語るように短距離種目で思うような結果が出ず、再び王座に着くことはかなわなかった。しかし、4×100メートルリレー(4継)は大会新記録を更新して優勝。4×400メートルリレー(マイル)では新入生の活躍で圧勝するなど、リレー種目は磐石であるところを見せつけた。
ことし創部100周年を迎える早大競走部。節目の年に目指すは関東学生対校選手権(関カレ)、日本学生対校選手権(全カレ)でのトラック優勝と両リレーの学生記録更新。このメモリアルイヤーはどんなシーズンになるだろう。早大競走部の大事な1年が幕を開けた。
(記事 石丸諒)
★大会新記録で初陣を飾る
1着でゴールし観客席に向かいガッツポーズをする欠畑
昨年は関カレ、全カレ共に中大に敗れ、王座を明け渡した4継。新チームの初陣となる今大会で、リベンジに燃えるワセダの4継が上々のスタートを切った。
二枚看板の一角、竹下裕希(スポ4=福岡大大堀)を欠いた布陣ながら、各々が冷静に持ち味を発揮した。2年目を迎え余裕の出てきた1走・須田隼人(スポ2=神奈川・市橘)が落ち着いたスタートを見せると、エース九鬼巧主将(スポ4=和歌山北)が前を行く法大との差を一気に詰め寄る。3走・橋元晃志(スポ2=鹿児島・川薩清修館)で完全に射程圏内に捉えると、バトンを託されたのはアンカーの欠畑岳(スポ4=岩手・盛岡一)。接戦となったが、後半に伸びのある走りで振り切り、1着でゴールに飛び込んだ。
タイムは大会新記録となる39秒81。王座奪還へ向け幸先の良い結果を残したかに思えたが、九鬼は「大会記録は最低限」と満足はしていない様子。今後は学生記録の更新も視野に入れ、練習を積み重ねていくつもりだ。成長を続けるワセダの4継が持つ伸びしろはいまだ計り知れない。
(記事 中澤佑輔、写真 松田萌花)
★ラスト勝負を制し、吉田が3連覇!
表情をゆがめながらも全力でスパートする吉田
最初の400メートルを58秒というゆったりしたペースで進んでいった800メートル決勝。スパートには絶対的な自信を持っている吉田貴洋(スポ3=和歌山・田辺)は、ラストの切り替えに備えて、焦ることなく集団の中盤でスパートの機会を伺う。レースが動いたのは残り300メートル。吉田が一気に後ろを引き離そうとすると、伊澤賢人(スポ3=栃木)もこれに反応しペースを上げた。2人の争いは最終コーナーまで続くも、ラスト100メートルで吉田がさらにペースアップし伊澤はついていけなくなる。得意のラストスパートで強さを見せつけた吉田は見事に3連覇を達成した。
冬季練習では実践的な練習を多く取り入れた。そのかいあってか、落ち着いた表情でレースを展開した。終盤には自身の持ち味を十分に発揮し、今シーズンの順調なスタートを切った。ワセダの中距離ブロックを盛り上げ続ける存在として、さらなる躍進に期待がかかる。
(記事 戸田郁美、写真 平岡櫻子)
★ルーキー野本、自己ベスト更新!
エンジデビューとなった野本。ルーキーながら2着に入った。
110mH決勝には竹吉大記(スポ2=千葉・市立船橋)と、野本周成(スポ1=愛媛・八幡浜)が出場した。スタート直後から接戦が繰り広げられる中、予選では自己ベストとなる14秒34を叩き出したルーキーの野本は2位でフィニッシュ。14秒13の好タイムをマークした。入学後、自身の調子に対して手ごたえを感じていない様子の野本であったが、後半に加速する粘りのあるレースを見せ、対校得点に貢献した。一方、昨年の今大会にルーキーながら出場していた竹吉は、14秒47の5位でレースを終える。予選同様、序盤は果敢に攻めるものの後半は思うようにレースを展開することができず、苦しい結果となった。残念ながら今レースのタイムは追い風参考となってしまったが、緊張しつつも大学デビュー戦において自己ベストを更新したルーキーの存在は、チームに刺激を与えたはずだ。今後は日本学生対校選手権の参加標準記録Aである14秒05を突破することが目標と語る野本。大学生としてのシーズンは始まったばかり。一戦一戦力をつけていく姿が楽しみでならない。
(記事 菅真依子、写真 目良夕貴)
★惜しくもワン・ツーフィニッシュならず
残り100メートルに差し掛かった佐藤(左)と木村
400メートルには佐藤拓也(スポ3=埼玉・越谷西)と木村賢太(スポ3=大分・杵築)が出場。それぞれ1位で予選を通過し、迎えた決勝。佐藤は「練習通りの走りができず、決勝ではスムーズなスタートができなかった」と悔しそうに語った通り、力が入ったややぎこちないスタートとなった。同様に今まで滑り出しからトップスピードで駆け抜けるレースを見せてきた木村も、今レースではスタートでうまく加速しきれない。後半から挽回しようと必死の追い上げを図るも序盤のわずかな遅れが響き、佐藤が3位、木村が4位でフィニッシュ。両者共に納得のいかない結末となった。今後ワセダの短距離の中核を担っていくだろう2人にとって、今大会にてスタートという重要な課題が明らかになった。関カレまでに修正を図り、次こそワン・ツーフィニッシュを果たせるか。
(記事 八木瑛莉佳、写真 中澤佑輔)
★本領発揮ならず惨敗
相手にかわされ顔をゆがめる九鬼主将
九鬼巧主将(スポ4=和歌山北)と竹下裕希(スポ4=福岡大大濠)のワンツーフィニッシュへの期待も高まっていた100メートル決勝。予選各組をともに上位で突破していた両者だが、決勝ではなかなか前に出ることができない。「周りを気にし過ぎてしまった」という九鬼は、中盤まで横一線のレースから抜け出せず、ゴール手前で他大の選手に差をつけられフィニッシュ。3着に終わり、「失敗レース」(九鬼)と肩を落とした。竹下も力を出し切れず、4着。「チームに貢献できなかった」(竹下)と、悔しさをにじませた。ことし、最上級生として、そしてワセダ短距離陣の二枚看板として、チームをけん引する活躍が求められる両選手。「関カレのトラック優勝」(九鬼)という目標に向け、この日のレースで見つけた各々の課題克服を誓った。集大成の今季、その走りでワセダを鼓舞するべく、九鬼と竹下のラストスパートが始まる。
(記事 平岡櫻子、写真 八木瑛莉佳)
★劇的な逆転劇で高田が優勝
見事なラストスパートを見せた高田
「しっかり勝たなければいけない」(高田康暉、スポ3=鹿児島実)、「対校戦なので1点でも多く獲る」(田口大貴、スポ4=秋田)と意気込みを見せ、挑んだ対校男子5000メートル。序盤、法大・関口頌悟を先頭に淡々とペースが刻まれていく。レースが大きく動いたのは残り800メートルに差し掛かった時だった。法大・岩﨑瑛がスパートをかけ、高田、田口、両選手ともに離されてしまう。しかし、ラスト200メートルから猛烈な追い上げを見せた高田が残り数メートルで岩﨑をかわし、優勝。田口も関口を追い抜き3位と1点でも多く稼ぎ、エンジの底力を見せつけた。シーズン初戦を良いかたちで終えた早大長距離陣。ことしは創部100周年という節目の年を迎え、より一層の結果が求められるだろう。それに応えるだけの力は充分にある。勢い増す彼らに注目だ。
(記事 目良夕貴、写真 加藤万理子)
★マイル優勝、新星現る!
Wマークで喜びを表すマイルメンバー。左から愛敬、佐藤、木村、加藤
各校の応援が響きあう中迎えた大会最後の種目は、4×400メートルリレー(マイル)。ワセダは昨季の日本選手権リレー優勝メンバーのうちの3名に、超大物ルーキー・加藤修也(スポ1=静岡・浜名)を加えたメンバーでレースに臨んだ。
1走を務めたのは愛敬彰太郎(スポ2=三重・桑名)。安定感のある走りを見せ、2走の佐藤拓也(スポ3=埼玉・越谷西)にトップでバトンを渡す。一時は明大に追いつかれたものの、ラストに追い上げを見せ、再びトップに躍り出ると3走の木村賢太(スポ3=大分・杵築)が独走態勢を築く。そしてアンカーはルーキー加藤。バトンパスに多少のタイムロスはあったものの、徐々に後続を突き放し、余裕の表情でフィニッシュ。見事、優勝を手にした。
エンジを背負った初の大会にして堂々のデビューを飾った加藤。優勝という結果に関しては、「当然しないといけないとは思っていました。タイムはまだまだこれから」と、ワセダを代表して戦っていく準備は出来ているようだ。新星も現れたワセダのマイルに今後も目が離せない。
(記事 松田萌花、写真 平岡櫻子)
結果
※対校種目入賞者のみ掲載
▽100メートル
予選
九鬼巧 10秒36(+2.3)(1組1着)
竹下裕希 10秒48(+1.9)(2組2着)
決勝
九鬼巧 10秒50(0.0)(3位)
竹下裕希 10秒57(0.0)(4位)
▽400メートル
予選
木村賢太 48秒03(1組1着)
佐藤拓也 47秒85(2組1着)
決勝
佐藤拓也 47秒78(3位)
木村賢太 48秒03(4位)
▽800メートル
吉田貴洋 1分54秒02(1位)
伊澤賢人 1分54秒56(2位)
▽1500メートル
出口翔(スポ3=東京・開成) 3分56秒30 (2位)
池山謙太(スポ3=新潟・長岡大手) 3分57秒70(3位)
▽5000メートル
高田康暉 14分17秒55(1位) 自己新記録
田口大貴 14分20秒32(3位)
▽110メートル障害
予選
野本周成 14秒34(+1.9)(1組1着) 自己新記録
竹吉大記 14秒55(+1.8)(2組2着)
決勝
野本周成 14秒13(+2.8)(2位)
竹吉大記 14秒47(+2.8)(5位)
▽3000メートル障害
高橋広夢(スポ4=東京・東大附) 9分10秒01(2位) 自己新記録
鳥山賢(教3=岡山城東) 9分27秒13(5位)
▽走高跳
仲野遼(創理2=福岡・京都) 1メートル85(6位)
▽棒高跳
石井祐人(早大大学院2=埼玉・武蔵越生) 4メートル20(4位)
▽走幅跳
前田惇(スポ1=東京・早実) 6メートル79(+2.4)(5位)
※公認記録は6メートル60(+1.0)
▽砲丸投
中川雄太(スポ2=和歌山・近畿大和歌山) 12メートル42(5位) 自己新記録
釼持優太(スポ3=神奈川・小田原) 10メートル44(8位) 自己新記録
▽円盤投
中川雄太 32メートル96(7位) 自己新記録
石井祐人(早大大学院2=埼玉・武蔵越生) 30メートル42
▽やり投
釼持優太 62メートル64(3位) 自己新記録
▽4×100メートルリレー
早大(須田―九鬼―橋元―欠畑) 39秒81(1位) 大会新記録
▽4×400メートルリレー
早大(愛敬―佐藤―木村―加藤) 3分11秒03(1位)
▽対校得点
1位 法政大学 139点
2位 早稲田大学 128点
3位 慶應大学 116点
コメント
九鬼巧主将(スポ4=和歌山北)
――本格的なシーズンインとなりましたが、きょうのレースを振り返っていかがですか
予選を走った感じはいい感じかなと思ったのですが、(決勝では)ずるずると力が入らなくなって思うように走れない上に周りを気にしすぎてしまって、結果的に失敗レースとなってしまいました。
――10秒50というタイムに関してはどう捉えられていますか
見るからに良くないです。それに、タイム以上に動きに納得がいかないまま終わってしまいました。課題が残るレースでした。
――4×100メートルリレー(4継)の疲れなどはありましたか
そういうのは無かったです。ただ、良くない動きを修正できずに決勝を迎えてしまいました。何か課題があったはずなのでこれからはそこを修正しないと勝負にならないと思います。
――慶大のルーキーの選手が1位でした
彼は彼ですし、自分のレースをしないと勝負にはならないのですね。きょうは本当に相手を気にしながらというレースになってしまったので、まずは自分のレースを組み立ててしっかりと走らないといけません。そこからの勝負だと思うので、次のレースではそこをしっかりしないと上には上がっていけませんね。
――冬季練習期間は日本代表の合宿にも参加されましたが、いかがでしたか
いろいろ海外に行かせてもらったりだとか、JISS(国立スポーツ科学センター)の方で合宿とかさせてもらいました。ただ、すごく周りが良いのに少しギャップを感じましたね。そこで結構焦る自分とかもいて、空回りしてしまう合宿でもありました。でもその中で収穫はあったので、それとワセダの合宿でやったものを今シーズンにぶつけられるかという気持ちで春シーズンに臨んでいます。それがきょう少しでもできればよかったんですけど、できずに終わってしまいました。
――どういった収穫があったのですか
走りの部分はあまりありませんね。ただ、日本陸連の合宿でオーストラリアに行ったときは日本が雪の降る中、向こうは暖かく半袖半ズボンで練習がでたので冬眠に入っていた体にいい刺激が入りました。そこでガッとは走れなかったんですけど、日本に帰ってきてからはおかげでステップアップできた感じがありました。
――4継は大会新記録でしたが出来としてはいかがですか
大会新記録は最低限でしたね。もう39秒台の前半くらいは出したかったです。1走からの流れがあんまりよくなかったですね。そのままズルズル引きずってしまいました。勝ちはしたんですけど、ああいうギリギリ勝てるようなレースをしていると目標としている学生新記録には届かないですね。
――総合得点で法大に2年連続で負けてしまいました
ことしは創部100周年ということで一つの目標としていた東京六大学対校大会の優勝ができず悔しいです。この大会で優勝して関東学生対校選手権(関カレ)に良い感じでつなげようって口酸っぱく言ってきたので。僕が走った100メートルだったり、400メートルだったりワセダが点数を取らなくてはいけない種目で取りこぼしがあったところがこういう結果につながってしまいました。
――ことしのチームとしての目標をお願いします
チームとしては100周年ということもありますし、ことしは関カレのトラック優勝を目標に据えて春はやっていこうと思います。
――次に個人での目標をお願いします
こっから、きょねんは米国に行っていたのですがことしは沖縄の方に調整合宿に行きます。そして4月29日の織田幹雄記念国際大会(織田記念)、5月の関カレ、6月の日本選手権と続きます。きょう思った感想とか、見つかった課題とかをきっちり沖縄でやって織田記念ではスカッと快走できるように頑張ります。
高橋広夢(スポ4=東京・東大付)
――3000メートル障害のレースを振り返っていかがですか
この種目をやるのが大学1年の時以来だったので、けっこう緊張もしていました。本当は関東学生対校選手権(関カレ)の参加A標準記録を切って優勝したかったのですが、それもできずなおかつ2位という結果で悔しい思いはありますが、ハードルがあまりできていなかった中でのあのタイムだったので、これからも頑張ろうと思いました。
――ハードルに苦手意識などがあったのでしょうか
ハードルが下手だった上に久々にやったので、あまりうまくいきませんでした。
――今後も3000メートル障害で記録を狙っていくつもりですか
そうですね。関カレと全日本学生対校選手権は3000メートル障害で出たいと思っています。
――序盤から先頭集団に位置していましたがレースプランは何かありましたか
渡辺康幸駅伝監督(平8人卒=千葉・市船橋)からは、先頭の方についていくように言われていたので、それを守って前についていこうというプランだったのですが、途中に出過ぎたのが少し余分だったかなと思います。
――ラストの直線で法大の選手をかわしなんとか2位に押し上げました
対校戦なので1点でも取ることが大切だと思ったので、最後まで力を振り絞りました。
――タイムに関しては
タイムは優勝を逃しての記録なので、少し悔しいですね。
――最上級生として新シーズンが始まります。今後の意気込みを聞かせてください
過去三年間、トラックの方では部に貢献出来ていないので、そういった意味でもまずは関カレで得点を取れるように頑張りたいと思います。
竹下裕希(スポ4=福岡大大濠)
――きょうの結果について
シーズン初戦だったのですが、4着という結果で、チームに貢献できなくて悔しいです。
――レース前の目標はありましたか
九鬼(巧主将、スポ4=和歌山北)とともに1、2位をとってチームに得点で貢献したいなと思っていたのですが、結果的に3、4位になってしまって。課題も見つかったレースだと思います。
――その課題とは具体的にはどんなところでしょうか
個人的には、20メートルから50、60メートルの加速局面でいまいちまだ空回りしている部分があって、そこでもっと地面に対して力強くとらえられるようにしていきたいですね。
――一方、良かった点、収穫はありますか
個人の課題や、チーム全体の状況というのがわかったことです。きょうのことを踏まえて関東学生対校大会に向かって、全員で頑張っていきたいと思います。
――冬はどんなトレーニングをされてきましたか
基本は走り込みを中心にやってきました。あとは、ウェイトトレーニングも一緒にうまくやってきた感じですね。
――そういった強化期間を受けて、シーズン序盤での今回のタイムというのはどういった手応えですか
よくもわるくもないという感じですね。シーズン初戦ということなので、悪くはないんですけど、レースの内容が良くなかったので、改善していきたいと思います。
――今季の目標は
チームで早大記録を更新するということと、個人では日本選手権で3位以内で入賞を目指していきたいです。
――最後に次戦への意気込みをお願いします
次戦の織田幹雄国際記念は日本のトップスプリンターが出場するので、その中で、自分のベストパフォーマンスができるように、頑張りたいと思います。
田口大貴(スポ4=秋田)
――きょうのレースを振り返っていかがですか
きょうは対校戦なので1点でも多く獲るということを意識して走りました。
――法大・関口選手が出た時に前に出られましたが意図は
3キロくらいではレースが必ずレースが動くかなと思っていたので、一応そこでもし自分から仕掛ける前にレースが動くようなことがあれば対応をしようかなと思っていました。動揺したりとかはなかったです。
――誰かが動かなくても3000メートル辺りで動こうと思っていたということですか
後半勝負だなとは思っていたので。対校戦ですし、前半から行くことはあまりないかなと思っていました。後半、どうやってレースが動いていくのかなということを考えて走っていました。
――ペースの割に苦しそうな顔でしたが
練習があまり積めていなかったので前半からきつかったですね。
――でも最後に一人抜かしたました
それこそ先ほども言いましたが1点でも多く獲ることが今回の目的なので。ラストになった時に、前の選手のペースが落ちていることが自分でもわかったので行けると思って最後は走りました。
――13日の日体大記録会にエントリーをされていましたが
エントリーはしていますがいまの状態を含めて考えて、次のレースを決めたいと思います。
佐藤拓也(スポ3=埼玉・越谷西)
――400メートルのレースを振り返っていかがでしたか
最近練習の中でも試合をイメージしてやっていたのですけれども、きょうの試合では練習の走りができていませんでした。練習通りやっていれば結果はついて来ると思っていたのですが、それが試合でできなかったことがまだ自分の弱いところだと思います。
――予選では残り数メートルで他の選手を交わしてトップに立ちました
昨シーズンも後半でやられるというケースがあったので、冬季には後半を意識した練習をしていました。特に力を入れるというのではなく、スムーズに予選を走りきってそのままできたので良かったです。
――決勝についてはいかがでしたか
決勝は自分のレースができていなかったのでしっかり改善して、ここから静岡国際や日本選手権、関東学生対校選手権(関カレ)もあるので、修正して自己ベストを更新してワセダに貢献したいです。
――400メートル決勝では同期の木村賢太(スポ2=大分・杵築)選手が出場されていましたが、意識などはありましたか
練習でも一緒に走ったりしているので、特に意識はしませんでした。
――スタートの感触はいかがでしたか
最近の練習ではスタートからスムーズに行くということを意識してやっています。その部分を予選ではできたのですが決勝ではできなかったので、しっかり試合でも練習通りの走りができるようにしたいです。
――関カレの参加A標準記録を突破されましたが、関カレに向けての具体的目標はありますか
関カレでは今回のようなレースではなく、しっかりと自分の練習でできているレースをして関カレでは優勝できるようにしたいです。
――次に4×400メートルリレー(マイル)についてですが、レースプランはありましたか
全体で特にレースプランはありませんでしたが、400メートルのレースで失敗があったので修正してマイルではしっかり走るということを意識しました。優勝という結果に結びついたので良かったです。
――序盤からトップスピードへ運べていた印象がありました
マイルの序盤では力を使ってトップスピードへ持って行くのではなく、スムーズにスピードを乗せて行くということを意識してやっています。練習ではもう少しうまくできていたので次の大会までにそこを修正していきたいです。
――中盤に一旦抜かれてしまいましたが、最後のストレートで抜き返していました
練習や昨シーズンの日本選手権リレーの中でも後半をしっかり出して、ラスト150(メートル)から切り替えるということが最近マイルチームの中での戦術なので、そこは良かったと思います。前半もう少し良い走りをするということが次回の課題です。
――今シーズンの目標をお願いします
関カレと日本学生対校選手権で決勝に残ってしっかり優勝争いをできるようにすることと、タイムに関してはらいねんユニバーシアードや世界陸上もあるので、今シーズンに45秒台を出してらいねんへつなげられるようにしたいです。
高田康暉(スポ3=鹿児島実)
――久々のレースだったと思いますがいかがでしたか
対校戦でもあるので、硬くならないでしっかり勝たなければいけないという気持ちで走りました。
――レースプランはどのように考えていましたか
箱根が終わってからずっとケガでうまく練習ができない中で、今回もごまかしながらここまできて自信がなかったんですけど、最後まで粘ってつけばスプリント的な練習をしていたので最後は勝てるんじゃないかという自信はあったので、タイムは全く気にしないで勝負するだけの走りをしました。その中でしっかり勝てたので最低限はできたのかなと思います。
――途中で一度先頭と離れてから追い上げる展開でした
4000メートル手前ぐらいで田口さんが1回出たところからちょっと余裕がなくなってきつかったんですけど、色々なゆさぶりがある中でいかにきつさをためずに走れるかということを考えていて、離れない程度に粘って最後に行けばいいと思っていました。内容としてはよくなかったですけど、勝つためのやり方だったので最終的には結果を出せて良かったと思います。
――そういう状況でしっかり勝ち切れたことは今後につながる良いレースになったのではないでしょうか
そうですね。今後も勝つことはすごい大事になってくるので次に生きる走りはできたと思います。
――本格的にトラックシーズンが開幕しますが今シーズンの目標は何ですか
今シーズンは関東学生対校選手権の5000メートルで他大の主力と戦いながら、競走部としても100周年を迎えるのでそういう自覚も持ちながら、エースはいない中でもしっかりとした走りをして1点でも多く稼げるように頑張りたいと思います。
――きょねんは1500メートルなど短い距離も走っている印象でしたが、ことしは長い距離を中心に勝負したいということですか
そうですね、ことしは5000で。長い距離の不安も少しはなくなってきてスピードにも自信があるので、それを噛み合わせながら自分の持ち前のスピードを生かせるような練習をしていって他大の主力と競り合えたらいいなと思います。
――目標とする具体的なタイムはありますか
とりあえず13分を出して、そこからは勝負していく中でタイムは付いてくるんじゃないかと思います。
――東京箱根間往復大学駅伝での好走からワセダのエースにという期待も高まってくると思うのですが、その点について思うことはありますか
チームで勝つということが一番大事なんですけど、駅伝でもトラックでもエースという存在がいるだけで違うので、なれるのであれば自分がしっかり走って周りにも刺激を与えられる存在になりたいなと思います。
――最後にことし1年間の意気込みをお願いします
しっかり自分のやるべきことをして、100周年を迎える年でもあるのでトラックでも駅伝でも他大に負けないように走りたいと思います。
出口翔(スポ3=東京・開成)
――今日のレースを振り返って
最初(の1周)が62秒ぐらいで速くもなく遅くもなく、そこから64秒になり落ち着いて、ラスト300メートルでスパートをかけてというレースでした。元々、作戦として明大の2選手が前に出るかなということは予想できたので、できればスパートで差して優勝できればというプランだったのですが、及ばず2着で残念でした。
――ラスト1周で予想通り明大の選手が前に出たときはどういった心境でしたか
スパートに反応できず、気付いたら前にいたという感じでした。1位を狙うのは厳しかったので、その瞬間に2着狙いに切り替えました。
――スパートを決め2位に滑り込みましたね
それは狙い通りでした。
――きょうは今季初のワセダとしての試合でしたが
3年目にして初めて東京六大学対校競技大会に出場したので、エンジの重みを背負って、しっかりと2位に入り7点を獲得できたことは、誇りに思っています。
――冬の間はどういったトレーニングをされていたのでしょうか
メニューは渡辺高博中距離コーチ(平5人卒)から出してもらったものをこなしつつ、自分はウェイトトレーニングなど新しいことを取り組んでみたりしていました。昨シーズンとは違った練習は行ってきました。
――中距離ブロックはことしも元気ですね
みんな切磋琢磨(せっさたくま)しているというか、800メートルにしても、タイムが全員似通っていて誰が関東学生対校選手権(関カレ)に出るか分かりません。1500メートルに関しても競争が激しいので、そういった意味では良い環境でやれています。
――今シーズンの目標を教えてください
1500メートルは関カレ、日本学生対校選手権出場です。まずは記録会で出場して参加標準記録を切りたいと思います。800メートルは日本選手権出場です。
吉田貴洋(スポ3=和歌山・田辺)
——今日のレースを振り返っていかがでしたか
スローの展開だったのですが、ラストしっかり上げられたのでよかったです。
——今日のレースプランはどのように考えていましたか
人数が多いというのと風もあったので、誰か一人が前に行ってくれると良いと思っていました。最悪自分が引っ張ろうとも考えていました。コーナー抜けてから一人出てくれたので、着いていってラスト300メートルでスパートして何とか逃げ切ることができました。
——冬季練習を終えシーズンが始まりましたが、手ごたえはありましたか
関東学連春季オープン競技会にも出たのですが、今回の結果も含めて冬季はかなり成功したと感じています。
——具体的にはどのあたりですか
冬季練習ではかなりタイムトライアルをやっていたのですが、そのタイムトライアルによってかなりレース感覚がつかめていたので、初戦も今回も焦らずレースができました。
——ラストは伊澤賢人(スポ3=栃木)選手と競り合うシーンがありましたが、負けたくないという気持ちが強かったのですか
ラストで来るのは分かっていたのですが、自分は最後までためていて余裕もありました。少し怖かったのですが、自信を持ってスパートをかけることができました。
加藤修也(スポ1=静岡・浜名)
——きょうを振り返って手応えはどうですか
1本目は本当にガタガタでそんなに良くなかったんですけど、4×400メートルリレー(マイル)の方はイメージ的には良い感じで入れたかなと思いました。
——1本目の400メートルのタイムとしてはどのように受け止めていますか
シーズン初めなのであまりタイムは気にしてはいなかったんですけど、47秒台という最低ラインは越せたと思っているので別に気に病むことはなく、今後の課題が見えたということでは良かったのかなと思います。
——マイルはいかがでしたか
バトンが初めてアンダーでもらう形ということもあったので少しもたついてしまったんですけど、走り自体は最初の方に飛ばせという指示が出ていて、自分が思っていたよりはスピードを出せなかったんですけど、全体的には良いイメージを持って走れたのではないかと思います。
——見事優勝されました
でも当然しないといけないとは思っていました。タイムがまだまだこれからかなとは思っています。
——早大の練習に参加したのはいつからですか
世界室内選手権があり、帰国してから参加したので、3月の後半からです。
練習には慣れてきましたか
練習にはだんだんと慣れてきたんですけど、まだまだ寮生活とかいろいろとあるので、とりあえず慣れるところからやっていきたいかなと思います。
——次の試合の予定は何ですか
静岡国際になるのではないかなと思います。エコパスタジアムは自分の現在のベストが出た競技場でもあるので、いい形でできたらいいなと思っています。
——最後にことし1年の目標をお願いします
きょねんは結構良いタイムが出たので、それに付いてくるように全体的なタイムを上げたいというがあります。あと、ことしは世界ジュニア選手権もあるんですけど、表彰台に上るというのを目安に国際経験を積んでいきたいかなと思います。
野本周成(スポ1=愛媛・八幡浜)
――きょうのレースはいかがでしたか
入学して初めての公式戦で緊張しました。
――予選では自己ベストを更新されていましたが、大学に入って調子はどうですか
あまり上がってはいないなとは思っていたのですが、良かったです。
――高校と大学との練習で違いなどはありますか
高校は短い時間の中で決められた練習をやっているので自分のしたい練習ができなかったのですが、大学に入ってからは自分のしたい練習を各自決めて行うことで専門に合った練習ができ、また良い環境も整っているのでそこが違いだと感じました。
――上京してどのくらい経ちますか
ちょうど1ヶ月です。
――寮での生活は慣れましたか
慣れましたが、まだ少し慣れていない部分もあります。
――どのような部分が慣れていないのですか
性格的にふっとした瞬間にボーっとして集合などの時間が守れていないところがまだ慣れていないです。
――今後の目標を教えてください
関東学生対校選手権で良いタイムを出して日本学生対校選手権の標準タイム14秒05を突破することが目標です。